青い田園が広がる東北の農村の旧家槙村家にあの一族が訪れた。

強烈な百合の匂いに包まれた洋館で祖母が転落死した。

鮫島巧一は趣味が読書という理由で、会社の会長の別宅に二泊三日の招待を受けた。

『あれ』と呼んでいる謎の存在と闘い続けてきた拝島時子。『裏返さ』なければ、『裏返され』てしまう。

舞台の上の、暗がりの向こう。そこには何かが隠されている。

「ねえ、あなたも最初に会った時に、犯人って分かるの?」こんな体験は初めてだが、俺は分かった。

羊飼いの少年サンチャゴは、アンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。

太古の森をいだく島へ―学生時代の同窓生だった男女四人は、俗世と隔絶された目的地を目指す。

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。

あたしは主人公にはなれない―。関根夏はそう思っていた。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

舞台は、伝統ある男子校の寮「松籟館」。冬休みを迎え多くが帰省していく中、事情を抱えた4人の少年が居残りを決めた。

些細な事件が大騒動に発展していく、パニックコメディの大傑作！ 一億の契約書を待つ生保会社のオフィス。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。

いつもあなたを見つける度に、ああ、あなたに会えて良かったと思うの。

戦時中のミッションスクール。図書館の本の中にまぎれて、ひっそり置かれた美しいノート。

降りしきる薔薇のはなびらで窒息することを夢見て、縊死した劇団員を描いた「薔薇忌」、水を汲んだ桶を覗きこむと、その人のために祈ってくれているなにものかが水に映るという「祷鬼」、現実のセックスでは不感症であるが、眠りの中で濃密な性の悦びを得られるという女を描い

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

異界と現し世を自在に行き交い、読者を迷宮へ誘う極上の語り。「結ぶ」―問答無用で縫われ、丸められていくからだ。

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室からあるはずのない屍体が発見された。

過去を変えることはできるのか。

届けたい。間に合わないものなんてないから。

魅惑のウイルスを求め、世界中を飛び回る凄腕ウイルスハンター・神原恵弥。

特殊能力を持つ“在色者”たちが、“途鎖国”の山深くに集まる“闇月”。殺戮の風が、次第に暴れ始める―。

「何かが教室に侵入してきた」。学校で頻発する、集団白昼夢。

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ―。

舞台は、アパートの一室。別々の道を歩むことが決まった男女が最後の夜を徹し語り合う。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

瀟洒なホテルの中庭で、気鋭の脚本家が謎の死を遂げた。

パーティー会場で孤独だった私に、不思議な目をした少女が突然声かける。

村内先生は中学の臨時講師。言葉がつっかえて、うまくしゃべれない。

シリーズ第一作「MAZE」で非凡な才能を見せた神原恵弥。その彼が北国のH市を訪れた。

「人は誰でも、死にたがっている」「世界は絶望と悲惨に塗れている」でも僕は戦おうと思うんだ。

少年は、ひとりぼっちだった。名前はきよし。

懐かしい故人と再会できる場所「アナザー・ヒル」。

悪事を働いた3人が逃げ込んだ古い家。そこはかつて悩み相談を請け負っていた雑貨店だった。

超大型台風接近中の日本。国際空港の入管で突如11人が別室に連行された。

英国留学中のリセは、十九世紀に建てられた「ブラックローズハウス」でのパーティーに招かれる。

みんな、俺の話を聞いたら尊敬したくなるよ。我が家は、六人家族で大変なんだ。

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。

耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げてから、四年。

私は高校生の蘇芳。

川崎、上野、大阪、呉、六本木…日本各地の旧軍都に発生する「裂け目」。

両親の離婚で別れて暮らす元家族が年に一度、集う夏休み。

異母兄が奈良で消息を絶った。たったの二度しか会ったことがない兄の彼女に誘われて、私は研吾を捜す旅に出る。

六月という半端な時期に夏流に転校してきたミチル。

恐妻家のＳＥ渡辺拓海はあるサイトの仕様変更を引き継ぐ。プログラムの一部は暗号化されていて、前任者は失踪中。

アジアの西の果て、荒野に立つ直方体の白い建物。 一度中に入ると、戻れない人間が数多くいるらしい。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。