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追憶のかけら
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追憶のかけらの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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小説の中に戦時中の作家の手記がそのまま引用されており、入れ子構造になっている。また、それが重要なトリックになっている。 復讐のためならそこまで手の込んだ方法をとらなくても、同じように相手に打撃を与えられる方法はあるだろう,という点で、必然性に疑問が残るが、こういう形式に挑戦した作者のチャレンジ精神はすごいと思う。 | ||||
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小説の中に戦時中の作家の手記がそのまま引用されており、入れ子構造になっている。また、それが重要なトリックになっている。 復讐のためならそこまで手の込んだ方法をとらなくても、同じように相手に打撃を与えられる方法はあるだろう,という点で、必然性に疑問が残るが、こういう形式に挑戦した作者のチャレンジ精神はすごいと思う。 | ||||
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不思議な作品である。 貫井作品らしく、一つずつの場面には圧倒的な読み応えがあるが、全体を考えてみると、疑問点が次々と沸いてきて、個々の場面で湧き上がった感情の行き場がなくなる。 最たるものは、56年前に自殺した作家・佐脇依彦の手記だろう。旧字、旧かなづかいで書かれた圧倒的な迫力の手記で、これだけで独立した作品と言っていいほどの密度があるが、それには結局、主人公(国文学者)の研究者生命を奪おうとした「犯人」の悪意の手が加わっている。その悪意を前にして、手記そのものへの「感動」はどこへ行けばいいのか。 「犯人」の意図も疑問が多い。その悪意の強さからすれば、主人公の妻の事故死も、本当に事故なのか?、という疑問が当然に出てくるが、作中では誰も疑わないのが不思議。 もう一つの大きな問題は、主人公の魅力のなさである。少なくとも、国文学者として有能でなければ、話にならないと思うのだが、佐脇依彦の手記の疑問点にも気付かないのだから、読者として感情移入するのは難しい。 | ||||
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不思議な作品である。 貫井作品らしく、一つずつの場面には圧倒的な読み応えがあるが、全体を考えてみると、疑問点が次々と沸いてきて、個々の場面で湧き上がった感情の行き場がなくなる。 最たるものは、56年前に自殺した作家・佐脇依彦の手記だろう。旧字、旧かなづかいで書かれた圧倒的な迫力の手記で、これだけで独立した作品と言っていいほどの密度があるが、それには結局、主人公(国文学者)の研究者生命を奪おうとした「犯人」の悪意の手が加わっている。その悪意を前にして、手記そのものへの「感動」はどこへ行けばいいのか。 「犯人」の意図も疑問が多い。その悪意の強さからすれば、主人公の妻の事故死も、本当に事故なのか?、という疑問が当然に出てくるが、作中では誰も疑わないのが不思議。 もう一つの大きな問題は、主人公の魅力のなさである。少なくとも、国文学者として有能でなければ、話にならないと思うのだが、佐脇依彦の手記の疑問点にも気付かないのだから、読者として感情移入するのは難しい。 | ||||
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途中までは、「これはすごい小説だ!」と思っていたのに、尻すぼみでがっかりするミステリは沢山読みましたが、私にとって、この作品それらのがっかりミステリの筆頭格です。 竜頭蛇尾とは、こういう作品のことを言うのではないでしょうか。黒幕の正体と、その人間像が、あまりに陳腐なのに呆れてしまいました。 主人公を絶望の淵に追い詰めた恐るべき「悪意」の正体が、実に気楽な人物だった、というところにある種の凄みを出そうとしたのかもしれませんが、その試みは成功していないと思います。 終戦直後に綴られたはずの手記の文体がひどく現代風で、「作者も、昔の文体までは模倣できなかったのだろう」と思っていたら、ちゃんと種明かしがありました。でも、現実に作者は昔風の文体が書けなかったのではないかな。 女性が驚いた様子を表現するのに「固まった」などという表現を用いている時点で、ダメだなあ・・と。 ラストの大団円にも無理があると思います。女性として、主人公の妻があのような(夫にとって都合の良い)書き置きを残すということに共感できず、「ご都合主義」と強く感じました。あの書き置きは蛇足では? この作者の描く女性は、いつも魅力に欠けるというか、作者の都合のためのみに存在するようで、そこが非常に残念です。 ・・こういった次第で、結末に大いにがっかりさせられた作品ですが、途中まではかなり楽しませてもらったので、星は三つにしました。 | ||||
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途中までは、「これはすごい小説だ!」と思っていたのに、尻すぼみでがっかりするミステリは沢山読みましたが、私にとって、この作品それらのがっかりミステリの筆頭格です。 竜頭蛇尾とは、こういう作品のことを言うのではないでしょうか。黒幕の正体と、その人間像が、あまりに陳腐なのに呆れてしまいました。 主人公を絶望の淵に追い詰めた恐るべき「悪意」の正体が、実に気楽な人物だった、というところにある種の凄みを出そうとしたのかもしれませんが、その試みは成功していないと思います。 終戦直後に綴られたはずの手記の文体がひどく現代風で、「作者も、昔の文体までは模倣できなかったのだろう」と思っていたら、ちゃんと種明かしがありました。でも、現実に作者は昔風の文体が書けなかったのではないかな。 女性が驚いた様子を表現するのに「固まった」などという表現を用いている時点で、ダメだなあ・・と。 ラストの大団円にも無理があると思います。女性として、主人公の妻があのような(夫にとって都合の良い)書き置きを残すということに共感できず、「ご都合主義」と強く感じました。あの書き置きは蛇足では? この作者の描く女性は、いつも魅力に欠けるというか、作者の都合のためのみに存在するようで、そこが非常に残念です。 ・・こういった次第で、結末に大いにがっかりさせられた作品ですが、途中まではかなり楽しませてもらったので、星は三つにしました。 | ||||
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主人公・松嶋は、久しぶりに会った友人と飲み、羽目をはずして風俗へ。 それに激怒し、妻は子供をつれて実家に帰ったが、 1週間後、謝罪をするまもなく、事故死。 娘は義父母の元に置き、落ち込んだ生活を送っていたが、 ふとしたことから戦後すぐに自殺した作家の最後の手記を手に入れた… 「手記」は、旧仮名遣いなので、ものすごく大変だが、慣れてくると面白くなってくる。 この物語は、自殺した作家が書いた56年前のできごとと、現在の大学の国文学の講師の、 2つの物語。 まったく接点のないはずの2人は、実は繋がっていた。 ただし! 推理小説にしては、なんとも情けない主人公である。 すべての点において騙されっぱなしだからである。 謎解きなどはほとんどない。 自身はついていないと書いてあったが、 ここまでツキに見放され、自信がなく、 どこまでも騙されている。 「二者択一」には、「今度こそ!」がないのである。 自分に自信のない人もたくさんいるだろうし、 自意識過剰すぎる人もいることであろう。 しかし、あまりにもおどおどしすぎる人がいると、腹が立ってくる。 これでは、咲都子も浮かばれない。 全体として面白いのだが、 この主人公だけは好きになれない… | ||||
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主人公・松嶋は、久しぶりに会った友人と飲み、羽目をはずして風俗へ。 それに激怒し、妻は子供をつれて実家に帰ったが、 1週間後、謝罪をするまもなく、事故死。 娘は義父母の元に置き、落ち込んだ生活を送っていたが、 ふとしたことから戦後すぐに自殺した作家の最後の手記を手に入れた… 「手記」は、旧仮名遣いなので、ものすごく大変だが、慣れてくると面白くなってくる。 この物語は、自殺した作家が書いた56年前のできごとと、現在の大学の国文学の講師の、 2つの物語。 まったく接点のないはずの2人は、実は繋がっていた。 ただし! 推理小説にしては、なんとも情けない主人公である。 すべての点において騙されっぱなしだからである。 謎解きなどはほとんどない。 自身はついていないと書いてあったが、 ここまでツキに見放され、自信がなく、 どこまでも騙されている。 「二者択一」には、「今度こそ!」がないのである。 自分に自信のない人もたくさんいるだろうし、 自意識過剰すぎる人もいることであろう。 しかし、あまりにもおどおどしすぎる人がいると、腹が立ってくる。 これでは、咲都子も浮かばれない。 全体として面白いのだが、 この主人公だけは好きになれない… | ||||
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緻密なストーリー構成で読むだすととまらない。 どんでん返しが待っている展開には脱帽する。 ただ、一番の被害者である人へのカタルシスがなかった ことは読後のもやもやとした気持ちがただただ残る。 | ||||
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緻密なストーリー構成で読むだすととまらない。 どんでん返しが待っている展開には脱帽する。 ただ、一番の被害者である人へのカタルシスがなかった ことは読後のもやもやとした気持ちがただただ残る。 | ||||
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他人のために良かれと思ってやったことが、実はまったくの逆で、その人間を不幸に陥れていたとしたら・・・。自分のまったく知らないところで、自分に恨みを持つ人間がいたとしたら・・・。50数年前の出来事と、松嶋の身辺に起こる出来事はどうつながるのか?人の人に対する憎悪は、思わぬところから生まれてくる。誰を信じればいいのだろう?人とつきあうのが怖くなる。だが憎悪する人間がいる一方で、松嶋のことを理解し、温かく見守ってくれる人間もいる。そのことに松嶋が気づいたとき、救われた思いがした。 | ||||
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他人のために良かれと思ってやったことが、実はまったくの逆で、その人間を不幸に陥れていたとしたら・・・。自分のまったく知らないところで、自分に恨みを持つ人間がいたとしたら・・・。50数年前の出来事と、松嶋の身辺に起こる出来事はどうつながるのか?人の人に対する憎悪は、思わぬところから生まれてくる。誰を信じればいいのだろう?人とつきあうのが怖くなる。だが憎悪する人間がいる一方で、松嶋のことを理解し、温かく見守ってくれる人間もいる。そのことに松嶋が気づいたとき、救われた思いがした。 | ||||
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物語の三分の二くらいまでは確かに面白かった。ぐいぐい引っ張られる展開に、夢中でページをめくった。しかしラスト近く、あまりにもストーリー(謎解き)が二転三転するうち、著者自身もこんがらがってしまったのでは?と思いたくなるようなまとまりのなさを露呈。あげくの果て、とってつけたようなラスト。私は全然「感動の涙」は流せませんでしたよ。こんなにもストーリーをねじまげなくてもじゅうぶん感動作になり得たはずなのに。残念! | ||||
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物語の三分の二くらいまでは確かに面白かった。ぐいぐい引っ張られる展開に、夢中でページをめくった。 しかしラスト近く、あまりにもストーリー(謎解き)が二転三転するうち、著者自身もこんがらがってしまったのでは?と思いたくなるようなまとまりのなさを露呈。あげくの果て、とってつけたようなラスト。私は全然「感動の涙」は流せませんでしたよ。 こんなにもストーリーをねじまげなくてもじゅうぶん感動作になり得たはずなのに。残念! | ||||
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全470ページ中200ページほど割かれた“とある作家の自殺に至るまでの手記”はかなりの読み応えこれはと期待は高まるが、その手記の謎を追うが故に策略に嵌まっていく大学教員があまりにおバカ過ぎてミステリーには成らず。ページをめくる手は止まらないのだが薄い落胆が最後まで続くのだ。勿体無い。大学教員の心境なり回想は胸を打つのだけれど…うまく処理できなかったのか?ちと欲張り過ぎたのか? | ||||
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全470ページ中200ページほど割かれた “とある作家の自殺に至るまでの手記”はかなりの読み応え これはと期待は高まるが、 その手記の謎を追うが故に策略に嵌まっていく大学教員が あまりにおバカ過ぎてミステリーには成らず。 ページをめくる手は止まらないのだが薄い落胆が最後まで続くのだ。 勿体無い。 大学教員の心境なり回想は胸を打つのだけれど… うまく処理できなかったのか? ちと欲張り過ぎたのか? | ||||
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出だしから引き込ませるチカラを持った構成。ものすごい結末・謎解きになだれこむのでは…とワクワクします。しかし、ラストはちょっとここまで期待させて、それはないだろう、というくらい、あっけなく、家族愛・夫婦愛の話になってしまいました。はぁ…。でも、力作です。すごいです。一気に読ませます。読んでみて損はないです。ああ、また次の作品に期待。 | ||||
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出だしから引き込ませるチカラを持った構成。 ものすごい結末・謎解きになだれこむのでは…とワクワクします。 しかし、ラストはちょっとここまで期待させて、それはないだろう、というくらい、あっけなく、家族愛・夫婦愛の話になってしまいました。はぁ…。 でも、力作です。すごいです。一気に読ませます。 読んでみて損はないです。ああ、また次の作品に期待。 | ||||
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