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(短編集)
鳥
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鳥の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.93pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全30件 1~20 1/2ページ
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うっすら、私を満足させる書物はもう日本人作家の中には無いのかも知れないと思えて、この10年で10冊も読まなくなっていました。 仕方なしにではないつもりで英語の勉強に取り組んで1年。英国英語を教えるYouTube動画で、この作家の作品を朗読するイギリス人女性がいました。日本語でもあるのか、原書しかないのか、それすら知らずにこの本が良さそうと見つけて購入しました。 私には大当たりでした。少し早い気もしますが終活に向けている気持ちもあり、聞く音楽、聞きに行く音楽、見に行く美術の他に、読む本にも「これで最後の本でも良い」物を探す旅になっていた私には、本物の「当たり」をここに感じています。 特に好きな絵は大抵、日本、外国に限らず100年程度前のもので。そしてこの作家も必然みたいにその同じ範疇にあって。 この本でも「戦後」の様に語られる部分がありますが、それとて、英国に1年いたことのある私には、日本とは違い多くの場合まだ、一次大戦を指す事を知るので、この本でもそうである箇所に既に馴染んだものの様に自動的に懐かしさを覚えます。現代のサッカーの試合でさえ、戦争にまつわる記念日には選手、コーチ全員が赤いポピーの形のワッペンを胸に着けてプレーするのだから。そしてそれが一次大戦を偲ぶ日でもあり。 コーンウォールという場所。ロンドンという場所へ向ける都会人の思考と、別の街からの思考が違うのもまた、私には楽しい。物理的、心的風景として。今でこそアイルランド人がロンドンで働いていても誰も意に介さないが、少し前は全然違った。サッチャーの頃でさえ。そういう向こうの事実をも、東京創元社と訳者の務台夏子氏はよく承知していて、この本が手軽に日本語で読めるようになっている。一冊の本が、社の発想と訳者の知的遺産によって我々の財産になっている事にも感銘を受ける。改めて本書がある嬉しさを、感謝と共にレビューとして書いておきたいと思います。 | ||||
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著作が古いので在庫がありびっくりしました。 | ||||
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50~100頁くらいの短篇5編が収録されている。そのどれもが面白く、読む手がとまらなくなる。ミステリー風、怪奇幻想ファンタジー、超自然のような現象が引き起こす恐怖、人間が心理的に追い詰められていく話など、実に多彩な内容で楽しめる。いずれも人間の心の動きが克明に描き出されており、日常を逸脱していく様には息をのむ思い。傑作です!!1952年 The Apple Tree(Kiss Me Again,Stranger)の全訳です。解説にも書かれているが、デュ・モーリアというと映画「レベッカ」の印象からロマンス小説の作家という印象を自分も持っていた。この短篇集を手にとったのもヒッチコックの映画「鳥」の原作はどんなものだろう?という興味からだった。読んでみて、どうして今までデュ・モーリアのことをもっと知ろうとしなかったのかと悔しく思ったが、ここからデュ・モーリアを読むという、あらたな楽しみが始まったのは嬉しい!!「鳥」を読んでみると、映画のロマンス的要素や息子から子離れできない母親のドラマなどはヒッチコックが(脚本のエバン・ハンター=エド・マクベインが)つけ加えたもの。原作は、映画のハイライトとなっている息つく間もない鳥の襲撃が、無駄をそぎ落とした文体で描かれており凄いと思った。ヒッチコックは、原作からは鳥に人間が襲われるという、そのアイデアをもらっただけみたいなことを話していたが、映画の中心にはこのデユ・モーリアの原作があることを再認識した。なんだかデュ・モーリアの文章の雰囲気をそのまま映像化しているようにも感じる。映画のほうも様々な映画的な工夫が凝らされた作品として楽しめるので、くらべてみるのも一興かと思います。他の収録作についても、いろいろと書きたいことはあるのですが、これから読む人の興をそぐと思うので書くのはやめておきます。まあ、どの話も面白くて引き込まれます!! 続けて「いま見てはいけない」も読みはじめたのですが、これも面白いですねー!!!ニコラス・ローグ監督が映画化した「赤い影 Don't Look Now」が原作を忠実に映画化した(映像化した)傑作であることも再認識しました。 | ||||
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女学校にころ「レベッカ」を夢中になって読んで以来この作家の作品は読んでいませんでしたが今回初めて短編を読んで、やはり力のある作家だと思いました。それぞれに面白かったですが、私は長編のほうが好きです。 | ||||
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色々な種類の物語が詰まっていてとても面白いです。人間の本能が上手く描かれています。 | ||||
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有名な「鳥」のみならず、優れた短篇がいっぱい詰まっている分厚い短篇集である。 | ||||
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長編と違った作風ですが、どの作品もすごい視点から描かれていて、色々な人間が登場します。 変な人も変な状況もあり、または少し間違えてしまっただけで破滅してしまうような怖い状況もあり、 この作者はどれだけ皮肉な目で人間を見ているのだろう、と思ってしまいました。 短編集は全部読みましたが、この短編集が一番よかったです。 | ||||
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色んな物語を生み出せる人ってスゴいと思います。デュ・モーリアの作品も好きですがデュ・モーリア自身がどんな人だったのか興味が沸きます。 | ||||
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映画を先に見て、気になったので、読んでみました。映画以上に迫力があり、すぐに読めるので、二回読みました。 | ||||
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デュ・モーリアは本当に不思議な作家だと思います。 一見すると淡々とした筆致で何気ない日常の世界を描いているだけなのに 読んでいる我々は思わず引き込まれていつの間にか不気味な結末へと連れて行かれてしまう。 単なるホラーやミステリーと言った言葉では表せない奇妙な読了感があります。 収録作品のどれもが佳品揃いで甲乙つけがたい出来なのですが 個人的には表題作と「林檎の樹」そして最後の「動機」がベストかな。 邦訳もこなれていて読みやすく短編小説を堪能したい人には非常にお勧め。 | ||||
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デュ・モーリアを読んだ初めての作品群。始めの『恋人』を序奏とすれば、それは、その後に展開する作品群のミステリーから受ける何らかのショックを和らげる為の免疫薬、ワクチンとなるかな。この後に続く7つの作品は、皆秀作揃い。繊細なまでの優れた描写力。自ずと車輪が軌道に噛み合うように引き込まれ、何ともスリリングな感覚に。罪悪感、崇高さ、ユーモア、滑稽さ、夢幻的、せつなさ、そして『鳥』などに見られるように、自然のみならず動物にも造詣が深いというか、キャッチ力が素晴らしく、ストーリーと相まって一つ一つの物語に余韻が残る。作品それぞれが多面的であり、読むものを飽きさせない。 理想と現実とはよく言うが、あるいはお伽話であってもあるいは聖人についての民間伝承、迷信でもいい。これはそれらに現実感を生じさせ、ある者には恐怖を、ある者には確信を与えることだろう、、。非常に感慨深い作品だった。この世の摂理、神の与えてくれた心の自由さ。その報いと救い。単なるミステリー小説とは一線を画する作家ではあるまいか? | ||||
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有名な『鳥』をはじめ、『モンテ・ヴェリタ』『裂けた時間』『写真家』など 八篇がおさめられたダフネ・デュ・モーリアの作品集。 几帳面な妻を厭う夫、避暑地に来た美しい貴族夫人、謎の自殺を遂げた名家の夫人など 登場人物はさまざまですが、どれもデュ・モーリア独特の丁寧でしかもじわじわと 迫ってくるような巧みな描写に支えられた物語ばかりです。 避暑地での倦怠が思わぬ悲劇を呼ぶ『写真家』、ホラー・ストーリーのような『林檎の木』 神秘的な世界に引き込まれる『モンテ・ヴェリタ』などどれも忘れがたい余韻を残す作品です。 なおもう一冊の短編集『いま見てはいけない』も読みましたが、 収録作品の充実度という点では こちらの『鳥』の方が勝っているように感じました。 自然で読みやすい翻訳も優れていて、デュ・モーリアの幻想的な世界に読者を誘ってくれます。 | ||||
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映画化された有名な短編『鳥』、神秘的な中編『モンテ・ヴェリタ』、ミステリー仕立ての『裂けた時間』など デュ・モーリア独特の語りのうまさがきわだつ作品集。 几帳面な妻を厭う夫、避暑地の倦怠に思わぬ罠に落ちる貴族夫人、謎めいた自殺の真相を突き止めようとする刑事など 登場人物もさまざまですが、じわじわと迫りくるような心理描写に思わず引き込まれます。 ちょっと風変わりで神秘的な物語を読みたいと思う方にお勧めできる本です。 | ||||
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「モンテ・ヴェリタ」はおすすめですが、やや難解かも。他の作品も佳作揃いなので十分に楽しめます。 「林檎の木」という作品集の全訳で、翻訳もまずまず読みやすい。最初の「恋人」から引込まれました。 新刊の「いま見てはいけない」は購入すみなのでじっくり楽しむ予定です。 | ||||
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オカルト的なものをお求めの方にはお奨めしません。そういうテイストはありますが、物足りないでしょう。それ以上に作品世界を覆っているのは重苦しい「運命」とでもいいましょうか。読後、心に残る独特の何かがあります。なるほど、ヒッチコックに2作も映像化を促しただけのことはある作家だと思いました。 | ||||
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何ゆえ、この人の邦訳がこんなに少ないの? おかしいよね?! 気軽に入手できるのが「レベッカ」とか「鳥」それに「レイチェル」だけなんて!! おかしいよね?? もっと読みたい!! 短編も、是非たくさん読みたい! 寡作な作家さんじゃあない様子じゃあない! ミステリーファンじゃなくても、一読の価値ある作品ばかりじゃない! 奥深いひねり、日常に潜む不条理、なさそうでありそうな「あっちの世界」への扉… 「小説家」ってこういう人をいうんだな、って全作品唸らせられました。 ふたたび、おかっしいよね?? | ||||
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1冊、あっという間に読んでしまった。 あ~満足。 とてもよい時間が過ごせました。 どの短編も面白かった。 この作家の作品をもっと読んでみたい。 | ||||
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映画「鳥」の原作が入った短編集。映画を見たのは大分前で、もううろ覚えだけれど、鳥に襲われる場面でBGMなしに鳴き声だけが響いているのが無性に怖かったのを覚えています。小説を読んでいるとそれを思い出してやはり怖い。そしてあまり印象が変わらないことに驚きました。うろ覚えだからと言うこともあるだろうけど、受ける印象、つまり心に残った部分が同じと言うのはいい映画化だったと思います。 この作家は語り口、人物描写が良いです。また、全体を通してしっとりとした物憂げな雰囲気に包まれており、それが私の感性に合ったのか、すぐに物語に入り込むことができました。目当ては「鳥」だったけれど、他の短編も一気に読めました。「裂けた時間」が少し冗長かな、と感じた程度です。 | ||||
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表題のヒッチコックの映画で有名な「鳥」はもちろん、他もすべてすばらしいです!さまざまなジャンルの短編集ですが、私は、林檎の木が出てくる日本の怪談っぽい?お話が、気に入ってます。お勧めです! | ||||
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解説にも書いてあるが、デュ・モーリアの作品で日本語で読めるものといえば、かつては新潮文庫の『レベッカ』だけだった。私もそうたくさん読んでいるわけではないが、どうしてこうも面白い作家がもっと日本で紹介されないのか、という不満はあった。だからこの短編集が文庫で読めるということ、さらにほかにもこの作家の本が読めるようになってきたことは実に喜ばしい。 ジャンルとしてはミステリーロマンスのように言われることが多いデュ・モーリアの小説は、恐怖と謎とロマンスの混じり合う世界である。だが、あらためてこうして短編集を眺めると、その物語世界の豊かさ、多様さに驚かざるを得ない。 ヒッチコックの映画化による「鳥」がいちばん有名だろうが、原作の緊迫感は映画をはるかに越える。ある日突然鳥が人間を襲い出すという話は、主人公が異変に気づく冒頭から、壮絶な戦いの末に取り合えず身を守る終わりまで、鳥がなぜ人を襲い、また今後どうなるかという重要な問いに対して一切の答えを与えていないのであり、それが怖い。 おそらく最も多くの人が最も面白いと思いそうなのは、最後の「動機」である。幸福の頂点にありそうな婦人が突然自殺し、動機は全く考えられない。だが、粘り強い私立探偵の追求で、わずかな1本の糸から驚くべき過去が浮かび上がる。どうです、読みたくなりませんか。何しろ昔の作家だから、昨今のトリックに比べれば、わかってしまえば「コロンブスの卵」かもしれないが、そこに浮かび上がる人生の、この構想力はどうだろう。 他に突然神秘の山に消えた妻を追い求める夫の苦悩を描いた「モンテ・ヴェリタ(真実の山)」の濃密な情念の世界、死んだ妻の呪いを受けた夫の運命を描いた「林檎の木」のじわじわと迫りくる恐怖感、などなど、デュ・モーリアを知らずに損をしている潜在的ファンはたくさんいるはずで、その人たちに嬉しい8編である。 読み通して思うのは、どれもがきわめて心理的なドラマだということ。突然何か異様なことが起こるパタンが多いが、そこには常に当事者と部外者とのずれがある。そのために部外者は謎に苦しみ、あるいは当事者は人に理解されない恐怖に苦しむ。デュ・モーリアの心理描写は絶品だが、そこで我々は、人間の真実とはいかに心理的なものであり、またそれゆえ人は周囲とのずれにいかに苦しまねばならないかを思わずにはいられない。基本的に娯楽小説でも、そうした深みのある作家なのである。 | ||||
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