イーハトーブ探偵 ながれたりげにながれたり
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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岩手が生んだ偉大な童話作家であり詩人である宮沢賢治。 | ||||
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実在の人物を探偵に見立てた小説は特に珍しくはないけど、最近何かと話題の宮沢賢治を彼のキャラクターを崩すことなく、見事に探偵役をこなさせた作品です。彼のパートナーである”カトジ”もいいキャラクターです。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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作者の他著書のうち、このシリーズが一番好きです。宮澤賢治が好きなこと、時代の雰囲気やカトジとの友情に惹かれます。トリックが大がかりでわかりずらいのですが、それもこの時代っぽいかなと。たたもうすっかり賢治探偵に浸る中で、賢治の詩がでてくるのが少し違和感。三作目をぜひ読みたいです。 | ||||
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推理小説はふたつの効用がある。一つは、頭の体操のクイズ雑誌が根強く売れるように、娯楽として大きな需要があるので利益が見込めるということだ。一つは、犯人を特定するためにはその周りの風俗・社会状況を詳しく描かなければならないから、対象の周りに興味のある読者ならば格好の解説書になるということだ。 世の中に宮澤賢治ファンは多い。かくいう私も、もう既に45年来のファンである。岡山の地から既に二回も賢治を慕って花巻を旅したし、一回は偶然、賢治の旧居前で弟の宮澤清六さんと言葉を交わしたことさえある。 だからこそ、こういう小説には惹かれてしまうと同時に、悪態をつかざるを得ない。 時代はまだ賢治が農学校の教師をしていた頃であり、素封家の家の恩恵を受けながらも嫌っていた時である。友人の藤原嘉藤治をワトソンにして、ホームズのように推理をする。私も泊まったことのある大沢温泉の混浴川風呂から見えた河童の話を見事に推理してゆく。いろんな細かい描写が、あゝ大正11年の花巻はこうだったに違いないと思わせてくれて、嬉しくなる。賢治と父親との微妙な関係にも異論はない。しかし、やはりどうしても賢治が殺人事件に首を突っ込むような、こんな大変なことに二度も三度も入ってゆくのが違和感あってたまらない。いくら、そこから派生した詩や短歌が、それとなく提出されようとも、賢治の作品にこれらの事件が大きく影響されなかったはずはないからだ。事件はフィクションだよと、言われようとも、賢治ファンとしては、作品を穢されたようで、やはり我慢出来ないのである。 そういう意味では、殺人事件にもならない第一章と四章、特に一章は、良くで来ていたと思う。ただ、正直続編は読みたくはない。 | ||||
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宮澤賢治が、地元を舞台に親友の藤原嘉藤治(通称カトジ)とともに事件を解決していくお話です。 この文庫本には4本入ってまして 「ながれたりげにながれたり」 夜中に電信柱が歩いたとか、河童が流れて行った、という 目撃談を聞いたケンジがその謎を解き明かします。 「マコトノ草ノ種マケリ」 とある家で殺人事件が起きます。ケンジもカトジもその家にいたのですが 皆さんアリバイがありますし家は密室です。 トリックはかなり大掛かりでびっくりしますが図解もあるので理解はそれほど難しくはないです。 「かれ草の雪とけたれば」 とある建物の上階で殺人事件が起きます。ひとつしかない階段に居た男は犯人ではないと主張。 しかし他に逃げ場所はありません。犯人は空を飛んで逃げたのでしょうか? 「馬が一疋」 ケンジも面識のある馬が一瞬で白骨化する事件が起き、相談を受けたケンジが解決に乗り出します。 これもまたかなり大掛かりなトリックです。 皆さん方言で話してますが、わかりにくくはないです。 言葉以外にも実在の建物を登場させていたりと、地域性がたくさんあって飽きません。 たとえば2本目の事件で用いられたこのトリック、実は殺人のために準備されたものではないのです。 その理由はこの地域ならではの歴史がありました。 そういった背景にも目を向けながら楽しむ事ができ、面白かったです。 | ||||
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1部と2部とも読みましたが、よく特徴をつかんで書かれています。次を、3部目も期待しています。 | ||||
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賢治といえばファンも研究者もダントツに多い存在。 そんななかで、細かな年譜やあれこれの場所、賢治の行動、当時の岩手の気象状況や歴史を、きっちり押さえてある一冊で、 長年の賢治ファンである私も満足して読みました。 なにより当時の土地の空気というか感覚が漂ってくるような、古風で緊密な描写。その時代に引き込まれていきます。 そして、賢治とカトジ(嘉藤治)のふたりが交わす方言たっぷりの言葉も読みどころです。 その言葉遣いが多少歯がゆかったり、読みにくかったりということはありますが、意味が通じないことはなく、イーハトーブらしさを 満喫させてくれます。 謎ときに関してはかなり精緻な、そして大がかりな物理トリックです。 科学者賢治も、ここまでの推理ができるほどの知識を把握していたかどうか、は疑問ですが、 この時代、この人々の間での、賢治の存在感はまことにこのような奇妙な天才だったのだろうと思われます。 しかしながら、そのトリックも岩手県の民俗学的な歴史をおさえたものですので、全体を読めば違和感はありません。 さらに文学方面のファンには、各話が賢治の幻想的な文語詩の元ネタになっていることを示唆しており、 これには舌を巻きました。 妹トシがちらほら登場するのもうれしく 賢治ファンなら上質のパスティーシュとして手元に置いておきたい佳作です。 | ||||
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