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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数106件
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読後感の悪い作品が多い作者ですがこの作品もです。
家族、とりわけ姉妹の話ですがそこに愛がありません。 親からの愛を感じない妹の視点のミステリ仕立てですが、その妹に同情できない描き方になってるところが作者らしいですね。 ラストの彼女のセリフが重いです。 |
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萌えオタ受けを狙ったライトミステリ。
密室の謎に挑む多重解決もので、本格的な一面も覗かせるものの自虐的妄想を繰り返す主人公がラノベ臭を撒き散らす。 シリーズ3作目ですが設定が余りにも特殊な割に説明が不親切なので頭から読む事をお薦めします。 |
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登場人物のリンクもないし、最後誰にも光がささない読後感の悪さといい、辻村作品としては異端なのかな?
過疎村を守らんとする大人の非常識と、芸能界に身を置く異性が持つ非常識の間に挟まれたら男子高校生なんて翻弄されて当然だわ。 主人公のラストの行動も青臭く見えましたね。 |
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男性に告白され「私が彼をまったく愛していないにもかかわらず、私が将来結婚するかもしれない相手だ」
正直笑っちゃったんですけど・・・ここって笑うとこじゃなかったんですかね? 主人公に共感しているレビュアーさんが結構いたのですが、実際こういう子、普通にいるって事? 作者は、読み手に主人公への共感を期待しているようには思えないんですけどね。 「みんなで(このバカを)笑おう」みたいな・・・ おかしな時代になったもんです。 |
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今更ながらそしてお恥ずかしながら作者初読。
某所レビューにて入門書との事で手にしました。大ベストセラーですしね。 ですが「いくらなんでもこれは違うでしょ」が正直な感想。 ベストセラーになる類の作品とは絶対違いますけど・・・ この本がバカ売れした時マスコミはどう評価したの?っていうか、何故この本がそんな爆発的に売れたの? 性描写云々はさておき、ジミヘンやジョプリンが没した時代背景があったとはいえ死を美化しすぎていないだろうか。 |
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「スロウハイツの神様」のスピンオフ。
あのチヨダコーキのデビュー作の文庫化にあの赤羽環が解説を寄せたという体裁。 辻村さんの文章ではないですね。意図的に外してるんでしょうね。チヨダコーキ作ですからね。 この辺りはさすが凄いと思いました。 でも、あの赤羽環を魅了したとするには普通過ぎないかな、って思いますけどね。 |
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アングラ世界を描いた作品で、まず最後まで読めるかが問題になる作品ですね。
追われたり、監禁されたり、人を殺したり。主人公視点のこれらのシーンに緊迫感がないんですけど、意図的に主人公のネジの外れっぷりを表現しているのですかね。 だとしたら凄いんですけどどうなんでしょう。 |
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仮面を剥がそうとする警察、守ろうとするホテル。
この組み合わせの発想は面白いと思っていたけど、2作目にして早くもネタ切れかな。 複雑な犯行を分かりやすく説明したかったんだろうけど、あの「湊かなえ方式」はシリーズの雰囲気ぶち壊しじゃないかな。 |
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作者初読。
この作品だけの印象でしかないですが、同じ芸術小説でも原田マハさんとは対極にあるように感じました。色々。 素人を置いてけぼりにして若干暴走する時がありますね。 その素人にもフェルメールを腐してるようにしか読めないのだが嫌いなのかな。 |
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芥川賞候補の表題作を含む3編の短編集。
表題作は、現在の東京に突然、戦時中の東京が幻影のようにオーバーラップするという物語。 干渉こそ出来ないが東京大空襲で命を落とすご先祖様と同居する事になります。 発送というかアイデアが凄く面白いと思いました。この時点で勝利って感じです。 作者なりの反戦メッセージと思います。 ところで、何故この題材を短編にしたのでしょうかね。500ページ位の大作が描けそうな気もしますが。 残りの2作は、おまけ的な印象を拭えませんでしたので余計にそう感じてしまいました。 |
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主人公のイニシャルがSで共通していますが、独立している6作の短編集です。
そういえばこの作家さんのデビュー作はホラーだったなって思い出させてくれるような作品。 意図的に読後感を悪くさせる落とし所で、まぁ道尾さんらしいっていうか、この人にしか描けない世界観でしょうか。 |
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主人公を同じに5つの異なる国を舞台にした5編の短編集。
一応謎解きの体をとっていますが、文学的というか詩的というかそういう文体でどこか淡々としていますね。 上手く表現できないのですが、 1つ1つ単独で見るとどこか物足りない感じがするのですが、短編「集」になった時、凄くまとまっているように感じるんですよね。 我々日本人との、文化の違い、価値観の違いを上手く扱ったホワイダニットで、文体もさることながら全体的に「質の高い作品」に思えました。 面白いか面白くないかは別にして、ですが。 |
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ゼネコンの談合の話です。
ページ数もあって骨太な話ではあるのですが、別業種の人間からの素人的意見を言わせてもらうと、「必要悪」だとは思うけど、そもそも入札とかさぁ、なんでこんなヤクザな決め方してるわけ?って思っちゃうだけなんですよね。 長々と描かれたところで、 権力者にお金が流れるように出来てんじゃん。何でわからないの? 悪しき習慣というか、正直頭悪い連中が揃った業界だなって思う。 そういうのをぶっ壊す主人公って描けないんですかね。 |
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二階堂氏の作品にはホント独特な雰囲気がありますね。
設定は横溝正史っぽいけど読んでみると、舞台も山奥の僻地って感じじゃなく屋敷も洋風ですから、横溝っていうよりもカーですね。 これまで何作か読んでいて「ほんとにミステリが好きなんだな、この人」って思うんですけど、古典名作いいとこつまみ食いって感じもしなくはないです。 あと、このシリーズは探偵役を好きになれないんですよね。毎回。 個性も魅力もないかなぁ・・・ この作品については、トリックは面白かったですね。 ただ、あの犯人がこんなトリックを思いつく人物にはとても思えないんですけどね。 だから読了後、どこかしっくりこないんですよね。 |
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今や絶滅危惧種と言える昭和の頑固じじいの物語で連作短編の体です。
この作者さんの作品では「異端」と思って読み進めていて、「なかなかいいんじゃない」なんて思っていたんですが、最後は結局刑事事件を絡めてしまうんですね(笑) 正直、そのせいでどことなく薄い話になっちゃった気もしましたが・・・ それに、続編あってもいいんじゃないかなぁ、とまで思っていたのに殺しちゃったよ(笑) 「迷走」してないですかねぇ・・・ |
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「惨劇」なんてのは、石持ミステリにはやや違和感を覚えてしまう言葉でありコレだけで興味津々。
そして、タイトルからして「本格ミステリ」であり、「人面屋敷」なる不気味な館で「惨劇」が展開されるなんていう、これまで読んだ事のないような石持ミステリが読めるのかと期待したんですけどね。 それにしても、この作者さんにかかると本格ミステリもこうなってしまうのか、この題材ですら、この方向に持っていくの、ていう。 またしても、警察を呼べない状況に陥れての心理戦です。 ただ、これまでのパターンと一番異なっているのが、メンバ同士の信頼関係と言うか繋がりが希薄だという事。 いとも簡単にバッサリ切り捨てる感じで、その分、物語の展開にも複雑さがない。 そして、語り手の主人公が何故か常に受け身。 碓井由佳とまではいかないまでも、心理戦をコントロールできる切れ者が不在で、誰に注目していいものか、こちらも読んでいて落ち着かなかった。 ラストの、無理くりハッピーエンドっぽく持っていくなんてのも不要かな。 |
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SFサスペンス。こんな作品も描いてたんだなぁと驚き。
というのも、企業倒産が絡んでくるのですが、そこに作者らしい一切の深掘りがないのだ。 銀行側の視点ではなく企業側視点の物語ということなのだろうが、作者の他の作品を読んでからこの作品を読むと、どこか違和感を感じざるを得ないのである。 現代の主人公が、亡き父の遺品である作業着に袖を通すと、過去の父親に憑依できるという設定。 物語前半では、憑依した主人公により父のいた過去に影響を与え好転させるだけでなく、そんな父の姿を見て、現代で苦悩する主人公も救われるといった展開が予想されたのですが、後半はそういった描写が薄れ予想外の展開、着地を見せます。 自分が想像していた展開のほうが面白いと思いましたし、これでは中途半端感が否めないですね。 まぁ夢オチじゃなかっただけ良しとしましょう。 猫虎が怖いってレビューが多いようですが、ボンネットトラックとその容姿を合わせて、トトロしかイメージできなかった。 |
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家裁調査官補として少年事件や夫婦間の問題に向き合う主人公を描いた連作短編集。
シリーズ化されそうですね。まだまだ序章って感じの終わり方でした。 続きが読みたくなる話ではありますが、作者の検事シリーズと比べてしまうと、やはり扱われるテーマが地味ですし、特に夫婦間の問題なんて、これまで何度も描かれてきた題材ですので・・・新しい驚きを提供してもらえるのか不安でもあります。 骨太作品を世に送り出している作者が、どう展開させていくか楽しみでもありますね。 |
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殺人事件現場で凶悪犯から襲撃を受け、意識を取り戻すと犬並みの嗅覚を得ていた主人公。
その嗅覚を利用して、友人更に姉を殺害した犯人を探すという物語。 嗅覚を幾何学的なイメージで視覚的に捉えるという発想がユニークであり、設定の時点で大きなアドバンテージを得ている作品だと思う。 しかし、手放しで面白かったと評価できるわけでないのは、指摘されている方もいるが、まさにその通り。 かなりの長編であり、しかも犯人は相当に異常で凶悪にも関わらず、ラストに向けての、さぁ事件が解決する、犯人を追い詰めたという緊張感がなかったからだと思う。 物語が進むにつれ、主人公はいろいろな人物と出逢う。 友人、TV局の人間、大学教授、そして警察官。 その度に、主人公の特殊能力の説明があるのだ。これはさすがに冗長過ぎると言わざるをえない。 その分、異常な犯行を繰り返す犯人の動機すら端折られているように、主人公の能力以外への描写が浅いと感じました。 |
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