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凍りのくじら
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凍りのくじらの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全166件 161~166 9/9ページ
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前作、前々作と比較して、主人公のヒロイズムが大分脱却されたようなところに、まず好感が持てた。 それでも、やっぱり好きな性格じゃないけど。 ただ、何というか「頭の良さ」というところにかなりの偏向(あたかも作者自身の執着のような)が見られ、 「こういう人物」という型にはまった人物像が直訳的に表されている部分が未だにあって、 ちょっとそこに馴染めなかった。 天才を「天才」と云ってみるような陳腐さというか。 なので、美也や別所のような、いかにも「いそう」な個性よりも寧ろ 私は、若尾や前作で言うなら浅葱といった飛躍的なキャラのほうが好きだったりする。(全く個人的な問題だけど) それでも、後半にかけての盛り上がりは素晴らしく、 符号が次第に一致していくさまとか、主人公の感情の動きとかが物語を大いに面白くしていて そこはやはり流石だと感じた。 涙も出た。 それにしても、第一作目から今まで、主人公の対峙している問題が、 人間関係における人間の個人的な歪みというところに収束されるような気がするので そろそろ別のテーマの話が読んでみたいかも。 | ||||
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今まで読んできたミステリーと違って、「少し不思議」な話。はじめ、主人公の妙に達観している考え方にあまり好感は持てなかったけど、中盤からどんどん引き込まれていきました。章ごとに登場するドラえもんの道具や話は、けっこう知っているものがあったりして妙に嬉しく思ったり!その道具がまたうまく話に繋がっていて、色々と人の繋がりについて考えさせられました。後半は少し泣いてしまいました。 あっと驚く結末は用意されていないものの、読み終わったあとは心が暖かくなる、そんな不思議なお話です。一度は読んでみても、損はないと思います。 | ||||
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この本の読了後、真っ先に思ったのは文章の上手さに驚きを覚えました。 作者はまだ若い女性(1980/02/29生まれ)で、それがこれだけの文章が書けるとは先が楽しみです。 藤子・F・不二雄作『ドラえもん』の道具が章タイトルにつけられているのですが、その道具が章と全体の話に結びついて主人公・理帆子の心理やその取り巻く人物たちのとの距離感を上手く演出している。 最初は現代のどこか無気力な若者たちを描いた小説かと思っていましたが、いい意味で裏切られた作品です。 別所あきらという“少し不思議”な少年との出会いが周囲の友人・知人との関係、そして何より家族との関係を理帆子に見つめ直させるきっかけを与え、そこから成長していく過程がなんとも言えない優しい味わいがあります。 歌い文句の通り“少し不思議”な物語でした。 | ||||
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この著者は人間を書くのがとても上手だと思う。 主人公視点からの目線は、物語が進むにつれて手に汗握るものがあった。 主人公の彼氏は、読んでいくうちに異常な人間だと思っていたのだが、 あの描写は誰にでもありうることなんだろうな。 読むごとにいつも考えさせられます。 ミステリィとしても、ドラえもんファンの方も満足できる作品ではないかな、と思いますよ。 | ||||
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家族の形と藤子・F・不二雄の世界がとても上手く絡んでいます。主人公・理帆子の幼い頃からの趣味・・・人の性格をSFで現すんですが、実に様々なSFを持つ人が現れます。(辻村先生の描く主人公キャラは少し理屈っぽい子が多い気が・・・)でも読むに連れてどっぷり辻村ワールドにはまっていきます。理帆子の元彼が徐々に壊れ始めていく様子がとても怖く、この作品が3作品の中で一番怖いように思えました。2作目「子どもたちは夜と遊ぶ」でも泣かされましたが、今回もまた泣かされました。最後まで読んでようやく「SFな(少し不思議な)家族の物語」と言うキャッチフレーズの意味が分かります。後半に出てくる母親の夫と娘へのラブレターそして最後の父親の言葉儚い残酷さと感動を秘めた異色のミステリーです! | ||||
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前作より半年で新作が発表され嬉しい。今回もやはり心理描写がすばらしく、作者の大きな特徴と言えるだろう。また、何度も読み返したくなるのも特徴だと思う。読み返したとき、あちらこちら自然に張られた伏線を見つけるのが楽しい。これからもどんどん書いて欲しい、本当に楽しみな作家である。 | ||||
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