二代目教祖の継承問題で揺れる巨大な宗教団体“惟霊講会”。

玩具会社部長の馬割朋浩は、降ってきた隕石に当たり命を落とす。

奇術ショウの仕掛けから出てくるはずの女性が姿を消し、マンションの自室で撲殺死体となって発見される。

『11枚のとらんぷ』を筆頭に、『乱れからくり』等数々の名作でわが国推理文壇に不動の地位を築いた泡坂妻夫が、この一作をもってデビューを飾った記念すべき作品―それが本書冒頭に収めた「DL2号機事件」である。

はじめに袋とじのまま、短編小説の「消える短編小説」をお読みください。

ファストフード店のトイレで死体で発見された男性は、未来を悲観して自殺したのだと思われた。

完璧な写実性で注目された画家の絵の中に見出される数々の不思議――手の指が六本ある少女、針の間違っている時計、開けられないドアなどは何を意味するのか？　さらに一夜にして忽然と消失した合掌造りの家、タクシーの後部座席に突然出現した死体……等々、ちょっとした不合

長身で二枚目、行動は些か心許ないが、虫や雲を撮ることにかけては右に出る者のない実力派カメラマン、亜愛一郎。

老舗の和菓子屋に入り婿してから20年余、女房に先立たれた男が昔、修業時代に愛した年上の女を偶然見つけた。

戸根市で対立する暴力団・北浦組と大門組は、事あるごとにいがみ合っていた。そんなある日、北浦組の組長が殺害された。

紋章上絵師の章次は、元恋人の賢子から「着物に蔭桔梗の紋を入れてほしい」と、20年前と同じ依頼をされる。

出所して間もない手許不如意のひだるさに、島津亮彦は身なりを繕って花見客さざめく多武の山公園へ。

江戸の町を見下ろす三枚の大凧には、なぜか小判が結びつけられていた…。

四十二歳。円熟の十手さばき 将軍様の鷹が殺された──。

二百五十年の泰平を経て腑抜け同然となった御庭番に代わり、隠密方を拝命したよったりの雲見番―長裃がひたすら似合う俊足の男前、亜智一郎。

新内節を語れる友禅差しの模様師・脇田は、旅先で三味線弾きの芸妓・彩子と出会う。

脅迫電話に呼び出された医師とその娘婿が、白衣を着せられ、首に針金を巻きつけられた奇妙な姿で遺体となって発見された。

宝引の辰は千両町ではちょっといい顔の岡っ引。千種の股引に茶弁慶の羽織、帯には十手が突っ込んである。

「鳥居の赤兵衛」は大盗賊の活躍を描いた貸本屋限定・十巻ものの手書きの読本だ。

蛙一匹百両の絵が消えた…。またたく間に値のつりあがる吉祥画ばかりを狙う怪盗自来也小町。

傷ついた心を癒す旅に出た香島紀子は、山間の村で急に増水した川に流されてしまう。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

時は寛政の改革の頃。

旧友を訪ねるため、カサブランカ行きの飛行機に乗った片島は、機内で日本語が堪能なフランス人女性エレーヌと知りあう。

ドイツ人とミクロネシア人と大阪人の混血にして、ヨーガと奇術の達人ヨギ ガンジー。

天保十年。尾張藩江戸下屋敷で催された正月の祝いで余興を演じた角兵衛獅子、みつと文吉。

親友に“離婚した女と一緒になってくれ”と頼まれたら…?二見幸夫は、能勢陶吉の頼みを断われず、彼の元妻・波妙と奇妙な同居生活を始める。

若き柔術家・織口哲が鹿児島から上京し一週間、何者かによって睡眠薬を嗅がされ山間の崖から突き落とされた。

さあさ、寄席「泡亭」の、お披露目でございます―。

来条美箱は、就寝前に“カヴァハイ”という飲み物を飲んで不思議な夢をみた。ホテルの一室での密室殺人。

果たして「処女懐胎」は有り得るのか?ある女性の過去に秘められた謎がスリリングに解明されていく傑作―『斜光』ある人形師の家に嫁いだ女性が、次々と不審な死を遂げる。

東京郊外の都市で一刀彫りの郷土人形を作る旧家に嫁いだ女性が次々に不審な死を遂げる。

ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。その最後の贈り物である作品集を、二分冊にした文庫化でお届けする。

大正歌壇の寵児・苑田岳葉。二度の心中未遂事件で、二人の女を死に迫いやり、その情死行を歌に遺して自害した天才歌人。

緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。

泡坂妻夫。奇術師にして紋章上絵師そして推理作家。

不倫に傾く心、夫婦の間で複雑に絡む殺意…情念と事件が、能登を巡る2泊3日の俳句の旅に収斂する「恋路吟行」。

幕末の江戸。

太平洋を航海するヨットの上から落とされた女と、絶海の孤島に吊るされていた男。

大江戸の風物をめぐる七つのからくりを八丁堀同心・夢裡庵が解き明かす。

競馬場で男が殺された事件を皮切りに容疑者が次から次へと殺される殺人リレーが始まった――警視庁の海方&小湊の刑事コンビが挑む!

絵馬の中の人物が、まるで矢を放ったように見える殺しの現場の真相は――(びいどろの筆)。

奇術とミステリーのみごとなドッキング。

日本橋十軒店の雛市、永代寺の花祭、吉原の大紋日、芝神明宮のだらだら祭などなど、江戸の暦を事件で綴る歳時記捕者帳。

突然の兇行、横たわる死体、立ちはだかる大きな謎。 もはや解決不能と思える難事件を、明晰な頭脳で解き明かしていく。

突然の兇行、横たわる死体、立ちはだかる大きな謎。 もはや解決不能と思える難事件を、明晰な頭脳で解き明かしていく。

「犯罪の場」飛鳥 高 大学で土木工学の教鞭をとる博士の教室で、実験が行われている騒音の中、 いっしょに実験をしていた学生が後頭部に血を流して倒れていた。

五つの時計／白い密室／早春に死す／愛に朽ちなん／道化師の檻／薔薇荘殺人事件／二ノ宮心中／悪魔はここに／不完全犯罪／急行出雲／の十編を収録。

上から読んでも下から読んでも「きげきひきげき」―題名に始まり、章見出しや登場人物は回文ずくめ、言葉遊びが随所に鏤められた本書。

夫の態度が急に変わったのは浮気、それとも?美人女優とキスした夢から喜んで目覚めると…!終電間際の駅で連続して死傷事件が起きた理由は?添加物に汚染されていない究極の自然食品を探したら…。

スキー場にやって来た慶子と美那。二人はゲレンデならぬ氷上で絞殺死体に遭遇してしまった。

大学生・柱田真一はある日、反故紙の中から樋口一葉の遺稿らしき紙片を見つける。

敗戦の混乱期を脱した昭和27年ごろの神田神保町界隈。セピア色の懐かしい風景が甦る。

紅一点会員のマリアが提供した“余りに推理研的な”夏休み―旅費稼ぎのバイトに憂き身をやつし、江神部長以下三名、宝捜しパズルに挑むべく赴いた南海の孤島。

衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

ヌードダンサーのミミイ・ローイこと漣子は八島財閥の御曹司・杉彦と恋に落ち、玉の輿に乗った。