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プリズム
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プリズムの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 1~20 1/3ページ
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読みやすく、かつワクワクさせてくれる上質のミステリ | ||||
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各章で被害者の様々な面が出てくるのは面白いけれど、続編があるか最後の章印刷するの忘れたの?というのが1番の感想。 恐らく何人もの人がページをめくった時に「え…?解説?終わり…?」となったであろう。 ミステリーとして読むなら絶対消化不良になるので読まない方がいい。 | ||||
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『プリズム』(貫井徳郎著、創元推理文庫)には、3度も驚かされました。 1番目は、生徒たちに人気のある若く美人の小学校の女性教師がアンティーク時計で殴殺された事件について、「Scene1 虚飾の仮面」では被害者が受け持っていた5年生の男子生徒が、「Scene2 仮面の裏側」では被害者の同僚女性教師が、「Scene3 裏側の感情」では被害者の元恋人の眼科医が、「Scene4 感情の虚飾」では被害者の不倫相手の外科医が、不審な死の真相を追う探偵役を務めるという形式のユニークさ。 2番目は、Sceneが進むにつれて、被害者の女性教師の思いもかけない実態が次々と明らかにされていくというストーリー展開の巧みさ。 3番目は、Scene1、2、3で展開された推理が、Scene4に至って悉く覆され、意外な犯人が浮かび上がってくるというミステリとしての完成度の高さ。 このような極上の作品を捻り出す貫井徳郎という稀有の推理作家を、これまで知らずに過ごしてきたとは、何という迂闊者なのだと反省頻りの私。 | ||||
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この著者の文体は非常に読みやすく、誰が犯人なの?とワクワクしながら読破。え?で、また始めに戻る。 まさかのループ構成でした。輪っか、円環、輪廻転生、地球の循環システムを見てるような、ちょっと哲学的な、不思議な推理小説でした。 さぁ、誰が犯人か当ててみてください。 | ||||
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小学校の女性教師の死を巡って、その教え子、同僚の女性教師、元恋人、教え子の父親の4人の視点で繰り広げられる調査と多重推理、疑惑の数珠つなぎ。 各人の推理の課程をたどっていくのが楽しい作品だ。 その構成の妙と、それを可能にした被害者を取り巻く人間関係構築の妙が目を引く。 周囲の男性を手玉に取り、同僚女性教師には負い目を感じさせる、悪魔のような無邪気さを持つ被害者の性格設定が光っている。 | ||||
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貫井氏の作品としては読んだ後も重くならない比較的ライトなミステリー。 ボリュームの氏の長編としてはかなりコンパクトながら、一つの殺人事件の真相を巡ってリレー式に次々と推理が導かれては否定が最後まで続く本当の推理小説である。 各章一人称語りで指摘した犯人が次の章では語り側に回り、最後でそれらが一巡するので結局最後まではっきりした真相が明かされないが、二転三転するストーリーが非常に面白く最後まで一気に読ませてくれる。 | ||||
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読み終わって名推理に膝を打つのではないスタイルの推理小説です。 被害者の造形が鮮やかで,物語を楽しむことが出来ました。 プリズムというタイトルがあまりにも小説の内容を示しているので,まぁその通りです。 | ||||
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物語展開と結末の置き方が秀逸。 これこそ「プリズム」の題に相応しい。 ミステリーの読み方を深く考えさせられたと同時に、 10年後ぐらいに再読して、 どういう推論と感想を自分が持つかということを 比較したいと感じました。 | ||||
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この手のあーでもないこーでもない推理は 西澤保彦が得意とするところですが 西澤よりくどくなくあっさりして読みやすいです。 こういう結末もありでしょう。 | ||||
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アントニイ・バークリーの『毒入りチョコレート事件』を読んでおられる方が、この『プリズム』読まれたら、『プリズム』は『毒入りチョコレート事件』の形式を踏襲した作品だと、すぐに気がつかれるだろう。 アントニイ・バークリーの『毒入りチョコレート事件』は、推理マニアの集団が、ある毒殺事件に対して、おのおのの推理を披露し合うという形式である。ある人物によって提示された推理・解決案は、次の人物が示す問題点や疑問点で論破されていくというものだ。論破されてしまうのだけれど、提出された推理のどれもが、それなりに説得力をもち、推理小説の唯一無二の解決に疑問を投げかけた作品だ。 貫井徳郎の『プリズム』も、この形式をとっている。 教師として、誰からも慕われていた女性が死んだ。死因は置き時計によるものと思われる頭部の打撲。だが、司法解剖の結果、彼女の体内から睡眠薬が検出され、自宅の部屋の窓には、ガラス切りであけた穴があった。事故死ではなく、他殺の疑いが強まる。そして、彼女の教え子や、同僚や、元恋人や、不倫相手がそれぞれ語り手となって、被害者について語っていく。 語り手の視点が変わることで、被害者の人物像もおのずと変わってくる。被害者の女性のいろいろな面が見えてくる。 ひとりの人間がいろいろな面を持っているのはあたりまえのことだが、こと本格謎解きミステリにおいては、これは扱いにくい要素だ。登場人物たちが一貫したキャラクターをもち、そこから発せられる客観的な情報があるからこそ、唯一無二の解決が成り立つ。人間のもつ多面性を描写することで、多重・複数解決を提示した作品。 | ||||
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元ネタとなったミステリは、あとがきで紹介されているので、未読なら是非ご一読を。複雑に構成された物語ですが、元ネタを知っていれば構成は簡単に理解できます。 最後のパートは、いささか強引な面も見えますが、全体的には推理小説とは何かという作者の根源への問いにもつながっていると思われる、高い志をもって書かれた小説のようです。 単に読みやすい、分かりやすい、売れ線の小説を書くのではなく、このような小説という表現形式、ミステリというジャンルへの根源的な問いを含んだ小説に挑戦した作者の姿勢は、尊敬に値する素晴らしいものだと思います。 | ||||
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本来は被害者や殺人家庭は個人個人の視点よってバラバラという作品らしいですが、 やはり、犯人は終始、一番怪しかったあの人だと思います。 少なくとも現実世界はならあの人が逮捕されちゃうでしょうね。証拠が明らかすぎます。 いや、でもいろんな推理が聞けてとても楽しい本です。 | ||||
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消化不良は否めないが、読みやすかった。貫井徳郎さんの作品で一番読みやすいかも。 | ||||
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一人称の語り手4人が、4つの章ごとに小学校女教師の死について真相を探ってゆく。 章が進むごとに、新たな事実がひとつひとつ明らかになり、教師の死についての別の仮説が浮かび上がっては消える。 そして、最後の4つ目の章の結末で、最初の第1章で暗黙の前提となっていた語り手の潔白性が否定され、4人の語り手の誰かが嘘を語っているのでなければ結局どこにも犯人はいないことになってしまう。 事実を小出しに示してゆき、真相に迫るスリルを徐々に高めてゆく展開は、ミステリ小説として非常に面白い。一気に読み切れる。 それでも、見かけ上、犯人の存在しない殺人事件、というあいまいな結末は残る。異なった人間の視点により、事実は全く異なった様相を見せる。そんな真実を極限まで追求したスタイルのミステリだと言われれば、そうかも知れないが、それでも読後感はすっきりしない。 つまり、結末がひとつに決まらないのも、小説の終わり方の一つだ、という事実を受け入れるべきなのか。 どうしてもそれが受け入れられなければ、本作はエンターテイメントに徹した小説ではなくて、実験小説と考えるしかない。 | ||||
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一つの事件に対し、複数の“真相”が導き出される 『毒入りチョコレート事件』の形式が踏襲された作品。 作中では、四人の語り手がそれぞれ最終的に到達する “真相”も含め、合計十通りの仮説が構築されています。 さらに本作には、そうした本家から受け継いだ《多重解決》の趣向に加え、 もう一つ、作者独自の趣向が採り入れられています(各章の章題に注目)。 作者は、その趣向によって本作を一個の“プリズム”とすることに成功したといえます。 ところで、本作の四人の語り手は、事件について調査・推理しますが、それは自分を 納得させる口実を見出す作業にすぎず、真実を追究することとイコールではありません。 もっとも、そもそも真実などというもの自体が、人と人のあいだに あえかに現出しては消えていく、幻影にすぎないとも言えますが。 | ||||
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ストーリー構成に翻弄され推理も交錯し、真相解明までのスリル感がページをめくる度に高まる。 エドガー・アラン・ポオのミステリー小説を読みたくなった。 | ||||
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プリズムというタイトル通りに本作を読み進めることができれば、 被害者の多面性を見事に描いた秀逸なミステリーだと感じます。 しかしながら単に推理小説の枠で読みきるとすれば、 やや消化不良にも感じるでしょう。 | ||||
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一つの事件を複数の視点から多重的に書くというのは、『慟哭』『修羅の終わり』や症候群三部作で見せた、貫井さんがよく用いる手法ですが、本作ではそれの一つの完成型を提示してくれていると思います。 人間誰しも接する人間によって性格を変えるし、更には相手の感じ方次第でその人の人格は無限に存在し得ます。だからといって、ミステリーの世界でそんなことを描いてしまってはトリックや犯行動機自体が成立し得ない場合が殆んどです。 しかし、本作ではそういった人間の持つ多面性に正面から向き合っています。他殺か事故死かもわからないある小学校女教師の死。複数の視点で次々に明かされる新事実。衝撃のラスト! 本作は複数回読むことによって味の出る作品ですし、読者自身が自由に事件のストーリーを思い描くことも出来ます。読み応えがあるのでお勧めです! | ||||
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すごい。これはすごい。 ボクはまず目次で感銘を受けた。 この小説のつながりが目次を見ただけでちょっとわかった。 すごい。これは自分の中である推理を想像してから読み進めるのがいいかと思います。 | ||||
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本書では、小学校の先生の殺人犯人を、推理する主体は、警察ではない。 それは、生徒であり、先生の同僚であり、かつての恋人であり、生徒の父親でもある。 この過程で、それぞれの立場に応じた、被害者に対する微妙な心理が、赤裸々に描かれている。 それら心理の方向性は、それぞれの立場で、著しく異なる。 そして、最終的に、犯人を推理するのは、読者だ。 物語を読んでいる途中で、ある可能性が脳裏をよぎる。 その可能性には、強い嫌悪感と絶望感を伴うので、意識的に思考の片隅に追いやって、読み進んだ。 しかし、読者が最終的に推理する、犯人の心理のベクトルは、あまりにやるせない。 ただ、著者の導く結論の方向は、きわめて現代的だと言える。 読後に、爽快感はまるでない。 この事が、強いインパクトでもある。 | ||||
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