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なおひろ さんのレビュー一覧
なおひろさんのページへレビュー数572件
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多分再読。記憶は全く有りませんけれど、大昔泡坂作品はかなり読みましたから。Ⅰ部で事件が発生、Ⅱ部は作中作の短編集、Ⅲ部が冒頭の事件の解決篇と言う構成の長編本格ミステリーです。物語全般が「奇術」と一体となった様な作品で、正直マジックに興味が無い私は、読むのが少々キツかったですね。ただ、本格推理として良く出来ていると思います。沢山のバラまかれた伏線にきちんと気が付けば、犯行可能な犯人が1人指摘出来るのでは無いでしょうか。奇術に関するうんちくも合わせて楽しめる方には、更におススメですよ。
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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著者初読み。江戸川乱歩は全く読んだ事が無いので、雰囲気の類似性については良く分からないが、怪奇趣味に溢れた作品。事件の内容、名探偵、警察、犯人、トリック等、全てが作り物めいた世界観は、自分には新鮮で面白かった。高校生が殺人現場にガンガン入って行くので、警察はどうなってんの?、とか思うのは、「リアリティ」を少しでも求めてしまうせいで、本作の場合はきちんと割り切らないと楽しめないね。作者の、乱歩と海外古典ミステリーへの愛情も凄く伝わって来て、乱歩やカーも読みたくなった。でも、二階堂蘭子シリーズはもう良いかも。
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18年ぶりの再読なのかな?メインとなる仕掛けは未だに忘れられず、初読の驚きは得られなかったですが、再読上等の素晴らしい作品でした。連続誘拐殺人事件を捜査する刑事の視点と、新興宗教にのめり込んで行く男の視点が交互に描かれますが、双方共に、こうとしか生きられない、と言う背負った運命の哀しみに圧倒されました。普段は子供が被害者の作品は嫌悪感が先に立つのですが、本作は突き放した文体のせいか、作中の人物に取り込まれてしまったのか、乾いた気分で読めました。しかし本作がデビュー作であり、若干25歳で書かれたとは、凄い。
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第53回江戸川乱歩賞受賞作。公安警察ものであり、スパイ小説であります。誰が敵か味方か分からない(理解できない)、二転三転して結局どうなったのか良く分からん(理解できない)、と言う事で超苦手分野の作品でした。先の読めないストーリー展開には面白味は感じましたが、主人公のキャラに感情移入出来なかった所もあり、私には合いませんでしたね。中国人の名前が読めないしなぁ。んー、残念。
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著者お得意のSF的設定、そしてまたお得意の人情話が融合された、手堅いクオリティの作品だったと思います。バラバラに見えた様々なエピソードは、伏線が回収されるにつれて繋がっていた事が明らかになって行く。過去と現在を行き来する手紙、沢山の人々が投函した悩みの内容は重い物も多く、ハッピーエンドとは限らない。しかし皆懸命に生きていた、その真剣さに打たれました。ただ、流石に視点が行き来しすぎ時系列が把握し辛い。しかも登場人物が多過ぎ、主人公の三人組は区別が付かないほど影が薄い。ちょっとごちゃごちゃし過ぎた感じですね。
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第27回山本周五郎賞受賞作。言うまでもなく、各ランキングで1位総なめのノンシリーズ短編集です。作者の持ち味は後味の悪さで有りますが、本作もいかんなく発揮されていますね。全作に共通するのは、一人称で書かれている事。他の人が何考えているか全くわからない所に、サスペンスやホラーのテイストが合うのでしょうね。落ち着かない気持ちで読んでいました。気に入ったのは「夜警」、オチはありふれた物ながら、キャラ造形と話の進め方で読ませる。嫌いなのは「石榴」、こう言うエロティシズムは要らない、どちらが望んでもコレはダメ。
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今まで読んだ伊坂作品の中では、一番好きな話になった。内容は大学生5人の青春小説で、大きな事件や小さな事件のエピソードが、春夏秋冬の4章に分かれて綴られています。色々な伏線がその後効いてくる所も上手いですが、やはり5人+鳩麦さんのキャラクターが気に入ったからでしょうね。大学時代こんな仲間は出来なかった、後悔しても遅いけど残念だなぁ。甘くて苦い、滅多に読まない青春物ですが、読後感が良かったです。読んでる間BGMはラモーンズとクラッシュでしたが、最後にまさかの新型セドリック!、ルースターズ!、最後までパンク。
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著者初読み。余りにも格好良い表紙とタイトルに一目ぼれ購入。裏表紙の紹介文、解説は読んで無かったので、ハードボイルドかバイオレンスだろう、と思ってましたが、名探偵物の完全な本格ミステリーでした。前半は交通事故で息子を亡くした父親が、犯人に復讐しようとする中で書かれた手記で始まります。この辺は緊迫感が有って好きな感じ。後半探偵登場からは、犯人特定までの理論的な推理の過程が楽しめました。時代の違いによる違和感は少々有るが、サスペンス、ロジック、伏線の妙、何れも素晴らしく面白かった。
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とにかく面白かった。変な表現ですが、作者の凄みを感じました。東京の一流ホテルにおけるお仕事小説であり、連続殺人事件の推理と捜査を描くミステリーでもあります。ホテルで働く方々の覚悟とか想い、刑事たちのプライドや執念を感じるエピソードが詰まった分厚い本なのですが、異常な程読み易い。そのエピソードに散りばめられた伏線が回収されて行く気持ち良さ、男女二人の主人公の関係性が変化して行く心地よさ、何とリーダビリティに優れている事か。犯人の動機、犯行方法は、突っ込もうと思えば微妙なんだけど、物語としての面白さが上回る。
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タイトルが全て物語っていますが、中国産の食品に対する安全性への警鐘を鳴らす作品です。それだけでは無く、当時の民主党政権への批判、官僚を代表とする国家への不信感等を、原因不明の病気の解明と、殺し屋による連続殺人を軸としたフィクションでエンタメに仕上げています。しかし、なぜこんなにもつまらないのか、理由は二つ。まずキャラクターの造形に背骨が無い。途中でブレ過ぎて、どんな人だか分からない。後、余りにもバタバタ人が死に過ぎる。B級臭さが半端ない。作者の熱い気持ちは伝わる、でも小説としての出来は良くないと思った。
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著者初読み。第三回アガサ・クリスティー賞最終候補作。他人の人格に一時的に入り込み、人生の軌道修正の手伝いをする。それが「セオイ」と呼ばれる伝承技で有る、と言う訳ですから、本作はSFエンタメなんですね。クリスティ関係無くないですか?、まあそれは置いといて、結構面白い作品でした。「セオイ」のシステムの設定が緩すぎるのは弱点、また登場人物の背景、起きる事件がそれぞれ重すぎて気が滅入る、本作の総合完成度は微妙。ただ、この奇抜な発想をデビュー作で仕上げたのですから、パワーと勢いを、そして先を読ませるセンスは感じた。
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第6回山本周五郎賞受賞作。20数年振りの再読です。とても素晴らしい文章とリーダビリティで、明らかになって行く真相が気になり一気に読み終えました。それぞれの人物が持つ背景の重さと、カードによる破産、親の借金、と言う社会派テーマの為、やり切れない(救いが無い)気持ちにもなりました。ラストシーンの後はどうなったんだろうか、このエンディングを書ける所が作者の才能なんでしょうね。さて、作中の本間は当時42歳、まだお元気なら現在67歳です。自分も同じだけ歳を取った訳で、それを突き付けられたのが一番の衝撃だったかもね。
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著者初読み。クローズドサークルにおける殺人事件、と言うバリバリの本格作品ですが、本作は史上初?の、タイトル当て小説になっています。この○○に当てはまることわざが分かると、事件の全貌が理解できるのだそうです。変わった趣向ですが、作中にも冒頭の読者への挑戦状から始まり、挿話と言う形で作者の視点が数回入ってきます。本格が本当に好きなんでしょうが、それを真正面から大上段に振りかざす事に抵抗を感じ、敢えてメタミス的に斜めから切りつける。作者の本格への歪んだ愛情かな?無駄なくコンパクトに纏まった良作だったと思います。
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隠蔽捜査シリーズの短編集。長編シリーズでは脇役の伊丹刑事部長が主人公であります。シリーズ各作の裏側や側面に肉付けした様な感じであり、ファンにはたまらない面白さでした。竜崎の安楽椅子探偵振りが頼もしい所ですが、伊丹の人間味もとても好ましい。この二人の関係を友達と呼ぶかどうかは微妙ですが(笑)。
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