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首挽村の殺人
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首挽村の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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著者=大村友貴美のデビュー作であるが、タイトルも内容も、 横溝正史の『獄門島』や『八つ墓村』などいわゆる「地方もの」へのリスペクトが色濃く出ている。 地方に伝わる伝説(むかし噺)に「見立て」られたかのような連続殺人事件の不可解さに、 赤熊(幻の巨大熊)の襲撃事件という恐怖が加わって、最後まで興味が尽きない。 犯人の意外性も充分だし、酷評されるような作品ではないと思う。 ただ、不満を言わせてもらうなら、金田一のような「名探偵」が不在であること。 藤田警部補は決して快刀乱麻を断つような推理を発揮してくれるわけでなく、存在感がかなり薄い。 いかにも横溝的な舞台・道具立てを用意したのに、名探偵は不在・・・とは。 なんだか肩透かしを食らったようで不満が残ってしまう。 この著者には描写力や教養や引き出しの多さを感じるだけに、 何より魅力的な「名探偵」の登場を期待したい。 | ||||
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雪閉ざされた村と赤熊、マタギの描写力が素晴らしく、自分もそんな村に閉じ込められている気分。殺人はおまけと考えては? | ||||
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2007年に出た単行本の文庫化。 第27回横溝正史ミステリ大賞の受賞作で、横溝の再来とも言われたほど、それっぽい内容になっている。 岩手の雪深い寒村で奇怪な殺人が続き、巨大な熊まであらわれて人々を襲う。怪しげな旧習、不気味な昔話、マタギ、血塗られた過去の歴史と、読者の心をくすぐるような要素がてんこ盛りで、それなりに楽しい作品に仕上がっている。 ただ、やりすぎ感があり、特に熊は……。 真犯人も意外だし、主人公の「動機」の意外性はなかなかのもの。 とはいえ、これはダメだろうと思わなくもない。 今後に期待。 | ||||
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とにかくつまらない。最初から最後まで一貫してつまらない。 第一に人物描写がまるでできていない。そもそも魅力的なキャラが皆無なのだが、それでも個性が描き分けれられていればマシだろう。ところが、まるで個性がない。名前が違うくらいなものだ。 第二に風景描写ができていない。雪深い山の村というハンデはあるが、それなりにダイナミックな風景であるはずな場所でもスケール感が全く感じられない。雪景色も書き割りにしか見えない。 第三に状況の描写ができていない。例えば、犯行現場は、首つりとか逆さ釣りとか、それなりの状況もあるのだが、まるでおどろおどろしさがない。全く心に響かない。クマが暴れるシーンもあるが、迫力ゼロ。 第四にストーリー展開に必然性がない。盛り上がりがない。ただでさえ展開に必然性がないのに、時間が前後して○○年○月○日○時のような感じで書いてあるので、いろいろなことが起きました程度の印象しか残らない。 第五にミステリーの中核部分がどうしようもない。ネタバレになるので深入りしないが、トリックや伏線云々とかいう以前の問題。 第六に動機が全くどうしようもない。ネタバレになるので深入りしないが、リアリティ云々とかいう以前の問題。 第七にミステリーの背景が全くつまらない。一応、因習らしきものが語られるのだが、全然消化されないでただ次の事件が起こる。 | ||||
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語り手が3人に別れていて、事件も個々に検証するので、ん?なんの話し?て部分が多かった気がします。 後半になって連続事件では?となりますが、小さい村でこんなに事件が起きたら関連してるに決まってるでしょ! また、現代の話しなのに携帯電話使わなかったり、警察のやる気なかったり、リアリティが感じられない割りには、マタギの話しも、村の昔話も中途半端でなんだかなでした。 | ||||
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どちらかと言えば酷評が多いようですが、私はおもしろく読みました。このシリーズは3作発表されていますが、実は先に2作目を読んでいます。個人的には処女作のこちらの方がよくできていると思いました。”横溝”風ということであれば、むしろ2作目の「死墓島の殺人」の方がそういうおどろおどろな雰囲気を強く打ち出している気がします。3作目はまだ読んでいないのですが、”横溝”ではなくわりと”普通”の作品だと聞いています。そんなことを考えれば、むしろ”横溝”というタイトルをつけて紹介されたことがかえってよくなかったような気がしてしまいました。横溝正史ミステリ大賞受賞と言えば、当然、横溝ファンは手に取ってみたくなりますし、比較してしまうでしょう。けれど、横溝作品の個性は、一昔前の封建的で陰鬱な時代設定の上に成り立っていたのであって、現代では同様の雰囲気を出そうとしても、どうしても無理があるような気がします。この作品も、”横溝”という先入観なく、ただ「新しいミステリが出たな。」と、そのまますっと読んでいたら、そこそこいけてるレベルだったのではないでしょうか。 雪に閉ざされた東北の山村の様子が圧倒的な雰囲気で迫ってきて、吹雪の中に埋もれた人々の生活が目に見えるようです。何百年に渡って飢饉で苦しんできた村の歴史や伝説もよくできています。細かな複線が細部に渡って張り巡らされ、どれもおろそかにされず、後できちんとオチがつくようになっています。作者はかなり苦労して、計画的に細部を考え、構成を練られたんだと思います。 最初にあげてある登場人物紹介以外にもたくさんの人間が出てくるので、もう少し掲載人数を増やした方がわかりやすかったと思いますが、人物の個性もそこそこ書けていて、特に山と共に生きてきたマタギ桜田雄鶴の存在感は圧倒的で、とても渋くてカッコイイ爺さんです。作者は岩手県出身ということで、東北弁のセリフも生き生きとして味があります。山から下りてきて人を襲う伝説の赤熊との闘いにもかなりページがさかれていますが、なかなか迫力があり、手に汗を握ってしまいました。巨大な熊が目の前に襲いかかってくるシーンが実感がこもっていて結構怖かったです。 それから、2作目「死墓島の殺人」のように、村の地図を掲載した方がもっと臨場感が出てわかりやすかったのではないでしょうか。 犯人は意外な人物でした。ただ、それゆえに、動機という点では、ストーリーの流れからはやや唐突な印象を受けちょっと違和感がありました。それでも、処女作ということを考えればかなり良いできだと思います。これからさらに期待できる作家だという気がします。 | ||||
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横溝正史ミステリ大賞や21世紀の横溝正史等のうたい文句を抜きにして読めば、 物足りなさは感じるものの、設定自体はそこそこ楽しめるのではないかと思う。 ストーリーを楽しむ小説ではないという感想。 | ||||
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まあ、5つ星の採点がないのが分かるね。 なんというか、横溝正史風の地方の一村を舞台にしたという設定にもかかわらず、そこに熊による襲撃パニックやら過疎地域の医療問題やらDVやらを適当にぶちこんだ、という感じの、実におさまりの悪い感じがする作品だ。 読み口は悪くないから、文章自体はスラスラと読める。 しかし、犯人を特定するロジックがない、というのが本作の最大の欠点だ。 最終的に犯人の自白と平行して推理が展開されるのだが、これが推理というよりは推測のレベルなのだ。 どうして特定の一人が犯人と断定できるのか、という強力なロジックがあれば、本作の印象はガラッと変わっていただろう。 しかし、これはダメだ。 この提示された証拠だけでは犯人を推定はできるが特定することはできない。 これが横溝正史の名前を冠したプライスの受賞作というのが残念である。 ただし、犯人の犯行動機等には映像化に向いている部分がある。 コンパクトにまとめて(熊のくだりをはぶいたり)、2時間ドラマ化したら、それなりにキリッとしまった感じになるかもしれない。 もちろん役者の演技力が問題になるが、や過疎問題を強調しすぎないようにして、ドメスティックな面を強く押したらいいんじゃないかな。 あっ、そうすると犯人も動機もバレバレになっちまうか。 | ||||
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冬の東北を舞台に、人々の暮らし、因習、社会問題、想い、 そういったものをないまぜにしながら物語は進む。 その、いわゆる「地方」の生活のいい意味での泥臭さのようなものが、 多少誇張を含んだ形ではあるにせよ、良く描けていたと思う。 熊のくだりも、個人的には好きだ。 「え?熊なの?人なの?人為なの?自然なの?」と戸惑わされる感じも、悪くない。 というか、場面を想像すると普通にドキドキ胸が高鳴って怖く、 その恐怖感が物語の雰囲気づくりに一役買っていた。 確かに、様々な伏線が張り巡らされている割には、 それが綺麗に1本に収束される感がないのはモヤモヤするポイントではある。 が、最近、理論武装を重ねて、 綺麗すぎるほどシャープに物語が片付いてしまう作品が多い中で、 妙に宙ぶらりんだったり、想像の余地を含ませて終わる部分があるのは、 むしろ現実に近いというか、 (※別にこの作品の主人公にリアリティがあるというわけではない。 そうではなくて、実際は何もかもがそんなにピシッと片付くわけではないだろうし、 そういう、完全にカタがつくわけではない部分の現実という意味でね) 個人的には新鮮で「そうか、まぁ、こういうのもアリかな」と思えた。 これからが楽しみな作家さんだし、この作品も私は好きだ。 変なアタマを使うこともないので疲れず、 夜更けに夢中になって読んでしまった。 | ||||
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綾辻行人絶賛ということだったので読んでみましたが、はっきり言ってイマイチでした。横溝テイストをだそうとしていますが、まるで気持ち悪さがないです。横溝正史の作品は、暗闇で何だか分からないヌルヌルしたものが巻きついているような不気味感がありましたが、こちらは単なるスプラッターのような感じでした。展開ですが、探偵役や容疑者役もはっきりせず、物語は全体として進行します。また、いわゆる本格とは違い、伏線が回収されて結末に向かうといった感じではなく、全くほったらかしのような部分もあります。ちょっと抽象的な表現ですが、ピースがきちんとはまらないまま、何となく絵が見えているといった感じ。読後にも爽快感はありませんでした。思うに、横溝テイストをだそうとしすぎて、それが悪影響を与えているように思います。 | ||||
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「 21世紀の横溝云々 」 と裏表紙にあったので購入しましたが、正直いって期待外れでした。 金田一耕助のような魅力的な登場人物もいませんしね …… 。 地方の村が舞台ということで因習などが取り入れられたところなどは悪いとは思いませんが、 文体が3人称であり、中心となるのが一般人の医師というところで物語に制約ができてしまったのかもしれません。 そして、当たり前のことですが警察関係者が登場するのは事件が起きてからのため、 登場人物に感情移入ができませんでした。 せめて藤田警部補の内面でも、もう少し詳しい掘り下げてくれたなら良かったのですが …… 。 赤熊が人を襲う場面は臨場感がありますが、殺人の方はそれに比べると最後の方が急すぎると感じて、 ついていけませんでした。 舞台が田舎というだけであり、内容そのものは割合と現実的という印象でした。 ドロドロしたものなども無いように見え、横溝正史というよりも内田康夫氏に近いと思いましたね。 | ||||
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2007年、第27回横溝正史ミステリ大賞受賞作の文庫版。 まず、横溝正史の作品を読んだことが無いので、作品の雰囲気が横溝正史と比べてどうか、という点についてはなんとも言えない。それ以外、読了後の全体的な印象としては、可もなく不可もなく、もしくは、ちょっとマイナス、位の評価。デビュー作という点から見れば、まあ、それほどひどい出来とは思わないし、ポジティブに評価できるところもあると思う(例えば、背景となる部隊の設定など)。一方で、「21世紀の横溝正史」とか「各方面から絶賛」とか書かれているのを見ると、それはない、と思う。以下、細かいところ。 舞台の設定や、村の昔話になぞらえた連続殺人など、それ自体は有効な装置だと思う。ただし、それらについても、もっと効果的な使い方を練る余地は十二分にあると思う。例えば、マジシャンが自分のマジックを見せるときに、観客にどちらの方向から見せるかまで、細心の注意を払うような感じ。その他、これは、ちょっと、と思えるところは熊の使い方。熊の生態について殆ど知識がないので、あまり断定的なことは言えないが、あまりに都合よく現れすぎている、という印象を抱いた。もっと、不確実な存在、偶然の要素という扱いのほうが適切と思う。その他、肝心の謎についても、もっと練って欲しい。少々安易過ぎるように思う。 | ||||
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人物の書き分けができてないので、誰が誰なのかわかりにくい。 それと会話ですが、反復が多すぎるのには辟易した。 犯人もなんだかなあって感じです。 それでも☆3つなのは、この作者の人間に対する目にどこか共感するものがあったから。 これからも田舎の今を、もっととことん描いて欲しいと思います。 | ||||
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なかなか酷評なようですが私は良かったと思いますよ。確かに足りない部分は多いし熊退治のほうが目立つ。とは思うんですが、あのマタギのじいちゃんは好きですね。すごく格好よかったです。他のキャラももう少し掘り下げれたらうれしかったですね。これからの作品を期待したいです。 | ||||
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最早、現代には、横溝正史が書き連ねることのできる世界はないのか・・・。 犬神家の一族、悪霊島、本陣殺人事件・・・。 集落に澱となって残る、因習という設定は、十分に横溝を彷彿させるが、 ・・・伝わってこない。 著者の筆力のせいなのか、 また、二桁平成の世のせいなのか、 わからない。 一方、本格ミステリーという意味では、横溝的ではある。 だが、後半部分を成り立たせるために、 首挽村は必要だったのか・・・。 必然性がわからない。 中央から離れた集落が設定として必要だったのだろうか、 東京・・・それも下町でも、この物語は完成したような気がする。 それも、もっと横溝的に・・・。 前半部分の物足りなさは、 全体のプロットに少なからず影響がでている。 前半部と後半部が有機的につながり、 昇華していたらと思うと、 ちょっと残念な作品ではある。 | ||||
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おどろおどろしい表紙や帯のあおり文句に惹かれて購入しました。横溝文学を現代に再現させた!などと言われるものの本家とは力量が違いすぎます。登場人物に対して感情移入が出来ないというのもマイナスですし、村に伝わる言い伝えになぞらえての殺人にも恐怖感・猟奇感がわきません。殺人事件より熊出没の方が大事件の扱いになるのはいかがでしょうか?犯人の自白シーンはただ不快なだけでした。こんなに思慮が浅くて身勝手な馬鹿犯人はなかなかいません。購入を検討されるなら、古本か文庫が流通するのを待つべきです。 | ||||
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横溝の匂いが味わえるという宣伝文句に期待したのですが、それほどでもなく。 小説そのものも、巻末の選評にあるとおり人物の書き分けが今ひとつで 新人さんだから仕方がないといってしまえば、それまでなのですが 私には、少々期待はずれでした。 | ||||
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