仕事と結婚に失敗した中年男・荒井尚人。今の恋人にも半ば心を閉ざしているが、やがて唯一つの技能を活かして手話通訳士となる。

手話通訳士の荒井尚人は、コミュニティ通訳のほか、法廷や警察で事件の被疑者となったろう者の通訳をする生活の中、場面緘黙症の少年に手話を教えることになった。

埼玉県警の何森(いずもり)は、昔気質の一匹狼の刑事である。仕事一筋ながら協調性はなく、県内の警察署を転々としていた。

コロナ禍の2020年春、手話通訳士の荒井の家庭も様々な影響を被っていた。

『デフ・ヴォイス~法廷の手話通訳士』で話題をさらった丸山正樹氏、初めての児童書。

事故で重度の障害を負った妻(49)を自宅で介護している「わたし」(50)。

ベトナム人技能実習生が派遣先の上司を刺して行方をくらました。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

第52回メフィスト賞受賞作 ある夕方、保育園から榎本千夏子に一本の電話が入った。

大学の同級生だった麻矢、璃子、友梨香。三人はよく飲みに集まっては夫の愚痴を口にし、日頃の鬱憤を晴らしていた。

家庭裁判所調査官の仕事は、少年事件や離婚問題の背景を調査し、解決に導くこと。

大阪郊外の巨大団地で育った小学生の友梨(ゆり)はある時、かつての親友・里子(さとこ)が無邪気に語っていた言葉の意味に気付き、衝撃を受ける。

主人公の少年が住む町では、三年連続で同じ日に自殺者が出たため「十一月六日の呪い」と噂されていた。

大森康介は新米介護士。特別養護老人ホーム「まほろば園」で働き始めたものの、便臭にはまだ慣れることができない。

北関東の小さな集落で、家々の壁に描かれた、子供の落書きのような奇妙な絵。

14歳の少年Aによる20年前の女児殺害事件。その残酷な犯行映像が闇売買された。

NPO法人「子供の家」の代表で、虐待・差別・体罰・貧困といった子供の人権救済活動に関わっている河原はある日、SNS上で〈このままだとあたし おばあちゃんころしちゃうかも〉【NAGOYA JK】というヤングケアラーと思しき書き込みを見つける。

ぎりっ、ぎりっ。ぐし、ぐし。

白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。

【本屋大賞翻訳小説部門第1位】弁護士の著者が現実の事件に材を得て、異様な罪を犯した人間たちの哀しさ、愛おしさを描いた連作短篇集。

7月1日東京・杉並。小学校の校門に男児の切断された頭部が置かれていた。

罰を受けても罪は消えない。

労働者相手の娯楽の街として栄えた多摩川市は、貧困、暴力、行くつく先は家庭崩壊と、児童相談所は休む暇もない。

琵琶湖近くの介護療養施設で、百歳の男が殺された。

親子の救済、老人の覚醒、過去の自分との出会い、仲良しロボットとの別れ……淡く美しい希望が灯る。

神奈川県川崎市で、14歳の女子中学生・冬野ネガが、同級生の春日井のぞみを殺害した容疑で逮捕された。

僕は、死にかけると未来を見ることができる。

報酬のためには手段を選ばない悪徳弁護士・御子柴礼司の前に、妹・梓が三十年ぶりに現れる。

銃撃テロを生き延びた五人。

父親が突然亡くなり、山形の山あいの集落に引っ越した小学校6年生の高橋みのり。

過去は変えられないが、未来は変えられる―― 鎌倉に春一番が吹いた日、一台の快速電車が脱線し、多くの死傷者が出てしまう。

まほりとは?蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習とは?前代未聞の野心作 大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

茶碗、根付け、刀、簪(かんざし)、招き猫、徳利(とっくり)…… 古道具屋・鳳来堂に集まるものたちが浮かび上がらせる江戸人情譚、傑作連作集！ 本所五間堀にある鳳来堂は、親から継いだこの店を一度は潰しそうになった音松と、将来を誓ったはずの手代に捨てられたお鈴

不毛の原野、存在せぬ牛、架空ファンド 隠岐と因幡── 詐欺の天才ふたりに売れないものなど、ひとつもない。

大学生のジョーは、授業で身の回りの誰かの伝記を書くことになった。

四ツ角三年二組の一番美しく人気もあった生徒・更紗が突如自殺する。 遺書もなくいじめがあったわけでもない。

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

大手製薬会社社員の藤井賢一は、不祥事の責任を取らされ、山形の系列会社に飛ばされる。

大阪地検一級検事の不破俊太郎はどんな圧力にも屈せず、微塵も表情を変えないことから、陰で<能面>と呼ばれている。

大阪で鷹匠として働く夏目代助。ある日彼の元に訃報が届く。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。

幼き日に、警察に運命を狂わされた誠也とレイ。大人になった二人は、彼らへの復讐を始める。

浪人生のくるみは「病み垢」で死にたいとツイートすることでストレスを発散していた。

現実に打ち勝つって、どうやって? 伊坂マジック最前線にして最高点! 「予言の書か?」とネットで話題を呼んだ長編、待望の文庫化。

「永原智です。はじめまして」。

孤高の検事の気概と執念を描いた、心ふるわすリーガル・ミステリー! 検事・佐方貞人は、亡くなった実業家の書斎から高級腕時計を盗んだ罪で起訴された男の裁判を担当していた。

上水流涼子は弁護士資格を剥奪された後、頭脳明晰な貴山を助手に探偵エージェンシーを運営。

五人全員が死んだとき――本当の「事件」が始まる。

日本推理作家協会賞(短編部門)受賞後第一作! 2001年、長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された二つの白骨死体。

「お遍路さん」を迎える場所として道後温泉にある架空の宿「さぎのや」。

「なかなか夜が明けなくて、明日にならなくてつらかった。

日本の昔話をミステリで読み解き好評を博した『むかしむかしあるところに、死体がありました。

あの頃のわたしに伝えたい。明日を、未来をあきらめないでくれて、ありがとう。

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。