日本列島を北から南へ連続して起った6つの変死事件――奇妙な新婚旅行の男の変死と花嫁の失踪。

スキー宿をかねた温泉宿からの「幽霊をまた出してくれ」との珍妙な依頼に、物部太郎が相棒・片岡直次郎と赴くと…。

ほかの星から流れ着いた〈妖精〉は従順で謙虚、ペットとしてたちまち普及した。

古代史の造詣を巧みに駆使した表題作「火神被殺」、「神の里事件」。

「ああいうアイデアはどうして考えるのかしら」「それは秘密のトバリに包まれている。逆立ちしながら、という説もある。

地方から都会に出てきて、ひとりで暮している若い女のもとに届いたダイレクト・メールの内容は? だれもが見すごしてしまいそうな、目立たない家に住んでいる夫婦者の正体は? 熱帯の小さな国の独裁者に捕えられた男の運命は? めまぐるしく移り変る現代社会の裏の裏のから

神奈川県の相模湖畔で交通関係の業界紙の社長が殺された。

徳川中期、時の先覚者として政治改革を理想に、非難と悪罵の怒号のなか、頑なまでに己れの意志を貫き通す老中田沼意次―従来、賄賂政治の代名詞のような存在であった田沼親子は、商業資本の擡頭を見通した進取の政治家であったという、新しい視点から、絶望の淵にあって、孤独

事故により、脳を残して、全て人工の身体となり、ひっそりと一人で暮らしていたムント氏。

華やかな還暦祝いの席が三重殺人現場に変わった！　宮本音禰に課せられた謎の男との結婚を条件とした遺産相続が巻き起こす事件の裏には…。

藩中きっての臆病者と評判をたてられた若侍が、それを逆用し奇想天外な方法で誰も引受け手のなかった上意討ちを果すまでを描いた『ひとごろし』、“無償の奉仕”という晩年最大の命題をテーマに著者の人間肯定がみごとに定着した『裏の木戸はあいている』をはじめ、戦前の作品

短篇1・或る「小倉日記」伝 他

文明の亀裂をこじあけて宇宙時代をのぞいてみたら、人工冬眠の流行で地上は静まりかえり、自殺は信仰にまで昇華し、宇宙植民地では大暴動が惹起している――人類の未来に待ちぶせる悲喜劇を、皮肉げに笑い、人間の弱さに目を潤ませながら、奇想天外、卓抜なアイデアをとりまぜ

文明の亀裂をこじあけて宇宙時代

信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者犬神佐兵衛は、血で血を洗う葛藤を予期したかのような条件を課した遺言状を残して他界した。

狂気じみたにぎやかな未来への警告を軽妙なタッチで笑いの中に描く短篇傑作集。

幕末から明治へ、数奇な運命を辿った直参の剣士の生涯を描きつつ、維新史の断面を見事に刷る長篇。

幕末から明治へ、数奇な運命を辿った直参の剣士の生涯を描きつつ、維新史の断面を見事に刷る長篇。

娼家に働く女の一途なまごころに、虐げられた不信の心が打負かされる姿を感動的に描いた人間讃歌「つゆのひぬま」等9編を収める。

殺人容疑で捕えられ、死刑の判決を受けた兄の無罪を信じて、柳田桐子は九州から上京した。

昭和20年9月21日、神戸・三宮駅構内で浮浪児の清太が死んだ。虱だらけの腹巻きの中にあったドロップの缶。

両親を海難事故で亡くした六年生の紫郎は、岩場に耳を当て、海のつぶやきを聞くのが好き。それは母の声のように響く。

幸か不幸か生まれながらのテレパシーをもって、目の前の人の心をすべて読みとってしまう可愛いお手伝いさんの七瀬――彼女は転々として移り住む八軒の住人の心にふと忍び寄ってマイホームの虚偽を抉り出す。