■スポンサードリンク
Tetchy さんのレビュー一覧
Tetchyさんのページへレビュー数1418件
閲覧する時は、『このレビューを表示する場合はここをクリック』を押してください。
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
タイムリミットが無かった分、消極的な印象が。プロットが政治濃かったのもあまり楽しめなかった一因かと。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
錯綜するプロットの中、題名の「蛹」は最もウェートが低かったのでは?
鮫シリーズの中では消化不良の感が強いなぁ、これは。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
忙しい中で読んだにも関わらず、ストーリーがしっかりと脳裏に刻まれていく巧みなストーリーテリング。傑作!
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
前作『毒猿』が出色の出来だっただけにトーンダウンの印象が。それでも水準以上ではある。
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
幸福に恵まれなかった人たちの物語。鮫島は今回脇役!?
|
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
新宿鮫。
この強烈なタイトルを書店で見た時、興味が沸くとともにえげつなさを感じ、食指は伸びなかった。 その後、『このミス』を購入するようになり、そこで載せられていた過去のランキング作品で堂々の1位となっていたのをきっかけに俄然興味が沸いたのはミーハー心のなせる業。 評判に違わぬ面白さだった。いきなり怪しい雰囲気で始まるこの作品はぐいぐいと私を夜の新宿へと誘う。 そこは大都市新宿ではなく、混沌の街新宿。夜になると顔を変え、犯罪が蠢く街。 そこをキャリアながら一匹狼然として歩き、やくざたちにも一目置かれている新宿鮫。まさにその姿は鮫が悠然と大海を泳ぐが如く強い男と私には映った。 しかしそんな鮫島も窮地に陥る。そこに私は悲しみを覚えた。鮫島は恐怖を覚えない強い男であってほしかったからだ。 しかしそれはバイプレイヤー桃井を読者に印象付ける演出でもあった。 ロック歌手晶がこの時はまだ存在感を発揮していて、それがまたバブルの香りを彷彿させたりもする。シリーズが続くとこの晶の存在が次第に仇になってきて希薄していくのが悲しいが、この頃はまだそんな雰囲気はない。 とにもかくにも読むべき小説の1冊である。シリーズ10作+短編集が現在刊行されているが、11作目はまだ気配すらない。 手にしていない人はまだ間に合う。 読め。 そして浸れ。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
短編集というのは評価がしにくい。平均的な水準の作品ばかりが並んでいると、つまらない印象を受けた1編ないし数編が妙に目立ってしまい、評価を下げるような結果に繋がるし、またつまらない作品が数編あっても傑作と呼べる極上の1編があれば評価は俄然高くなるから困りものだ。
そこでこの短編集は、と云えば前者に含まれる。 「殺人助手」という登場人物が乱雑に出てくる1編のつまらなさが頭に残っていてあと一歩という感じ。でも目次を見ると結構好感の持てる作品があるのも確かだから…。ああ、困った、困った。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
スピルバーグの「激突」を思い起こさせるような設定でストーカーの恐怖を描いた本作において特筆されるべきことは本作が’73年に書かれた物であることだ。日本に「ストーカー」という言葉が上陸したのは恐らく’90年代初頭であろうからその先駆性は素晴らしい。
ただやはりクーンツ特有の瑕というのは本作にもある。 まずはホウヴァルなる刑事をただの狂言回しとしてしか機能させなかった事。多分クーンツはこのキャラクターを持て余したのだろう。 もう1点はソランドの精神病が何に起因するかが明白でない事。これは小説の設定において必要不可欠ではないだろうか? とは云え、スリルとサスペンスを十分に織込んだ本書はやはり愉しめたというのが本音であろう。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
泡坂版「奇妙な味」短編集で全く以って一筋縄ではいかない作品群である。
不能な自分の代わりに若者に自分の妻を抱かせる歪な愛をモチーフにした「雨女」を始め、「蘭の女」、「三人目の女」は何とも云えない読後感を残す二編だ。 そして次は当初青春小説かと思わせ、ファンタジックなパラレル・ワールドを展開させ、最後は見事論理的に着地する「ぼくらの太陽」、そして六篇中どちらかといえばまともな本格物に位置する最後の二編と、誠に幅広いマジックを展開させてくれた。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
メインの事件がいつの間にかサブに回る構成でそれも現代の事件が24年前の事件に繋がる事になり、24年前の事件無くしては現代の事件が成立たなかったという凝ったプロットになっている。
そして作者が今回選んだモチーフは「オリンピック」。この世界の祭りに新幹線開通を絡ませ、高度経済成長の荒波に人生を翻弄される姿を描きたかったのか。 そしてやはり本作でも東京という「都市」に憧れ、殺人を犯してしまうという島田荘司氏の追い続ける都市の魔力というものが暗示されている。派手さはないが、やはりこのシリーズも読み逃せない。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
結局、玉石混交の短編集といった感じ。
私のお気に入りは「夜の銃声」。二段構えの皮肉な結末に思わずニヤリとさせられた。ヴォリュームも30ページ前後と、引き締まった内容で読みやすい。 かと思えば「新任保安官」のように登場人物が多すぎて収拾がつかない物もあり、一長一短がある。 面白かったのは、一般にハードボイルドと呼ばれるハメット作品もサプライジング・エンディングを踏まえた本格テイストを備えている事。ただ、解決へ至る手掛かりが探偵のみに与えられているアンフェアな所が腑に落ちないが…。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
美術館学芸員であるクリス・ノーグレンシリーズがあるのに何故新たにベン・リディアという主人公を要して絵画のミステリを執筆するのか?まずこれが本書を手に取った際に念頭に浮かんだ疑問文だった。
だが読了後、本格ミステリでなくサスペンスという形式をとるために新たにシリーズを打ち立てたかったという回答に行き当たった。 エルキンズの作品はしかし安心して読める。エンタテインメントに対して忠実な下僕であるからだ。 しかしクリス・ノーグレン同様、本主人公の顔が今は見えない。エルキンズ作品に似つかわしくない邦題と共に消えてしまわないか心配だ。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
結局の所、ハードボイルドについて云えば、そのストーリーもしくはプロットの妙もさる事ながら、その纏う雰囲気、文体にのれるかのれないかによる所が大きい。
心情の判らないサム・スペード物に比べれば今回のコンチネンタル・オプ物は主人公の内面に当たる所があり、今までのハメット作品の中ではのれた部類に入るのだが、正直云ってやはり物足りない。 コンチネンタル探偵社がオプを中心にチームワークで事件に当たるのは(私の中で)今までになくフレッシュな感覚があるのだが、その分登場人物が多過ぎて訳判んなくなってしまった。う~ん。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
これは珍しい!島田荘司のショートショートなんて初めて読んだ。従来書いているミステリとは違い、論理的帰結のない、SF小説というか幻想文学めいた内容であるのは興味深い。つまりいわゆる幻想的・魅惑的な謎の下地がここにある。
その他の短編も島田荘司ならではの着想がやっぱり面白い。ページを繰る手がもどかしいとはこのことで、その疾走感はたまらない。 名作名高い「糸ノコとジグザグ」もメタ御手洗物でなかなか良かった。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
キャラクターに魅力があるとそれだけで作者の勝ちは決まったものである。私の場合はそれに文体が加わってくるのだがこのギデオン・オリヴァーシリーズ、いやアーロン・エルキンズ一連の作品群の醸し出す独特のユーモアとウィットに溢れた作品は本当に毎回心地よく愉しませてくれる。
またミステリを読む楽しみの1つに自分の知識を増やしてくれる事というのがあるが、この骨の専門家のお話にはその辺が横溢しており、かつ全体のユーモアのスパイスとして十分に活かされているのが良い。 眠気のせいで物語に没入できなかったこともあったが、今回も十分満足できた。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
前半、軽妙なリズムで話が流れて、主人公ネド・ボーモンの曲者振りがいかんなく発揮され、かなりの手ごたえを感じた。特にネドが敵役のシャドの手下達にリンチを受けるシーンは徹底した第三者視点の描写ながら、その執拗な攻撃に身震いを起こしてしまった。
だが後半になると、人物間のドロドロした話となり、いささか辟易してしまった。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
結局、この物語で語りたかった事は何だろう?
不可能状況、不可解状況を作り出すためにわざわざ登場人物達を歪曲したような感が強く、興醒めした。 物語を語るのなら、例え登場人物に通常考えられないような奇癖、性格を持たせても、納得できるような描写、説明が必要である。現実にありえない事でもそれを思いつき、理論立てた作者の力量に感嘆するのだが、本作にはそれが皆無である。だから真相を明かされても、ご都合的だと思われ、カタルシスがないのだ。 あ~、とても残念だ。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
良くも悪くもサーヴィス精神旺盛である。畳み掛けるようにこれでもか、これでもかとばかりに山場を積み重ねていく。
主人公に他の皆とは違う特異性を持たせるのがクーンツの特色だが、『殺人プログラミング』同様、その根拠というか蓋然性はいまいち説得力に欠ける。そこが瑕と云えば瑕だが、これだけエンタテインメントしてれば良しとしよう。 |
||||
|
||||
|
|
||||
|
||||
---|---|---|---|---|
この評価は単に面白くなかったという訳ではない。あくまで自分の好みと合わなかったまでの事である。
というのも余りにも本格的過ぎて、出てくる名詞が十分理解できなかったことが大きい。また物語の焦点となる写楽への言及がなかなか始まらなかったこともやきもきさせられた。 ともあれ、写楽を通じて江戸風俗を蘇らせる事も作者の意図する所であるだろうし、作者の趣味をそこここに万遍無く導入させたかったのであろう。しかし、この作品をああいった形で結ぶのは素晴らしい。 |
||||
|
||||
|