橋口雄一郎は40代のプロの結婚詐欺師。

女性や老人だけを狙った通り魔や強盗傷害を繰り返し、自暴自棄な逃避行を続けていた伊豆見翔人は、宮崎県の山深い村で、老婆と出会った。

母親を殺害された高浜真裕子は、そのとき高校二年生。心に癒しがたい傷を負った。

「犯罪被害者に限定して言えば、事件の加害者となった人間以外はすべて、被害者になってしまうのではないかと、私はそんなふうに考えている。

人生は楽しく、充実していなければ。そこそこ出世した旦那に、健康な息子。

転職した会社が倒産してしまった片貝耕平は、人材派遣会社に登録したがどの仕事も長続きせず、担当者と喧嘩して辞めてしまう。

夫婦と、息子ひとりの3人家族。どこにでもある、新興住宅地の平穏で幸福な一家だった。

「あいつから逃げなきゃ!」執拗に追ってくる男の影に脅えつつ、逃亡を続ける花屋の店員、三田村夏季。

3回コールの後に切れる不気味な電話。この電話は…。

斉藤未芙由は長野から上京する。亡くなった母の従姉妹の家に住み込み、家事の手伝いをしながら毎日を過ごす。

ペットの洋服作りの仕事が軌道に乗ってきた芭子と、パン職人の道を邁進する綾香。

退屈な日常がキレる。怒り、殺意、逆襲…。

凍てつくオホーツク海に突き出し、人も寄せ付けぬ原生林に襲われた極寒の地・知床。

上京し、夢を打ち砕かれた孤独な少女。だがその男との出会いを境に、心の底に凍てついた狂気がゆっくりと溶けはじめる。

東京都下、武蔵村山市で占い師夫婦と信者が惨殺された。音道貴子は警視庁の星野とコンビを組み、捜査にあたる。

「ごめん。もう、会えない」。

「私は拳銃を構える。恐怖にひきつった顔を思い描くだけで、胸のもやもやが晴れていく」―。

エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。

小森谷芭子29歳、江口綾香41歳。ふたりにはそれぞれ暗い過去があった。

様々な職場で“運命”に弄ばれる女性たち。哀しき現実と向かい合い、追いつめられた彼女たちは、ついに…。

深夜のファミリーレストランで突如、人間が炎上した。その数日後、天王洲では無残に咬み殺された男が発見される。

色恋をめぐる狂気は、その女たちを少しずつ蝕み、少しずつ壊していった…。

女性の膝に異常に興奮する男、怪しい育毛剤に手を出す青年、アヒルのようなお尻の女子高校生。

小学生の時の仲良し三人組が偶然十数年ぶりに再会した。

貸家だった木造民家の解体現場から、白骨死体が発見された。

「グランドマンション一番館」には、元「名ばかり管理職」の男、元公務員、三世代同居の女所帯から独居老人、謎の若者、はてはかなり変わった管理人までと、アクの強い人たちが住んでいる。

ふと入ったカレー屋で音道は、男が店主に「こいつは俺の女房を殺した」と怒鳴る場面に遭遇する―男同士の絆が無惨に引き裂かれてゆく様子を描いた表題作。

わたしを裏切った男と侮辱したあの女は絶対に許せない!ふたり同時に復讐するには、あの方法しかない―男に妻も子どももいると知った愛人の心に燃えたぎった嫉妬と殺意。

わたしの人生は充実する、あの夫、あの親族さえいなければ。

いま旬の女性ミステリー作家による、「イヤミス」短編を集めたアンソロジー。

離婚して一人暮らしを続けるフリーカメラマン宇津木葉子のもとに、大学受験を迎えた甥の彰彦とその妹理菜がころがりこんできた。

両親、弟妹、祖父母に曾祖母。今時珍しい大家族に嫁いだ法子を待っていたのは、何不自由ない暮らしと温かい家族の歓待だった。

三十二歳独身、声優になる夢に破れた未來は、入院した祖母を元気づけるため祖母の故郷、台湾・台南市を訪れる。

両親を相次いで喪った三人きょうだいの末っ子で高校二年生の麻里子は、いつの間にか端が切れた鞄を縫おうとして隙間に挟まれていた鍵に気付く。

かつての恋人の故郷でその不在を想うキャリア・ウーマン。寒い土地への転居を境に狂い出す「じゃぱゆきさん」。

自立できない夫との生活に疲れた女は逃げ場を求めた。しかしそれが彼女の「脱線」の始まりだった…。

【第２９回　山本周五郎賞受賞作】 善意は、悪意より恐ろしい。

捜査情報が漏れている!?刑事が立場を利用して金を動かしている!?警察内部の犯罪を追う監察官はあくまで陰の存在。

レイプ未遂事件発生。被害女性は通報者の男が犯人だと主張。

カンタベリーへの道中、同じツアーの参加客が各自、とっておきの不思議な話を披露し合うことに。

『孤狼の血』『盤上の向日葵』著者が放つ、社会派ミステリ! 結婚詐欺容疑で介護士の冬香が逮捕された。

『三匹の子豚』が朝ドラで大ヒットした斉川亜樹。鳴かず飛ばずの時代からようやく抜け出し、忙しくも穏やかな生活を送っていた。

どこの家庭でもありそうな、でも他人には言えない妻の悩み―夫との冷え切った関係、姑との対立、病死した一人息子への想い、受験生を抱えるつらさ、あるいは生活費の工面や、男友達との密会だったり…。

この男に魅せられたら、もう逃げられない…… 生真面目な父を持つ志穂子は、その反動からか仕事に恋に奔放な日々を送っていた。

パワハラ上司の不正の証拠を掴みたい先輩社員康子とその片棒を担ぐハメになってしまった新入社員の松尾。

男はなぜ、罪を重ねるのか? 涙腺崩壊必至! 心奪われる入魂のミステリ。 片桐達夫、五十九歳。

たった一度の人生、失敗したくない。そう願ってきたのに「成功」できていない落合美緒。

大手製薬会社社員の藤井賢一は、不祥事の責任を取らされ、山形の系列会社に飛ばされる。

事件解決の鍵は刑事の情熱と勘と経験だ。地道な捜査で容疑者を追い詰める男の迫真の事件簿。

『凍える牙』で、読者に熱い共感を与えた女性刑事・音道貴子。彼女を主人公にした初の短編集。

「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。

光と影が交錯する街・川崎の家裁は日本の縮図！ 家庭は病み、家族間の争いは絶えない。

金も仕事も住処も失った元エリート・溝端了 衛は20年ぶりに故郷に帰る。

電車内で女子高生に痴漢を働いたとして会社員の武本が現行犯逮捕された。

ガレージや車が燃やされるなど17件続いた放火事件。

ベテランケースワーカーの山川が殺された。新人職員の牧野聡美は彼のあとを継ぎ、生活保護受給世帯を訪問し支援を行うことに。