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犬坊里美の冒険
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犬坊里美の冒険の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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正直言って犬坊里美というヒロインには、これまであまり魅力を感じたことはなかった。 まず、名前が(僕にとっては)パッとしない。。。 ただ、この一冊を読んで、彼女に好感を抱かない読者はまずいないだろう。 この作品を読んで気付いたことのひとつは、彼女は石岡に似ているという点だ。不必要なほど自己評価が低いというところなど、ある意味作者そのものが投影されているのかもしれない。 ヒロインの冒険談としても、ミステリーとしても、あるいは"犯罪と司法"と言うテーマを扱った社会派小説としても、どの角度から見ても主張がハッキリした名作だと思う。 重箱の隅をつついたような欠点を挙げれば、島田荘司の魅力の一つである「薀蓄」が、あまり興味をそそられるよな書き方になっていないこと、それと登場人物の描き分けは上手いが、山田弁護士以外は、ちょっとリアリティーが伝わって来ない為、続編で再登場して欲しいと あまり思えない点だろうか? | ||||
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正直言って犬坊里美というヒロインには、これまであまり魅力を感じたことはなかった。 まず、名前が(僕にとっては)パッとしない。。。 ただ、この一冊を読んで、彼女に好感を抱かない読者はまずいないだろう。 この作品を読んで気付いたことのひとつは、彼女は石岡に似ているという点だ。不必要なほど自己評価が低いというところなど、ある意味作者そのものが投影されているのかもしれない。 ヒロインの冒険談としても、ミステリーとしても、あるいは"犯罪と司法"と言うテーマを扱った社会派小説としても、どの角度から見ても主張がハッキリした名作だと思う。 重箱の隅をつついたような欠点を挙げれば、島田荘司の魅力の一つである「薀蓄」が、あまり興味をそそられるよな書き方になっていないこと、それと登場人物の描き分けは上手いが、山田弁護士以外は、ちょっとリアリティーが伝わって来ない為、続編で再登場して欲しいと あまり思えない点だろうか? | ||||
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龍臥亭事件当時は、まだ高校生だった犬坊里美が、今は、司法修習生。小説の中とはいえ、時の流れを感じさせます。 衆人環視の境内に、忽然と現れて消えた一体の腐乱死体。容疑者として、ひとりのホームレスが逮捕・起訴され、担当は、司法修習生の犬坊里美。 このあらすじから、当然、石岡、御手洗の登場が予想された展開でしたが、里美の孤軍奮闘で・・・。 島田ファンとしては、御手洗対吉敷を待ち焦がれていたのですが、新たな主人公の登場で、実現が遠のいたのか、それとも、3人が絡むシーンに発展するのかと、今後の展開が楽しみになったのは確かです。 | ||||
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龍臥亭事件当時は、まだ高校生だった犬坊里美が、今は、司法修習生。小説の中とはいえ、時の流れを感じさせます。 衆人環視の境内に、忽然と現れて消えた一体の腐乱死体。容疑者として、ひとりのホームレスが逮捕・起訴され、担当は、司法修習生の犬坊里美。 このあらすじから、当然、石岡、御手洗の登場が予想された展開でしたが、里美の孤軍奮闘で・・・。 島田ファンとしては、御手洗対吉敷を待ち焦がれていたのですが、新たな主人公の登場で、実現が遠のいたのか、それとも、3人が絡むシーンに発展するのかと、今後の展開が楽しみになったのは確かです。 | ||||
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島田先生の作品はどれも大好きでほぼ全作品読んでいるのですが、どうも里美というキャラに感情移入できなかったのが今回はひたむきな彼女の頑張りに素直に好感が持てました。早く次回作が出てほしいです。そしていずれは石岡先生と結ばれてほしいなぁ。 | ||||
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小説は読まないのですが、冤罪というテーマが気になって読んでみました。司法修習生の主人公が、田舎の拘置所で容疑者と接見するシーン、ここに大変なリアリティを感じました。 というのも、容疑者のキャラクター造型が凄いんです。 容疑者はホームレスであり、さらに知的障害があるようであり、刑務所への収容をみずから望んでいるふしがある。自分への疑いを晴らす能力がない。だけど人間としての誇りを完全に失っているわけでもない。 この微妙なキャラクターとからむ主人公たちの場面は迫力があります。それは、現実世界にありそうな不条理が描かれているからです。 「本格ミステリ」というジャンルになるんですか、この作品は。私はこのジャンルはゲームのように純粋に推理を楽しむものだとばかり思っていましたが、どうしてどうして、広い社会的な視野を持った作品ではないですか。凄い、と思います。 | ||||
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2006年10月25日リリース。初出は女性自身2005年8月23・30日合併号から2006年9月19日号まで。女性自身に連載されていたのにちょっと驚いた。 この新シリーズ、登場人物も初顔がほとんどである。いずれもなかなか人情味があって里美にぴったりな感じだ。それでも里美は泣いてばかりなのだが。ただ何となく思ったよりも里美のカワイさに乗っかっての文章になっているところが若干気に入らないが、まあいいだろう。弁護士の世界の実態というのも確かに書いているとおりだろうな、と思う。ほとんどが民事。ほとんどが債権支払不能から派生する出来事。厳しい世の中の実態である。その中でやっていけるのか主人公里美。(>_<) しかしながらそうは言ってもさすが島田荘司だ。地元の歴史のウンチクも披露しつつ、すごく島田荘司の司法に対する考え方が出ている。死刑囚と話した経験が里美を通して随所に感じる。言ってみれば現在の司法に対する苦言の具現といったところか。なかなか考えさせられる。 このシリーズ、里美の魅力もだが島田荘司の現在の法曹界に物申すシリーズと僕は見た。新境地を感じる作品だ。 | ||||
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私を含め、島田荘司の読者の中には、大胆な仕掛けを期待する いっぽうで、このひとの描く、どことなくお茶目だったり、悲しいまでに 真摯な登場人物たちに出会いたくて、作品を手に取る読者も多いのではないか。 本書は、犬坊里美という女性が、見習いとして司法の世界に足を 踏み入れ葛藤するという、青春小説の瑞々しさを備えている。読者は、 事件の容疑者を含め、様々な人物像に出会うことができる。また同時に この作品は、本格ミステリーとしての骨格でも裏切らない。容疑者が 犯行現場に居た理由が明らかになる場面では、ああ、なるほど、と 感心させられた。終盤、勢いがありすぎる部分までも含め、作者の 魅力が遺憾なく発揮されていると思う。 | ||||
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私を含め、島田荘司の読者の中には、大胆な仕掛けを期待する いっぽうで、このひとの描く、どことなくお茶目だったり、悲しいまでに 真摯な登場人物たちに出会いたくて、作品を手に取る読者も多いのではないか。 本書は、犬坊里美という女性が、見習いとして司法の世界に足を 踏み入れ葛藤するという、青春小説の瑞々しさを備えている。読者は、 事件の容疑者を含め、様々な人物像に出会うことができる。また同時に この作品は、本格ミステリーとしての骨格でも裏切らない。容疑者が 犯行現場に居た理由が明らかになる場面では、ああ、なるほど、と 感心させられた。終盤、勢いがありすぎる部分までも含め、作者の 魅力が遺憾なく発揮されていると思う。 | ||||
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御手洗シリーズのサブキャラだった、犬坊里美が主人公の青春ミステリ。 高校生だった里美も成長して、司法修習生になったという設定です。 御手洗シリーズは、当の御手洗が海外に行ってしまい、過去の事件の回想ばかりで。 正直、トーンダウンだったのですが、この作品は、リアルタイムだけあって、感情移入もしやすく非常におもしろかったです。トリックもなかなかでした。 多少、強引なところ、司法修習生の範疇を簡単に超えてしまう、それを認めてしまう裁判長など。 やや首をかしげる部分もありましたが、目を瞑れる範囲内だと思います。 シリーズ物になるようですので、期待したいと思います。 それだけのことはある作品だったと思います。 | ||||
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御手洗シリーズの、所謂スピンオフ的(?)作品。『異邦の騎士』の良子・松崎レオナ(特に短編『さらば遠い輝き』)などのように、御手洗シリーズには今までエキセントリックで凛とした美しさの中に陰−命を賭した愛や届くことの無い想いに裏打ちされた−を持つ陰影の深い女性が多かったが、この作品の主人公「犬坊里美」は、陽気なのである。 里美は劣等感に悩まされ、人間関係に落ち込み、泣き虫だけど、どこか前述の女性たちと比べて陽気なのである(実際島田作品の中では御手洗ものに限らず陽気な女性も多々いるが)。その陽気さが島田作品の他の冤罪ものに比べて取っ付き易い雰囲気を出している。 トリック自体は面白いと思うが、従来のケレン味が少ない分ストーリーから浮いた感は否めない。 けれど、『里美上京』(個人的には御手洗ものの中で一番美しい作品だと思う)で御手洗と離れた後の石岡の「救い」として再登場した彼女が、こんな風に成長し、石岡の励ましを受けながら頑張る描写は微笑ましい(今後同期の彼との関係も気になるが)。色んな意味で面白い作品だと思う。 一ファンとして心より望む、御手洗−石岡コンビの完全復活。その時に彼女の存在は触媒として二人にどんな化学反応を起すのか?そんな期待を込めて…☆5つ! | ||||
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御手洗シリーズのサブキャラだった、犬坊里美が主人公の青春ミステリ。 高校生だった里美も成長して、司法修習生になったという設定です。 御手洗シリーズは、当の御手洗が海外に行ってしまい、過去の事件の回想ばかりで。 正直、トーンダウンだったのですが、この作品は、リアルタイムだけあって、感情移入もしやすく非常におもしろかったです。トリックもなかなかでした。 多少、強引なところ、司法修習生の範疇を簡単に超えてしまう、それを認めてしまう裁判長など。 やや首をかしげる部分もありましたが、目を瞑れる範囲内だと思います。 シリーズ物になるようですので、期待したいと思います。 それだけのことはある作品だったと思います。 | ||||
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司法修習生、犬坊里美を主人公に据えたシリーズ一作目は実に清々しい青春ミステリの快作だ。死体消失の謎と冤罪を晴らすため、里美が傷つきながらも、周りのひとたちから助けられつつ、ひたむきに前に進む姿は胸を打つ。探偵が謎をとく理由が現実的かつ明快であるのも好印象だ。ていねいに描かれた捜査過程もよい。そして、死体消失の解決は呆気にとらわれる!里美とそれ以外の司法修習生のやりとりもユーモアに満ちており、そしてなにより胸に響くのは石岡先生の言葉。きっとあなたの涙もいつかは力に変わる、美しい本格推理です。 | ||||
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犬坊里美は、龍臥亭事件から登場する比較的新しいキャラクターではあるが、里美上京、龍臥亭幻想という3つの作品を通じて、石岡との関係を深め、今回、初の主人公となった。自分の愛する人のため、冤罪で苦しんでいる人を助けるため、一人で死ぬほど苦しみながらがんばりぬくというモチーフは、島田さんの作品に頻繁に取り上げられる(吉敷の北の夕鶴や涙流れるままに、龍臥亭の石岡など)が、今回、司法修習生となった里美が命をかけてがんばるストーリーとなった。 冒頭の不可思議な謎、最後の論理的な解決という、島田さんのミステリーの典型の形をとりながら、里美の持つ魅力と、他の修習生との軽妙なやりとりを通じて、小説全体を明るく、さわやかにまとめた島田さんの手腕には、感服した。何よりも、死体消失の謎ときには、私は本当に驚愕しました。ミステリーの解決で、これほど驚いたのは久しぶりです。島田さん、ありがとう!! | ||||
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