秋田の貧しい小作農に生まれた富治は、伝統のマタギを生業とし、獣を狩る喜びを知るが、地主の一人娘と恋に落ち、村を追われる。

人を欺けば謀(たばか)られ、人を信じれば殺される。木曾谷(きそだに)の治世をめぐり反目する木曾家当主の義昌と弟の義豊。

第26回松本清張賞受賞作 大阪で与力の跡取りとして生まれながら、家が明治維新で没落したため幼いころより商家に丁稚奉公に出された錬一郎は、それでも士族の誇りを失わず、棒きれを使って剣術の真似事などをして周囲の人間から「へぼ侍」と揶揄された。

本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。

映画事業で大成功をおさめ、その資金で革命家・孫文を支援し続けた梅屋庄吉。

その男は決して屈しなかった。人が一生に一度出会えるかどうかの大傑作。

英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。

「墓荒らしに協力はできない。

今野敏さん絶賛! 「これは琉球版、水滸伝だ!」 叛逆のカリスマ(阿麻和利)VS.神謀のフィクサー(金丸) 15世紀、黎明期の琉球王国の動乱を描く、書き下ろし歴史長編 いきなり文庫! 15世紀、琉球王国。

マルクスとエンゲルスの出逢いを阻止することで共産主義の消滅を企むCIAを描いた歴史改変SFの表題作をはじめ、零落した稀代のマジシャンがタイムトラベルに挑む「魔術師」、名馬スペシャルウィークの血統に我が身を重ねる青年の感動譚「ひとすじの光」、音楽を通貨とする

天文年間、小土豪が群雄割拠する中国地方で没落した宇喜多家の嫡男・八郎は、その器量を見込まれ、豪商・阿部善定のもとで父母とともに居候していた。

歴史の闇と、美の救いを描く5つの物語。

【第166回直木賞受賞作】 どんな攻めをも、はね返す石垣。 どんな守りをも、打ち破る鉄砲。

世界最古で最大の大英博物館。

藩費留学生として渡米した島津啓次郎は、はじめて耳にした黒人霊歌に胸を打たれる。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

銃撃テロを生き延びた五人。

メキシコで麻薬密売組織の抗争があり、組織を牛耳るカサソラ四兄弟のうち三人は殺された。

なぜ、人と人は争わねばならないのか? 日本史上最大の危機である元寇に、没落御家人が御家復興のために立つ。

金か、命か、誇りか。 刀を握る理由は、何だ。

フリーの校正者・興梠に届いた自費出版小説『縄紋黙示録』の校正紙。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。

故郷を奪われ、生き方を変えられた。それでもアイヌがアイヌとして生きているうちに、やりとげなければならないことがある。

「日本のバンクシー」と耳目を集めるグラフィティライター界の新鋭・ブラックロータス。

極限状況での謎解きを楽しんだ読者に驚きの〈真相〉が襲いかかる。

藤原氏が設立した施薬院の仕事に、嫌気が差していた若き官人・蜂田名代だったが、高熱が続いた後、突如熱が下がる不思議な病が次々と発生。

東京・池袋で男の刺殺体が発見された。警視庁池袋署刑事課長の本宮は、捜査の過程で捜査一課長からある密旨を受ける。

弁護士の一色桜子は、ヴァイオリンの恩師・浦上紗也香のコンサート会場で浦上から悩みごとの相談があると言われる。

激化する独ソ戦のさなか、赤軍の女性狙撃兵セラフィマが目にした真の敵とは──デビュー作で本屋大賞受賞のベストセラーを文庫化

失敗は絶対に許されない！ 国のため命を賭して大海を渡った遣唐使を描く歴史大作 西暦六六三年、日本の天智天皇は、唐と新羅に滅ぼされた朝鮮半島の国・百済を再興させようと四万の軍を送ったものの、白村江の戦いで唐に大敗を喫した。

昭和17年、財閥令嬢にして人気画家の多江子は、中日文化協会から上海に招かれた。

「今の日本への問題意識を示すために、この舞台を選んだ」 警察小説の旗手として不動の人気を誇る著者が、魂を込めて描いた、圧巻の歴史改変警察小説。

昭和初期、青年将校たちが首相暗殺などクーデターを計画。陸軍士官候補生の新吉は、チャップリンの殺害を命じられた。

明治維新そのものが持つ思想と制度の欠陥に根本原因があるのではないか―1932年、イェール大学で歴史学を研究する朝河貫一は、日露戦争後から軍国主義に傾倒していく日本を憂えていた。

頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

「世を、人の心を変えるのだ」「人をあきらめない。それが我々の戦いだ」 ――平安時代「童」と呼ばれる者たちがいた。

逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、 軍需工場の関係者が次々と毒殺される。

ある雪の降る夜に芝居小屋のすぐそばで、美しい若衆・菊之助による仇討ちがみごとに成し遂げられた。

わたしがまだ時折、自殺願望に取り付かれていた頃、サラちゃんは殺された── 新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けた。

晩年に建仁寺の「雲龍図」を描いた男・海北友松の生涯とは。

ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説! 射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

正子は75歳の元女優。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

1975年、偉大なる総統の死の直後、愛すべき祖父は何者かに殺された。17歳。

動乱前夜、北条家の独裁政権が続いて、鎌倉府の信用は地に堕ちていた。

「誰の心にも淀みはある。

日本人の「義」とは何か。 小雪舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、満身創痍の侍がたどり着いた。

文禄・慶長の役―。日本軍の先陣・加藤清正の鉄砲隊をあずかる佐屋嘉兵衛忠善と、朝鮮の北辺・咸鏡道の役人である金宦。

恩人の命令は、思いがけないものだった。 不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。

アイヌの木彫り作家と孫娘の家に男が訪ねてきた。穏やかな日常と消せない過去。

一九三九年、上海。激化する日中の対立関係。

数百年先に帰ってくるかもしれない。懐かしい、この浜辺に―ー。

時は七世紀末。先の大王から疎まれ、不遇の時を過ごした藤原不比等。