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ふたりの距離の概算
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ふたりの距離の概算の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.04pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全114件 21~40 2/6ページ
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期待以上の面白さでした。マラソン大会で順を追って話が進んでいきとても楽しめました。 | ||||
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今週だけで一気読みしてしまいました。次の一冊読んだらしばらくは、…。です。 | ||||
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購入済みなのに「遠まわりする雛」の次巻を読むに表れず、購入を要求される。 管理データが変わるほどのupdateがあったのでしょうか。 | ||||
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TVアニメ『氷菓』が面白かったので、原作<「古典部」シリーズ>の続編を読みたくなり購入しました。 新しく入ってきた新入生大日向友子の性格が一味違って面白かったです。 また千反田えるの真っ直ぐな性格と大日向がお互い悪気は無いのにどこか噛み合わず根本的な誤解が生じてしまうあたりが苦味がありました。 個人的には大日向が仮入部を決意する台詞やその後の数十日の部活生活がよかったなあ、と思います。 当たり前ですが全部活字の原作小説ですので、アニメやコミックだけに慣れている方には少し抵抗があるかもしれません。 ただ<「古典部」シリーズ>の良さは部員の細かい心理描写やはっとするような台詞にあるので、小説でもその雰囲気は十二分に味わえると思います。 8割くらい読んで僕が予想したものとはまったく異なるかなり意外な結末でした。そういう意味では”愚者のエンドロール”にあったような当初考えていた範囲内の解決とは違う、意表をついた展開が最後にあったと思います。 また語り手を兼ねる主人公の折木が校内マラソンを走りながら古典部員と一人づつ話をし、また過去にあった出来事を思い出しながら回想するという組立て方をしているのですが、終盤に近づくにつれ自分も一緒にゴールを目指して走っているような臨場感があり、不思議な心地よさがありました。 | ||||
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端的に紹介するなら、解決すべき課題が生じている今に至るまで回顧を辿る形式で構成されるシンプルな長編作品です。伏線が散りばめられていて読者に謎解きを迫る感じが一気に通読をさせてしまう。この作者独特の難解な表現で煙に巻かれてしまう個所もあるが。そこさえ乗り切れば古典部シリーズ作品の哀愁を感じられる。毎回思うが、結末が淡泊過ぎなこの作風は読了感に欲求を得る。充足感を求めて古典部シリーズを全巻読み直したくなるが、そこに充足はないのだから寂しい。 | ||||
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千反田のことを、「まだそんなに知っているわけではない」と言っていた折木が、 出会ってからのいくつかの出来事を経た今、「わかる」と判断したシーンが良かった。 マラソン大会で、歩いて、しまいには隠れて、そのうちにどこ行くねん(笑)、食べるんかい!(笑)という自由奔放っぷりは、 苦しく長いスポーツも楽しくできてしまいそう。 回想が長く続き、なかなか戻ってこないところなど、作品の構成にヒヤヒヤしたが、 小さい謎解きを見せながら、最後に全ての伏線を回収しやがる所業には、さすが『青春ミステリー』の爽快感もあって、楽しめました。 【誤解されやすい人】でなくても、とんでもなく誤解されうるんだということは心に止めておきたい。 | ||||
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久しぶりに米澤さんの本が読みたくなり、古典部シリーズを手に取りました。 ゆっくりとですが主人公たちの関係性が進んでいく姿に、こちらまで嬉しくなりました。 ほろ苦いラストなのに、なぜかそれにホッとしてしまいます。 もしも続きが描かれることがあるなら、それも必ず読みたいと思います。 | ||||
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推理できる内容で、いくつかの短編に分かれていて読み易かった。 | ||||
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日常の謎を解き明かしていく日常ミステリー。 事件に小さいも大きいも無い!というどこぞの熱血刑事のセリフが飛んできそうなほどに、一見どうでもいいことを推理していく。 どうでもいいことといったが、それだけで一冊の物語を作り上げてしまうのが、この著者の筆力だ。 ミステリーとは目に見える事件(視覚的に捉えやすい事件)だけを解くものではない!ということがよくわかる一冊。 じっくり読みたい人におすすめである。 | ||||
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相変わらず凝りに凝った構成と、分かりやすく説明するのではなく、行間を読む要素多し。 国語力が問われる本。 キャラに魅力があるから、言葉の意味とかを推測したくなる。 「気になるあの子がどう思っているか知りたい」という感じで。 シリーズを通しての知識がないと、「なんだ、地味な作品」という、流し読みで終わってしまうので注意。 問題設定は、読者によってそれぞれだと思うけど、 個人的には以下かな。 ・何故、大日向は部活を止めたのか? ・何故、折木は「大日向が辞めた理由を解明しよう」と思ったか? ・ラスト。何故折木は、大日向が部活に戻ってくるようにしなかったか? ・これからの折木とえるたそ 以下、推測。 ※ネタばれ含みますので、未読の方はスルーで。 ・何故、大日向は部活を止めたのか? →知られたくない事、恐れていたこと(中学の友達の悪行と、自分との関係)をえるたそに知られたと思い込み、 その上で、えるたそに大切に思っていたモノ(友達を見捨てろ)と否定されたと思い込んだから。所謂、勘違い。 大日向にとっての「友達」という言葉が、どれだけ大切が所々出て来ます。一般的な認識での親友が友達という感じです。 それが分かるように、一般的な意味での友達が知人と称されたりします。 親友が悪い事をしていても、それで繋がりを切ることは、彼女の価値観ではできない事なのでしょう。 悪い事をしていても親友は親友、でもその友達との関係は周りにはばれたくない。そう思っている事自体を認められない。 そんな自己矛盾に陥って悩んでいる大日向。それが彼女の悩みであり問題。 ・折木の行動の結果。 えるたその名誉は守られますが、大日向はきづつき、問題も解決されません。 結果的には、大日向が知られたくない事、恐れていたことを折木に知られてしまう。 「辞めた理由を解明する」という事を折木がしなければ、起らなかった事。 それを知られないために、部活を辞めたのに。大日向にとっては、ショックが大きいでしょう。 それも、少なからず行為を抱いていた異性に暴かれるのは。 しかもそれを暴いて、心情面で特に何もフォローしない折木。 問題を把握しているので、ここで説得なりで問題解決の手助けでもできればよかったんですけど。 この件で、彼女が折木に対して好意を抱きにくくなったと思います。 恋敵を減らしていく「えるたそ」の策略が発動した感じがします。のっかった感がありますが。 ・何故、折木は「大日向が辞めた理由を解明しよう」と思ったか? →伊原に「人を見ていない」と言われて、それが心に響いたから。 実際に、自発的に人の心を推測するキャラではないので。 その数ページ前の地の分。「説得ではなく、確信をつく一言に動かされる」というのが 動機を表している。 →えるたそが、大日向が辞めた事について責任を感じており、悲しんでいたから。 そもそも、えるたそに好意を抱いているからでしょう。 その好意は恋愛感情ではなく、「必要とされる事」に心を動かされている感じがします。 ・ラスト。何故折木は、大日向が部活に戻ってくるようにしなかったか? →折木自身も理解していないと思いますが、えるたその最後のセリフの影響でしょう。 えるたそセリフは、「誤解は解いてほしい。でも、大日向が戻ってくるのは無理だろう」というニュアンス、その意向を酌んだ。 この時のセリフで「部活に戻してほしい」と強くお願いしてれば、違ったかもしれません。 えるたそって、「かわいい」イメージ有るし、実際可愛いけど、 結構自己中というか、天然的に、自分に利益が有るように誘導するキャラ。 男に甘えるキャラなので、女性から見ると、えるたそ好きって人が少ない気がする。 時々大人な面を見えるので、 子供っぽい面を自覚して利用しているようで。 ぶりっこを毛嫌いする女性には受けにくい。 折木に好意を抱いていた大日向を排除するために、最後のセリフを天然でいったのではないかと。 自分では直接働きかけず、間接的に動くという辺りが女性らしいのですが。 折木が誤解を解いたが、大日向が部活に戻らない理由は、友達という価値、関係性に強い価値を持っているからでしょう。 今回の件でえるたそをきづつけてしまった。そういう事をする自分は部活に入るべきではない、という考え。 人とのつながりに対して、強い正義感のようなものを持っている彼女らしいです。 ・えるたそが折木に惹かれる理由と最後のセリフ。 えるたそは、自分の世界、自分の能力の限界を認識している。 前作の「遠回りする雛」で「これが私の世界です」と明示している。 色々な事に興味を持つが、持つだけで、自分では世界を広げることが出来ない。つまり雛。 だが折木なら、推理を通して、自分が思ってもみなかった世界を提示してくれる。 だから惹かれるのでしょう。彼女の限界の合図が「私、気になります」です。 自分の殻を破ってくれる人、思いもしなかった世界を見せてくれる人に惹かれるのは説得力が有ります。 それは恋愛感情というものとは違うかもしれませんが。年の上の男性に女性が惹かれやすい傾向があるのもこの要因からでしょう。 今作では、それを受けてえるたそと折木の距離は短くなっています。イチャイチャ描写?があります。 それが影響して、えるたその最後のセリフになったのだと思います。 「大日向を助けてほしいが、部活には戻って欲しくない」。最初、最後のセリフ見た時、違和感あったんです。 部活に戻ってくれるように働きかけるの方がえるたそっぽいと思ったんですね。善意で動くのがえるたそだと。 そこに「無理だろう」みたいな諦めの姿勢は見せないと思っていました。 しかし、折木を奪われたくないという気持ちがちょっとあると思えば、納得。 ・折木がえるたそに惹かれる理由 自分の限界を越えて、色々な事に手を出しているからでしょう。 「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」 というモットーの折木にとっては、「絶対に成功する」と思えること以外はやらない。 ある種の責任感、臆病な所があるのでしょう。 しかし、えるたその、自分が出来ないような事でも興味を持って取り組む所に惹かれたのだと思います。 又、「純粋に自分を必要としてくれる」というのが天も強いでしょう。臆病な自己を肯定してくれる存在として。 ・これからの折木とえるたそ 今回の事で、「えるたそに無意識に影響されている」という事に折木が気づくんではないでしょうか。 「私、気になります」と言うような、直接的な言葉ではなく、間接的な影響を受けていると。 又、えるたから「大日向を助けてほしい」と依頼されたが、それは達成できなかった。 達成できたのは、自発的に思った「えるたその名誉を守りたい、誤解を解きたい」という事。 えるたその言葉での依頼よりも、自発的な思いを達成した。この事は、折木の行動指針にかなり影響すると。 「思慮なくえるたその要望に応える事で、誰かをきづつけてしまう」という事に気づいて葛藤しだすと思いますね。 普通の小説なら、そこに恋愛感情が絡み、「他の者よりもえるたそを大切にする」という感じで綺麗に閉まると思うんですけど、 古典部シリーズは、「青春の苦さ」がコンセプト?という感じもするので、そうはならないでしょう。 又、外と中という話も出て来ました。今まではえるたそに促される形で学校関連(えるたそ関連)の話を推理してきました。 学校の外の事にはないもできない、と割り切られてきました。 しかし、お嬢様であり、外との繋がりが多いえるたそと一緒に歩むためには、積極的に外と関わらなければいけないと前作で示されました。 これからは、自発的に外の事(学外の事に対しても関わる(推理を使って問題解決)のではないかと思います。 えるたそに関わることで、内にこもらず外に目を向け、自発的な行動が出来るようになるのが、折木の成長が描かれるのではないかと。 この作品って、全能感(思春期の根拠のない自信)の敗北と再生を通して、自己を確立していく話だと思っていますので。 えるたそについては、自分の欲、好奇心の及ぼす罪とかを、強く自覚しだすんではないでしょうか。 既に、折木に頼り切るのではなく、自立(自分で考える)しようという感もありますが、甘えは中々治っていないので。 甘えるえるたそはかわいいので、それがなくなるのは悲しいですが。 | ||||
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これまでの書き方とは一変して新たな視点で描かれています また、新しく出てくる登場人物も個性があり謎が多く魅力的です | ||||
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古典部に仮入部した1年生の大日向。 古典部にも馴染んでいて、誰もが大日向は入部するだろうと思った矢先、なぜか入部を断った。聞くところによれば、その原因は千反田にあるようだが...。 なぜ大日向は古典部に入部しなかったのか、奉太郎はマラソン大会の中でその謎を紐解いていく。 本書のメインテーマになっているのは、ずばり「すれ違い」です。そして、それは大日向が古典部に入部しなかった理由と深く結び付いています。そういう意味で本書は、「言葉の受け取り方の違いが、人間関係のもつれを起こすのか」とか「邪推がすれ違いを起こすのか」とか少し勉強になりながら読み進めることができました。 魅力的なキャラクターは健在です。奉太郎以外の部員3人も、マラソンの道中や奉太郎の回想の中で登場するし、なんと『クドリャフカの順番』で登場する、トリックオアトリートでお馴染みの製菓研究会のパンプキン娘も登場します。新キャラクターとなる大日向も、これまでの古典部シリーズには登場しなかったような、どこか風変わりした人物で、また違った古典部の世界に浸れることかと思います。 | ||||
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学園モノなのか、推理小説かは分からないが、とにかく楽しめた。 何気ない会話が気になってしまい、しょうがない。 もう一冊読みたくなる一冊です。 | ||||
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人と人の関わり。そこから生まれる疑問、疑い。結果それが真実であっても誤解であっても無かったことには出来ない。彼女が再び古典部員や友人と、共に歩んでいけるようになることを祈るばかりです。 | ||||
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なかなか面白くて楽しめました!内容も古典部シリーズらしいもので、折木くんの推理もさえわたっていました。 一緒に紐解いていく感じがあって、あっという間に読んでしまいました。 若干ライトノベルのような感じもあるのですが、古典部シリーズを読んできた人ならば全く気にならないと思います。世界観に引き込まれました!! | ||||
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この作品に対する評価が結構割れていることに疑問を感じていました。 読んで納得しました。 この本を読んで、多少陳腐でも良いので後味の良い結末を私は好むことを思い知りました^^; 「心あたりのある者は」以来というか、それを超える好みではない作品となってしまいました。 次はこの作者の別の作品を読もうと思っていたのですが、これを読んで、別作品にはひとまず手を出さないことに決めました。 本シリーズも、この先がまだ発売されていないようで、モヤモヤした気分が解消される予定がないのが気に入らない。 新キャラは使い捨てのつもりなのか人物描写が足りず、せっかく磨けば光りそうなキャラを出してきているのにも関わらず、残念ながら光らないままイマイチ魅力を感じさせてくれない。 ま、原石のまま使い捨てられるキャラなら、辞めようが辞めまいがどうでもいいけど、でもやっぱり辞めずに済む終わり方はなかったのか?辞めるんならこの話にいったい何の意味があったのか?と。 そう考えると、全く無駄な話なのか? この作者、よくその後どうなったんだよ?思う点を全くフォローしない気がしていましたが、今回もやっぱり今後フォローなしなのかな? さらに、ここで制作ストップは酷すぎでしょ? 早く、次回作書いてください。 感情的な感想以外では、これが伏線だとバレバレなのに、そこから結果を導き出せなかった部分が結構ありました。。。 そう考えると話のつくりはうまい人なんでしょうね。(私がヘボいだけともいう) でも、5星つけるつもり満々で読み始めた結果、2星寸前の3星という感じでしょうか。 こういうお話が好きな人にはたまらない一冊になると思いますが、せめて空想世界では陳腐でもハッピーエンドが好きな私にはとっても酷で、先につながらない無駄(これはちょっと言い過ぎか)な一冊でした。 | ||||
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アニメを全て見て、感動した私は即座にアニメ化されていないエピソードを読んでやろうとこれを読んだが、あまりに退屈なものであった。 一つの主題があって、各章の話がそれに結びついているのかと思いきやそうではない。古典部と大日向友子の、作品内における短い期間での日常は、この物語の最終的なテーマには関係せず、いわばただの蛇足である。 だからと言って、主人公の存在する世界を明瞭に描いている訳でもない。とすると、読者は一体どうしたらいい。あの名作アニメの原作がこれとは、少し残念である。 | ||||
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本作は前作『遠まわりする雛』後の4月から5月に古典部に起きたエピソードが描かれている。 その後の彼らがどうなったかがとても気になっていたのでそれが読めて非常に満足できた。 例によって主人公が毎話小さな謎を解いていくのだが、そのどれもがほのぼのとしていてこちらまで愉しい気持ちにさせてくれた。 しかし、その中に大きな謎への複線が散りばめられているのである。 主人公のように面倒くさがらず、もう一回じっくりと初めから読んでみるべきだった。解決編の前に。 巷にあふれたなんちゃってミステリーと違いこの物語はちゃんとミステリーしている。かといって本格ミステリー嫌いの自分が辟易してしまうほどに難解な謎ではない。 軽く読み流さないでこちらもちゃんと推理すれば何倍も楽しめただろうに、惜しいことをした。 ラストで判明した犯人役の人物と我々とのヒロイン像のあまりのギャップには想わず絶句した。 置かれた状況や経験が違うと、同じものがこうも乖離して見えるものなのか。それぞれのキャラ設定をも巧みに用いた作者のトリックの手腕に脱帽した。 これから読み返して犯人側からの物語をもう一度味わいたい。 | ||||
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日常の謎をミステリとして描く「古典部シリーズ」第五作。舞台となるのは、校内マラソン大会。折木奉太郎、千反田える、福部里志、伊原摩耶花といった古典部のメンバーたちは高校二年生に進級しています。 新年度を迎えた古典部に一年生の大日向友子が仮入部したものの、しばらくたったある日、彼女は突然入部を辞退してしまいます。その原因は千反田にあるようで、奉太郎はマラソン大会中にそれを突き止めようとする、というのが物語の内容です。 本シリーズではじめての回想形式をとっており、マラソン大会当日という現在軸に、大日向入部からマラソン大会前日までの過去軸が頻繁に挿入されます。その点に "It walks by past” という本書の英題が共鳴しています。 本作のテーマとなるのは、誤解によるすれ違い。大日向が千反田に抱いた誤解を解くため、奉太郎はマラソン大会中に走りながら、それまでの経緯を整理し推理することで大日向の誤解の理由を突き止め、大日向に接触する機会をうかがいます。奉太郎が誤解の核心に近づき大日向の心情を理解するにつれ、大日向の走る位置へと近づいていくのです。つまり物理的距離が心理的距離のメタファーになっており、タイトルでもある「ふたりの距離の概算」は二重の意味を担っているわけです。その描き方がホントにうまい。そこに、ほかの登場人物たちとの “距離” の描写をからめていく匙加減も絶妙でした。 また本書では、奉太郎が自身の信条である “省エネ主義” から一歩踏み出します。千反田に対する誤解から部を辞めた大日向。大日向の退部の原因を誤解し自責する千反田。二人の誤解をどうにか解消しようとする奉太郎の姿にまぶしさを覚えました。そして間違いなくそれは奉太郎自身のためではありません。 「そこにあらぬ誤解が残ってほしくはない。誤解されたのが俺だったら、たいして気にもならなかっただろう。だがそうではないのだ」 上記の奉太郎のことばからは、他者のため、もっと言えば、千反田のために奔走する彼の心情が痛いほど伝わってきました。本作でも今までのシリーズ同様、ほろ苦いラストが待ち受けているのですが、もし次作があるのであれば、奉太郎と千反田の “距離” が縮まっていることを願いたいです。 | ||||
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映像化されてない作品だと知り、今回初めて古典部シリーズ原作に手を付けました。 一言で面白かったです。推理モノで読み難いのではと今まで躊躇ってましたが、読み進めると止まりませんでした笑 機会があれば既刊の原作も読んでみようかと思います(^^) | ||||
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