失踪した友人を探してインド各地を旅する主人公。彼の前に現われる幻想と瞑想に充ちた世界。

オウィディウスからフロイトまで、「芸術家」たちの失われた夢が、肉体をそなえ、息づき始めた。この夢は、誰がみた夢なのか―。

ポルトガル・サラザール独裁政権下で姿を消した、謎の女イザベル。

本書は、現代イタリア文学の旗手アントニオ・タブッキが、見事に「逆さまゲーム」でありながら、頭脳的なゲームにおわることなく、ふかい人間的な感動をともなう世界をノスタルジックに描く。

アメリカ随一の女流本格作家マクロイによる、趣向と技巧を凝らす短篇集が文庫化。

ある夜運びこまれた身元不明の他殺死体。死体置場の番人スピーノは、不思議な思いにかられて男の正体を探索しはじめる。

人々が住む場所を失い、食物を求めて街をさまよう国、盗みや殺人がもはや犯罪ですらなくなった国、死以外にそこから逃れるすべのない国。

江戸川乱歩の造語である“奇妙な味”は、ミステリにもSFにも怪奇小説にも分類不能の、異様な読後感を残す小説を指す。

1976年、ソノラ砂漠から戻った二人の詩人、アルトゥーロ・ベラーノとウリセス・リマは、メキシコを離れ、それぞれヨーロッパに渡る。

異常な寒波のなか、私は少女の家へと車を走らせた。地球規模の気候変動により、氷が全世界を覆いつくそうとしていた。

『薔薇の名前』で世界の読者を魅了したウンベルト・エーコが、ふたたび中世を舞台に放つ物語。

異国の地で城の地下牢に囚われた女。名前も顔も知らないがこの世界のどこかに存在する絶対の敵。

男がバーで「マクジョージ」と叫び客を撃つ。が、撃たれたのはマクジョージではない?これは単なる間違いか。

「そもそものはじまりは間違い電話だった」。

迷宮構造をもつ文書館を備えた、中世北イタリアの僧院で「ヨハネの黙示録」に従った連続殺人事件が。

私の父は、52歳で離婚し、ニューアークの家で、ひとり孤独に死んでいった。

SF・ミステリの鬼才フレドリック・ブラウンが放つ“エド・アンド・アム・ハンター”シリーズ最後の未訳作品がついに完訳!ある日突然、探偵の伯父が消息を絶った。

妻に去られたナッシュに、突然20万ドルの遺産が転がり込んだ。

48年前に事故で亡くなった夫に再び会うため、海に潜った老婦人が見たものは(表題作)。

幼なじみのファンショーが、美しい妻と小説の原稿を残して失踪した。

傷ついた犬のように、私は生まれた場所へと這い戻ってきた―ブルックリンの、幸福の物語。

「むかし、あるところに、マーリアという名の売春婦がいた」。マーリアは、ブラジルの田舎町に育った美しい娘。

大恐慌時代のハリウッド。食いつめた男女が最後のチャンスを求めてマラソン・ダンス大会に参加する。

【サスペンスの新女王登場! 】 犯罪歴のある患者を収容するビーチウェイ重警備精神科医療施設は、不穏な空気に覆われていた。

『日比谷公園の鶴の噴水が歌を唄うということですが一体それは真実でしょうか』――昭和九年の大晦日、銀座のバーで交わされる奇妙な噂話を端緒に、帝都・東京を震撼せしめる一大事件の幕が開く。

わたしの名前を君たちは知らない。

「あなたは誰?」と、無数の鳥が啼く―望まない結婚をした娘が、「白人の墓場」で見た熱帯の幻と憂鬱。自伝的小説、本邦初訳。

人生のダメな時期、万歳。人生のスランプ、万々歳。

彼がオリジナルで、自分が複製された男なのか!孤独な現代人の苦悩とアイデンティティの危機をミステリー仕立てで描いたポルトガルのノーベル賞作家サラマーゴの傑作。

多重人格カップルの友情と淡い恋心と殺人と――。

夢見るは、自分自身も含めた人間すべての消えた、清潔な世界だ。珠玉の短篇集。

不治の病を宣告された母は、誰より愛するひとり娘を見守り続けるためにある選択をする。

女性は人類に入らないとされていた十九世紀半ばのヨーロッパで、虐げられた女性と労働者の連帯を求めて闘った革命家フローラ・トリスタン。

イタリア統一、パリ・コミューン、ドレフュス事件…、そしてナチのホロコーストの根拠とされた史上最悪の偽書『シオン賢者の議定書』それらすべてにひとりの文書偽造家が関わっていたとしたら?世界的大ベストセラー『薔薇の名前』のウンベルト・エーコが描く憎しみと差別のメ

すべての絵には、物語がある。 名だたる作家17人による文豪ギャラリー 奇才エドワード・ホッパーに捧げる短編集。

島から一歩も出ることなく、判で押したような平穏な毎日を送る人々を突然襲った狂乱の嵐「東風」。

特別な任務を帯びてバルセローナにやってきた二人組の宇宙人のひとり「グルブ」が、国民的ポップスターのマルタ・サンチェスの姿をまとったまま行方不明となった。

人類がはじめて月を歩いた夏だった。父を知らず、母とも死別した僕は、唯一の血縁だった伯父を失う。

無数の凶兆が世界に顕現し、地獄の扉が開いた。

「その映画スターは彼が生まれて初めて恋した相手だった。

毎年恒例のくじ引きのために、村の皆々が広場へと集まった。子供たちは笑い、大人たちは静かにほほえむ。

ユダヤ人大量虐殺の首謀者、金髪の野獣ハイドリヒ。彼を暗殺すべく、二人の青年はプラハに潜入した。

祖母から聞いた、四国の森の奥深くに伝わる「壊す人」と「オシコメ」の創造の物語を、MとTという記号を用いて書き記す。

元プロの賭博師ビル・パームリーが腕利きいかさま師たちと対決、巧妙なトリックを次々にあばいていく。