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殺す者と殺される者
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殺す者と殺される者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.96pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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帯に「H.マクロイが持てる技巧を総動員して読者を翻弄する、珠玉のサスペンス」とある。これ程虚しい紹介はない。冒頭の10頁程度で全体の趣向はバレバレ。登場人物の配置も類型的で新規性に乏しく、これで物語にサスペンス性があったら、それこそ謎である。 作者はミステリ(サスペンス)と精神分析学を混同しているのではないのか ? 予想通りの着地点にしか辿り着けない小説技巧も拙劣と言う他はない。サスペンスを狙った作品でこのような手法を用いても、非現実感が募り白けるだけ。元学者の主人公が(作者が意図する)真実に中々気付かないのも不自然で、読む者をイライラさせる。これなら、M.ミラーの方が数段巧いし、迫力がある。 「復刊リクエストNo.3」って、単なる期待感に過ぎなかったと思い知らされるハメとなった。 | ||||
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帯に「H.マクロイが持てる技巧を総動員して読者を翻弄する、珠玉のサスペンス」とある。これ程虚しい紹介はない。冒頭の10頁程度で全体の趣向はバレバレ。登場人物の配置も類型的で新規性に乏しく、これで物語にサスペンス性があったら、それこそ謎である。 作者はミステリ(サスペンス)と精神分析学を混同しているのではないのか ? 予想通りの着地点にしか辿り着けない小説技巧も拙劣と言う他はない。サスペンスを狙った作品でこのような手法を用いても、非現実感が募り白けるだけ。元学者の主人公が(作者が意図する)真実に中々気付かないのも不自然で、読む者をイライラさせる。これなら、M.ミラーの方が数段巧いし、迫力がある。 「復刊リクエストNo.3」って、単なる期待感に過ぎなかったと思い知らされるハメとなった。 | ||||
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主人公ヘンリー(ハリー)・ディーンが、叔父の遺産を相続。大きな衝撃を受け、外に飛び出して、氷に足をとられて転倒して以来、奇妙で不可解な出来事が、彼の身の周りで起きるようになる。他人と自分の記憶が食い違っていたり、自分の身辺を徘徊者がうろついているといった出来事が。そんな中で、彼が快く思っていなかった人物が銃で撃たれて死ぬ事件が起きる・・・・・・。 という序盤から中盤にかけての話は、まずまずスリリングではあるけれど、それほど、そそられる話ではありませんでした。それが俄然面白くなって、本作品が輝き出したのを感じたのが終盤の198頁、第11章以降の展開でしたね。それまで主人公が抱いていた不穏な気配、微妙な齟齬をきたしていた出来事の真相が明らかになってから以降の展開に、読み手を恐怖の領域に誘い、ぞっとさせる作者ヘレン・マクロイの真骨頂を見た気がしました。主人公の“わたし”ことハリーが味わう恐怖に、ほんと、ぞくぞくさせられましたね。 このサスペンスの中核を担う、というか、そこから一気に恐怖の深淵へと読み手を引っ張っていくその始まりとなる第11章を読んでいて、ひとつの絵がぱっと浮かんで、脳内スクリーンに映し出されました。だまし絵で有名な画家エッシャーが描いた、「描く手」というタイトルの絵。あの絵を具現化したみたいな文章であり、展開であるなあと、ぱっと思ったんだけれど。 1957年の作品でありながら、メイン・トリックのネタはその当時より二、三十年先を行っていると思えるものであり、何より、ことの真相を明かしてから以降の話の展開に、非常な妙味を覚えました。さすが、『暗い鏡の中に (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)』『幽霊の2/3 (創元推理文庫)』といったサスペンス色豊かなミステリを書いた作家だけあって、上手いもんです。 訳文に関しては、新訳というにも関わらず、所々、現代的とは思えない会話文や、日本語としてこなれていない言い回しがあって、ちょっと気になりました。でも、作品の価値を損ねるようなものではなく、マクロイの、ぞくぞくさせられるサスペンスの醍醐味を堪能させてもらいました。復刊に感謝です! | ||||
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主人公ヘンリー(ハリー)・ディーンが、叔父の遺産を相続。大きな衝撃を受け、外に飛び出して、氷に足をとられて転倒して以来、奇妙で不可解な出来事が、彼の身の周りで起きるようになる。他人と自分の記憶が食い違っていたり、自分の身辺を徘徊者がうろついているといった出来事が。そんな中で、彼が快く思っていなかった人物が銃で撃たれて死ぬ事件が起きる・・・・・・。 という序盤から中盤にかけての話は、まずまずスリリングではあるけれど、それほど、そそられる話ではありませんでした。それが俄然面白くなって、本作品が輝き出したのを感じたのが終盤の198頁、第11章以降の展開でしたね。それまで主人公が抱いていた不穏な気配、微妙な齟齬をきたしていた出来事の真相が明らかになってから以降の展開に、読み手を恐怖の領域に誘い、ぞっとさせる作者ヘレン・マクロイの真骨頂を見た気がしました。主人公の“わたし”ことハリーが味わう恐怖に、ほんと、ぞくぞくさせられましたね。 このサスペンスの中核を担う、というか、そこから一気に恐怖の深淵へと読み手を引っ張っていくその始まりとなる第11章を読んでいて、ひとつの絵がぱっと浮かんで、脳内スクリーンに映し出されました。だまし絵で有名な画家エッシャーが描いた、「描く手」というタイトルの絵。あの絵を具現化したみたいな文章であり、展開であるなあと、ぱっと思ったんだけれど。 1957年の作品でありながら、メイン・トリックのネタはその当時より二、三十年先を行っていると思えるものであり、何より、ことの真相を明かしてから以降の話の展開に、非常な妙味を覚えました。さすが、『 暗い鏡の中に (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) 』『 幽霊の2/3 (創元推理文庫) 』といったサスペンス色豊かなミステリを書いた作家だけあって、上手いもんです。 訳文に関しては、新訳というにも関わらず、所々、現代的とは思えない会話文や、日本語としてこなれていない言い回しがあって、ちょっと気になりました。でも、作品の価値を損ねるようなものではなく、マクロイの、ぞくぞくさせられるサスペンスの醍醐味を堪能させてもらいました。復刊に感謝です! | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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ミステリの古典で、かつ個人的に偏愛する「叙述トリック」の最後の入手難作品として、「幽霊の2/3」とともに、2001年から復刊ドットコムでリクエストを開始以来、約10年越しの念願がかなった。 この間、読むことかなわずに生涯を終えた方もいらっしゃることだろう。かくも時間がかかったことに憤りを感じつつも、感謝の気持ちで一杯である。 アンフェアぎりぎり以上のところまで踏み込みながら、練達の技術と筆力でまとめあげた逸品であるといえよう。(新訳とはいえ、若干意味不明の固有名詞が散見されたのは残念だが) とにかく、何の先入観もなく、読み進めていっていただきたい。 | ||||
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