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(短編集)
亜愛一郎の逃亡
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亜愛一郎の逃亡の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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「~狼狽」「~転倒」と読んできて、徐々に(慣れもあり)つまらなくなってきたのですが、各話に必ず姿を見せる「ある人物」と亜自身の正体や関係が気になってしょうがないので、その興味だけでこの「~逃亡」を手にしました。 読み進めるうちに、「~転倒」でも少々気になっていたユーモア調が強くなり、なんだか嫌な予感がしてきたのですが… 最後に諸々の真相が明らかになるに至り…え~~~、こんなオチだったんかい!? ずっと真面目に読んでいたのに、これはないわ… 一瞬でシリーズ全体が軽くて薄っぺらいオモチャと化しました。 (ある意味衝撃のドンデン返しではありますが) そういえば妙にほのぼのしている表紙カバーイラストが、殺人事件が当たり前の内容にそぐわないと思っていたのですが、ユーモアミステリならこれでピッタリなんですね。 私は「このシリーズ、イラストレーターの起用を間違えたな」…と思いながらずっと読んでいたのです。 すみませんでした。 | ||||
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原作者の逆説的な説明は何時ものように私達を魅了し主役の魅力も相変わらず。愛すべきキャラクターです。 | ||||
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亜愛一郎シリーズは奇妙に尖らせた思考から来る謎や丁寧な伏線に唸ったんですが、ちょっとどれもピンとこない短編集でした。トリックも前2作以上に弱く、大団円を迎えるラストが非常に良かったためプラマイゼロといった感じです | ||||
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本書は亜愛一郎シリーズの最終作で、「亜愛一郎の狼狽」「転倒」と同様、8作が収録されている。 本書に限らず亜愛一郎シリーズ全体に言えることだが、亜愛一郎のキャラクターが秀逸な上、亜以外の登場人物の氏名・キャラクター・会話がユーモラスで、読んでいて楽しい。 また「狼狽」「転倒」「逃亡」の3冊に各8作ずつ合計24作の短編が収録されているが、作品間の出来不出来は少なく、ムラのない好作がそろっている。 シャーロック・ホームズやブラウン神父のシリーズは、後になるほど作品の出来が悪くなったという面があった。 これに対し亜愛一郎シリーズは、最初の「狼狽」がインパクトがあったのかもしれないが、最後の本書「逃亡」まで、それほど顕著なレベルの低下はない。 本書「逃亡」も、密室殺人を扱った「球形の荒野」、非常にシンプルだが鮮やかなトリックの「飯鉢山山腹」、チェスタートンばりに人間心理の盲点をつく「火事酒場」など秀作が揃っている。 亜愛一郎シリーズが、ホームズ・ブラウン神父物の半分以下の24作で終了したのは非常に惜しまれる。 | ||||
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なるほどそうだったのかとシリーズの最終巻納得いく結末で楽しかったです | ||||
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短編ならではの切れ味のするどいトリックと推理は健在です。 続編が無くなるのが非常に残念です。 | ||||
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泡妻氏の連作推理短編集のシリーズ3作目で最終作である。 パターンは前2作と全く同じ。定番ならではの良さがある。 最後の表題作の亜愛一郎の逃亡にて、遂に亜が一体何者だったのかが判明する。これはシリーズ一作目当初から構想されていたものではないだろうし、以前の作品内に特に伏線などはない最後だけの締めくくりネタではあるが、遂に終わってしまうのかという感慨もひとしおである。 | ||||
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なんとも適当(笑)極まりない男の名推理シリーズの 最後を飾る巻です。 やはり著者の本職をよくうかがわせる作品が多いです。 奇妙奇天烈な事件や、 完全密室ものが出てきたりします。 その中の密室ものに関しては まさに奇妙奇天烈なのですが、 真相を聞いてしまうと超びっくりする代物です。 思ったよりもかなり大胆なことをしてのけているのですから。 そして、この本の醍醐味は 最後に出てくる表題作で、 あの真実が出てくることです。 思わぬ事実に驚くことでしょう!! 読み物として一級品のミステリーです。 堅苦しくないですし。 | ||||
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亜愛一郎の狼狽を持っていたので、他のシリーズを読みたくなって入手した。チェスタートンの味がする名作だと思った。シリーズ3冊を順に読んでいくとシリーズ全体jへの仕掛けがあるので、この作品は少なくとも最後に読むで欲しい。 | ||||
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前の亜愛一郎の転倒で最高峰とか書いたけど(藁の猫が好きなせい?)、読み直すとやっぱりこっちもいいなあと思います。 これで亜愛一郎氏とお別れするのが非常に残念。でもこんなラストって、、、、見たことない。 ちょっと江戸川乱歩の鏡地獄を思い出す「球形の楽園」、文章と物語の絶妙なリズムに見事な推理が潜む「歯痛の思い出」、「赤の讃歌」(芸術家ものに弱い私)、と祝祭的ラストの最終話。 言語感覚も卓越していて、何かもう個々のネーミングや話のリズムだけでもたまらない。ラストのラストでここまで楽しませてくれてありがとう!っていいたくなります。 泡坂氏もなくなってしまい、もう氏の作品が読めないのが残念、、、凶悪で残酷な事件や斜めでニヒルで無機質な人間ばかり出てくる作品が多い中、泡坂作品のエンターテイメントさ、読後のほのぼのした感じ、何より品、はほんとに貴重。 また読み返してしまいそうです。 | ||||
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「幻影城」誌が休刊したとき、著者のこのシリーズが読めなくなると思った。 それが、角川「野性時代」に引き続いて掲載され、本書までの三分冊で刊行されたことには、驚喜乱舞したものだった。 著者との付き合いは、当然「幻影城」誌上であり、そのデビュー作「DL2号機事件」からだった。 「幻影城」誌掲載作品はもちろん、刊行された長編「11枚の〜」、「乱れ〜」、そして「湖底〜」はすべて読んだ。 そのくらい、著者の作品には惚れ込んだ。 本書は、そのいわゆる亜シリーズ三部作の最終巻であり、本書以降、亜愛一郎が登場する作品を著者が書くことはなかった。 短編が似合うキャラクターというのは、確かに存在する。 亜も、そんなキャラクターのひとりだった。 彼の登場する長編を読んでみたい、とかつて思ったこともあった。 しかし、鮎川の星影竜三と同様に、長編でも登場場面はほんの僅かになってしまう。 それなら、切れの良い短編のほうがずっと良い。 そして、最終巻ということは、ラストの作品で締めくくられることになる。 この愛すべきキャラクター、死ぬ訳ではないのだが、消えてしまうのである。 そして、その事情ゆえ、二度と再び、我々の前に姿を現さなかったのだ。 ミステリとしての完成度、読みやすさという点では、実は三部作中で本書が最も良くない。 やはり、「〜狼狽」収載の作品が、トリッキーだし、論理のアクロバットという点でも一押しである。 しかし、本書収載の各作品が、ミステリとして面白くないわけではけっしてない。 その完成度と意外性、ロジックは、並の作品が足下にも及ばないものだ。 | ||||
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『狼狽』、『転倒』と来て『逃亡』と冠した本書において亜愛一郎シリーズは完結を迎えます。日本版チェスタトンと形容するのが 相応しい世界観。大胆な逆説と一流のユーモアで装飾された楽しいミステリです。 本書の収録内容を紹介すると、まずは固定観念を粉砕してくれる「赤島砂上」。完璧な密閉状態内の人間を完璧に始末することができる 「球形の楽園」。合理的なシステムを非合理に皮肉った「歯痛の思い出」。人間の価値基準・価値判断なんてものは本当に 千差万別なんだと感じさせる「双頭の蛸」。まさに超一流のあべこべトリック「飯鉢山山腹」。 人間の心の綾を抉り、良くも悪くも強迫観念というものを描破してみせた「赤の讃歌」に「火事酒屋」。 そしてついに閉幕「亜愛一郎の逃亡」。愛一郎のまさかの素性に、彼が行くところに必ず現れる三角形の顔をした洋装の老婦人の正体も 明かされます。またそのほかにも粋な計らいが用意されています。本当によく練られた構成だと感心するばかり。ひとつひとつの粒子が 輝きながら繋がれ紡がれ織り成されてゆく。。 すべてのミステリファンにお薦め出来る極上の連作短編集ですね。たっぷり満喫してみて下さい。 | ||||
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◆「赤の賛歌」 赤を基調とした画風で、一世を風靡した鏑鬼正一郎も現在では、画壇を牛耳る、 ドンとしての政治活動ばかりが目立ち、絵からはかつての輝きが失われていた。 母を火事のために亡くした鏑鬼正一郎を弟とともに 引き取り、育てた伯母夫婦のもとを訪ねた亜たち。 そこで聞いた話から、亜は鏑鬼正一郎の驚くべき秘密を見抜く……!! ケガをしても絶対に赤チンを使わず、スジコやイクラ、タラコ、西瓜が嫌い。 お酒は好きだが、ワインやブランデーなどは駄目――。 こうした伯母たちによって何気なく語られる鏑鬼の嗜好や少年時代の エピソードと彼の画風とを結びつけ、秘められた真相を見破る亜。 手がかりの配置が絶妙かつフェアで、終盤に伏線が 漏れなく回収されていくのが、実に気持ちいいです。 また、亜と同行する男嫌いの美術評論家もいい味だしてます。 ▽付記 米澤穂信さんは『クドリャフカの順番』の中で、文化祭における美術部の 展示作品名を「青の賛歌」としており、本作にオマージュを捧げています。 | ||||
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◆第一話「赤島砂上」 裸体主義者クラブ(!)の集会が舞台。 トリックは、今では普通にことわざとして流通している 〈ブラウン神父〉シリーズの「アレ」が用いられます。 ◆第二話「球形の楽園」 完璧な密室状態の丸いカプセルの中に、前頭部に打撲傷、 背中に突き傷を負った男の死体が…。 強迫観念に囚われた人間の視野の狭さには、 身につまされるものがあります。 ◆第三話「歯痛の思い出」 病院での呼び出しである、 「亜さん、井伊さん、上岡菊けこ……?」 が、とにかく印象的。 ◆第四話「双頭の蛸」 北海道の湖に現れたという双頭の蛸を取材するため 駆けつけた記者が遭遇した殺人事件。 一枚の写真を見るにしても、人は自分の 「見たいもの」しか見ない、ということでしょう。 ◆第五話「飯鉢山山腹」 車体に書かれていた「ニウ島産(屋島ウニ)」の謎。 ◆第六話「赤の讃歌」 赤を基調とした絵で名を成し、 画壇のドンにまで上りつめた画家の話。 終盤、すべてが裏返され、反転していく、 逆説の論理が展開されていきます。 ◆第七話「火事酒屋」 火事が好きでたまらない酒屋の主人が遭遇した 不審火の現場から発見された他殺死体。 主人は放火と殺人、二つの容疑をかけられるのだが…。 集中の白眉。 背が低いために、消防士になれなかったという 酒屋の主人の人物像が、事件の構造と有機的に 結合しているのが、じつに秀逸。 ◆第八話「亜愛一郎の逃亡」 雪中の離れから、亜はどのようにして 足跡を残さず、忽然と姿を消したのか? 亜の正体が明らかに。 祝祭的なラストの幸福感は格別です。 | ||||
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◆第一話「赤島砂上」 裸体主義者クラブ(!)の集会が舞台。 トリックは、今では普通にことわざとして流通している 〈ブラウン神父〉シリーズの「アレ」が用いられます。 ◆第二話「球形の楽園」 完璧な密室状態の丸いカプセルの中に、前頭部に打撲傷、 背中に突き傷を負った男の死体が…。 強迫観念に囚われた人間の視野の狭さには、 身につまされるものがあります。 ◆第三話「歯痛の思い出」 病院での呼び出しである、 「亜さん、井伊さん、上岡菊けこ……?」 が、とにかく印象的。 ◆第四話「双頭の蛸」 北海道の湖に現れたという双頭の蛸を取材するため 駆けつけた記者が遭遇した殺人事件。 一枚の写真を見るにしても、人は自分の 「見たいもの」しか見ない、ということでしょう。 ◆第五話「飯鉢山山腹」 車体に書かれていた「ニウ島産(屋島ウニ)」の謎。 ◆第六話「赤の讃歌」 赤を基調とした絵で名を成し、 画壇のドンにまで上りつめた画家の話。 終盤、すべてが裏返され、反転していく、 逆説の論理が展開されていきます。 ◆第七話「火事酒屋」 火事が好きでたまらない酒屋の主人が遭遇した 不審火の現場から発見された他殺死体。 主人は放火と殺人、二つの容疑をかけられるのだが…。 集中の白眉。 背が低いために、消防士になれなかったという 酒屋の主人の人物像が、事件の構造と有機的に 結合しているのが、じつに秀逸。 ◆第八話「亜愛一郎の逃亡」 雪中の離れから、亜はどのようにして 足跡を残さず、忽然と姿を消したのか? 亜の正体が明らかに。 祝祭的なラストの幸福感は格別です。 | ||||
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面白いですよ。主人公は絶世の美男子、お洒落、浮世離れしていて、 ところが推理するときのかっこ悪さ、がコメディーになっていて、 素敵な作品です。チェスタトンではないですが、読後の何気ない社会生活の中でも、 からくりをふっと思い出す後味の{いい}作品です。 主人公を取り巻く美醜取り混ぜた登場人物たちのあくの強さがまた笑えます。 主人公は{つねに}おっさんを伴って(というか伴われて)登場し、唯一?女性と 登場した話にしても、(3部作の中の別の巻ですが)おっさんみたいな行動をする美人研究者。美青年とおっさんが田舎に連れ立ってきてなにしとるんだ、という胡散臭さ、コメディーとしてだけでなく、ちゃんと筋にも関わってきます。そして退場するときも、またおっさんとともに。可愛い女の子に片思いされてても気づかずに?一方的に幻滅されて終了ー。 映像化してほしい作品なんですが男性俳優が思い当たりません。知的な、高身長の、白皙の美青年。女性が全然本筋に絡んでこないのも映像的にきついか。 富豪刑事、の手で、仲間ゆきえさんに亜愛一郎の娘、って設定でパンツスーツで決めて演ってもらって、周りを固めるおっさんたちをお笑い系のあくの強いおばさん芸人さんたちにやってもらったら、なんて妄想が膨らみます。毎回、美男ゲストを配置して、淡い片思いを。 お笑い要素ばかり強調しましたが、心理トリック、動機、斬新な切り口ばかりでお買い得です。 最後のこの巻で、私たちに淡い片思い?の感情を残させたまま、亜愛一郎は逃亡していくのでした。 | ||||
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「結論に達した時、自分でもびっくり仰天して、うまく言葉が出てこないだけです。 落ち着かせて順序よく話を聞く価値がありますよ。」 と、いっしょにいる学者に紹介をうける、美男子の亜愛一郎が主人公。 きちんとしたトリックをつかった推理小説短編集の3冊目です。 1冊2冊ときて、3冊目はちょっと無理かなと思うトリックもありました。 でも、「屋島ウニ」の車のトリックなど、 「うーん、なるほど」 とうならせられました。 シリーズがこの巻で終わりは残念です。 品がよくて楽しい短編集です。 | ||||
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気弱なカメラマンだが事件が起こればたちまちにして解決してしまう、謎の青年・亜愛一郎(ア・アイイチロウ)。虫だの珍しい雲だのばかり撮っている地味地味カメラマンだが、カメラマンのくせにファッションは常にパリッとした一流品で恐ろしく美形。そして格闘になれば何故かバカ強く、一体どこの誰なのかもわからない。魅力的なキャラクターだが残念なことに「狼狽」「転倒」そしてこの「逃亡」の三部作で終了。三部の最後では愛一郎は実は××だったことが明かされ、遂には・・・。う~ん、こんな終わり方をするシリーズは多分世界でも唯一でしょう。マジックにも詳しい作者の見事なトリックに脱帽。 | ||||
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