殺す者と殺される者

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

殺す者と殺される者の評価:

3.88/5点 レビュー 25件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.88pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全32件 21〜32 2/2ページ
No.12
(5pt)

伝説の稀覯本の新訳

冒頭の〈図書館は自伝をフィクションとして分類すべきだ〉という
書き出しで、堂々と“信用できない語り手”宣言をしている作者
のフェアな姿勢がまずグッド。

それに加え、主人公の身辺で続発する異変――消えた運転免許証、差出人不明の
手紙、謎の徘徊者――から、勘のいい読者なら、本作の真相の見当をつけることは、
さほど難しくないと思います(とはいえ、現在ではパターンに堕したその真相に作者
なりのアレンジを施し、ツイストを効かせているところはさすがです)。

後半の ×× を下敷きにしたプロットは、サスペンスの盛り上がりとともに、疎外
された主人公の喪失感を掻き立てるエモーショナルな筆致に惹きつけられます。

結末を予定調和と見る向きもあるのかもしれませんが、『殺す者と殺される者』と
いう題名にきっちり落とし前をつける幕引きは、やはり巧いといわざるをえません。
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO
No.11
(5pt)

伝説の稀覯本の新訳

冒頭の〈図書館は自伝をフィクションとして分類すべきだ〉という
書き出しで、堂々と“信用できない語り手”宣言をしている作者
のフェアな姿勢がまずグッド。
それに加え、主人公の身辺で続発する異変――消えた運転免許証、差出人不明の
手紙、謎の徘徊者――から、勘のいい読者なら、本作の真相の見当をつけることは、
さほど難しくないと思います(とはいえ、現在ではパターンに堕したその真相に作者
なりのアレンジを施し、ツイストを効かせているところはさすがです)。
後半の××を下敷きにしたプロットは、サスペンスの盛り上がりとともに、疎外
された主人公の喪失感を掻き立てるエモーショナルな筆致に惹きつけられます。
結末を予定調和と見る向きもあるのかもしれませんが、『殺す者と殺される者』と
いう題名にきっちり落とし前をつける幕引きは、やはり巧いといわざるをえません。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.10
(3pt)

二回読んで楽しめる

紳士階級がまだ辛うじて存在した時代の懐かしいミステリー
読み始めて早いうちに 真相の予想がつくので
ダイナミックな展開や謎を期待する人向けではないかも
むしろ 時代とワシントン郊外の小さな町の雰囲気を想像しながら
読み終え 作者の技巧の跡を検証しながら もう一回読んでみることを
お勧めする 文章はとても読みやすい
会話や回想の形で 記憶と人格について度々述べているが
作品発表時は 新鮮な題材だったのだろうか
ペダンティックというより 今や ロマンティックでさえある
登場する女性達のあり方は古すぎて むしろ 新鮮に映るくらい
正統な読み方ではないと思うが 面白かった
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO
No.9
(3pt)

二回読んで楽しめる

紳士階級がまだ辛うじて存在した時代の懐かしいミステリー
読み始めて早いうちに 真相の予想がつくので
ダイナミックな展開や謎を期待する人向けではないかも
むしろ 時代とワシントン郊外の小さな町の雰囲気を想像しながら
読み終え 作者の技巧の跡を検証しながら もう一回読んでみることを
お勧めする 文章はとても読みやすい
会話や回想の形で 記憶と人格について度々述べているが
作品発表時は 新鮮な題材だったのだろうか
ペダンティックというより 今や ロマンティックでさえある
登場する女性達のあり方は古すぎて むしろ 新鮮に映るくらい
正統な読み方ではないと思うが 面白かった
殺す者と殺される者 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.8
(5pt)

あまりにも有名な怪奇小説の古典的名作に挑んだ哀切な心理サスペンスの傑作。

心理派推理小説の巧みな書き手として玄人ファンの人気が高い米国女流ミステリー作家マクロイ女史の「幻の名作」の日本での半世紀振りの新訳刊行待望の第2弾です。本書もまた名のみ高く生きている内に読むのはとても不可能に思えた作品でしたが、多くのミステリー・ファンの長年に渡る執念が実って再び紹介された事を心から喜びたいと思います。
小さな大学の心理学講師ハリー・ディーンはある朝氷に足を滑らせて転び20分程の記憶を失う。彼はおじの遺産を相続し事故からの回復を期に職を辞めて故郷の町クリアウォーターへ移住する。嘗て真剣に想いを寄せた最愛の女性シーリアが人妻となった事を知り悲しみに沈むハリーの身の回りでやがて数々の異変が起こり始める。
本書は既に読み終えた方ならすぐに気づくと思われるあまりにも有名な怪奇小説の古典名作を下敷きにして書かれた物だと思います。作品名は書けませんが改めて考えると本書との題名の相似で明白だったと気づきました。著者は得意の心理学を応用し過去の名作物語に新たに複雑なひねりを加えています。ハリーが覚える違和感の正体が遂に明らかになる場面にはおぞましい戦慄を禁じ得ず、周到な計算の基に張り巡らされた巧妙な伏線に著者の実力を思い知らされるでしょう。しかし、この驚愕の真相をクライマックスに持って来る事も出来たのに著者があえて物語の2/3の時点で明かしたのは本書の眼目が謎解きパズルにはなく、怪奇幻想小説に描かれるモンスター的な存在に翻弄され苦悩する真面目で一途な男の哀切な悲劇を描く事にあった為ではないかと私は思います。小説を読み慣れた方ならば終盤の展開は完全に予想出来ると思いますが、それは本書の価値を些かも損ねる物ではなく、逆に男がずるく立ち回らず幸せに背を向けて選んだ険しい道に誰もが共感と感動を覚える事でしょう。本書は暗く地味ながらも誠に渋い味わいの物語ですのでぜひ一読をお奨め致します。
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO
No.7
(5pt)

あまりにも有名な怪奇小説の古典的名作に挑んだ哀切な心理サスペンスの傑作。

心理派推理小説の巧みな書き手として玄人ファンの人気が高い米国女流ミステリー作家マクロイ女史の「幻の名作」の日本での半世紀振りの新訳刊行待望の第2弾です。本書もまた名のみ高く生きている内に読むのはとても不可能に思えた作品でしたが、多くのミステリー・ファンの長年に渡る執念が実って再び紹介された事を心から喜びたいと思います。
小さな大学の心理学講師ハリー・ディーンはある朝氷に足を滑らせて転び20分程の記憶を失う。彼はおじの遺産を相続し事故からの回復を期に職を辞めて故郷の町クリアウォーターへ移住する。嘗て真剣に想いを寄せた最愛の女性シーリアが人妻となった事を知り悲しみに沈むハリーの身の回りでやがて数々の異変が起こり始める。
本書は既に読み終えた方ならすぐに気づくと思われるあまりにも有名な怪奇小説の古典名作を下敷きにして書かれた物だと思います。作品名は書けませんが改めて考えると本書との題名の相似で明白だったと気づきました。著者は得意の心理学を応用し過去の名作物語に新たに複雑なひねりを加えています。ハリーが覚える違和感の正体が遂に明らかになる場面にはおぞましい戦慄を禁じ得ず、周到な計算の基に張り巡らされた巧妙な伏線に著者の実力を思い知らされるでしょう。しかし、この驚愕の真相をクライマックスに持って来る事も出来たのに著者があえて物語の2/3の時点で明かしたのは本書の眼目が謎解きパズルにはなく、怪奇幻想小説に描かれるモンスター的な存在に翻弄され苦悩する真面目で一途な男の哀切な悲劇を描く事にあった為ではないかと私は思います。小説を読み慣れた方ならば終盤の展開は完全に予想出来ると思いますが、それは本書の価値を些かも損ねる物ではなく、逆に男がずるく立ち回らず幸せに背を向けて選んだ険しい道に誰もが共感と感動を覚える事でしょう。本書は暗く地味ながらも誠に渋い味わいの物語ですのでぜひ一読をお奨め致します。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.6
(2pt)

単なる期待感に過ぎなかった「復刊リクエストNo.3」

帯に「H.マクロイが持てる技巧を総動員して読者を翻弄する、珠玉のサスペンス」とある。これ程虚しい紹介はない。冒頭の10頁程度で全体の趣向はバレバレ。登場人物の配置も類型的で新規性に乏しく、これで物語にサスペンス性があったら、それこそ謎である。

作者はミステリ(サスペンス)と精神分析学を混同しているのではないのか ? 予想通りの着地点にしか辿り着けない小説技巧も拙劣と言う他はない。サスペンスを狙った作品でこのような手法を用いても、非現実感が募り白けるだけ。元学者の主人公が(作者が意図する)真実に中々気付かないのも不自然で、読む者をイライラさせる。これなら、M.ミラーの方が数段巧いし、迫力がある。

「復刊リクエストNo.3」って、単なる期待感に過ぎなかったと思い知らされるハメとなった。
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO
No.5
(2pt)

単なる期待感に過ぎなかった「復刊リクエストNo.3」

帯に「H.マクロイが持てる技巧を総動員して読者を翻弄する、珠玉のサスペンス」とある。これ程虚しい紹介はない。冒頭の10頁程度で全体の趣向はバレバレ。登場人物の配置も類型的で新規性に乏しく、これで物語にサスペンス性があったら、それこそ謎である。
作者はミステリ(サスペンス)と精神分析学を混同しているのではないのか ? 予想通りの着地点にしか辿り着けない小説技巧も拙劣と言う他はない。サスペンスを狙った作品でこのような手法を用いても、非現実感が募り白けるだけ。元学者の主人公が(作者が意図する)真実に中々気付かないのも不自然で、読む者をイライラさせる。これなら、M.ミラーの方が数段巧いし、迫力がある。
「復刊リクエストNo.3」って、単なる期待感に過ぎなかったと思い知らされるハメとなった。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.4
(5pt)

終盤の展開が凄いです。読み手を恐怖の淵へと連れ去るスリリングな妙味に脱帽。

主人公ヘンリー(ハリー)・ディーンが、叔父の遺産を相続。大きな衝撃を受け、外に飛び出して、氷に足をとられて転倒して以来、奇妙で不可解な出来事が、彼の身の周りで起きるようになる。他人と自分の記憶が食い違っていたり、自分の身辺を徘徊者がうろついているといった出来事が。そんな中で、彼が快く思っていなかった人物が銃で撃たれて死ぬ事件が起きる・・・・・・。

 という序盤から中盤にかけての話は、まずまずスリリングではあるけれど、それほど、そそられる話ではありませんでした。それが俄然面白くなって、本作品が輝き出したのを感じたのが終盤の198頁、第11章以降の展開でしたね。それまで主人公が抱いていた不穏な気配、微妙な齟齬をきたしていた出来事の真相が明らかになってから以降の展開に、読み手を恐怖の領域に誘い、ぞっとさせる作者ヘレン・マクロイの真骨頂を見た気がしました。主人公の“わたし”ことハリーが味わう恐怖に、ほんと、ぞくぞくさせられましたね。

 このサスペンスの中核を担う、というか、そこから一気に恐怖の深淵へと読み手を引っ張っていくその始まりとなる第11章を読んでいて、ひとつの絵がぱっと浮かんで、脳内スクリーンに映し出されました。だまし絵で有名な画家エッシャーが描いた、「描く手」というタイトルの絵。あの絵を具現化したみたいな文章であり、展開であるなあと、ぱっと思ったんだけれど。

 1957年の作品でありながら、メイン・トリックのネタはその当時より二、三十年先を行っていると思えるものであり、何より、ことの真相を明かしてから以降の話の展開に、非常な妙味を覚えました。さすが、『 暗い鏡の中に (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫) 』『 幽霊の2/3 (創元推理文庫) 』といったサスペンス色豊かなミステリを書いた作家だけあって、上手いもんです。

 訳文に関しては、新訳というにも関わらず、所々、現代的とは思えない会話文や、日本語としてこなれていない言い回しがあって、ちょっと気になりました。でも、作品の価値を損ねるようなものではなく、マクロイの、ぞくぞくさせられるサスペンスの醍醐味を堪能させてもらいました。復刊に感謝です!
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO
No.3
(5pt)

終盤の展開が凄いです。読み手を恐怖の淵へと連れ去るスリリングな妙味に脱帽。

 主人公ヘンリー(ハリー)・ディーンが、叔父の遺産を相続。大きな衝撃を受け、外に飛び出して、氷に足をとられて転倒して以来、奇妙で不可解な出来事が、彼の身の周りで起きるようになる。他人と自分の記憶が食い違っていたり、自分の身辺を徘徊者がうろついているといった出来事が。そんな中で、彼が快く思っていなかった人物が銃で撃たれて死ぬ事件が起きる・・・・・・。
 という序盤から中盤にかけての話は、まずまずスリリングではあるけれど、それほど、そそられる話ではありませんでした。それが俄然面白くなって、本作品が輝き出したのを感じたのが終盤の198頁、第11章以降の展開でしたね。それまで主人公が抱いていた不穏な気配、微妙な齟齬をきたしていた出来事の真相が明らかになってから以降の展開に、読み手を恐怖の領域に誘い、ぞっとさせる作者ヘレン・マクロイの真骨頂を見た気がしました。主人公の“わたし”ことハリーが味わう恐怖に、ほんと、ぞくぞくさせられましたね。
 このサスペンスの中核を担う、というか、そこから一気に恐怖の深淵へと読み手を引っ張っていくその始まりとなる第11章を読んでいて、ひとつの絵がぱっと浮かんで、脳内スクリーンに映し出されました。だまし絵で有名な画家エッシャーが描いた、「描く手」というタイトルの絵。あの絵を具現化したみたいな文章であり、展開であるなあと、ぱっと思ったんだけれど。
 1957年の作品でありながら、メイン・トリックのネタはその当時より二、三十年先を行っていると思えるものであり、何より、ことの真相を明かしてから以降の話の展開に、非常な妙味を覚えました。さすが、『暗い鏡の中に (1977年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)』『幽霊の2/3 (創元推理文庫)』といったサスペンス色豊かなミステリを書いた作家だけあって、上手いもんです。
 訳文に関しては、新訳というにも関わらず、所々、現代的とは思えない会話文や、日本語としてこなれていない言い回しがあって、ちょっと気になりました。でも、作品の価値を損ねるようなものではなく、マクロイの、ぞくぞくさせられるサスペンスの醍醐味を堪能させてもらいました。復刊に感謝です!
殺す者と殺される者 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.2
(5pt)

復刊(新訳)感謝 10年待った甲斐があった

ミステリの古典で、かつ個人的に偏愛する「叙述トリック」の最後の入手難作品として、「幽霊の2/3」とともに、2001年から復刊ドットコムでリクエストを開始以来、約10年越しの念願がかなった。
この間、読むことかなわずに生涯を終えた方もいらっしゃることだろう。かくも時間がかかったことに憤りを感じつつも、感謝の気持ちで一杯である。
アンフェアぎりぎり以上のところまで踏み込みながら、練達の技術と筆力でまとめあげた逸品であるといえよう。(新訳とはいえ、若干意味不明の固有名詞が散見されたのは残念だが)
とにかく、何の先入観もなく、読み進めていっていただきたい。
殺す者と殺される者 (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (創元推理文庫)より
448816806X
No.1
(5pt)

復刊(新訳)感謝 10年待った甲斐があった

ミステリの古典で、かつ個人的に偏愛する「叙述トリック」の最後の入手難作品として、「幽霊の2/3」とともに、2001年から復刊ドットコムでリクエストを開始以来、約10年越しの念願がかなった。
この間、読むことかなわずに生涯を終えた方もいらっしゃることだろう。かくも時間がかかったことに憤りを感じつつも、感謝の気持ちで一杯である。
アンフェアぎりぎり以上のところまで踏み込みながら、練達の技術と筆力でまとめあげた逸品であるといえよう。(新訳とはいえ、若干意味不明の固有名詞が散見されたのは残念だが)
とにかく、何の先入観もなく、読み進めていっていただきたい。
殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 殺す者と殺される者 (1959年) (創元推理文庫)より
B000JARELO