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乱反射
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乱反射の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全149件 121~140 7/8ページ
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良かったです。 とにかく最近読んだ小説の中では群を抜いています。 話があちらこちらに飛ぶ構成はどちらかと言えば苦手なのですが、文章全体が丁寧で人物描写も心理描写も素晴らしい。 まるで全ての登場人物の顔すら思い描ける様な丁寧さでした。 人間の弱さ・ずるさがこれでもかと言うくらいに出て来て被害者の立場に立てばやるせない思いになりましたが、かといってそちらの立場だけに偏る事なく著者は平等な目線で書き進めて行く。 こんな丁寧に書かれた小説、大好きです。 これからも大いに期待しています。 最後に、モラルを100%守る事は非常に難しい事だけれど心に疚しさが残らない様に出来る限りモラルを守る事の大切さを強く実感しました。 | ||||
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普通ならプロローグのあとに1章、2章、3章・・・とすすんでいくものだけど、この本は「−44」からはじまります。 残すところ3分の1までも読んだ頃にやっと「0」となり「1」がきて、 ここではじめて事件が起こるというカウントダウン形式が盛り上げてくれます。 つまり、3分の2は事件の序章にすぎないのだけど、さきにそれぞれの人物像をしっかり綴ることに大きな意味のある作品なのです。 犬のフンを放置したり、ちょっとだけ仕事の手を抜いたり、 誰にも迷惑をかけないと思ってほんのちょっとズルをするなんて誰にだってあること。 でも、それが誰かの運命を大きく変えているかもしれない・・・。読めば読むほどに気が滅入る話でした。 たとえ知らない誰かの人生が崩壊してしまったとしても「あなたが犬のフンを始末しなかったから子供は死んだ」なんて・・・。 ほとんど言いがかりとしか思えない・・・。 ここで謝ったら自分の穏やかな人生までもが終わってしまうかもしれない、なのに素直に頭を下げられますか? その答えは考えても考えても出てきませんでした。 この程度のルール違反、誰でもやってしまうでしょ???だから謝ることをしない人たちの気持ちもわかるんです。 とりあえず、モラルについてもじっくり考えてみるきっかけにはなりました。 普段の無意識やエゴがとんでもないことを引き起こしてるのかもしれないんですね。 今日からこういうことにもっと気をつけるようにします。 | ||||
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普通ならプロローグのあとに1章、2章、3章・・・とすすんでいくものだけど、この本は「−44」からはじまります。 残すところ3分の1までも読んだ頃にやっと「0」となり「1」がきて、 ここではじめて事件が起こるというカウントダウン形式が盛り上げてくれます。 つまり、3分の2は事件の序章にすぎないのだけど、さきにそれぞれの人物像をしっかり綴ることに大きな意味のある作品なのです。 犬のフンを放置したり、ちょっとだけ仕事の手を抜いたり、 誰にも迷惑をかけないと思ってほんのちょっとズルをするなんて誰にだってあること。 でも、それが誰かの運命を大きく変えているかもしれない・・・。読めば読むほどに気が滅入る話でした。 たとえ知らない誰かの人生が崩壊してしまったとしても「あなたが犬のフンを始末しなかったから子供は死んだ」なんて・・・。 ほとんど言いがかりとしか思えない・・・。 ここで謝ったら自分の穏やかな人生までもが終わってしまうかもしれない、なのに素直に頭を下げられますか? その答えは考えても考えても出てきませんでした。 この程度のルール違反、誰でもやってしまうでしょ???だから謝ることをしない人たちの気持ちもわかるんです。 とりあえず、モラルについてもじっくり考えてみるきっかけにはなりました。 普段の無意識やエゴがとんでもないことを引き起こしてるのかもしれないんですね。 今日からこういうことにもっと気をつけるようにします。 | ||||
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面白いのはすごく面白かったです。 ただ、医学的なところでやや納得いかない面が多かったのも事実です。 最近話題になっているように妊婦さんの救急車たらい回し。 あれは本当にその病院に産婦人科やベッドの空きが無かったからだと思うんです。それは何の罪にもならない、軽犯罪法でさえない。 皆さんも内科の医師しかいないところに妊婦さんを運んでもどうしようもないことは判るでしょう?子供は小児科だし、頭部外傷は脳外科です。内科の医師が断るのは何の罪にもならないと思うのですが、、、 それを問いただすために当直明けに待ち伏せするのは、、もうそっちが犯罪だろって突っ込みを入れそうになってしまいました。 脳低温療法もそう、救急をしたことが無い内科医が出来るはずもなく、それをバイトの先生に要求する部長さんなんているとは思えません。 他に介護の記述もやや不勉強だと思われました。介護保険は、、、家族だけで頑張ってどうしようもなくなったときに利用するものではないです。最初っから利用してください。介護する家族の人たちを疲弊させないように負担を減らすために作った制度ですから、最初っから利用しないと! ごめんなさい、次回作に期待しています。 | ||||
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普通の人間の些細なモラル違反が一人の子供の死につながった。日中は混んでいるという理由だけで夜間診療に通う学生、犬のフンを放置する老人、車の車庫入れができず道路に車を置きっぱなしにする女性、人から認められたいという理由で周りの状況も考えずに環境保護活動を行う主婦など、日常にあふれているモラル違反だが、誰にでもありそうな話で他人事には感じられず、最後まで読み応えがあった。 最後まで読み終わってから、「自分だったら謝ることができただろうか」と考えるが、やはり人の死の責任を認めるのは容易ではない。誰もが自己弁護をする中、最後は被害者のやるせない想いが痛いほど伝わってきた。 | ||||
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普通の人間の些細なモラル違反が一人の子供の死につながった。日中は混んでいるという理由だけで夜間診療に通う学生、犬のフンを放置する老人、車の車庫入れができず道路に車を置きっぱなしにする女性、人から認められたいという理由で周りの状況も考えずに環境保護活動を行う主婦など、日常にあふれているモラル違反だが、誰にでもありそうな話で他人事には感じられず、最後まで読み応えがあった。 最後まで読み終わってから、「自分だったら謝ることができただろうか」と考えるが、やはり人の死の責任を認めるのは容易ではない。誰もが自己弁護をする中、最後は被害者のやるせない想いが痛いほど伝わってきた。 | ||||
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面白いのはすごく面白かったです。 ただ、医学的なところでやや納得いかない面が多かったのも事実です。 最近話題になっているように妊婦さんの救急車たらい回し。 あれは本当にその病院に産婦人科やベッドの空きが無かったからだと思うんです。それは何の罪にもならない、軽犯罪法でさえない。 皆さんも内科の医師しかいないところに妊婦さんを運んでもどうしようもないことは判るでしょう?子供は小児科だし、頭部外傷は脳外科です。内科の医師が断るのは何の罪にもならないと思うのですが、、、 それを問いただすために当直明けに待ち伏せするのは、、もうそっちが犯罪だろって突っ込みを入れそうになってしまいました。 脳低温療法もそう、救急をしたことが無い内科医が出来るはずもなく、それをバイトの先生に要求する部長さんなんているとは思えません。 他に介護の記述もやや不勉強だと思われました。介護保険は、、、家族だけで頑張ってどうしようもなくなったときに利用するものではないです。最初っから利用してください。介護する家族の人たちを疲弊させないように負担を減らすために作った制度ですから、最初っから利用しないと! ごめんなさい、次回作に期待しています。 | ||||
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『愚行録』で一度直木賞候補になった貫井氏であるが、今回もいかにも貫井徳郎というべき作品で第141回の直木賞候補になった。今夜、(平成21年7月15日)直木賞が発表されるが果たして本作品は受賞するだろうか。 貫井徳郎という人がいかなる人生を歩んでこられたのか知らないが、どうしてこんな風に人間の側面をとらえられるのかといつもながら舌を巻く。 人間はある部分で非常に正義感と高い理想や倫理観をもちながらも、どこかで利己的で我儘でそして弱い部分がある。当たり前のことであって、何も不思議はない。家族という存在も必ずしも悪的なものではないし、善的なものでもない。毒にもなるし、薬にもなる。 そんな分かりきったことながら小説に表現することが難しいテーマでもあることをこうもいとも簡単に書ききってしまうところにこの作家の恐ろしさを感じる。 | ||||
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『愚行録』で一度直木賞候補になった貫井氏であるが、今回もいかにも貫井徳郎というべき作品で第141回の直木賞候補になった。今夜、(平成21年7月15日)直木賞が発表されるが果たして本作品は受賞するだろうか。 貫井徳郎という人がいかなる人生を歩んでこられたのか知らないが、どうしてこんな風に人間の側面をとらえられるのかといつもながら舌を巻く。 人間はある部分で非常に正義感と高い理想や倫理観をもちながらも、どこかで利己的で我儘でそして弱い部分がある。当たり前のことであって、何も不思議はない。家族という存在も必ずしも悪的なものではないし、善的なものでもない。毒にもなるし、薬にもなる。 そんな分かりきったことながら小説に表現することが難しいテーマでもあることをこうもいとも簡単に書ききってしまうところにこの作家の恐ろしさを感じる。 | ||||
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途中でてくる言葉であるが、昨今の歪んだ権利施行主義とでも言うべき主張や求めるばかりを誇示する風潮の根底には自己愛に染まった姿があると考えられる。自己愛という名の自己解釈と自己チューから形成される魔物の増加。自分もなりかねない環境の中で、やはりこれを目の当たりにすると憤慨したくなる。そんな危ういバランスの世相をしっかり反映させた話で怖いもの見たさに似た感覚に陥り、読む手が止まらなかった | ||||
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途中でてくる言葉であるが、昨今の歪んだ権利施行主義とでも言うべき主張や求めるばかりを誇示する風潮の根底には自己愛に染まった姿があると考えられる。自己愛という名の自己解釈と自己チューから形成される魔物の増加。 自分もなりかねない環境の中で、やはりこれを目の当たりにすると憤慨したくなる。そんな危ういバランスの世相をしっかり反映させた話で怖いもの見たさに似た感覚に陥り、読む手が止まらなかった | ||||
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作者による前書きを読んで、ちょっと胸が高鳴った。アガサ・クリスティの古典を引き合いに出しながら、読者を挑発する。これは、社会派に本格派ミステリーが融合した味付けなのかと思いつつ、期待したのだが、、、。登場するのは、ごく一般的で平凡に日常を過ごす人々。ただ、彼らの些細な感情の起伏が身勝手と悪意を呼び、ひとつの悲劇を生む。 過保護、優越感、コンプレックス、自意識過剰、単細胞、不安、動揺、苛立ち、嫉妬、ジレンマ、保身、そして事なかれ主義。これらのファクターは、我々自身の問題として身近に感じられるものだが、そのエピソードの数々を読み進めながら、悲劇に向かってのチャプターがカウントダウンされ、パズルのピースがはまる迄が、何と全編の3分の2に当たる300ページ超。これはやっぱり、いかにも長い。市井の人々の、決してドラマチックでも情動的でもない、ぐだぐだとした感情の揺らぎとエゴの発露に付き合い、読み継いでいけるほど私は人間が出来ていないし、時間的にも余裕はないのだ。 その後、我が子を失った新聞記者の追及が始まるが、彼が到達した皮肉な真理と結論のつけ方もいかにもありがち、と言うか、冒頭で提示された以上のモノは何もない。作者は現代社会に於けるこの"負のテーマ"を効果的に導き出すために各エピソードを構成、積み重ねていった様に思えるが、その試みは、残念ながら私にはただ冗長としか思えなかった。 | ||||
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作者による前書きを読んで、ちょっと胸が高鳴った。アガサ・クリスティの古典を引き合いに出しながら、読者を挑発する。これは、社会派に本格派ミステリーが融合した味付けなのかと思いつつ、期待したのだが、、、。 登場するのは、ごく一般的で平凡に日常を過ごす人々。ただ、彼らの些細な感情の起伏が身勝手と悪意を呼び、ひとつの悲劇を生む。 過保護、優越感、コンプレックス、自意識過剰、単細胞、不安、動揺、苛立ち、嫉妬、ジレンマ、保身、そして事なかれ主義。これらのファクターは、我々自身の問題として身近に感じられるものだが、そのエピソードの数々を読み進めながら、悲劇に向かってのチャプターがカウントダウンされ、パズルのピースがはまる迄が、何と全編の3分の2に当たる300ページ超。これはやっぱり、いかにも長い。市井の人々の、決してドラマチックでも情動的でもない、ぐだぐだとした感情の揺らぎとエゴの発露に付き合い、読み継いでいけるほど私は人間が出来ていないし、時間的にも余裕はないのだ。 その後、我が子を失った新聞記者の追及が始まるが、彼が到達した皮肉な真理と結論のつけ方もいかにもありがち、と言うか、冒頭で提示された以上のモノは何もない。作者は現代社会に於けるこの"負のテーマ"を効果的に導き出すために各エピソードを構成、積み重ねていった様に思えるが、その試みは、残念ながら私にはただ冗長としか思えなかった。 | ||||
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★社会派ストーリーです。とある不遇の事故で1人の子供が亡くなってしまうのですが…。表面的に見れば誰もが「運が悪かったのだ」と思うにとどまると思うですが…。実は、被害者側から見るとこんなにも表には出ない犯人がいると言うお話です。 ★ 今までになかった展開だったのでラストは、こう落ち着くのかと…。あれだけいろんな人が出て来ると「ラストはどう落ち着くのか?」そして「この現実は、どう関与して人に受け入れられて行くの?」と読み手えとしては思うのです。この物語が異様にリアルだと思えるのは、関係している人物達がどこにでも居る人ってこと!普通の人のちょっとした自分寄りな、行為や考えが死亡事故に至ってしまうのが怖いと思う。誰もが口にする言葉は自分に責任はないという事。被害者の父加山はただ素直な謝罪の言葉が欲しかったの過ぎないのに…。やるせない気持ちになってしまった。 | ||||
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★社会派ストーリーです。とある不遇の事故で1人の子供が亡くなってしまうのですが…。表面的に見れば誰もが「運が悪かったのだ」と思うにとどまると思うですが…。実は、被害者側から見るとこんなにも表には出ない犯人がいると言うお話です。 ★ 今までになかった展開だったのでラストは、こう落ち着くのかと…。あれだけいろんな人が出て来ると「ラストはどう落ち着くのか?」そして「この現実は、どう関与して人に受け入れられて行くの?」と読み手えとしては思うのです。この物語が異様にリアルだと思えるのは、関係している人物達がどこにでも居る人ってこと!普通の人のちょっとした自分寄りな、行為や考えが死亡事故に至ってしまうのが怖いと思う。誰もが口にする言葉は自分に責任はないという事。被害者の父加山はただ素直な謝罪の言葉が欲しかったの過ぎないのに…。やるせない気持ちになってしまった。 | ||||
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「放置した犬のフン」が人を殺す... 些細なルール違反が重なって取り返しのつかない事故へと繋がる 痛ましい結果に反して前半はありふれた日常としてむしろのんびりと描かれています。 が 読み手は「犬のフン」に言い表されるそれぞれの身勝手な自己弁護が いつどういうかたちで事故に繋がるのか常に意識しながら読み進めることになります。 ひとつひとつのエピソードは眉をひそめることはあっても 事が起きなければ誰もが自分とは関係なく見過ごすことであり 日常ありふれて行われているであろう現実です。 子を失った新聞記者である加山は直接の加害者のうらに潜む 様々な「加害者」をみつけ自己責任を追及し謝罪をもとめますが そこに現れたのは社会ともいうべき得体のしれない大きなモノの不条理です。 おれは世間の痛いところを突いたのだ...という加山の思いは さまざまな身勝手さ(一見正当な自己弁護のついた)にあふれている現実社会に 声を上げる難しさ、怖さ、無力感を端的に言い表していて それでも生きて行かなければならない私たちの窮状を代弁しています。 正体のない複数の加害者とも呼べない加害者。 個人という顔に行きつかない行政の厚い壁。 私たちが日頃なにげなく犯しているであろう過ちと 世情に対して時折感じる憤り、やり場のないやるせなさを 描いて秀逸です。 ひとつ難をいえば最後のエピソードはむしろなかったほうがよかったか。 | ||||
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「放置した犬のフン」が人を殺す... 些細なルール違反が重なって取り返しのつかない事故へと繋がる 痛ましい結果に反して前半はありふれた日常としてむしろのんびりと描かれています。 が 読み手は「犬のフン」に言い表されるそれぞれの身勝手な自己弁護が いつどういうかたちで事故に繋がるのか常に意識しながら読み進めることになります。 ひとつひとつのエピソードは眉をひそめることはあっても 事が起きなければ誰もが自分とは関係なく見過ごすことであり 日常ありふれて行われているであろう現実です。 子を失った新聞記者である加山は直接の加害者のうらに潜む 様々な「加害者」をみつけ自己責任を追及し謝罪をもとめますが そこに現れたのは社会ともいうべき得体のしれない大きなモノの不条理です。 おれは世間の痛いところを突いたのだ...という加山の思いは さまざまな身勝手さ(一見正当な自己弁護のついた)にあふれている現実社会に 声を上げる難しさ、怖さ、無力感を端的に言い表していて それでも生きて行かなければならない私たちの窮状を代弁しています。 正体のない複数の加害者とも呼べない加害者。 個人という顔に行きつかない行政の厚い壁。 私たちが日頃なにげなく犯しているであろう過ちと 世情に対して時折感じる憤り、やり場のないやるせなさを 描いて秀逸です。 ひとつ難をいえば最後のエピソードはむしろなかったほうがよかったか。 | ||||
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さすが貫井徳郎、相変わらず読ませます。最後までページをめくる手を止めさせない書きっぷりでした。 1人の幼児の事故死を語るこの物語。(事故と言っていいのかは微妙ですが。) はじめの2ページで、どういう結末かはおおまかに解ってしまいます。 普通の人々のちょっとした行動が恐ろしい事故を引き起こす。 事故が起こるまでのかかわる人々の、小市民的感情と行動。 みんな何処にもいそうな人で、多少モラルにかけていたり、 自己顕示欲が強かったり、もしくは心に病を負っていたり。 読んでいる側も、共感したり、憤ったり。 でも、いったいこの人の行動がどう「幼児の死」につながるのか? それが予想がつかず、正直面白くてたまりませんでした。 おお!そう来たか。 あっ!こっちはこうか!ってな感じで。 でも、確かに読後感が良いとはいえません。 じゃぁ私だったらどうしたらいい? 全く一点の曇りもなく、モラルに反しない人生なんて あすはずもなく。 否、モラルに反していなくても、回りまわって 自分の行動が他人の不幸につながることは ありえることで、 それに責任を感じろとか、罪を背負えといわれても無理な話で。 被害者の父親に責められたら私も 「私のせいではない!」と言い放ってしまうでしょう。 多分作者が言いたいことはそんな事ではないんでしょうが。 じゃぁ私はどうしたらいいのだ? という思いが頭をぐるぐると回ってしまうのでした。 ラストの、夫婦が再生に向かって行きそうなエピソードが 少々安っぽいと思ってしまったのは、 読み方が意地悪でしょうか? とりあえず、今までも、これからも、 愛犬のウンチは絶対拾います!(だから、作者が言いたいのはそういうことではないって...) | ||||
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さすが貫井徳郎、相変わらず読ませます。最後までページをめくる手を止めさせない書きっぷりでした。 1人の幼児の事故死を語るこの物語。(事故と言っていいのかは微妙ですが。) はじめの2ページで、どういう結末かはおおまかに解ってしまいます。 普通の人々のちょっとした行動が恐ろしい事故を引き起こす。 事故が起こるまでのかかわる人々の、小市民的感情と行動。 みんな何処にもいそうな人で、多少モラルにかけていたり、 自己顕示欲が強かったり、もしくは心に病を負っていたり。 読んでいる側も、共感したり、憤ったり。 でも、いったいこの人の行動がどう「幼児の死」につながるのか? それが予想がつかず、正直面白くてたまりませんでした。 おお!そう来たか。 あっ!こっちはこうか!ってな感じで。 でも、確かに読後感が良いとはいえません。 じゃぁ私だったらどうしたらいい? 全く一点の曇りもなく、モラルに反しない人生なんて あすはずもなく。 否、モラルに反していなくても、回りまわって 自分の行動が他人の不幸につながることは ありえることで、 それに責任を感じろとか、罪を背負えといわれても無理な話で。 被害者の父親に責められたら私も 「私のせいではない!」と言い放ってしまうでしょう。 多分作者が言いたいことはそんな事ではないんでしょうが。 じゃぁ私はどうしたらいいのだ? という思いが頭をぐるぐると回ってしまうのでした。 ラストの、夫婦が再生に向かって行きそうなエピソードが 少々安っぽいと思ってしまったのは、 読み方が意地悪でしょうか? とりあえず、今までも、これからも、 愛犬のウンチは絶対拾います!(だから、作者が言いたいのはそういうことではないって...) | ||||
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プロローグの次は「−44」から始まる本作。 前半は市井の人々をそれぞれ主役にした短いストーリが続きます。 事件とも言えないような小さな日々の暮らしが丁寧に描かれ、 嵐の前の静けさと分かっていながらも、 一人ひとりの人生を覗き見しているような、 そんな楽しさがありました。 が、「0」からはすべての人々が絡み合って展開していきます。 「人間として正しいのは誰なのか。」 「こういう反応ははたして正しいのか。」 「あの時本当はこうすべきではなかったのか。」 そんな叫びが聞こえてきて、息苦しいほどでした。 これは自分の生き方を考えさせられる小説といえます。 ラストは胸に迫りました。 主人公夫婦の未来が明るいことを祈って、本を閉じました。 | ||||
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