1972年夏、キクとハシはコインロッカーで生まれた。

タイム・マシンを発明して、直前に起った出来事を眺める「笑うな」など、ユニークな発想とブラックユーモアのショートショート集。

時を重ねて変わらぬ本への想い……《私》は作家の創作の謎を探り行く――。

27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。

40歳目前、文芸誌の副編集長をしている“わたし”。

士族出身の上流家庭・花村家にやってきた若い女性運転手。

体育会系な文芸編集者の娘&定年間際の高校国語教師の父が挑むのは、出版界に秘められた《日常の謎》! □「応募してませんよ、わたしは」 新人賞最終選考に残った候補者からの思いがけない一言は?(夢の風車) □「実は、扱いに困っている手紙がありましてね」 あ

スタッフの熱い想いを乗せ、構想4年をかけて、堂々たるTVアニメ化! 原作もアニメも楽しめるガイド。

巨大な妄想力の持ち主。主人公のひねくれた学生生活が描かれた、笑撃のデビュー作。

昭和初期の帝都を舞台に、令嬢と女性運転手が不思議に挑むベッキーさんシリーズ第二弾。

帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。

ドタバタとは手足がケイレンし、血液が逆流し、脳が耳からこぼれるほど笑ってしまう芸術表現のことである。

京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。

組織によって選ばれた「社会的要人」の弱みを人工的に作ること、それがユリカの仕事だった。

小学四年生のぼくが住む郊外の町に突然ペンギンたちが現れた。

前作『六の宮の姫君』で着手した卒業論文を書き上げ、巣立ちの時を迎えたヒロインは、出版社の編集者として社会人生活のスタートを切る。

第153回芥川賞受賞作 「早う死にたか」 毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、 ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。

女子大生と円紫師匠の名コンビここに始まる。爽快な論理展開の妙と心暖まる物語。

謎のカルト教団と革命の予感。自分の元から去った女性は、公安から身を隠すオカルト教団の中へ消えた。

最終学年を迎えた「私」は卒論のテーマ「芥川龍之介」を掘り下げていく一方、田崎信全集の編集作業に追われる出版社で初めてのアルバイトを経験する。

一風変わった友人と祇園祭に出かけた「俺」は“宵山法度違反”を犯し、屈強な男たちに捕らわれてしまう。

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。

名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。

コーヒーの香りとともに蘇る、学生時代の思い出とほろ苦い暗号。いまは亡き夫が、俳句と和菓子に隠した想い。

勤め先の二階にある「名探偵・巫弓彦」の事務所。

名作には、こんなにも尽きせぬ謎があったとは！ホームズの相棒ワトソンの知られざるミドルネーム。

昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。

ある夏の夜、酔って遅く帰ってきた姉から、失恋の顛末を聞かされる。

絵に描いたような幼なじみの真理子と利恵を苛酷な運命が待ち受けていた。

19歳でデビューした覆面作家の正体は、大富豪のご令嬢・新妻千秋。

真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

若手編集者の岡部良介が担当する覆面作家こと新妻千秋の正体は、天国的な美貌を持つ可憐な大富豪のご令嬢。

天国的な美貌を持つご令嬢・新妻千秋のもう一つの顔は、覆面作家。お嬢様の推理力が光るのは、小説の中だけじゃない。

遠く、近く、求めあう二つの魂。想いはきっと、時を超える。

錬金術の秘蹟、金色に輝く両性具有者(アンドロギュノス)、崩れゆく中世キリスト教世界を貫く異界の光……。

猟銃を持った殺人犯(黒のキング)が、妻・友貴子(白のクイーン)を人質に我が家に立てこもる。

人生の大切なことは、本とお酒に教わった―日々読み、日々飲み、本創りのために、好奇心を力に突き進む女性文芸編集者・小酒井都。

引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔めいた印象の長身の青年。

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。

小説誌編集者・田川美希は本にまつわる謎にてんてこ舞いの日々だ。

ソフィーの目の前に転がる男児の無残な死体。ああ、私はついに人を殺してしまった。

「あなたがどこかで生きているということが、ずっと私の支えだった──」。

見合い話に苛立ち、後輩の若さがふと眩しい美也子の淡々とした日々に鳴り響く謎の電話。そして一年が過ぎて…「恋愛小説」。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

日常の謎の名手・北村薫による自選集!表題作「遠い唇」のその後とは――? コーヒーの香りで思い出す学生時代。

ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。

泥棒を生業とする男は新たなカモを物色する。父に自殺された青年は神に憧れる。

小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。

子どもの頃に読んだ童話や昔ばなしに、スクリーンに映し出される奔馬の姿に、『吾輩は猫である』のなかの一文に――本格ミステリをこよなく愛する著者は、多岐に亘る読書や経験のなかから、鮮やかな手つきでミステリのきらめきを探りだす。

ヴェネツィアは、今、輝く波に囲まれ、わたしの目の前にあります。沈んではいません。

優秀な介護人キャシー・Hは「提供者」と呼ばれる人々の世話をしている。

会社員の安藤は弟の潤也と二人で暮らしていた。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。