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嫌われ松子の一生
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【この小説が収録されている参考書籍】
嫌われ松子の一生の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全218件 81~100 5/11ページ
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内山理名主演のドラマを見たあとに読んだため “小説として”正しく鑑賞できなかったかもしれません。 (ドラマは原作をかなり忠実に再現しているため、 読んでいても、しばしばドラマの映像を思い返してしまうという有様だったので。) もし順番が逆だったら両方とももっと楽しめたのかも。 次々展開される悲劇のオンパレードは、ドラマでは「えっ、なんでそんなことするの? どうしてそんなふうになっちゃうの?」と思わず首を傾げる場面も少なからずあったのですが、 小説では松子の心理状態というか心の襞みたいなものが克明に描かれているため 彼女のエキセントリックな言動にもそれなりに納得できたからです。 映像ではなかなか表現しきれないそのへんの微妙なところを原作で理解したうえでドラマを見たら、 首を傾げる回数も激減し、彼女に感情移入しながら見ることができたのかもななんて思いました。 (勿論そんな相互補完なんてのは作家にとってもドラマ制作者にとっても許されないことだとは 思いますが・・・) とまれ、あらかじめストーリーを知った上での読書だったので驚くべき速さで読了しましたが、 もしそうでなかったとしてもジェットコースターのようなストーリー展開にぐいぐいひっぱられて あっというまに読み終えてしまっただろうなと思います。 ちなみに映画は未見。小説・ドラマと比較しながら見てみるつもりです。 | ||||
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わたしはドラマや映画を見ませんでした。 なので純粋に作品の感想を書かせていただきます。。 主人公(松子)には感情移入できません。 国立大学を卒業して、なるほど、勉強はできたのかもしれません。 ですが世間知らずというか、世間を渡り歩くには不向きな女性だと思いました。 自分の意見を持たずに常に刹那的。それが災いして小事が大事に発展する。。。 父親の、恋人の、まわりの顔色をうかがって嫌なこともガマンする。 言い寄られると誰にでも身体を許す。 読み進めていくうちに、松子に対して苛立ちを感じる女性読者は、わたしだけではないでしょう。 あきらかに都合のいい女なんですから。 上巻ラストでは教師からここまで落伍者になってしまうとは。 だいたいの結末は予想できますが、下巻に突入します。 文体は句読点が多いのが少し気になる程度で、全体的には読みやすいです。 | ||||
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一度道を踏み外すと、決して元には戻れずどん底へと落ちていく。 その過程が痛切に描かれている。 松子は、自分の意地とプライドを守る余り、小さな過ちを犯す。 そこから、彼女の人生の転落が始まる。 同じ女性であり、同じ職業を持つ自分自身が松子に重なり、なんともいえない気分になった。 | ||||
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面白くなかった。映画は中谷美紀が演出したから流行ったんだろうなーって感じで。全体に読みやすかったので、一気に読めたけど中身が軽い。始まりは東電殺人事件を思わせるような始まりで、美人優等生先生がなぜこんな非業の死をとげたのか・・・。でちょっとわくわくしたが、他の先生のお金を勝手に拝借して自分がつまづくあたりがが共感できない。一回つまづいてからは、男にすがることしかできない駄目女を描き、安っぽい恋愛話が続いてつまらなかった。刑務所の中の描写もありきたりで、もっと勉強してほしい。 女の転落人生をきちんと読みたいのなら私なら、桐野夏生の「グロテスク」のほうがずっと中身があって面白かった。 | ||||
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幸せが、まるで砂のように指の間からこぼれ落ちていく。這い上がろうと、もがけばもがく ほど深い穴に落ちていく。松子の人生はそんなふうだったに違いない。狂い始めた歯車は、 元には戻らなかった。決して松子ばかりが悪いわけではないのに。彼女はいつも一生懸命 だった。ただひたむきに生きていこうとしていた。いつも愛に飢えていた松子・・・。 現実的にはありえないと思うところもあったが、人の運命はどうなるのか分からないという ことを、じっくりと考えさせられた。笙が松子の人生を追うことで、松子の人生にもほんの 少し光が射したように思う。読み応えのある、面白い作品だった。 | ||||
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正直、ここまでつまらない作品とは思わなかった。題名が以前から気になっていて やっと手に入れたはいいが、ようやく上巻を読み終えた。 平行してドラマを観ているから、ストーリーはなんとなく解る。 主人公(松子)が、ありえないほどのバカで、ついていけない。感情移入する気も 起きない。みんな、なぜそんなに感動しているの〜?事件の起こり方も不自然だし 周囲の人間も揃いも揃ってなんだかおかしい。ともかく、すべてに「へ?」って感じ。 一番気に障ったのが文章の句読点の数!読みづらい・・・句読点が気になって、 読むペースが遅くなってしまう。そして、硬派なのか軟派なのか判断できない文体で ホント好みじゃない(こんなけなしていいのかなぁ)。 下巻、いつ読み終えるだろう・・・ | ||||
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それ故に小さな光に喜びを感じ動けるのだとそう思う。松子のいく先が気になって、なんとかドラマの最終回までには読み終えたい一心で読んだ。ラストはやるせない。色んな意味で切ない。物語的にすごくおもしろかっただけにこのラストは不完全燃焼を感じる。今更涙?みたいな... | ||||
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はじめ、なんだか砂を噛んだような、 口の中にざらりとしたような感触があった。 違和感を感じつつ、眉をひそめながら読み進む。 松子のあまりにも私と違う価値観に腹が立つ。 しかし、なぜそう生きる?と疑問に思いながらもこの本にのめりこんだ。 あっと言う間に読み終わった。 下巻の本当に最後のほう、そこに全てがあったような気がする。 松子は転落したけれど、私もいつどこでどうなるかわからない。 もうひとりの主人公である甥の笙が言うように、 松子のことを他人ごとのように考えてしまうけれど、 この先私に同じことがないという保障はない。 感動して涙する本はたくさん読んだけれど、 感情が負から正へと大きく動かされた本はそうそうない。 読み終えた後は、爽快ですらある。 最初の負が大きかったから余計にそう感じたのかもしれないが、 この本はそういった意味でも私にとって印象に残る本だ。 | ||||
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最後まで孤独な松子さん。 ほんの些細な弾みで、人生が暴走していく。 解説の人も書いていますが、これは誰にでもありうること。 ほんの小さなきっかけでダメにもなるし、良くもなるし、そしてまた再生していくことも出来る。 松子さんの場合は、そのきっかけがつかめないままひたすら暴走していったという感じ。 でも、私にとっては、”嫌われ松子”は愛すべき存在。 自分の不幸をすべて他人のせいだと思うのは、誰しもあること。 最後の最後までかわいそうな松子さんの人生をあざ笑うことは出来ない。 山田宗樹氏の作品を初めて読んだ。面白い!他の本も読んでみようと思う。 | ||||
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松子を誰が嫌っていたの? 人生を自分の思うがままに生きて それが上手くいかずに 死んでいった松子 題名とテレビを見て読んでみた 松子の一生を知ることにより 人とのかかわりを学び取った甥っ子 読み物としては面白いが これは小説ではなく脚本です | ||||
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なぜ,こういつもいつも裏目に出てしまうのか,なぜ,ひたむきであればあるほど,前向きであればあるほど,それに反比例するように堕ちていってしまうのだろう,読み進めていくほど,松子の運命にやりきれない思いが募っていき,このままストーリーが終わったら鬱々たる気分しか残らないという不安に襲われながら読み進めました。 しかし,何をする気力もなく悲惨の極みとも言うべき松子が生涯を閉じるその瞬間,意識が懐かしい我が家へと向かい好きだった父や妹と対面するに至って,松子はその持つ本来の素直さと優しさを取り戻したのであり,このとき松子の生涯すべてが肯定されたのだと感じました。幸薄い生涯を送りながらもその持つ大きな愛は,その死後ですら親族である笙青年の心を動かさずにはおかないのです。本書の末文が象徴的で,やっと救われた思いになれます。一読をお薦めできる作品です。 | ||||
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上下巻の内の上巻だけを読み終わった時点でレビューを書きます。 物語は時代が異なる2つの視点から交互に書かれています。 1つ目の視点は、松子死後の平成13年に東京の大学生である松子の甥の"笙"が松子の生涯を調べる話 2つ目の視点は、"松子"が中学校の国語の教師を行っていた昭和45年とからの話 松子は福岡県大川市の大野島という筑後川と早津江川に挟まれた三角州で生まれ育ち、時代背景、判断の誤り、育った家庭のトラウマなどが原因となり、波乱万丈の人生を過ごすことになります。上巻では、波乱万丈の人生を送ることになったきっかけを中心にかかれており、死に至るまでの人生はおそらく下巻に書かれていると思われます。 物語は、テンポ良く進行し、また、読みやすい文章で書かれています。 | ||||
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この作品がどうして映画・ドラマ化されるほどのヒットにつながったのかよくわからないが、 タイトルは一役買っているだろう。 しかし、このタイトルから受けるイメージと、その内容は大きく違っていると思う。 松子は、男尊女卑の根強い時代に高等教育を修めた良家の子女。しかし、まだまだ女性が 自己主張することは許されず、地域社会も閉鎖的なものだった。 物語は、その松子が53歳で謎の死を遂げるところから始まり、24歳で出奔してからの 足取りを追う形で展開してゆく。 負(マイナス)から始まった物語は、どうあがいてもプラスには成り得ないのかもしれないが、 せめてゼロには持って行きたいのが人情。その意味ではそこまで到達(昇華)できていないように思えた。 ただ、この感覚は何かに似ている。 “24歳で失踪した美人教師が変死体で発見!空白の30年、彼女に何があったのか!?” そう、週刊誌のゴシップ記事である。そこまで考えたら冒頭の疑問も解け、ミュージカル『シカゴ』に思い当たった。 | ||||
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一流大学を卒業して、音楽の教師になった 松子は ある瞬間から不幸になる。 この不幸たるや並ではなく、不幸のオンパレードという表現が相応しい。 松子は非常に純粋で、どこにでもいるようなタイプだ。途中、人生をやり直せる 機会、また友人との出会いもあるが、ことごとくマイナスの方向に進む。 物語がフィクションと分かっていながらも、不幸の連続についついのめりこんだ。 まだ、読んでいない人はドラマと合わせると効果的かも。 | ||||
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タイトルから「いじわるばあさん」並みのコメディを予想していた為 のっけから暗くてなかなか浮上できませんでした。 いざと言う時、物事を的確に対処出来る人は少ないのではないだろうか。 松子は特別いい人という訳ではないが悪い人でもない、ごく普通の女性だった。 ただ、いくつかの岐路にたった時、弱さに流された選択の結果が残酷にも、 のちの松子の人生に跳ね返ってくる。 松子が特別なわけではなく、誰もがこのような運命と背中合わせだったりするかもしれない。 救いは法廷での甥の笙の姿。最初は松子の事に関心がなかった笙だったが。 笙の「怒り」を松子が知る事はない。いや、あるいはもしかしたら・・・。 | ||||
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中谷美紀さんが松子を演じたかったということを知り、 松子がどんな人だったのか知りたくて読んでみました。 松子の一生は側から見てると、極端に転落していく不幸な生き方に 見えます。でも松子が生きる過程で経験する事柄は、普段わたしたちが ニュースや新聞で当たり前のように見聞きする話です。当事者として経験していく 松子を見ていると、このようにして事件は起こっているのかもしれない、そして 松子に起こった出来事は誰にでも起こりえることかもしれない、と思わされます。 もしかしたら、明日のあなたかもしれない身近な話だと思います。 | ||||
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本の表題からは想像がつかぬほど、シリアスな話。。。松子の転落人生が甥の「笙」の調査と交互に描かれ、最後に一つにまとまる。松子のその最期はあまりのむなしさに絶句してしまう。終盤は生気を失った彼女がやる気を取り戻した矢先だっただけに悲しい。 でもこの出来事を通じて「笙」が成長する様子や、松子自身の一生懸命に何かを信じて、すがって生きていく姿は心を打つ。 決してスカッとする本ではないが、読んで損はない。 | ||||
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岡野は奥さまを愛してないと言ったよ、私を選んでくれると言ったよ。 島津はプロポーズしてくれた、だから私の出所を待ちわびている筈。 龍洋一は私と一緒に生きていきたいと思わない筈がない・・ いじらしく、一途に男を思いつめるものの、次から次へと裏切られる。 その度に転落してゆく。なんとも切なく哀れである。 恋に不器用で駆け引きひとつできないのがもどかしい。 今の時代は、例えば江国香織の小説のように、 奔放に自由気ままにたっぷりと恋の美酒を堪能する若い女性が 増えた一方、松子のような奥手で、純情な、古めかしい、つまりは平凡な女性も少なくないと思う。 松子は愛し、愛される男性をつよく求めていただけで、高尚な大義などつい持ち得なかった。 だから、40歳以降抜け殻になってしまった。 私が本書の中で、1番許しがたいのは松子の実弟の紀夫。 もうアンタはいないことになっている・・・・2度と来るな。・ ・・松子が殺人事件を起こしたのだから、避けたいのは分かるが、弁明ひとつ聞いてやろうとしないこの冷酷さ。 松子が壊れるワケだ。 ここまで感情移入できたのはひたすらリズミカルでコミカルな文体と筋 運びが光る本書のおかげ。良質なエンターテイメント、といったところか。 | ||||
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映画を見てから読むと、不幸だらけの松子の人生が、それほど不幸に思えないから不思議です。選択した全ての道が不幸につながっているかのように、次から次へと不幸に落ちていってしまう松子。考えなしなのか、考えすぎてしまうのか。でも、面白いのは、惹きつけられてしまうのは、松子が常に一生懸命だということ。全力だということ。100%だということがわかるから。そして、自分はそういう生き方ができないということがわかっているから。だから、バカだと思う松子の生き方も選択も、間違ってはいないと思える。受け入れられる。励まされる。 映画と違うラストは、どちらがよいとは甲乙つけがたい。どちらも余韻を持たせるよい終わり方だったと思う。松子に帰る場所を与えてあげた映画の優しさに比べると、小説の松子はまだちょっと不幸かも? 小説を先に読むと、不幸だらけの松子の人生が辛くて映画を見る気になれない、と言っている人がいたので、映画を観てから読んだほうがいいかもしれません。 | ||||
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ひどい男に不幸にされたとばかりはいえない。なぜ繰り返しそんな不実な人ばかり選ぶのか。そしてまた、なぜ己の人生を他人である男に賭けてしまうのか。自分の一生について、決定的に他力本願である。いかに努力しようと、いかに研鑽しようと、最終的に自分の生き様には自分で責任を持つという態度が、松子には決定的に欠けていた。 そんな松子の姿勢を意図的にあぶりだしているのかというとそうでもなく、妹の久美の存在にしても、今ひとつ必然性がない。 ただ、波乱万丈で悲劇的な女の一生を描いて面白い小説だった。 | ||||
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