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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数681件
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初読の作者さんでしたが、八雲の人なんですね。
リーダビリティ高くテンポもよいのですが、ご都合主義的にポンポンと話が進んでいくからそう感じてしまうんでしょうね。 ライトミステリという事ですが、私にはちょっと軽すぎたかな。 |
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アニメ制作現場の裏話的なお仕事モノです。
監督、プロデューサー、アニメーターである女性が主役の連作集ですが、時間軸は同じ、同クールのアニメ業界の裏側では何が起こっているのか、を3つの方向から描いた話になります。 アニメに興味がない人でも十分に楽しめると思います。 実際私は、興味が無いというよりどちらかというと、作る側の人間に対しても、それを前のめりで見ている人間に対しても、好意を持っていませんが、楽しく読めましたので。 特に3作目のアニメータの話が好きでした。 自分達を「非リア」と称して「リア充」な連中に対する斜め下からの歪な心理描写などは、この作者得意とするところでしょう。 「非リア」というより「社会不適合者」だと思って読んでましたが・・・ 変人がノーマルに変わっていく過程がよかったです。 チヨダコーキも登場します。 「スロウハイツの神様」って、辻村作品の色んな起点になってるんだな、って思えてきますね。 |
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祖父を殺された青年の犯人探しの物語ですが、謎解きというより主人公の成長の物語と言ってよさそうです。
そういうと、青春モノ、人情モノなのかっていう話になりますが、寧ろ歴史モノやドキュメンタリーと言った方がしっくり来るような気がします。 ミステリ要素もありますしね。 でも、ごった煮って感じではないです。 時代の激「流」に翻弄されながら、転がる石のように「流」されていく主人公の人生。 ビシっと一本筋の通ったしまりのある作品だと思います 。 舞台は70年代の台湾で、我々には余り馴染みのない設定になりますが、当時の台湾の文化や情勢が庶民目線で語られています。 国民性ってこうやって作られていくんだな、なんて感じながら読んでいました。 台湾産まれの作者だからこそ描けた作品のように思いますね。 まぁおかげで登場人物の名前を覚えるのに一苦労しますけどね。 読後感もいい作品なんですが、この状況が長く続かない事を知っている読み手には、また独特の読後感を生んでますよね。 |
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これまで読んだこの作者の骨太作品とはかなり趣が異なっていて、この作品はかなりライトで気楽に読める感じです。
主人公の元女弁護士とその助手が依頼を受けてトラブルを解決するといったもの。 一見勧善懲悪モノのようにも感じますが、実は主人公の元女弁護士も「白」って感じではないですね。 というのも、主人公より、実際謎を解決しているのは殆どが助手の貴山。 どことなく麻耶雄嵩の貴族探偵っぽいかな。 その助手も決して「白」じゃないのですが・・・ 短編なので、頭脳戦が展開されている割には浅く感じてしまうんですけどね。 主人公の二人のキャラが濃いし、シリーズ化するんでしょうね。 |
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二人ほど人が死ぬんですが、体裁としてはコージーミステリそのもの。
軽いですが、軽く読みには登場人物が多すぎますかね。 とはいえ、クセの強い住人たちで覚えやすいと言えます。 コージーミステリですので、探偵や警察が介入する事はなく、住人たちの噂話を元に読み手に推理させるって感じですが、中盤辺りまではどいつもこいつも怪しいって感じで容疑者が絞れるどころか発散していきました。 どう収束させるのか少し心配になりましたが、奇人変人の住人達が少しずつ絡まりあい、ピースを埋めていき完成という辺りは流石ですね。 奇抜ではないし、若干突飛すぎる気もしますが・・・ で、やはり主眼は人間の醜さとか悪意とかで、この作者さんらしい作品といえるのではないでしょうか。 |
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この作家さんは、あの「フジコ」以来の2作品目。
それにしても、この作者さんって他もこんな感じなんですかねぇ。イヤミスの女王と呼ばれているみたいですが・・・ エログロ全開って感じですね。 「惨劇」って言うほどの事件は起こらず、歪んだ人間達によるちょっと気持ち悪くなるような物語が続きます。 ただ、イヤミスを我慢して読み切った者しかその面白さまで到達できませんよ。 「フジコ」ほどのインパクトはないですけど、仕掛けまみれで面白いのは確かです。 まぁ、仕掛けというよりも「小細工」って感じもしないでもないですが・・・ しかも「鉄則」と言ってもよい仕掛けとも思うんですが、毎回騙されてしまうんですよね。 ただ、この作品に限っては、読み進めるうちに途中で「あれっ!?」ってなりました。 どこかでミスリードされてるって気付いちゃうんじゃないかな。 私の場合は、当たらずといえども遠からず、って感じでしたが。 そこが少し減点材料になりますかね。 某所で作者ご本人さんにリツイートされたんで1点おまけ。 |
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白辻村か黒辻村かって事になると、この作品は明らかに白辻村で、っていうか「真っ白」な作品。
これまで読んだ辻村作品では「異質」かも。悪い意味ではなくて良い意味で。 「こんな作品も描くんですね」って少し意外でした。 舞台は瀬戸内海に浮かぶ島。 島の生活ってのが、どこでもこんな感じなのかは分からないですが、元々住んでいた住民たち以外にも、Iターンで渡ってきた人達や、諸事情あって内地から逃げるように移住してきたシングルマザーが多く生活をしているという設定。 そしてそこには、島というある意味閉鎖された空間ならではの、大人たちにしか分からない複雑な事情が絡み合っています。 テーマは島に過ごす人間たちの繋がりの強さと別れでしょうか。 主人公はこの島に住む男子2名、女子2名の高校生なのですが、本来大人たちで何とかクリアしていくはずのそれら事情も、狭い世界の中では子供たちにも筒抜けで、巻き込まれたり、或いは、自ら巻き込まれに行ったりします。 将来、島から出るというのが基本路線の彼らの中には、島に残る事を宿命付けられた網元の娘もおり、繋がりが強いが故により別れが辛いものになるといった設定には、わざとらしさも感じざるを得ないんですけどね。 4人の高校生たちは価値観等、それぞれにタイプが異なっており、同じ島に暮らしていなければ友達にすらなれたかどうか。 そんな事を色々考えながら読んでいると、最後に涙腺崩壊するかも。 色々な諸事情がウルトラC的に上手く収束してラストはハッピーエンド、っていうのは、この作者さんらしく無い終わり方な気もしないでもないです。 なので後々印象に残らない作品なのかも知れませんが、読後相当「ほっこり」したのは間違いありません。 作品間での登場人物の往来が珍しくない作者さんですが、この作品には辻村作品では5指に入るであろうキャラである「あの人」が登場します。 チラッとの登場ではなくかなりの活躍と存在感を出してます。 地域活性デザイナーのあの人とタッグを組んでの続編がありそうな気がしますね。(まだ出てないよね) |
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事故で子供をなくし生活に疲れ切った37歳の主婦を被害者の一人として描いたミステリ。
甘い香りでターゲットをおびき寄せ、その養分を全て吸い取るウツボカズラ。 美やお金への飽くなき願望がその罠へと誘う。 女性のあくなき「美」への願望やその執念は分からなくもないのですが、それにしても、「あなたは、もっと美しくなれる!」の一言でコロッと騙されてしまう。 男にはなかなか理解できない部分ですね。 序盤の2視点、繋がる事は明らかなのですが、簡単には繋げない。 この接点こそが物語のキモなわけで、この見せ方は上手いと思いました。 ネタバレにならないように言ってしまうと、一種の「なりすまし犯」な訳ですが、アイデアは秀逸に思いました。 ただ、接点が明らかになってからの展開が少し早すぎで、本来ならもっとスケールの大きな作品に出来た気もします |
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女探偵・葉村晶シリーズの2作目。
というか、この作者の作品は初読だったので、シリーズ1作目は読んでいません。 評価が高かったんで読んでみた、って感じなのですが、正直失敗しました。 第1作からちゃんと読むべきでした。 9編の連作短編集で、春→夏→秋→冬と時系列に話が進み2年後の春で終了するという構成。 扱う事件が事件らしからぬ軽い案件ばかりという事もあってか、1編1編が非常に短いです。 主人公の女探偵の一人称という手法を取っている割に、多くを語らず、感情も表に出さないためか、非常に無味乾燥、悪く言えば「シラー」っとした「流れ」も兼ね備えているといった印象なのですが、不思議とテンポやキレと言ったものを感じてしまいます。 と言うのも、謎が解かれて明らかにされるのは「悪意」で、何れの作品も読後感は良くないですが、強烈に印象に残ってしまうからでしょうか。 あと何気にプロットもしっかりしてますよね。 読み応えありって感じではないですが、読んで見る価値ありな作品。 「短編ってやっぱりこうでないと」って思えた短編集でした。 |
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【ネタバレかも!?】
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役者が総理大臣の替え玉にという相当無茶な設定。
普通に考えると、そもそもまともにこなせる訳もなく、総理大臣の職務を舐めるなよである。 また、バレないなんて有り得ないのだが、まさかバレないまま終わるなんて予想だにしていなかった。 この辺りに引っ掛かる人にはこの作品はダメだろう。 どう考えてもフォクションなんだし、フィクションと割り切って読み進めれば面白いと思いますよ。 逆にシリアスに書き切ったのは凄いと言えるのではないでしょうか。 |
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作者の王道パターンである舞台を銀行とする勧善懲悪モノの連作短編集。
結果は分かってるんだけど、やっぱりそれなりには面白いです。 ただこれでハズレ無しと言っちゃっていいのか・・・ 半沢直樹シリーズよりも前に発表された作品だが、先に半沢直樹シリーズを読んでしまっていると、やはり全然物足りない。 半沢シリーズにはなかった殺人事件まで発生します。しかも3件。 それだけたちの悪い悪党という事になるはずですが、そのあたりの描写が何とも中途半端、そのせいでラストもスカっと感が殆ど無い。 この手の企業小説に登場する悪党に期待するのは、知的犯罪とか立場を利用した卑怯な手口、恐ろしいやつではなくズルいやつであって、人殺しまでは期待しない。 殺人が発生するとなると警察の介入は不可避で、そうなってくると別物の作品になってしまう。 主人公が元エリートの庶務行員。 横山秀夫の警察小説でも中心地とは外れたポジションの人物が主人公である作品が多いですが、そのポジションならではの活躍をしています。 この作品は、主人公が庶務行員である意味がまるでない気がしました。 その辺りも、1つの物語としてのまとまりの無さというかおさまりの悪さというか深みのなさにつながっている気がします。 |
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幼稚園の先生の奮闘記で、この作者にしては変化球だなぁ・・・と思っていたら、渡瀬刑事登場で、結局は「らしい」作品に。
モンスターペアレントとの戦いの話で良かったと思うんですけどね。 この作者さんの作品には時々こういう作品がありますね。 主人公の先生の出自が明らかになった時点で、先の展開が読めてしまうんですよね。 そこまでの登場人物が少なくて、悪人候補が限られてますからね。 意外性やどんでん返しが売りの作者さんですから、そっち方向へ持っていくために、結局それまでの印象を思い切り捻じ曲げてしまわなければならない。 だから読後の印象もよくないですよね。 この作品なんて、結局主人公は何も救われていない気がしますが・・・ しかし、何作か読んでいると、その意外性も容易に読めてしまいます。そうなると最早意外でも何でもない。 後半のミステリ部分に主眼を置きたいのだったら、前半にもう少し根回ししておけばいいと思いますね。 レビューで書かれている人も多いですが、年少さんにあの劇は絶対できないですよ(笑) |
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タイトルの意味は、蟻と植物の共依存の事で、物語の最後の最後に分かります。
中心人物である二人の姉妹の事を比喩しているのだと思いますが、どこかしっくり来ません。 共生しているという感じはしなかったですね。 ある人物の過去を追って東尋坊へ、なんて、松本清張を読んでいる気にさせられます。 社会派ミステリに分類される作品だと思いますが、清張作品のようなズシッとくるような重厚感はなかったですね。 2時間モノのサスペンスドラマって感じでしょうか。どこか薄いです。 婚活詐欺とか、児童虐待とか、様々な重いテーマが盛り込まれています。 それでいて「薄い」と感じてしまったのは「構成」が原因している気がします。 何人かのレビューアーの方が言われているように動機だったりとかもそうですが、何かしっかり繋がっていないっていうか・・・うまく表現できませんが。 叙述系のトリックを疑いたくなるような趣向が途中から突然現れたりとか・・・で、オチが・・・(唖然)とか。 正直もっとシンプルでよかったのではって思います。 父親殺害だけで終わっても、十分上質のミステリとして成り立ったと思いますけどね。 姉妹に対する肩入れもかなり違うはずですよね。 |
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「最後の証人」で弁護士として登場した主人公佐方の検事時代の話を中心に描いた連作短編集。
佐方シリーズ3作目となります。 2本目の「業をおろす」は、前作の5本目「本懐を知る」の続編となっています。 作者の配慮はあるものの、やはり順番通りに読むべきでしょう。 ただ、ここまで謎を明らかにする必要なかったのでは。 要するに、「本懐を知る」で終わらせておいた方がよかったと思ったって事です。 今作は、前作に比べて案件が小粒。 どんな小さな案件だろうが、妥協せず何事にも屈せず正義を貫く佐方、という事なのだろうが、前作以上を期待して読んだ側からしたら幾分肩透かし感はある。 また、前作でしっかり描かれていた「相手に真実を吐かせようと思ったら、人間として向き合うべきでしょう」の部分が今作では希薄。 単独なら比較的高い評価が出来る作品ですが、前作を読んでいると「あれ?」になっちゃうかな。 まぁ前作が凄すぎたって事ですね。 |
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「最後の証人」で弁護士として登場した主人公佐方の検事時代の話を中心に描いた連作短編集。
佐方シリーズ2作目となります。 「相手に真実を吐かせようと思ったら、人間として向き合うべきでしょう」 人を裁く事のできる立場の人間として、人を見て、事件の背景に何が潜んでいたのかを見極めようとする佐方の姿勢に共感。 そして、深掘りされていく被疑者たち。 性善説が前提で描かれている気がするのが若干気になりますが、主人公の佐方だけが突出しているわけでなく、他にも魅力的な人物が多数登場します。 「人間って捨てたもんじゃない」って、思わせてくれる良著です。 |
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交通事故で片足を切断、選手生命を奪われた、オリンピックを目指す女性アスリートが再起をかける物語。
と思いきや、事故の加害者が主人公の幼馴染、そして事故直後に殺害されるという意外な展開。 ここに犬飼が登場した時には驚いただけでなく、これは一筋縄ではいかない事件なんだなと、またどういう方向に進むのかと。 と思いきや、加害者の弁護人がなんと御子柴。 待望の犬飼VS御子柴であり、前のめりにもなりそうなもんだが、前述の再起を目指す女性アスリートと掛け合わせると、残念ながら、この先の展開とまではいかないまでも結末だけは読めてしまった。 そこに行き着くまでの過程として、(大御所二人の登場もあり)ミステリ要素の介入を期待してしまったが、残念ながら・・・と言わざるをえない。 二人の初顔合わせといったところか。 らしさを発揮したのはやはり御子柴の方で、今後の作品での犬飼の反撃に期待したい。 登場人物のリンクが多い中山作品。 御子柴に一矢報いるとすれば、犬飼だとは思うものの、犬飼では御子柴を倒すには至らないかなぁ・・・やはり対御子柴の最終兵器は岬洋介か。 物語はと言うと・・・主人公の脳みそが筋肉過ぎて、好きになれなかったなぁ・・・ |
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最近マイブームの柚月裕子さんの処女作。
障害者施設の闇を描いた骨太な作品です。 失語症であったり、知的障害だったり、抵抗、反抗の表現が出来づらい弱者に対する性暴行がテーマ。 読んでいてちょっと辛いところがありますね。 「聖者の行進」を思い出してしまった。 声に色彩を感じ嘘を見破る共感覚を持つ人物を登場させています。 読み手には誰が悪人なのかすぐに分かってしまい、それにより今後の展開が見え見えになってしまったりするのですが、最初の最初から嘘しか語らない悪人どもの糞っぷりが強調されてましたかね。効果的だったとは思いますが、一方で読んでいての驚きがないんですよね。 読み手を驚かせるタイプの作品ではない、と言われればそれまでなんですが、感動させてくれる作品でもなかったですしね。 また、主人公の臨床心理士の言動がやたら軽率なのが気になりました。 歳相応の落ち着きが欲しかったですね。 他のレビュアーの方も述べていますが、私もあのシーンのあの描写は不要だと思いました。 作品の中で浮いています。 っていうか、主人公のような女性には興味を示さないっていう設定じゃなかったっけ? |
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事件を追う報道の在り方に焦点を当てた作品です。
「マスコミは憎悪の対象を追い不安や不幸を拡大再生産している」 って、間違ってはいないと思うし、少し前にはよく言われていた事だけど、今だとちょっと古いかな、と思います。 今や、知識も経験もない連中が、無責任な立場で似たようなっていうか、実際中身も何もない訳だから、似非な事をいい気になってやってますよね。 マスコミよりもまずああいう連中叩いて欲しい。 テーマの割に少し軽い、っていうか、私自身が物語に入り込めて行かなかったんでしょうね。 原因は主人公ですね。こういう女性に対して拒否反応があるみたいです。 だから、里谷が舞台から消えてからは、もうグズグズでした。 ラストの御高説なんて鳥肌モノに最悪でした。 あと最後の被害者の母親の件は必要ですかね。 作者の他の作品にも似たようなのがあったと思いますが・・・ どんでん返しの空振りは、そこまでの全てを悪い印象に変えてしまいます。 |
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「十角館の殺人」を読んで感銘を受けた人は、この本を読んだら似たようなレビューを書いてしまうよね・・・と予め予防線を張っておきます。
帯には「21世紀のそして誰もいなくなった」とあります。 クローズドサーキットものなんだな、ってのはそれで分かるのですが、読み始めると「そして誰もいなくなった」っていうより「十角館の殺人」だよねこれ、になりませんかね。 プロローグでの犯人の独白、クローズドサーキット内外を交互に進める構成などなど。 そして、これもあの1行を意識していると思われる「あの一言」 「ばんだいんです」に聞こえなくもない(笑) ・・・ウソです、相当に無理がありました。 これも既に指摘されている方がいますので恐縮ですが・・・ これもミスリードと言うんでしょうか、「そして誰もいなくなった」もそうですが、「十角館の殺人」から、ある先入観を持って読んでいると、なかなかに楽しい驚きを与えてくれますね。 それを考えると、「十角館の殺人」だけでなく「そして誰もいなくなった」も先に読んでおいた方がいいと言えるでしょうね。 クローズドサーキット内外の物語に時間軸のずれがありますが、こういう「十角館の殺人」との相違点に気づくと、そこには作者のアレンジというか「勝負」のニオイを感じることが出来て、そんな事を色々考えながら読むのが非常に楽しかったですね。 トリックなんかもかなり練られていて、それを考えると「十角館の殺人」って「一発芸」なんですが、その「一発芸」を超える作品未だなし、なんですよね。 |
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