■スポンサードリンク


殺す者と殺される者



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

殺す者と殺される者の評価: 3.96/5点 レビュー 26件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.96pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全26件 1~20 1/2ページ
12>>
No.26:
(4pt)

面白い!

アマゾンで買った本のみレビューしています。物語・作り話が好きなので小説しか読みません。リアリテイー等は関係ありません。事実と違うなどと言ってる人がいますが、なぜ事実じゃないと知っているのでしょうか?学者が書いているから?不思議で仕方がありません。物語では信長は本能寺で死ななくてもいいのです。面白いか面白くないかのみが判断基準です。それではよろしくお願いします。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.25:
(3pt)

ネタ隠しが長い

見えているネタをいつまでも引っ張って見せてくれないようなもどかしさ。
マクロイには言いたいことが山ほどあるらしくて、どれもその感があるけど、これはもう飽きるほど引っ張るからイライラする。
何処でやめようかと思いつつ読み続ける。
「ミステリーは読書の範疇に入らない」とわたしも思っているからイライラさせられるなら読まなければいいけどそうもいかないものがあるところがマクロイなのかも。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.24:
(4pt)

アメリカのミステリの女王

永年ミステリを読み続けている自分にとって、この数年間の一番の収穫と言えば、本作品の著者、ヘレン・マクロイの存在を知り、その著作に接することができたことでしょう。

著作リストを見ると、1938年のデビュー後、1993年に逝去するまで、1940年代から70年代を中心に活躍。
50年代には、アメリカ探偵作家クラブの会長を務めています。
にもかかわらず、私のアンテナには引っ掛からず、全くその存在を知りませんでした。

しかし、21世紀に入り、半世紀に亘り絶版となり、「幻の傑作」とされてきた「幽霊の2/3」が復刊したとの情報を得て、読了。
アガサ・クリスティに匹敵するミステリの女王がいたことを、認識しました。

1957年発表の本作品も「幽霊──」と同様、永らく絶版が続き、「幻の傑作」とされてきた作品。
叔父の莫大な遺産を相続し、母の故郷に戻った主人公の周辺で起こる奇妙な事件をサスペンスフルに描いた佳作となっています。
しかし、「幻の」と形容されるだけあって、本作品に影響を受けたであろう、後続の作家たちにより、類似の作品が書かれており、こちらが元祖なのに、既視感を覚えてしまうのが、いささか残念なところです。

しかし、一筋縄ではいかない巧妙な伏線の数々には、ミステリ作家としての確かな腕前を感じさせられます。
また、読み終えると、その題名に込められた深い意味合いに、傑作らしい重みを感じ取れるのではないでしょうか。

2015年も、新発見したアメリカのミステリの女王が遺した、未読の傑作を少しずつ読んで行こうと思います。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.23:
(4pt)

鬼気迫る心理描写

現代においては本作のプロットの斬新さは既に失われてしまったが、心理サスペンスとしての価値は些かも減じていないばかりか、昨今の安易なサイコ物と比較すれば、その筆致の繊細さと結末に至っての鬼気迫る恐怖の醸成はレベルが違うばかりか、鋭い普遍性をいまだ保っている。
心理サスペンスの書き手としてのマクロイの筆力の豊かさを堪能出来る佳作。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.22:
(5pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

この手のミステリーのルーツ的作品

入手困難だった、この小説が新訳で復刊されたときは、本当に歓喜しました。
これからも、この手のミステリー(ニューロティックな味わい、大掛かりな倒叙トリック)
のルーツ的作品としてミステリーファンに読み継がれていくでしょう。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.21:
(5pt)

全ては文章のレベルの高さ

この小説はミステリーではなくサスペンスですね。勘の良い、サスペンス物を読みなれている読者なら、
早々に真相に気づくかもしれません。が、この小説が素晴らしいのは、真相が明らかにされて以降の展開です。実際に、大きなネタバレは中盤辺りで起こります。むしろこの話はそれからが本番と言ってもいいくらいです。じゃあその後どうなるのかというと・・・それは読んでのお楽しみですね。
マクロイとにかく文章が上手い。人物描写が上手い。風景描写が上手い。今となっては使い古されたコンテンツでも、作者の力量次第で数十年経っても面白く読めるという好例です。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.20:
(3pt)

危険度満点の成り行きにただただ呆然とするだろう

タイトルに先ず惹かれた。それと本書は1957年の作品で、年齢のせいか40年50年代の作品に惹かれるのだ。

例えば「幻の女」や「死の接吻」等。再発刊を要望する上位にリクエストされたらしく、新訳での登場となった。

文庫300頁足らずというのもよい。最初の100頁は特段どうっていう事はない。雰囲気づくりというところだ。一人称の語りは巧く、「私」の思いも納得させられる。次の100頁からいよいよ動きがあり、「殺される者」が出てきて、そして「殺す者」は誰なんだとなってくるのだ。

ここにきて、なんなんなんなのだと唸る。それはないだろと、読書を止めてしまう可能性あり。危険度満点の成り行きにただただ呆然とするだろう。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.19:
(3pt)

危険度満点の成り行きにただただ呆然とするだろう

タイトルに先ず惹かれた。それと本書は1957年の作品で、年齢のせいか40年50年代の作品に惹かれるのだ。

例えば「幻の女」や「死の接吻」等。再発刊を要望する上位にリクエストされたらしく、新訳での登場となった。

文庫300頁足らずというのもよい。最初の100頁は特段どうっていう事はない。雰囲気づくりというところだ。一人称の語りは巧く、「私」の思いも納得させられる。次の100頁からいよいよ動きがあり、「殺される者」が出てきて、そして「殺す者」は誰なんだとなってくるのだ。

ここにきて、なんなんなんなのだと唸る。それはないだろと、読書を止めてしまう可能性あり。危険度満点の成り行きにただただ呆然とするだろう。
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO
No.18:
(4pt)

ひねりがある

Helen McCloyの『The Slayer and the Slain』(1957年)。
 1959年に中田耕治訳で出ていたが、長く幻となっていた作品だ。
 本書は2009年に出た待望の新訳。
どちらかというとサスペンスに分類されるべき一冊で、マクロイ作品としてはちょっと毛色の変わった印象だ。しかし、大仕掛けなトリックがあり、すっかり引っかけられてしまった。上手くレッド・ヘリングが散らしてあり、読者の予想の先を行く結末となっている。
 それにしても、当時としては、かなり斬新な内容だったのではないか。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.17:
(4pt)

ひねりがある

Helen McCloyの『The Slayer and the Slain』(1957年)。
 1959年に中田耕治訳で出ていたが、長く幻となっていた作品だ。
 本書は2009年に出た待望の新訳。
どちらかというとサスペンスに分類されるべき一冊で、マクロイ作品としてはちょっと毛色の変わった印象だ。しかし、大仕掛けなトリックがあり、すっかり引っかけられてしまった。上手くレッド・ヘリングが散らしてあり、読者の予想の先を行く結末となっている。
 それにしても、当時としては、かなり斬新な内容だったのではないか。
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO
No.16:
(3pt)

期待しすぎた伝説の小説

これは昔から名のみ高かった伝説の推理小説で私も名前だけはよく聞いてましたが遂に読めるとは、と驚き、かつ凄く嬉しくて興奮しました。私と同じような思いの人も多いのでは。

これは本格ではないですね。ではなにかというと書くと興を殺ぐのでかけませんが、広義のサスペンスというか。今では当たり前のある有名なネタの小説で読む前の期待が高かった分、正直、些か肩透かしを喰ったような気分になったのは否定できません(他の方も書かれてますが)。書かれた1957年前後は同じネタの作品が多く出回る少し前で、有名なあの小説やこの小説(名前を書くと察しのいい人にわかるので書けない)がこれ以降一杯でますけどそういう物の先駆として歴史的に価値があると思いますし、リアルタイムで読めば衝撃だったと思いますが、今読んでの面白さや衝撃はいまひとつというのが本音です。でも小説の最後などは結構不気味な余韻が残り、そこら辺はさすが技巧派と思います。私的には少し前に紹介された「ひとりで歩く女」の方が技巧や完成度は上だと思います。

これが話題になって同じ著者の名作「暗い鏡の中に」が入手し易くなると嬉しいです。あと蛇足ですが同じ版元のヘレン・ユースティス著「水平線の男」も復刊して頂けないかなと思います(20年くらい前に予告がでたような・・・)。あと復刊リクエストってどこかで順位や作品名が公開されてんですかね?
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO
No.15:
(3pt)

期待しすぎた伝説の小説

これは昔から名のみ高かった伝説の推理小説で私も名前だけはよく聞いてましたが遂に読めるとは、と驚き、かつ凄く嬉しくて興奮しました。私と同じような思いの人も多いのでは。
これは本格ではないですね。ではなにかというと書くと興を殺ぐのでかけませんが、広義のサスペンスというか。今では当たり前のある有名なネタの小説で読む前の期待が高かった分、正直、些か肩透かしを喰ったような気分になったのは否定できません(他の方も書かれてますが)。書かれた1957年前後は同じネタの作品が多く出回る少し前で、有名なあの小説やこの小説(名前を書くと察しのいい人にわかるので書けない)がこれ以降一杯でますけどそういう物の先駆として歴史的に価値があると思いますし、リアルタイムで読めば衝撃だったと思いますが、今読んでの面白さや衝撃はいまひとつというのが本音です。でも小説の最後などは結構不気味な余韻が残り、そこら辺はさすが技巧派と思います。私的には少し前に紹介された「ひとりで歩く女」の方が技巧や完成度は上だと思います。
これが話題になって同じ著者の名作「暗い鏡の中に」が入手し易くなると嬉しいです。あと蛇足ですが同じ版元のヘレン・ユースティス著「水平線の男」も復刊して頂けないかなと思います(20年くらい前に予告がでたような・・・)。あと復刊リクエストってどこかで順位や作品名が公開されてんですかね?
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.14:
(4pt)

一人称による “独白系”だから成立する記憶心理ミステリー

’57年に書かれ、’59年の最初の邦訳版が中古市場で稀書として高値でやりとりされているヘレン・マクロイの名作が、’09年、創元推理文庫創刊50周年を記念して、読者のリクエスト第3位だったことから待望の新訳版で復刊された。(ちなみに第1位は同じマクロイ女史の『幽霊の2/3』)
おじの遺産を相続して、マサチューセッツの大学の職を辞して、ワシントン近郊の亡き母の故郷に引っ越した、心理学者の‘わたし’ことハリー・ディーン。移住前に転倒して頭を強打して、記憶を20分間失ったと思われる‘わたし’には違和感が生じる。そしてかつての想い人が今は人妻となってしまったことを聞きショックを受け、移住したクリアウォーターの‘わたし’の身辺で、謎の徘徊者、差出人不明の手紙、消えた運転免許証と、小さな異変が次々に起こり、やがて惨劇が・・・。
ネタバレになるので詳しくは書けないが、そこには思いもよらぬ‘わたし’の記憶の悲劇があった。
作品が書かれた年代から思えば、時代を先取りしたような「記憶」がテーマのサスペンスフルで切ない心理スリラーだが、マクロイは現実と妄想の境界線を行く物語世界を見事に構築し、記憶こそが人間の生涯を形成しているという鋭利な洞察を行っている。
本書は、一人称による“独白系”だから成立する記憶心理ミステリーであり、読み終わってからもう一度‘わたし’のこのモノローグを再読したくなる逸品である。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.13:
(4pt)

一人称による “独白系”だから成立する記憶心理ミステリー

’57年に書かれ、’59年の最初の邦訳版が中古市場で稀書として高値でやりとりされているヘレン・マクロイの名作が、’09年、創元推理文庫創刊50周年を記念して、読者のリクエスト第3位だったことから待望の新訳版で復刊された。(ちなみに第1位は同じマクロイ女史の『幽霊の2/3』)

おじの遺産を相続して、マサチューセッツの大学の職を辞して、ワシントン近郊の亡き母の故郷に引っ越した、心理学者の‘わたし’ことハリー・ディーン。移住前に転倒して頭を強打して、記憶を20分間失ったと思われる‘わたし’には違和感が生じる。そしてかつての想い人が今は人妻となってしまったことを聞きショックを受け、移住したクリアウォーターの‘わたし’の身辺で、謎の徘徊者、差出人不明の手紙、消えた運転免許証と、小さな異変が次々に起こり、やがて惨劇が・・・。
ネタバレになるので詳しくは書けないが、そこには思いもよらぬ‘わたし’の記憶の悲劇があった。

作品が書かれた年代から思えば、時代を先取りしたような「記憶」がテーマのサスペンスフルで切ない心理スリラーだが、マクロイは現実と妄想の境界線を行く物語世界を見事に構築し、記憶こそが人間の生涯を形成しているという鋭利な洞察を行っている。

本書は、一人称による“独白系”だから成立する記憶心理ミステリーであり、読み終わってからもう一度‘わたし’のこのモノローグを再読したくなる逸品である。
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO
No.12:
(5pt)

伝説の稀覯本の新訳

冒頭の〈図書館は自伝をフィクションとして分類すべきだ〉という
書き出しで、堂々と“信用できない語り手”宣言をしている作者
のフェアな姿勢がまずグッド。
それに加え、主人公の身辺で続発する異変――消えた運転免許証、差出人不明の
手紙、謎の徘徊者――から、勘のいい読者なら、本作の真相の見当をつけることは、
さほど難しくないと思います(とはいえ、現在ではパターンに堕したその真相に作者
なりのアレンジを施し、ツイストを効かせているところはさすがです)。
後半の××を下敷きにしたプロットは、サスペンスの盛り上がりとともに、疎外
された主人公の喪失感を掻き立てるエモーショナルな筆致に惹きつけられます。
結末を予定調和と見る向きもあるのかもしれませんが、『殺す者と殺される者』と
いう題名にきっちり落とし前をつける幕引きは、やはり巧いといわざるをえません。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.11:
(5pt)

伝説の稀覯本の新訳

冒頭の〈図書館は自伝をフィクションとして分類すべきだ〉という
書き出しで、堂々と“信用できない語り手”宣言をしている作者
のフェアな姿勢がまずグッド。

それに加え、主人公の身辺で続発する異変――消えた運転免許証、差出人不明の
手紙、謎の徘徊者――から、勘のいい読者なら、本作の真相の見当をつけることは、
さほど難しくないと思います(とはいえ、現在ではパターンに堕したその真相に作者
なりのアレンジを施し、ツイストを効かせているところはさすがです)。

後半の ×× を下敷きにしたプロットは、サスペンスの盛り上がりとともに、疎外
された主人公の喪失感を掻き立てるエモーショナルな筆致に惹きつけられます。

結末を予定調和と見る向きもあるのかもしれませんが、『殺す者と殺される者』と
いう題名にきっちり落とし前をつける幕引きは、やはり巧いといわざるをえません。
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO
No.10:
(3pt)

二回読んで楽しめる

紳士階級がまだ辛うじて存在した時代の懐かしいミステリー
読み始めて早いうちに 真相の予想がつくので
ダイナミックな展開や謎を期待する人向けではないかも
むしろ 時代とワシントン郊外の小さな町の雰囲気を想像しながら
読み終え 作者の技巧の跡を検証しながら もう一回読んでみることを
お勧めする 文章はとても読みやすい
会話や回想の形で 記憶と人格について度々述べているが
作品発表時は 新鮮な題材だったのだろうか
ペダンティックというより 今や ロマンティックでさえある
登場する女性達のあり方は古すぎて むしろ 新鮮に映るくらい
正統な読み方ではないと思うが 面白かった
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.9:
(3pt)

二回読んで楽しめる

紳士階級がまだ辛うじて存在した時代の懐かしいミステリー
読み始めて早いうちに 真相の予想がつくので
ダイナミックな展開や謎を期待する人向けではないかも
むしろ 時代とワシントン郊外の小さな町の雰囲気を想像しながら
読み終え 作者の技巧の跡を検証しながら もう一回読んでみることを
お勧めする 文章はとても読みやすい
会話や回想の形で 記憶と人格について度々述べているが
作品発表時は 新鮮な題材だったのだろうか
ペダンティックというより 今や ロマンティックでさえある
登場する女性達のあり方は古すぎて むしろ 新鮮に映るくらい
正統な読み方ではないと思うが 面白かった
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO
No.8:
(5pt)

あまりにも有名な怪奇小説の古典的名作に挑んだ哀切な心理サスペンスの傑作。

心理派推理小説の巧みな書き手として玄人ファンの人気が高い米国女流ミステリー作家マクロイ女史の「幻の名作」の日本での半世紀振りの新訳刊行待望の第2弾です。本書もまた名のみ高く生きている内に読むのはとても不可能に思えた作品でしたが、多くのミステリー・ファンの長年に渡る執念が実って再び紹介された事を心から喜びたいと思います。
小さな大学の心理学講師ハリー・ディーンはある朝氷に足を滑らせて転び20分程の記憶を失う。彼はおじの遺産を相続し事故からの回復を期に職を辞めて故郷の町クリアウォーターへ移住する。嘗て真剣に想いを寄せた最愛の女性シーリアが人妻となった事を知り悲しみに沈むハリーの身の回りでやがて数々の異変が起こり始める。
本書は既に読み終えた方ならすぐに気づくと思われるあまりにも有名な怪奇小説の古典名作を下敷きにして書かれた物だと思います。作品名は書けませんが改めて考えると本書との題名の相似で明白だったと気づきました。著者は得意の心理学を応用し過去の名作物語に新たに複雑なひねりを加えています。ハリーが覚える違和感の正体が遂に明らかになる場面にはおぞましい戦慄を禁じ得ず、周到な計算の基に張り巡らされた巧妙な伏線に著者の実力を思い知らされるでしょう。しかし、この驚愕の真相をクライマックスに持って来る事も出来たのに著者があえて物語の2/3の時点で明かしたのは本書の眼目が謎解きパズルにはなく、怪奇幻想小説に描かれるモンスター的な存在に翻弄され苦悩する真面目で一途な男の哀切な悲劇を描く事にあった為ではないかと私は思います。小説を読み慣れた方ならば終盤の展開は完全に予想出来ると思いますが、それは本書の価値を些かも損ねる物ではなく、逆に男がずるく立ち回らず幸せに背を向けて選んだ険しい道に誰もが共感と感動を覚える事でしょう。本書は暗く地味ながらも誠に渋い味わいの物語ですのでぜひ一読をお奨め致します。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.7:
(5pt)

あまりにも有名な怪奇小説の古典的名作に挑んだ哀切な心理サスペンスの傑作。

心理派推理小説の巧みな書き手として玄人ファンの人気が高い米国女流ミステリー作家マクロイ女史の「幻の名作」の日本での半世紀振りの新訳刊行待望の第2弾です。本書もまた名のみ高く生きている内に読むのはとても不可能に思えた作品でしたが、多くのミステリー・ファンの長年に渡る執念が実って再び紹介された事を心から喜びたいと思います。
小さな大学の心理学講師ハリー・ディーンはある朝氷に足を滑らせて転び20分程の記憶を失う。彼はおじの遺産を相続し事故からの回復を期に職を辞めて故郷の町クリアウォーターへ移住する。嘗て真剣に想いを寄せた最愛の女性シーリアが人妻となった事を知り悲しみに沈むハリーの身の回りでやがて数々の異変が起こり始める。
本書は既に読み終えた方ならすぐに気づくと思われるあまりにも有名な怪奇小説の古典名作を下敷きにして書かれた物だと思います。作品名は書けませんが改めて考えると本書との題名の相似で明白だったと気づきました。著者は得意の心理学を応用し過去の名作物語に新たに複雑なひねりを加えています。ハリーが覚える違和感の正体が遂に明らかになる場面にはおぞましい戦慄を禁じ得ず、周到な計算の基に張り巡らされた巧妙な伏線に著者の実力を思い知らされるでしょう。しかし、この驚愕の真相をクライマックスに持って来る事も出来たのに著者があえて物語の2/3の時点で明かしたのは本書の眼目が謎解きパズルにはなく、怪奇幻想小説に描かれるモンスター的な存在に翻弄され苦悩する真面目で一途な男の哀切な悲劇を描く事にあった為ではないかと私は思います。小説を読み慣れた方ならば終盤の展開は完全に予想出来ると思いますが、それは本書の価値を些かも損ねる物ではなく、逆に男がずるく立ち回らず幸せに背を向けて選んだ険しい道に誰もが共感と感動を覚える事でしょう。本書は暗く地味ながらも誠に渋い味わいの物語ですのでぜひ一読をお奨め致します。
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO

スポンサードリンク

  



12>>
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!