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東京ダモイ



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【この小説が収録されている参考書籍】
東京ダモイ
東京ダモイ (講談社文庫)

東京ダモイの評価: 3.68/5点 レビュー 25件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.68pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(3pt)

丁寧で平易なミステリ小説

シベリア抑留について調べているなかで手に取った一冊です。

伏線が丁寧に張られているのですが、あまりに丁寧なため、ある人物の初登場の時点で「この人が犯人だろうな」と察しがついてしまいました。凶器や殺人の動機も想像の域を出ません。
それと気になったのは、三十代以下であるはずのヒロイン、主人公の妹が、まったく年齢相応の喋り方をしていない点です(10年前に書かれているとはいえ)。おばさん口調が気になってしまい会話の内容が頭に入って来ない。熟女ものとか義母ものの官能小説の登場人物みたいだよ!

色々批判的な感想を述べましたが、俳句から犯人の手掛かりを探っていく行程は面白いですし、ミステリとして楽しみながらシベリア抑留についての知識を得られるので、大変意義のある一冊だと思います。
本書でシベリア抑留や、収容所で詠まれた俳句について興味を持たれた方は、参考文献にも挙げられている『収容所から来た遺書』を併せて読むことをお薦めいたします。
東京ダモイAmazon書評・レビュー:東京ダモイより
4062135604
No.6:
(3pt)

力作だが二番膳茶のミステリー

この手を題材にしたものは,たくさん前例があり、オリジナル性に欠けるので良いストリーであっても感心できませんでした。ただし、読ませる力はある作者で、読んでも損の無い作品なのは確かです。
東京ダモイAmazon書評・レビュー:東京ダモイより
4062135604
No.5:
(3pt)

作者は上手く纏め上げている

現代に発生した殺人事件の原因を、過去の出来事に求める、
やや古いタイプの作品である。文章がこなれていないのと、展
開にメリハリがないので、最初は読み進めるのに多少の努力
を要した。
ミステリーとしてみると、60年前の事件が殺人まで犯す動機と
なり得るのか、疑問である。日本国内ではなく、シベリア抑留中
の出来事であり、証拠も何も無いのに、殺人まで犯すだろうか。
トリックも、発想は良いが、いささか無理があるような気がする。
作品後半の、元シベリア抑留兵が書いた手記と俳句から、現代
の殺人事件の謎解きをする展開は面白い。手記の中で語られる
悲惨な抑留生活や、現代に生きる人々が手記と俳句から殺人
事件を推理する姿は、この作品の読み所である。
ただ、謎解きをするのが、警察と編集者の二手に分かれてしまい
中途半端な印象を受けた。どちらかに重点を絞った方が良かった
のではないか。また、会話が妙に回りくどかったり、判りにくかっ
たりするのが気になった。
ミステリーとしては構成やトリックなど凡庸と言えるかも知れない。
素材は違えども、似たような内容の作品を、何度か読んだ気もする。
しかし、シベリア抑留生活や俳句等の素材を、作者は上手く乱歩
賞の規定枚数に纏め上げている。乱歩賞受賞作として、一定の
水準に達している事は間違いないと思う。
東京ダモイAmazon書評・レビュー:東京ダモイより
4062135604
No.4:
(3pt)

作者は上手く纏め上げている

現代に発生した殺人事件の原因を、過去の出来事に求める、
やや古いタイプの作品である。文章がこなれていないのと、展
開にメリハリがないので、最初は読み進めるのに多少の努力
を要した。

ミステリーとしてみると、60年前の事件が殺人まで犯す動機と
なり得るのか、疑問である。日本国内ではなく、シベリア抑留中
の出来事であり、証拠も何も無いのに、殺人まで犯すだろうか。
トリックも、発想は良いが、いささか無理があるような気がする。

作品後半の、元シベリア抑留兵が書いた手記と俳句から、現代
の殺人事件の謎解きをする展開は面白い。手記の中で語られる
悲惨な抑留生活や、現代に生きる人々が手記と俳句から殺人
事件を推理する姿は、この作品の読み所である。

ただ、謎解きをするのが、警察と編集者の二手に分かれてしまい
中途半端な印象を受けた。どちらかに重点を絞った方が良かった
のではないか。また、会話が妙に回りくどかったり、判りにくかっ
たりするのが気になった。

ミステリーとしては構成やトリックなど凡庸と言えるかも知れない。
素材は違えども、似たような内容の作品を、何度か読んだ気もする。
しかし、シベリア抑留生活や俳句等の素材を、作者は上手く乱歩
賞の規定枚数に纏め上げている。乱歩賞受賞作として、一定の
水準に達している事は間違いないと思う。
東京ダモイAmazon書評・レビュー:東京ダモイより
4062135604
No.3:
(3pt)

「乱歩賞」の制限枚数撤廃を!

本年度「第52回江戸川乱歩賞」受賞作。
私は、現行の乱歩賞受賞のポイントは2つあると思っている。
ひとつは、過去に扱われたことのない新しいテーマをメインモチーフとすること。
もうひとつは、昨今の大作全盛の時代に、原稿用紙350枚〜550枚という制限枚数の内でいかに事件を起こし、物語を展開させ、盛り上げ、まとめるか、である。
その点、本書はこの難しい両方のポイントを上手にクリアーした、いかにも乱歩賞らしい作品に仕上がっている。
テーマは、過去の、シベリアの捕虜収容所と、現代の、俳句集の自費出版を扱っている。殺人事件もシベリア収容所当時の昭和22年と、現代(平成17年)に起こっている。
また、過酷な強制抑留生活の生々しいありさまと、過去と現代の殺人事件を解明する鍵を、シベリア当時二等兵だった高津老人が、自費出版を希望する“手記を伴った俳句集”の中で述べる、という形にうまくまとめ、制限枚数の内で消化している。
ただ乱歩賞を意識するあまり、ストーリーの深刻さとか広がりを犠牲にしている感は否めない。高津老人の俳句が殺人事件を解明するヒントになっているというところも地味で、かつ難解である。
加えて、主人公が、自費出版の会社の若い編集者とやり手の女性上司なのか、現代の事件を捜査する刑事(たち)なのか、あいまいである。どちらかをはっきり中心に据えた方が良かったと思う。
枚数制限さえなければ、本来作者は、もっとセンセーショナルな事件を取り上げたり、もっと捕虜収容所の悲惨な抑留生活について述べたりしたかったのではないかと思う。
東京ダモイAmazon書評・レビュー:東京ダモイより
4062135604
No.2:
(3pt)

シベリア抑留

まず、なかなか上手くまとまっている作品だな、というのが第一。シベリア抑留、というのをメインテーマに、俳句、自費出版なんていうものの世界を交えて物語を展開。いろいろなものの裏舞台を描く、というのは90年代以降の江戸川乱歩賞作品でよく見られる傾向であるが、それを踏まえつつも、キッチリとまとまっている辺りは好印象。
特に、作中に登場するシベリアでの過酷な状況というものの描写が秀逸。横暴なソ連軍。粗末に扱われる日本兵たち。思想教育に、スパイの疑惑……作中に描かれる様子は実に生々しい。第2次大戦をテーマとした作品も、乱歩賞作品には多いのであるが、これだけ生々しさが表現された作品というのは始めてではないだろうか?
と、ここまで褒めてきたのだが、その謎解きのような部分になると失速した、という印象。まず、58年前のトリックが、プロローグを読んだ時点で「これだったら、嫌だな」と思ったものがずばり来て苦笑。そして、終盤の謎解きが、手記の中にある俳句を読んで物証とか無しに「こうじゃないか?」と推理していき、その通りでした、となるだけなのはちょっと辛い。ここがもう少し良ければ…と思う。
でも、十分に乱歩賞受賞作としての水準はクリアしているのではないだろうか?
東京ダモイAmazon書評・レビュー:東京ダモイより
4062135604
No.1:
(3pt)

手堅いが凡庸な作品で、トリックの可能性にも疑問あり

現代に起こった殺人事件が60年前のシベリア捕虜収容所での殺人事件と関連していて、それを解く鍵が俳句の中に隠されているという趣向で、前半から中盤はやや展開にもたつきがあるものの、手堅くまとまっていて、いかにも乱歩賞らしい作品です。
 俳句の謎やシベリア捕虜収容所の描写、自費出版の状況など、題材はそれなりに面白い反面、モチーフはどれもどこかで読んだことのあるようなものばかりで、あまり新鮮味は感じませんでした。
 悪く言えば、乱歩賞受賞作としてはあまりにも無難にまとめられた、可もなく不可もない凡庸な作品です。ただし、メイントリックは本当に可能なのかどうか、大いに疑問が残ります。
東京ダモイAmazon書評・レビュー:東京ダモイより
4062135604

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