認知症になった益恵を、二十年来の友人アイと富士子が最後の旅に連れ出した。それは、益恵の人生の足跡を辿る旅。

がんで余命半年と宣告されたヤミ金業のマキ子。落ちぶれた取り立て屋の乾。

孤独を愛する人気作家が突然の断筆宣言。担当編集者は作家の住む地方へひとり、向かった。

労働者相手の娯楽の街として栄えた多摩川市は、貧困、暴力、行くつく先は家庭崩壊と、児童相談所は休む暇もない。

この世界が一変するのも、あなたが現れることも、遥か昔から決まっていた―― 古の中国で、この世界を滅ぼしたいという男の怨念から生まれた「竜舌」。

鄙びた港町にある銭湯、みなと湯は地元で暮らす昭和世代にとっての密かな憩いの場だ。

ピアノ調律師の一藤麻衣子には、秘密があった。

タワーマンションが建ち、人口が急増する街で古くから続く花屋を営む桜子。

謎の骨格標本が発掘されたことを報じる地元紙の小さな記事を見つけた家具職人・豊は、数十年前の小学生時代、仲間数人で山中に骨格標本を埋めたことを思い出す。

母親が生活苦から新興宗教に入信し、教団施設で生まれた妹。

刺客は、思わぬところからやって来た。

民生委員の千加子は、「レインボーハイツ」とは名ばかりの、くすんだ灰色のマンションをたびたび訪れる。

駆け出しの造園設計士・高桑は大学の卒論で作庭師・溝延兵衛と、彼の代表作となったある庭を取り上げて以来、長年にわたり取り憑かれ続けていた。

上場企業『ザイゼン』の社長財前彰太は、妻の由布子、娘の美華と三人で幸福に暮らしていた。

陰惨な歴史が残る四国山中の集落・尾峨に赴任した中学教師・金沢には、競技中の事故で陸上を諦めた疵があった。

世界遺産・藤湖のまわりを囲むようにそびえ立つ、静謐な佇まいの十燈荘。

友人と旅行代理店を経営している四二歳の鞠子は、十一歳年下の男と付き合っているが結婚する気はない。

地方都市にすむ本作な平凡な主婦・沙代子はおんぼろ軽四・ピンクのラパンで走行中、飛び出してきたキャバラ嬢・紫苑と接触事故で遭遇。

死を前にした人間を「未練」から解き放つため、天から遣わされた死神、クロとレオ。

友人と旅行代理店を経営している四十二歳の鞠子は、十一歳も年下の男と付き合っているが結婚する気はない。

一九八五年、上野の職安で出会った葉子と希美。互いに後ろ暗い過去を秘めながら、友情を深めてゆく。

フレンチより居酒屋、ワインよりも日本酒、というおじさん女子、園羽純。

何度も同じような悪夢を見る。それはさまざまな女をいたぶり殺すことでエクスタシーを覚えるという夢だ。

甘くてスパイシーで苦くてしょっぱい、人生の味わいを詰めこんだ17の物語。

優秀でありすぎるが故に引きこもりとなった18歳の堤隆太の前で、突然手首を切った女性。

ホームレスの女性が、公園で殺害されているのが発見された。犯人も動機も不明。

小学生のとき、担任の先生と町の外からやって来た男が駆け落ちしたのを忘れられない主婦。

女性死刑囚の心に迫る本格的長編犯罪小説! 幼女二人を殺害した女性死刑囚が最期に遺した言葉―― 「約束は守ったよ、褒めて」 吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。

東京・赤羽の路上で資産家が殺害された。

9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

圧倒的筆致で天才の青春を描いた野性時代フロンティア文学賞受賞作、文庫化 圧倒的「数覚」に恵まれた瞭司の死後、熊沢はその遺書といえる研究ノートを入手するが――冲方丁、辻村深月、森見登美彦絶賛!選考委員の圧倒的評価を勝ち取った、第9回野性時代

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

世間を騒がせている半グレ集団「凶徒聯合」のメンバーが殺された。

ホラー&ミステリの宇佐美まことのデビュー作。受賞作を含む7篇を収録。

亡き夫に唇を触れられたと語り出した義妹（「魂疫」）。縁切り神社で行われる、奇妙な“儀式”（表題作）。

雨の日に現れる喪服の女、地方の風習に隠された秘密、鬼の定義を追求する男、蘇る忌まわしき前世の記憶――。

埼玉で二歳の子を含む一家三人を惨殺し、死刑判決を受けている少年死刑囚が脱獄した! 東京オリンピック施設の工事現場、スキー場の旅館の住み込みバイト、新興宗教の説教会、人手不足に喘ぐグループホーム……。

新央出版の編集者・葛城梨帆の元に突然、原稿が届く。

レジェンドへのリスペクトを胸に 人気作家7名が全力執筆! 真正面から挑戦する超絶技巧の本格ミステリから、 女子高に潜入する火村とアリスや 不可解なダイイング・メッセージに挑む 江神たちEMCの面々まで。

東京の片隅、小さな二階建ての一軒家。

その青年は、神か悪魔か? 無垢な祈りは世界を覆う呪いになる――。

クイズ番組の決勝で、僕の対戦相手は1文字も問題が読まれぬうちに回答し正解し、優勝を果たす。

琴子が挑む”さえづち”の祟りとは――比嘉姉妹シリーズ初の中篇集! 長編『ばくうどの悪夢』も絶好調! 書き下ろし中篇「さえづちの眼」を含む3篇が収録された、比嘉姉妹シリーズ初の中篇集。

東海道を舞台にした「蠱毒」も、残り23人。 人外の強さを誇る侍たちが島田宿で一堂に会した。

少年の命を救うのは、どちらの正義か。 大学病院で、手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。

人もうらやむ瀟洒な住宅街。その裏側は、忖度と同調圧力が渦巻いていた。

学生時代に一度だけ公募型アンソロジーに採用され、ミステリ作家デビューを夢見る小松立人は、学生時代にとある犯罪に手を染めた。

救急医・武田のもとに搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。

角川ホラー文庫30周年を記念し、最大の恐怖を詰め込んだアンソロジー、待望の第3弾。

ここは青い夜露に濡れた甘い匂いの土の国ー狂気の恋に落ちた女子高生、奇妙な絵の修復を依頼された女、不治の病に侵された男、謎のケモノと少年、死んだ人間が見える女…都市の真ん中の城山の周辺で不可解な悲劇に見舞われる人々。

口に髪が入ったら死がやってくる。

読字障害というハンディキャップを抱えながらもアメリカ留学の後、作家・評論家として活躍する三条公彦。

大物司会者の息子が元恋人を殺害したと出頭。

カメラマンの新夏は啓久と交際5年。

フリマアプリで、「カシル様専用」として箱を出品すると、必ず落札される――。