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嫌われ松子の一生
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【この小説が収録されている参考書籍】
嫌われ松子の一生の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.74pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全218件 121~140 7/11ページ
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最初にタイトルを見たとき、どんな性格ブスの物語なのだろう思った。確かに教師時代は体裁と自己の評価を保つことだけに支配された高慢な女だった。 ところが窃盗事件に端を欲し家を飛び出したところから愛を希求する対象が父親から男へ変わる。セックス・ドラッグ・バイオレンス、揚げ句の果てには男を殺して服役する。 転落し続ける松子の人生。殴られても裏切られても引きずられても愛を乞う女。女であれば共感できる部分もあるのではないだろうか。それ以外の方法論を知らないというところに人格の歪みを感じるが、それがまた松子の魅力でもある。 著者が描きたかったのは打算や理性で幸福を掴み取る女ではない。まるで幼い子供のように泣きながら盲目的に愛を乞う女だ。例えバカだと言われようが、松子をそうさせるのは大人たちが失ってしまった純真な魂に他ならないからだ。 一方で松子の生涯を紐解いていくうちに大人へと成長を遂げる笙と明日香の視点も、若い世代に向けたメッセージを含んでいて素晴らしい。松子の視点で描写される過去、笙の視点で綴られる現在。ページをめくるごとに時間軸が近づけていく手法が読者をどんどん物語の中に引き釣り込んでいく。 | ||||
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低い評価をされる内容ではないと思います。 よく感情移入が全くできないなど書かれていますが、そもそも松子の一生に感情移入ができるように書かれていません。それに、この物語の軸となっているのは松子ではなく笙のはず。松子が落ちていくのだけを見せられればもちろん消化不良で不満も募ると思いますが、この作品では松子が現代に生きる笙や明日香に変化をもたらす役割として松子の一生を作者が書いていると思います。もちろん笙に与える影響というのは、松子の人生の経緯ではなく、松子が自分の人生に正面から向かっていく姿勢の事。松子の最後はもう一度正面から向かっていこうとしてあっけなく死んでしまいましたが、そこに不満を持つ人が多く見ていてイライラします。それを消化するために作者は明日香や笙に希望を持たせるようにし、松子の報われない思いを二人に託したのではないのですか? 作品はすごくおもしろかったのですが、一つ不満なのは言いたいことがいくつかあるせいで、その言いたい事がぼやけてしまったのが残念。 | ||||
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シナリオとしてはいいのであろうが、本の読者は時代の設定や空白の時間を埋めるものが一切書かれていないことに不満を感じるであろう。 腑に落ちないところが山程でてくる。いくら家が厳しいからといって、はじめから幼馴染がいない、あるいは友人がいないこと。国立大学を出ているのに学生運動などもでてこない。 作者にもっと勉強してほしいと思いました。 | ||||
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思ったより内容は薄っぺらい。 嘘っぽい現実味のない展開かも。 でも、主人公松子さんの一生懸命生きようとするエネルギーは よく伝わってくるし、そもそもの筋書き自体は面白いと思うので それなりに読んで良かったと思います。 | ||||
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松子は愚か、松子は自堕落、松子は短絡的、松子は哀れ、松子は運がない・・・なのに、松子に共感を覚えてしまう部分が否めないのは、私が女だからか、それとも松子と同じような要素が自分にあるからなのか。 これは負のおとぎ話です。 めくるめくシンデレラストーリーなんて滅多にないように、この物語のような不幸で悲惨な人生もそうそうあるものではありません。そういう意味でこの小説は、登場人物も含め、とても「空想物語然」としているとも言えるので、安心して読むことができます。映画がファンタジックな発想で作られているらしい点もわかるような気がします。 しかし、男性作家の作品であるのに、ときおりぎょっとするほど女性の心理が巧みに描かれている点には少し感心しました。とくに松子の、父親と妹に対する思いや葛藤には、同じ経験があるわけでもないのに妙に感情移入してしまえるから不思議です。 冗長にならず、先を読ませる勢いがあるのはミステリ作家らしい著者の力量なんでしょうか。 | ||||
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松子さんは一言で言うと、ターニングポイントで普通の人が九割がた選ばない選択肢を選ぶ人。そこへ毎度のように悪運が重なり、とんでもない場所に転がりつく。本来美徳のはずの一途さすら、裏目裏目に出て恨めしく思われてきます。 昼ドラばりのジェットコースター的展開の一生を一冊の本に(文庫では二冊ですが)収めるのですから、掘り下げ・書き込みが浅くなるのはいたしかたないのでしょうか。悲惨な中にも「救い」を匂わせる終わらせ方ですが、消化不良の感は否めませんでした。ですが、読み始めたら途中でやめられなかったのもまた事実。 いつか映像化されるだろうなと思っていましたが、とうとう映画になるのですね。中谷美紀さんが松子さんとのこと。はまりそうですね。主演女優賞を意識した気合の入った演技をなさっていることでしょう。怖いもの見たさで関心がつのります。語るべきことの多すぎる松子さんの一生。多数の情報を一度に見せられる映像の方が、この物語を表現するにはもしかしたら適しているのかもしれません。 | ||||
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実在したマツコさんは荒川土手で死体で発見された(私はそれで興味があった)。市場に並んでいる魚にも、市場に並ぶ前に見えない海の中で色々なドラマがあっただろう。マツコさんはこんなカタチで世間に食い物されているようで、そっちの方が見ていて哀れな気分になってきた。落ちぶれると言うけれど、落ちぶれる事なんて誰にでも簡単にやれる事。絶望の果てに見えて来る物、それをしっかりとらえ切れていないまま本なんかにして、あげくに映画化するだとか。それとも、第二のマツコさんでも作る為にこんな事やってんですか。 | ||||
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読み始めは、どのような内容か、どのような流れになっていくか、タイトルから見て取れるように不快な内容なのか?などいろいろな事を考えながら読み始めました。 読み始めてからは、『松子の一生』に食い入るようになり、人生の波・よい時悪い時は誰にでもあるということを思い知らされました。 人生のどん底にいる方や、人生が嫌になっている、最近刺激がない方など・・・ぜひ読んでみてください。人生の雲が晴れていくかもしれません。 | ||||
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上下巻、通勤時間など利用して2日くらいで読み終わりました。面白いとか、感動とか、哀しいとかでもないのに、なんかどんどん読み進んでいってしまう本。一生を通して歯車があわずにどんどん悪い方へはまっていく松子。まじめで教師だった松子が、ただ流されて男に依存して生きてるのがなんかミスマッチな気がしました。人ってもしかしたら、小さなことがきっかけとなって松子みたいに不幸にはまっていくのかな?って思ったけれど、やっぱりここまで堕落してしまうのはそうそうない、と思いたい。絶対に自分におこる可能性がないわけじゃないという危機感を感じたりもする。松子みたいにはならないように、しっかり生きていこうと読み終えて思った。 | ||||
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友人に勧められて読んだのですが、まず、ストーリーの展開の速さと、これでもかというくらい強引で濃厚な内容は一気に読ませると同時に下巻を手に取らずにいられなくなるほど面白かった。物語は主人公松子が一人暮らしのアパートで殺され、その片付けを命ぜられた甥の笙が松子の軌跡、生い立ちをたどりながら松子の死の真相、生き様を探ってゆくという形で進んでゆく。国立大学を卒業して中学の教師になった松子。ある事件をきっかけに学校を追われる羽目になって以来、松子の転落人生が始まる。実家を追われ、貧乏な文学青年との同棲、彼の自殺、親友との不倫、そして修羅場。落ちた先は今でいう風俗嬢。何事にも生真面目で優秀な松子はその店でナンバー1になるのだが、しだいに追い落とされて、ヒモ同然の男と駆け落ち。そして下巻につながる大きな波に再び飲み込まれてゆく。普通すぎる女教師の松子があっという間におちてゆく過程もすごいが、ここまでジェットコースターのように激しい物語になるのはさすが小説だからか。上巻だけではおさまらないということで星4つです。 | ||||
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主人公の松子の一生には、あまり読者を勇気づける 要素は無いかも知れない。年を重ねるごとにどんどんと 転落していってしまう人生だからだ。松子の取る一連の 行動は、彼女の不器用なまでの一途さを感じさせるが それが彼女の人生に好転をもたらすものではない。彼女を 取り巻く人々に救いを求めることも出来ない。無能な父、 異常なまでに拒絶的な弟、そして私の目からみると最低の 男達。彼らの中に一人でもまともな人間がいたなら、この 物語は全く趣の異なるものとなっただろう。作者がなぜ、 そうしなかったのかは疑問だ。この小説は、幸せな人生 を送っている読者には理解不能なものだと思う。ただ、晩年 の松子の孤独を実感できる人なら、この小説は強烈な印象を 残すだろう。しかし、その印象がただの悲しさで終ってしまう のが、この小説の限界なのである。 | ||||
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保守的な家庭に生まれ育った真面目だった女、松子。 親の言いつけを守り、地元の中学の先生となっていた。それなりに人気者で、それなりに美しく、それなりの人生を送っていた。 校長と修学旅行の下見に行くまでは…。 真面目であったが故の転がり続ける人生。 何処を、どう回り続けたか、自室で他殺体として発見される。 その頃には、若かりし頃の面影などなく、太った中年女だった。 「小説ってこうやって書くんだね」 と感じさせるお手本的な作品。 ただ、松子の人生を描くのでなく、現代に生きる甥にその時間を追わせることで、物語の広がりを生み出してる? 松子の悲惨さ、馬鹿さ加減による切なさはよく伝わるんだけど、そこまで現代を過去をクロスさせる必要性を感じなかったのが残念。よって、星三つ。 | ||||
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何か映画作家もレビュアーも何か変に「不幸な人生」を強調し、その是非についてあれやこれや論じていますが、この話は私は別のところに意味があるのだと思いますよ。 松子という、1人の人間の一生を心から理解しようとし、そしてした主人公+それを追体験した私たちがどのように彼女を捉えて行くか、最終的に彼女の人生をしっかりと背負った主人公がどうしてあのような行動を取ったのか。そこを理解できるかどうかでこの本の良し悪しがガラっと変わると思うなぁ。 それを表しているのは物語が主人公パートと松子パートを平行して展開してゆくところからも明らかではないだろうか。 でもさ、映画はやっぱり松子中心なんだろうなぁ…不幸だからハッピーじゃないっつーの。小説読み終わったあと公式HP見たら('・ω・`)ショボーン | ||||
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リアリティが無い主人公だなぁ、と感じながら読み進めた。 ただ不幸(と男)に流されるだけの松子に徐々に親近感を覚え始めたのも確か。結構のめり込みました。 不幸な体質というのは現実にありえること、その事を残酷かつ冷静に描いてるお話。 甥っ子さんの成長というテーマを盛り込んだことで作品としてまとめているが、それが無くても良作です。 不幸になるなら、自らの覚悟をもってありたい。 | ||||
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アパートの一室で惨殺された女性の生涯を、描いた作品。 主人公の松子は、教師を退職後、次々に悲惨な運命をたどる。その原因となっているのは、ほとんどが男。見る目がないのだ。本人的には幸せを求め行動しているつもりだが、深く考えず、先を見ないで行動するため、結局うまくいかない。その繰り返しで、読んでいてつらくなる。自分は男だが、「こうはならない」と100%いえるのか、といわれると断言できない気もする。 救われるのは、松子の生涯を調べ、成長していく甥っ子、笙の姿だ。彼が読者の気持ちを代弁してくれる。 | ||||
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松子さん。 唖然とするほど状況の読めないヒトでした… 1)私は仕事で真面目にやってるんだから、同じ部屋に寝てもだいじょうぶのはず(校長)、 2)私しか、この男を理解できないんだから、救えるのはアタシだけのはず(不良と文学かぶれ)、 3)私は美人なんだから、ブスの妻よりこのアタシを選ぶはず(不倫男)、 4)この男は私にほれているんだから、ムショから帰るアタシをいつまでも待ってるはず(床屋)、 これほど「ワシこそ至高」の思い込みと希望的観測だけで、突っ走っては土壷にはまる女も珍しい。 次はトルコのマネージャーを追っかけて、北海道までつっぱしるんじゃないか、と冷や冷やしましたが、案の定、別の男を連れて…幸い、瀬戸際で未遂。 最初は「一体なぜ?」と驚き、次第に腹が立ち、最後はしかたがないから爆笑しました。 | ||||
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映画化されることで話題ですが・・・。 松子をはじめキャラクター全てが 人間としてまったく描かれておらず 物語の展開がすべて短絡的で すごく薄っぺい印象があります あと松子が何度も「頭のいい女性」と 文中で描かれていますが まったく知性を感じないし 繰り返している行動から見て どう考えても頭が悪すぎます・・・。 文中の人物たちの台詞も 何だかクサかったり、薄っぺらかったり。 単純に昼メロ路線としていればいいのに 文庫の解説が的外れなので がっかりさせられた感じです。 | ||||
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まさに男性が書いた女の一生、女の性という本である。男の為に人生をくるわされ、しかも生き方が不器用な彼女を見ていると女性としてはあまりにも悲しく、非常に痛々しく感じる。。。昔の田舎社会を追われた人はこのような生き方しかなかったのか?東京に生きる孤独な中年女性の一生が悲しくリアルに描かれている。読んだ後、重い気分になってしまう。上手に生きられない人、男で苦労している女性は、読んでみるといいかも。 | ||||
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男を信じすぎ、頼りすぎるとこういう運命になってしまうのかなぁ〜・・・と思いました。裏の世界に足を踏み入れると、こういう目に遭いやすいのも確かだ!!と思ったので真面目に生きたいと思いました。。いろんな意味で、教訓を得た作品でした。 | ||||
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閉鎖的な地方で優等生として育ち地元の教師になった松子が、 ひとつの事件をきっかけにして、身を落としていく物語。 転落のきっかけとなる事件については、優等生が陥りがちな 保身に走る人間の弱さとあさましさを痛々しい程に描いており、 その後の転落の過程でも、窮地や逆境に陥るたびに大切な人にまで 悪態をつき、一方的に男にすがり、と、主人公松子をこれでもかと いうほど生々しい女性として描いている。 しかし松子が不器用なまでに猛進型で、生のままに行動するが故に嫌いになれない。 物語としては転落の過程が昼のメロドラマの様に派手で読みやすい。 最初に変死があり、そこから人生を語る描き方にも引き込まれる。 ただ、物語の軸のひとつである松子の甥や、その彼女については ひとつの決着が与えられてはいるものの、何か物足りない。 ひとつの壮絶な人生があり、それを知った周囲の人間に何をもたらすのか。 甥の父(松子の弟)もからめてもう一歩描いて欲しかった。 | ||||
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