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Tetchy さんのレビュー一覧

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レビュー数1433

全1433件 1181~1200 60/72ページ

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No.253:
(8pt)

いつもにも増してエピソード満載

全971ページ中753ページで漸く御手洗が登場するという、今までにも増して焦らしに焦らされ、本統に整然と解決するのだろうかと、シリーズ中最もハラハラさせられた。
膨大なるエピソードの山が全て結末に活かされているのは流石!!

相変わらず、冒頭から惹き込むエピソードの面白さは無類で、思わず童心に帰って物語に浸ってしまった。


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アトポス (講談社文庫)
島田荘司アトポス についてのレビュー
No.252: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

気付いてしまいました。

大学2年から数十年ぶりに読み返した今回は、分析的な読み方を心掛けた甲斐もあって、数々の粗、都合の良さや強引さが目立った。

しかし、数十年経っても色褪せぬ内容と、抜群のリーダビリティは確かに存在した。
読者を愉しませんがための過ちと受取ろう。

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眩暈 (講談社文庫)
島田荘司眩暈 についてのレビュー
No.251:
(1pt)

なぜこの題名?

あまりにも題名から想起される内容とはかけ離れていて呆気に取られてしまった。未だにこんな題名をつけたのか判らない。
時代ミステリであるがため、当時の世俗背景を甦らすのに腐心しているようだが、前に読んだ『死の館の謎』同様、登場人物が全く活写されていない。『ビロードの悪魔』、『火刑法廷』以外、結局カーはノンシリーズを物に出来なかったようだ。

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血に飢えた悪鬼 (創元推理文庫)
No.250:
(1pt)

もう出涸らし状態です。

大味だ、あまりにも大味だ。作品の構築したトリックが単なる研究成果の発表会と化し、全くの自己満足となっている。
“老いてなお、最新の知識を導入し、斬新な試みに挑む”とでも云いたかったのだろうか?


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死の館の謎 (創元推理文庫)
ジョン・ディクスン・カー死の館の謎 についてのレビュー
No.249:
(4pt)

記憶力が試されます。

昔の作品ながらも、プロローグに趣向を持たせ、忘れた頃にあっといわせるような手法で持ってくるところは、なかなか。しかもプロローグが実は犯人のアリバイ崩しの重要な手掛かりになるとは、心憎いのだが、原文でないと意味を成さないのはアンフェア。
冒頭の登場人物表に載ってない人物のエピソードが物語の核になる所は、この前に読んだレンデルの『石の微笑』と全く同じなのは、単なる偶然か?しかし、睡魔は読書の天敵だなあ…。
完全殺人事件 (1958年) (新潮文庫)
クリストファー・ブッシュ完全殺人事件 についてのレビュー
No.248:
(7pt)

女の狂気は怖い

冒頭、登場人物表にも載っていない人物の失踪が案外しつこく語られていること自体に「?」マークが頭に浮かんでいたのだが、最終的にこれほど致命的に機能してくるとは。久々に「あっ」となっちゃいました。
今回は珍しく男の狂気じゃなく、女の狂える愛。故にいつもなら狂気がしんしんと降り積もっていくのに、男が正気に戻りかけた途端、突然の大破局が訪れた。
そう、フローラよ、貴女は結局、幸運の女神だったのか?
石の微笑 (角川文庫)
ルース・レンデル石の微笑 についてのレビュー
No.247:
(7pt)

失恋男にこの話はツラい!

おいおい、どうしてこうなるの?なぜこの作家はハッピーエンドがこうも嫌いなのだろうか?たまには素直に物語を収束させてもいいんじゃないの?
しかし、レオノーラはひどい!最低の悪女だな。
ガイは、つい最近までの俺を見てるようでとても痛ましかった。だからこそガイにはハッピーエンドを迎えて欲しかったのに。
しかし、レンデルは冗長すぎるぞ!丹念に心の動きを積み重ねていこうとしているのは判るがくどくど意気地の無い愚痴に付き合わされるのにはまいったぞ!
求婚する男 (角川文庫)
ルース・レンデル求婚する男 についてのレビュー
No.246:
(4pt)

ルブラン息抜きの1冊?

これは島田荘司の『嘘でもいいから~』シリーズのように、モーリス・ルブランの息抜きのために書かれた短編集という印象が濃い。元来、話のスケールを大きくする作家なので短編と云えども過去の因縁を絡ませ、物語に膨らみを持たせようとしているがこれが見事に失敗している。
元々長編向きのアイデアを短編に無理矢理纏めたような、飛躍的な展開が実に白けさせるのだ。昔ながらの超人的思考力探偵というのは今更ながら辟易だ。
バーネット探偵社―ルパン傑作集〈7〉 (新潮文庫)
モーリス・ルブランバーネット探偵社 についてのレビュー
No.245:
(7pt)

こういうレンデルもいい!

いやいや、ルース・レンデルがこんな小説を書くとは、ねぇ。
2つの物語のうち、一方は振られ男のうじうじした日常の根暗な生活が淡々と綴られるのはいつものレンデル調なのだが、もう一方はスパイごっこに興じる少年たちの、云わば青春物語だなんて!!これがもう、おいらの少年心をくすぐるから、ジョンの話が鬱陶しくて、却ってそれが俺にとっては仇になった。
そして、2つの物語がハッピーエンドなのもまたレンデルらしくなく珍しい。
死を誘う暗号 (角川文庫)
ルース・レンデル死を誘う暗号 についてのレビュー
No.244: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

色んな話がてんこ盛りの贅沢な作品

重厚長大という四字熟語がぴったりの、まるで辞書のような小説であったが、少しも疲労を感じさせなかった。リーダビリティに関してはもう云うことはないだろう。冒頭のエピソードから、結局事件には直接関係は無かったのだが、物語に幻想味を持たせるためのファクターとなる古代エジプトの挿話とタイタニックの挿話がそれ自体1つの短編として機能するほどの質を備えている。
よく考えてみたら、なんと贅沢な一冊なんだろう、これは!!
水晶のピラミッド (講談社文庫)
島田荘司水晶のピラミッド についてのレビュー
No.243:
(7pt)

精神病院が舞台なのに明るい。

ここ続けて読んできた『鬼女の鱗』、『びいどろの筆』、『蔭桔梗』といった時代物、もしくは職人の世界を描いた恋愛物と、侘び・寂びを感じさせる日本情緒豊かな作品に親しんできたため、この作品は現代本格物ということで、どこか別の人が書いたような違和感を感じたが、やはり随所に泡坂らしさを覗かせ、小さいながらも驚きを提供してくれた。
精神病院を舞台にしたにも拘らず、重く暗くならないのは主人公海方のキャラクター性と、泡坂の筆の軽さゆえか。
毒薬の輪舞 (講談社文庫)
泡坂妻夫毒薬の輪舞 についてのレビュー
No.242:
(4pt)

江戸川乱歩風ルパン

「モーリス・ルブランの手による江戸川乱歩風味」といった趣の物語。忌まわしい伝説が伝わる島に監禁された愛息を救うべく、島に渡った母親、悪の首領が支配するその島には壮大な地下迷宮(!?)が存在し、万能の力を持つ「神の石」が眠る…。
ほら、乱歩以外何物でもない!
しかも、珍しく主役のルパンは何と、物語の3/4を過ぎた辺りから登場という異例の展開。
なのに安っぽいんだなぁ、これが…。
三十棺桶島 (ポプラ文庫クラシック)
モーリス・ルブラン三十棺桶島 についてのレビュー
No.241:
(3pt)

映画化もされた作品だが。

う~ん、冒頭の逮捕劇を読んだ瞬間は、傑作の匂いを感じたんだが、最終的には今一つ突き抜けないという気持ちで一杯だ。確かに、なんやかんやあったせいで集中力に欠けたのもあるが、登場人物各々に魅力をさほど感じなかったのも事実。それに文体も三人称と一人称とが混在し、文豪らしくない。
あと、どうもこれはミステリではないような気がする。心を病んだ1人の青年の破滅を描いた普通小説のように読めたのだが。
引き攣る肉 (角川文庫)
ルース・レンデル引き攣る肉 についてのレビュー
No.240:
(7pt)

これって実は女性を口説いているだけぢゃあ…

前評判の高い作品ではあったが、評価は上のように落ち着いた。
内容は、確かにヴァラエティに富んでいる。物的・心理的トリックを駆使した本格物から、サイコ・スリラー物まで、アイデアもいい。まあ、でも大人になった現在、かなり苦しいものがあるなと痛感した。
大人になって読んで実感できるものと云えば、この八つの物語、全てリュパンがオルタンスを口説くためだけの前工作に過ぎないという点だ。いやはや、ここまで投資する恋があるとはねぇ…。
八点鐘―ルパン傑作集〈8〉 (新潮文庫)
モーリス・ルブラン八点鐘 についてのレビュー
No.239:
(10pt)

1ページから傑作と感じた。

最初の1ページを読んだ時からこの作品は傑作だなと感じた。それも生涯忘れ得ぬほどの…。
前回読んだ『バスク、真夏の死』とは比べ物にならない読み易さと簡潔かつ的確な訳。外国の小説でこれほど町のイメージがたやすく浮かんだのは、本書が初めてではなかろうか?それは著者が街の住人を誰一人として疎かにせず、見事に活写したため。行間から息吹が、匂いが立ち上ってくるが故に、それぞれが皆、確かに生きていた。
稀に見る傑作だ。
夢果つる街 (角川文庫)
トレヴェニアン夢果つる街 についてのレビュー
No.238:
(3pt)

これは残念!

トレヴェニアン。
この作家の名を久々に見つけて、しかもこの作品が我々の前に再び御目見えすると聞いて、期待して読んだのだが…。
期待が過ぎたのだろうか…。
まず文章が読みにくい。いや、文章が読みにくいのは『シブミ』や『アイガー・サンクション』で経験済みであるから、それは些細な瑕疵に過ぎない。やはり内容が魅力的ではなかったということか。
「冒険小説の」トレヴェニアンに関しては8ツ星だが、「サイコスリラーの」トレヴェニアンは上の評価が精一杯。
バスク、真夏の死 (角川文庫)
トレヴェニアンバスク、真夏の死 についてのレビュー
No.237:
(10pt)

全てが一級品の短編集。

今回はじっくり読ませてもらった。途中で次の日に持ち越さないよう、一編が完結するまで読んだのが功を奏した。
率直な感想を云わせてもらえば全てが一級品の短編集だ。
自伝的な短編、「増山雁金」、「簪」、「弱竹さんの字」。
ラストに不意を打たれた「遺影」、大人の恋愛を感じさせる表題作や「絹針」、それに加えて自分なりのベストの二作品「くれまどう」と「色揚げ」。
戦慄のラストの「竜田川」。
寂寥感漂う「校舎惜別」に微笑ましい「十一月五日」。
本統に素晴らしかった。
蔭桔梗 (創元推理文庫)
泡坂妻夫蔭桔梗 についてのレビュー
No.236:
(8pt)

これぞ泡坂風時代小説だ!

いやぁ、やっぱり泡坂妻夫はこういった江戸物、とりわけ職人物を書かせると上手いわ。『鬼女の鱗』の時は自分にとって初の時代物だった事、間に盆休みが入った事が期待外れの要因だったが、この『びいどろの筆』は市井の人々の生活の匂いが立ち上ってくるかのようだ。
あと、特徴的なのは夢裡庵が主人公でない所。各エピソードの主役は各々異なるが、その誰もがまた、人間臭くて実にいい。
びいどろの筆―夢裡庵先生捕物帳 (徳間文庫)
泡坂妻夫びいどろの筆 についてのレビュー
No.235:
(1pt)

前作は遥か忘却の彼方でした。

前作『813』を読んだのが、何と10ヶ月前!!ほとんど内容の方は忘れてしまっていて、何が何やらさっぱり判らなかった。『813』で残された謎が次々と明らかにされていっているんだろうけれど、もう謎自体、忘却の彼方へ押しやられて、ただ文字の流れを見るのみになってしまった。
こんな読書はいけないのだろうけれど、他の作者の本を読むときは物語世界に入っていけるのだから、これはやはり作者のせいだろう。
続813 (偕成社文庫)
モーリス・ルブラン続813 についてのレビュー
No.234:
(7pt)

不要な登場人物が多すぎるのでは?

よく出来た小説だと思う。何一つ過不足無く終末へと向かうし、文章も格調高い。しかし、目くらましのために容疑者を増やしすぎたのではなかろうか?
以前に比べると登場人物の特性がそのために希薄になってしまっている。未だにどんな人物だったのか区別がつかない人物が3~4人いる。
また、読書とは関係ない部分、つまり私事に於いて想い煩う事があり、時折、文字を追うだけになってしまったことも付け加えておこう。
ある殺意 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
P・D・ジェイムズある殺意 についてのレビュー