異動先の編集部で、偶然目にした未発表の原稿『聖域』。なぜ途中で終わっているのか。

サラダ工場のパートタイマー、野菜生産者、学校給食の栄養士は何を見たのか? 会社の不祥事で故郷に逃げ帰ってきた元広告塔・栄実、 どん詰まりの地元農業に反旗を翻した野菜生産者・剛、 玉の輿結婚にやぶれ栄養士の仕事に情熱を傾ける聖子。

社運を賭け、巨大ビジネスとなる高純度人工水晶開発に取り組む藤岡は、インドのある町から産出された高品質の種水晶を求め現地に向かう。

中堅保険会社に勤める5人のOL。条件のよい結婚に策略を巡らす美人のリサ。

信者が三十人いれば、食っていける。

四国遍路を終えた帰路、冬の海に消えた父。企業戦士として家庭人として恵まれた人生、のはずだったが…。

夭逝した明治の日本画家・河野珠枝の「朱鷺飛来図」。

最愛の娘を殺した母親は、私かもしれない。

太平洋に浮かぶ美しい島ミクロ・タタに、泉の守り神である愛くるしい両生類が棲んでいる。

商社現地社員の美貴は、ギリシャで口にした蜂蜜にビジネスチャンスを見出し、通訳の綾子や偶然知り合った壁画修復士の吉園とともに産地の村を目指す。

さえないライター稼業の真一が射止めたのは、容姿端麗、頭脳明晰、3歳年上のスーパーエリート梨香子。

彼の抱えた悲しみが、今、私の皮膚に伝わり、体の奥深くに染み込んできた―。

平凡な郊外の町に、災いは舞い降りた。熱に浮かされ、痙攣を起こしながら倒れる住民が続出、日本脳炎と診断された。

郊外の町で、幼稚園児の遺体が発見された。被害者は死後に性的暴行を加えられていた。

新聞社の永岡は、妻の櫛がヒマラヤの国パスキムの破壊された仏像の一部と気づく。

聖母が死んだ。 薬物や性暴力によって心的外傷を負った女性たちのシェルター「新アグネス寮」で発生した火災。

八歳の女児が乗用車に撥ねられ死亡する。運転手は不起訴処分になるが、そこには罪深い大人たちの様々な打算が働いていた。

レーザーディスクのように輝く絹織物―。

テレビ制作会社に勤務する小野は、無名のヴィオラ奏者・柳原園子の過酷な半生を知り、番組を制作する。

目を上げると鏡の中の見知らぬ女が、自分をみつめている―。美容整形で、彫刻的美貌を手に入れた麗子。

謎の死を遂げたパンチェンラマ十世が、突然蘇った。卑しい男の魂が転生してしまったのか、この活仏は意地汚くて女好き。

整形を繰り返す秘密だらけの母。 MANGA CAFEを営む謎の男。

「娘の小学校受験が終わったら離婚する」。そう約束していた播磨和昌と薫子に突然の悲報が届く。

色恋をめぐる狂気は、その女たちを少しずつ蝕み、少しずつ壊していった…。

甘く切ない恋の至福のときは短くて、頂点を極めたあとには、ただ、執着と妄想に満ちた永い時間が続くだけ…。

ロイヤルダイヤモンドの広告塔としてコンサートを行う美貌のヴァイオリニスト・神野瑞恵。

人生は楽しく、充実していなければ。そこそこ出世した旦那に、健康な息子。

結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。

豪農の鈴木はネパール女性と結婚し全財産を失う。失踪した妻を探し神の山へ。

温泉もない、名所があるわけでもない、嫁のきてもない。観光客の途絶えた過疎の町、駒木野。

わたしを裏切った男と侮辱したあの女は絶対に許せない!ふたり同時に復讐するには、あの方法しかない―男に妻も子どももいると知った愛人の心に燃えたぎった嫉妬と殺意。

十数年の不倫関係を続けるヴァイオリニストの亜紀と建築家の聡史。

脳に障害をもつ由希が奏でる超人的チェロの調べ。指導を頼まれ、施設を訪れた東野はその才能に圧倒される。

出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。

フリージャーナリストとしての活躍の道が拓けずくすぶっていた寿美佳(すみか)は、摂氏六十度を軽く超える砂漠の地で、鉱石を運ぶトラックに乗っていた。

生きてきた人生の深みを彫刻として封じ込める。それが本場イタリアで学んだ肖像彫刻の原点――。

ノンキャリ公務員の真央子、買い物依存症の祝子、不倫の恋に悩むOLありさの三人組は、バカンス先のバヤン・リゾートで、テオマバル国の内乱に巻き込まれる。

愛なのか、狂気なのか―。女性エッセイストが絶賛したことを機に、一躍脚光を浴びた知られざる天才画家。

亡き画家は、夫である以前に彼女にとっての神なのかもしれない。

学生時代の恋人が自殺する瞬間迄弾いていたバッハのカノン。

エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。

この子と、幸せになりたいだけなのに―岸谷奈江と一人娘の真央は、入園を予定している有名幼稚園へ見学に向かう。

以前から美都子が夫婦ぐるみで付き合ってきた、憧れの存在である友人・清花。

マンションで孤独死体となって発見された女性の名は、鈴木陽子。刑事の綾乃は彼女の足跡を追うほどにその壮絶な半生を知る。

“究極のハイクラス・リゾート東地中海の真珠キプロス島”女性誌の編集部員響子の海外取材は、このキャッチコピーのようにいくはずだった。

著名な女流作家・大原鳳月が死んだ。

3年前に警察を辞め、家族も離れて暮らす真志に、娘を誘拐したと匿名電話がある。

実家の農家を飛び出した女性 リタイヤした元企業戦士 夫に先立たれた介護士―― それぞれ秘めた思いを抱いて トラブル連発のロングドライブへ

結婚して数年。自分たちには子どもができないようだと気づいた歯科受付の敦美。

「自分ファーストにしな。一生、利用されっぱなしで終わるよ」 親友の一声で一念発起。

大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え立つ仏塔を発見する。

「グランドマンション一番館」には、元「名ばかり管理職」の男、元公務員、三世代同居の女所帯から独居老人、謎の若者、はてはかなり変わった管理人までと、アクの強い人たちが住んでいる。

薄井正明、59歳。元大手銀行勤務で、出向先ではプチ・エリート生活を謳歌している。

北関東のある町で、中学二年生の名倉祐一が転落死した。

母親は出稼ぎから帰ってきて自殺した。

カスミは、故郷・北海道を捨てた。が、皮肉にも、北海道で幼い娘が謎の失踪を遂げる。