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梁山泊 さんのレビュー一覧
梁山泊さんのページへレビュー数105件
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初めて読んだ作者の作品が前作の「カエル男」
以降、作者の作品を読み漁ってきた自分にとっては「あぁ前作にも出ていた刑事さん」ではないのです。 渡瀬、古手川、そして御子柴。彼らが演じる「カエル男」が面白くない訳がないのですよ。 |
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警察学校を舞台にした連作短編の体。
「警察学校の目的は生徒を卒業させる事ではなく、不向きな人間を排除する事」らしい。 「何でもお見通し」な教官の存在感が半端ないだけでなく不気味でもあって、登場してくるだけでドキッとさせられる。 見込みのある生徒を、不向きな生徒を使って一度どん底に叩き落とすやり方が結構えげつない。 愛は感じられないのだが、それに応える生徒がまた格好いい。 |
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青森までツーリング中の主人公が陰謀に巻き込まれ、という話。
巻き込んだ側と巻き込まれた側、二人の登場人物の視点で交互に描かれますが、寡黙な二人の絆が徐々に深まる様が伝わってくるのがいいですね。 多くを語らずともってやつだ。 主人公パートで、体言止めが多く使われており、淡々としているようでリズムがよく、独特の余韻も生んでいますね。 情景が目に浮かぶようでした。 |
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「チルドレン」の続編。
少年犯罪。善か悪かと問われれば悪でしか有り得ない。でもその悪にも色々ある。 一筋の光を与えたくなる人物も含まれるが、実際人が死んでいる。 皆が納得する答えなど誰も出せない気がする。 そんな難題を、あの陣内がどのように扱うのかが見どころです。 |
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「優しい死神の飼い方」の続編。
優しい死神レオも登場するので先に前作を読んでおきましょう。 今作は事件に巻き込まれた人々の魂を救いながら真相究明するというミステリー仕立て。 どちらが好みかは人それぞれだと思いますが安定のシリーズとなりそうです。 |
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安楽死という共通の目的で集まった10代の12人が死にたい理由を告白しあいます。
やっぱ、殻にこもらず人に話してみるって大事なんですね。 自殺する状況では他人を介在させる余裕すらないとは思いますが、孤立させなければこの不幸は防げるかもって考えさせられた作品でした。 自殺させてしまうってのは周りの人間の責任も大きいんだなって思いました。 |
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作者初読。
幼児誘拐を題材にした作品を多く手掛ける作家さんのようです。 現在発生した殺人事件が41年前に時効になった誘拐事件との繋がりを見せて、という骨太警察小説です。 但し、作品の主眼は、犯人が誰々、トリックがどうこうよりも、1つの事件がこれだけ多くの人間のその後の人生を変えてしまった、というヒューマンドラマ的な面にあると思いました。 結構鳥肌モノでした。 |
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古典ミステリ好きが古典ミステリ好きのために書いたミステリです。
作品中に、ルルー、ポー、ヴァン・ダインの名前が出てきたりしますが、作品自体はまんまカーですね。 こういう舞台設定やらストーリー展開好きな人は多いと思います。 上下巻に渡る力作と言えそうですが、既視感満載です。 |
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ピカソがゲルニカを完成させた時代とピカソを研究するキュレーター瑤子のいる9.11以降のアメリカが交互に描かれますが、共通しているテーマは「反戦」でしょうか。
芸術が戦争の抑止力になるなんて私には到底思えないのですが、読めばそう思えてくるような、そんなメッセージ性の高い作品ですね。 |
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「古い映画じゃあるまいし」
作中のセリフですが、笑うとこなのかなと思いつつも、このセリフを挿入できた作者に敬意を評したい。 序盤はまんま「タワーリング・インフェルノ」です。 SマックイーンとPニューマンのタッグを、女消防士と作品中随一のバカ役に置き換えたんだから本家を超える訳はないのですが、やっぱ好きなんだよな、この手の作品。 |
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元サンスポ記者である作者がプロ野球のスカウトに焦点を当てて描いた作品。
ほぼノンフィクションだと思いますね。ただ昭和臭満載ですが・・・ 裏方ですが、人間一人の一生を背負う覚悟でやっているという事。だからそこにドラマが生まれるのでしょう。 プロ野球ファンには自信持ってお薦めできます。 今年ももうすぐドラフトですね。 |
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芸術に全く興味のない私でも、この作者の芸術小説は読んでいて本当に楽しいし心地よいですね。
史実をベースにした物語に、架空の人物を紛れ込ませ、彼を視点人物として彼の口に作者の思いとか考えとかを語らせている感じですかね。 作者自身の芸術に対する純真で真っ直ぐな思いがよく伝わり響きます。 |
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冤罪発生に至るまでのカラクリを知って、不謹慎ながら、復讐劇に肩入れしたくなってしまいました。
「ゴメン」じゃ済まないわけですからね。 重大犯罪の高検挙率を誇る治安大国日本の実態っていうか、裏の顔を垣間見た感じですね。 「不起訴は黒星」とかくだらない事競ってんじゃないよ、って思いますね。 |
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タイプスリップSFですが、時間がシャッフルされるというところがこれまで読んだこの手の作品とは違っています。
そんな中でパラドックス全力回避ってのが面白く、本当にこれまでになかった作品だなという印象です。 ラノベっぽいところが好みから外れるのですが、大量の伏線だけでなく現象のきっかけすらも上手く回収させたのは見事。 |
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タイトルからはファンタジーにも思えるがパンデミックもの。
致死率100%に近いウイルスに感染しながらも奇跡的に生還し「後遺症」と表現される超能力を身につけた者たち戦いを描いた物語。 この作者さんは発想が凄いなぁ。その時点で「勝利」です。 スケールのでかい話なんで、最後どういうオチを持ってくるのか気になってましたが・・・ う~ん、ありがちで想像の範囲内っていうか、こういうのはやめてね的なラストですこしがっかり。 |
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月輪探偵が帝大にて学生相手に犯罪捜査学の講座を行うという言わばシリーズのスピンオフ的な中編集。
大学で講義を打つなんていつからそんな名探偵になったのよ。 過去作品を読んできて、彼を名探偵だと感じたことはなかったのですが、今回は学生相手に完全に名探偵になっとるところが笑える。 今作は、杉山潤之助の手記という形式ではありません。彼の名は一度も登場しなかった(と思う) 今作の主人公は3人の個性的な受講生らと言っていいでしょう。 まぁ実際”かませ犬”要員でしかなく、最後美味しいところは全部月輪先生に持っていかれるのですが、お互いをライバル視する彼らの推理合戦や漫才のような掛け合いはなかなかに楽しいです。 それに、失踪事件、密室殺人など事件の質も意外と高かったりします。 |
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前四話からなる中編集なのですが、とにかく分厚い。
心霊写真、なんて展開になった時は、ここからまさかお得意のファンタジーなSF大作が始まるのか、なんて思ったりしましたが、表紙の絵と余りにも乖離してますからね。安心しました。 とは言うものの、 人物造形に長けた作者さんで、この手のほっこり系作品はお手の物と思うのですが、最初の三話は、ちょっとした謎解きのようになっているとはいえ、正直目新しいものもなく単調で起伏もなく正直相当退屈でした。 しかしというかやはりというか最終四話が相当に秀逸なわけですが・・・ 静から動。前半三話の失点を一気に挽回、そして跳ね返します。 涙腺は一気に決壊させられるのではなく、じわじわ緩んでいきますよ。 |
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読中、前作「仮面病棟」と同じ舞台だと言う事に気付いて、まずびっくり。
こういうサプライズというか気づきは嬉しい。 相変わらずのスピード感ですが、こうなると「何かある」感満載。 前作を思い出しながら、そして色々警戒しながら読んでいたら思いの外時間がかかってしまった。 という意味でも、前作は先に読んでおくべきかな。 ピエロの出すミッションをクリアしていきながら、爆弾の仕掛けられた病棟から脱出を目指す、という展開になりますが、登場人物が医療関係者という事もあって、ミッションクリアに手術をさせるなど、なかなかに斬新。ただ、1つ1つのミッションをクリアが早過ぎるのか、どこか軽くて「命をかけての」脱出ゲーム感に乏しい。 また犯人を含め、登場人物に医療関係者らしい、冷静さや落ち着きのある人物がいないってのも難点。 前作と同じ舞台にした、というアイデアに+1点。 |
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聴覚障害者をテーマにした作品は、有川浩さんの「レインツリーの国」を読んだ事があります。
聴覚障害者の日常の不具合や誤解、生き辛さを描いたレインツリーに対して、こちらはミステリーの体を取り、不条理や厳しさを描いていています。 その分重いです。 ろう者ではなく「ろう者に近い、ろう者を理解できる健常者」を主人公にして、一方的な押し売り感を出さず、ほぼ中立的な立場で語らせていて上手いと思いました。 かなり辛いラストを予想していましたが、上手くまとめましたね。 |
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バンドに没頭する高校生の青春モノです。
私自身この手の分野に全くの門外漢という訳でもないのですが、もしこういうのに全く興味ない、っていう方が読んでも問題ないかなと思います。 要はコテコテじゃないってことです。 というのも、選曲にしても誰もが一度は聴いたことがあるでしょう、ていうメジャーな曲ばかりですし、ライブの臨場感が伝わる描写もないですから、格好良さの押し売り的なところがありませんしね。更に、演者のテクを感じられる描写もないので、何を言っとるのか分からんっていう表現もないでしょう。 で、実は、ラストも予想通りの展開。ミエミエだったのですが、これが実に面白かった。シンプルなのが良かったのかな。 メンバのキャラも良かったんだけど、脇役連中の配置、役割が絶妙だったなぁって思います。 |
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