捜査線上の夕映え

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種別
長編
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あらすじ

2022年01月11日 捜査線上の夕映え

「臨床犯罪学者 火村英生シリーズ」誕生から30年! 最新長編は、圧倒的にエモーショナルな本格ミステリ。一見ありふれた殺人事件のはずだった。火村の登場で、この物語は「ファンタジー」となる。大阪の場末のマンションの一室で、男が鈍器で殴り殺された。金銭の貸し借りや異性関係のトラブルで、容疑者が浮上するも……。「俺が名探偵の役目を果たせるかどうか、今回は怪しい」火村を追い詰めた、不気味なジョーカーの存在とは――。コロナ禍を生きる火村と推理作家アリスが、ある場所で直面した夕景は、佳き日の終わりか、明日への希望か――。(「BOOK」データベースより)

評判

捜査線上の夕映えの評価:

8.00/10点 レビュー 1件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点8.00pt

捜査線上の夕映えの総合評価:

7.24/10点 レビュー 37件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

指定の条件による感想はありませんでした。

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.36
(4pt)

エモーショナルな有栖

さすがの有栖川有栖…というべきでしょうか。時間があるとき一気読みが出来れば一番おすすめ。
トリックに少し無理がありそうな気もしますが。
作家有栖が挑む一番のミステリーは、火村英生の過去と内面。これからもこの二人を読み続けたいです。
捜査線上の夕映え Amazon書評・レビュー: 捜査線上の夕映えより
4163914846
No.35
(3pt)

読ませる力はありますが…

結末がやや不自然かと…
捜査線上の夕映え Amazon書評・レビュー: 捜査線上の夕映えより
4163914846
No.34
(3pt)

残念ながら期待はずれ

月光ゲーム』に続き、有栖川有栖の作品として二作目に選んだのが本作。評価が高く、筆者のベストランキングにも常連の一作だが、残念ながらあまり楽しめなかった。連載作品だったためか、物語全体にどこか継ぎはぎの印象が最後まで拭えない。でも最大の問題は次の二点。(1)犯人の意外性の欠如。最初から疑っていた人物がそのまま犯人で、驚きがなかった。(2)トリックの奇想天外さ。実際の場面を想像すると、サーカス団員でも不可能ではないかと思われるほど無理のある展開である。というわけで、どこかすっきりしない読後感が残った。とはいえ、これはあくまで好みの問題で、特にトリックの感じ方は読者それぞれだろう。
捜査線上の夕映え Amazon書評・レビュー: 捜査線上の夕映えより
4163914846
No.33
(2pt)

「新本格」ではなく、いわゆる「社会派」寄りのミステリなのが残念でした

有栖川有栖氏といえば新本格の旗手のひとりですが、他のレビュアー(特に低評価の方々)が指摘しているとおり、それを期待して読むとかなり肩透かしになってしまうのが本作ではないかと思います。私自身、横溝正史は好きでも松本清張は興味がない人間なので、だからこそこれまで有栖川氏の作品を多く読んで楽しんできたのですが、この作品は宣伝文句にも「シリーズ新境地」とあるように、著者自ら意識して作風を転換しているということなのでしょうか。あるいは出版社がやはりそう感じて、いわば予防線的にそう謳っているのかわかりませんが・・・。

確かに犯罪の不可能性や意外な真相はあるものの、どれも「新本格的」な魅力には乏しく、言ってはなんですがテレビの2時間サスペンス程度の謎とトリックでした。説明不足な点もあり、唐突に「実はこういう特技がありました」と言われてもそれはないでしょ?と。読者にとって事件解決や犯人特定のヒントとなる伏線がかなり少なく、それは隠し方がうまいというよりは、単にわかりにくすぎるという気がして残念です。しかしこれが「新本格」ではないのであればそれもありなのかもしれません。ただ、エモーショナルなものを書きたかったと著者の弁にありますが、風景や状況の描写など、ミステリの真相部分にほとんど関係ない描写が延々と続き、退屈になりました。コロナ禍であることをうまく用いた部分もないことはないのですが、やはりそれを利用したトリックのひとつもあまりにしょぼく。少しネタバレになるかもしれませんが、たった1件の事件に対して全体の分量もあまりに長すぎますし、警察小説ではないのに捜査が遅々としてまったく進展しない展開も冗長に感じました。

有栖川氏の作品なので、長年のファンとしてはやはりどうしてもクローズドサークルでの連続殺人や不可解な状況、魅力的な謎の提示、あっと驚くどんでん返しなどを期待してしまいますが、それはもはや「学生アリスシリーズ」のみに特化して、「作家アリスシリーズ」は今後このような社会派ミステリでいくということなのでしょうか。逆に言えばどちらの作風も書けるというのは著者の力量を示しているのかもしれません。毎回匂わせている火村英生の謎についても一向に進展することもなく・・・本当に完結するのかどうか(笑)
捜査線上の夕映え Amazon書評・レビュー: 捜査線上の夕映えより
4163914846
No.32
(3pt)

冒頭から2/3の膠着状態を乗り切れば…

長年このシリーズを追い掛けている。
が、畳まれる気配は一向にない。
少しずつでも火村の素顔を知ることが出来る展開はないのだろうか、ということを求めるのは半ば諦め掛けている。

読む前は表紙も美麗で、分厚くて読み甲斐がありそうだと喜んだ。

だが、開いてみて「コロナ禍」真っ最中の話と聞いて、何となく嫌な予感に襲われた。
有栖川作品は、旅行先や雪深い山中で起こる事件が多く、その舞台が事件を華やかに彩って来た。
予感は的中した。

ステイホームの時代を残したかったのかもしれないが、既に数年前の事象ですら、人々の記憶からは薄れかけている。
時事ネタを扱う書き物に多いのが、月日が経っていないことが多く、時代の中でも著者の中でも、まだ何らかの落としどころが見つかっていない、という場合。
客観として扱うには主観が入り過ぎ、主観として扱うには、エンタメとして不足ということが多い。
恐らく20年先に産まれた子が本作を読んだとしたら、何のことかと首を傾げるのではないか。
コロナ禍と書いてある割にコロナの悲惨さや異国でのロックダウンの模様が殆ど描かれておらず、その点については先々の未来の読者への描写不足を感じた(素顔だった、マスクを外した、という描写が少々くどいと感じた箇所も多い)。

推理ものがゆえにコロナ禍の事情ばかり書いていられない、ということであれば、無理に時事ネタを扱わなくても良いのではと個人的には感じた。

上記はともかく、辟易したのは冒頭から2/3までの物語の膠着状態についてだった。
家と現場(警察)のみの行き来で、あれでもないこれでもないと話が進まな過ぎて、「ずっとこの調子なのだろうか…」と舞台の華やかさや、探偵のキャラクター性でもって物語を追い掛けて来た読者にとっては、読み進めることが非常に億劫になる場面も多い。

また、頼りにしている探偵が弱気なことを言い出し(たように見え)、事件も遅々として進まないのだから、先を知りたいという気持ちよりも「先を読んで、面白いと思えるのか」という心配が勝ってしまいそうになる。

ようやく、事件が動き出した、話が面白いと感じたのは既に339頁付近だった。(それまでは本当に惰性で読んでいる)そこからは今まで何だったのかと思うほど、一足飛びに話は展開し、解決にまで漕ぎつけるのだが、如何せんそれまでが長すぎる、というのが主な感想でもある。

旅に出るまでの舞台設定があまりに地味で、火村とアリスの軽妙洒脱なセリフ回しがこのシリーズの良いところなのだが、それも振るわない印象で漸く筆が乗ったところが終盤なのかと思わないでもない。
コロナ禍の中での自由の効かない捜査模様を徹底して書くものかと思えば、結局終盤で旅に出てしまうし、安楽椅子なのか、フィールドワーク重視なのかどちらつかずの印象を受けた。

とはいえ、仲島に着いてからの情景描写や、序盤、終盤での夕映えのシーンなどは心惹かれるものが多く、過去回想にも興味をそそられたので「やはり出先での事件の方が良いのでは」と思わせられた。実際に行ったとしか考えられない、リアリティのある採掘場や島の中の話は良かった。(島の中での、雑談に見せかけた聞き込みは「本当にそんなことまで話して貰えるのか」「二人とも泥酔していたり記憶が虚な場合どうするんだ…」と別の意味でハラハラさせられる)

願わくば、過去の事件と現在の事件についても、犯人の自供が欲しかったところ。有栖川作品が動機について重視していないとはいえ、この分厚さの本で確固とした動機が語られず「きっとそうだった。いやそうだったのだろう」的に語られる部分は曖昧さを免れない。犯人は貴方です、という探偵の一番の見せ場がないことは展開上仕方ないとはいえ、その辺りはもう少し確固とした証拠を持って語るシーンが欲しい、と長文を読んだ読者の特権を主張したい。

今作はエモ、という部分に振り切ってしまったのか、カタルシスがもっと欲しいと感じた。
探偵が頼もしく(弱音を吐かず)、びしりと決めるシーンが欲しかった、と思ってしまうのは、推理小説好きとして過ぎたる願いではないだろうと思うのだが……。肝心かなめの火村の影がどうにも薄かった印象がある。

舞台が一つところで、キャラに因らない日常的なロジックから埋めていくことを楽しめるタイプの人には、良いのかもしれない。旅先での派手な舞台や、始終大きく動く展開、キャラクターの活躍を楽しみにしている人にとっては、同様の感想を抱く方もおられそうなものだ。

今後はシリーズとしても新たな進捗があることを願っている。
捜査線上の夕映え Amazon書評・レビュー: 捜査線上の夕映えより
4163914846

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