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砂のクロニクル
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砂のクロニクルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 21~40 2/3ページ
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クルド関連の本を読んでまして、 日本のベストセラーも読まなければ、ということで。 思いのほか、ハードボイルドで、 そういう部分がちょっと苦手だったりしました。 作者は、 緻密な取材によって小説を書いており、 さながらルポタージュを読んでいるかのよう。 それは、 風景であり、 社会背景であり、 歴史であり、 人物描写が、リアルだから、なのである。 どこまでが実話? と、ついそう思ってしまう。 イランにおけるクルド人のゲリラを軸に、 日本人武器商人、 イラン国内の革命派、 そして、その人たちとつながる、 ロシア、イギリス、イラク………多様な人々。 それぞれの事情を抱えながら、 幻のクルド人の王国があったという、 マハバードへと人々は集まっていく。 西暦、 ペルシア歴、 イスラム暦、 それぞれが信じる時間の流れもまた違っている。 絶妙な人物描写と、 交錯する思惑と人間たち。 盛り上がるままに、下巻へ続く。 | ||||
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人々は、マハバートに集まってきていた。 運命の糸が絡みあるように、 折り重なっていく。 イラン革命防衛隊のサミル・セイフは、 幼きころから、 純粋にイマム・ホメイニの聖なる革命を盲信し、 風紀の乱れつつある革命防衛隊の、 綱紀粛正を願っていた。 クルド・ゲリラのハッサン・ヘルムートは、 抑圧され続けたクルドの独立のため、 そののろしを上げるべく、マハバード攻撃を目指していた。 複雑な過去を抱えた女シーリーンも、 ただ一つの思いを遂げるために、 マハバードに来ていた。 そして二人の日本人“ハジ”。 一人は、 武器商人として名高く、 クルド人たちの依頼に応じて、 大量のトカレフとともにマハバードに向かっていた。 もう一人は、 奇異な運命により片足を失い、 隠棲しつつも、 マハバードを中止していた。 そしていよいよ、決戦の火ぶたが落とされた。 後半は一気に読んでしまうのは、 やはり、 人物描写の豊かさのおかげだろう。 彼らが、何を話し、 何をしようとしているのか。 きっと、そのことを知りたいと思うのだ。 | ||||
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クルド関連の本を読んでまして、 日本のベストセラーも読まなければ、ということで。 思いのほか、ハードボイルドで、 そういう部分がちょっと苦手だったりしました。 作者は、 緻密な取材によって小説を書いており、 さながらルポタージュを読んでいるかのよう。 それは、 風景であり、 社会背景であり、 歴史であり、 人物描写が、リアルだから、なのである。 どこまでが実話? と、ついそう思ってしまう。 イランにおけるクルド人のゲリラを軸に、 日本人武器商人、 イラン国内の革命派、 そして、その人たちとつながる、 ロシア、イギリス、イラク………多様な人々。 それぞれの事情を抱えながら、 幻のクルド人の王国があったという、 マハバードへと人々は集まっていく。 西暦、 ペルシア歴、 イスラム暦、 それぞれが信じる時間の流れもまた違っている。 絶妙な人物描写と、 交錯する思惑と人間たち。 盛り上がるままに、下巻へ続く。 | ||||
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日本人武器商人”ハジ”はグルジアマフィアから武器を調達し、 イランに密輸する。しかし、その過程で少しづつ歯車が狂っ ていく。 各章で繰り広げられた様々な人々の物語が、終章で一気に 集束すのだが、今一つ期待はずれだった。様々な物語を読み 進めていただけに、最後はもう少し盛り上げて欲しかった。 二人の日本人”ハジ”も、なんだか厭世的で気が滅入りそう になった。 | ||||
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映画、もしくは映画を意識した劇画調のオープニングである。 だが、少し判りにくかった。少し経ってから、やっと作者が意図 していた事が理解できた。文字だけが全ての小説という媒体では オープニングをもっと工夫すべきである。 中東の少数民族クルドが武装蜂起をもくろみ、必要な武器の調達 を日本人の武器商人”ハジ”に依頼する。章ごとに敵味方様々な 人物の視点により物語は進行する。重奏的な構成である。 この構成は、多数の人物が登場する群像小説でストーリーが輻輳 する事がないという利点があるのだろう。しかし逆に、ストーリー の進行が遅いという欠点もある。読んでいて少しイラついた。 クルドという民族の歴史や中東情勢、イスラム教などに馴染みが ないため今一つ感情移入出来なかった。歴史背景を知っていれば もっと楽しめたのかも知れない。 | ||||
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映画、もしくは映画を意識した劇画調のオープニングである。 だが、少し判りにくかった。少し経ってから、やっと作者が意図 していた事が理解できた。文字だけが全ての小説という媒体では オープニングをもっと工夫すべきである。 中東の少数民族クルドが武装蜂起をもくろみ、必要な武器の調達 を日本人の武器商人”ハジ”に依頼する。章ごとに敵味方様々な 人物の視点により物語は進行する。重奏的な構成である。 この構成は、多数の人物が登場する群像小説でストーリーが輻輳 する事がないという利点があるのだろう。しかし逆に、ストーリー の進行が遅いという欠点もある。読んでいて少しイラついた。 クルドという民族の歴史や中東情勢、イスラム教などに馴染みが ないため今一つ感情移入出来なかった。歴史背景を知っていれば もっと楽しめたのかも知れない。 | ||||
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上巻はスピード感、ハードボイルド感たっぷりであったが、物語が進むにつれパワーダウンしたように思う。それでも、船戸作品は特上のストーリーを紡いでくれますが。 | ||||
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上巻はスピード感、ハードボイルド感たっぷりであったが、物語が進むにつれパワーダウンしたように思う。それでも、船戸作品は特上のストーリーを紡いでくれますが。 | ||||
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船戸与一の作品を初めて読んだ。一世代前の冒険小説の最高傑作といえる出来栄えだと思う。主人公達の視点が各章ごとに入れ替わり、イスラム革命後のイランの情勢を様々な立場から描写していく。主人公達は宗教・民族・金儲け等の己の目的に殉ずるために激情に駆られ、怜悧に判断し、苦悩しながら闘いの中で命を削っていく。 国際紛争の主な火種は国家×宗教×民族の数だけある。例えば中東のような複雑な場所では人間の数だけ紛争の火種があるといっても過言ではないだろう。 この作品はフィクションであり、全くの現実ではないと思うが、中東の平和は単純な善悪論では解決しないことが改めて良くわかった。住んでいる人たちだけではなく欧米や旧ソ連諸国の思惑まで絡んでくるのだから、一体どうすれば良いのだ? ただ主人公達は、命をかけた目的を持っている。生きている間に哀しみは絶えず、非業の最期に倒れても、精一杯生きた事だけは誇りに思っているだろう。 近年のノワールとよばれる作品の主人公達は自分の中のどす黒い欲望だけに忠実だ。物質面では豊かでも、むしろそれゆえに凄惨な生き様だ。人間が存在する限り、血を流すのは避けられないことなのか。 もちろんこの小説はエンタテインメントだ。今まで書いてきたようなことを一切抜きにして熱い想いのぶつかり合いに心動かされるのも悪くない。真性正統派冒険小説である。ちょっと厚いけど。 | ||||
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船戸与一の作品を初めて読んだ。一世代前の冒険小説の最高傑作といえる出来栄えだと思う。主人公達の視点が各章ごとに入れ替わり、イスラム革命後のイランの情勢を様々な立場から描写していく。主人公達は宗教・民族・金儲け等の己の目的に殉ずるために激情に駆られ、怜悧に判断し、苦悩しながら闘いの中で命を削っていく。 国際紛争の主な火種は国家×宗教×民族の数だけある。例えば中東のような複雑な場所では人間の数だけ紛争の火種があるといっても過言ではないだろう。 この作品はフィクションであり、全くの現実ではないと思うが、中東の平和は単純な善悪論では解決しないことが改めて良くわかった。住んでいる人たちだけではなく欧米や旧ソ連諸国の思惑まで絡んでくるのだから、一体どうすれば良いのだ? ただ主人公達は、命をかけた目的を持っている。生きている間に哀しみは絶えず、非業の最期に倒れても、精一杯生きた事だけは誇りに思っているだろう。 近年のノワールとよばれる作品の主人公達は自分の中のどす黒い欲望だけに忠実だ。物質面では豊かでも、むしろそれゆえに凄惨な生き様だ。人間が存在する限り、血を流すのは避けられないことなのか。 もちろんこの小説はエンタテインメントだ。今まで書いてきたようなことを一切抜きにして熱い想いのぶつかり合いに心動かされるのも悪くない。真性正統派冒険小説である。ちょっと厚いけど。 | ||||
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この本でクルド人という民族を知り、中東情勢に興味を持つようになった。同じ地球上とは思えないような、過酷な世界の中で生きる事を宿命付けられた民族のドラマ。その中で彷徨する巡礼者という意味の名前を持つ二人の日本人。熱く、激しいドラマはやがて破滅的な終焉をむかえる。しかし人間たちのドラマも、彼らが信じる神々も、所詮は巨大な大地が創られた歴史の中ではほんの点でしかない。やがては全ては砂の中に埋もれていく。日本人離れした世界観の傑作。果たして船戸与一はこれを超える作品を書けるのだろうか?期待はしているが、難しいだろうなあ・・・ | ||||
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この本でクルド人という民族を知り、中東情勢に興味を持つようになった。同じ地球上とは思えないような、過酷な世界の中で生きる事を宿命付けられた民族のドラマ。その中で彷徨する巡礼者という意味の名前を持つ二人の日本人。熱く、激しいドラマはやがて破滅的な終焉をむかえる。しかし人間たちのドラマも、彼らが信じる神々も、所詮は巨大な大地が創られた歴史の中ではほんの点でしかない。やがては全ては砂の中に埋もれていく。日本人離れした世界観の傑作。果たして船戸与一はこれを超える作品を書けるのだろうか?期待はしているが、難しいだろうなあ・・・ | ||||
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読み始めたらやめられない!血湧き肉躍るとはこのことか!登場人物もことごとく死に絶える。ハリウッド映画なんて目じゃない!読みなさい。 | ||||
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読み始めたらやめられない!血湧き肉躍るとはこのことか!登場人物もことごとく死に絶える。ハリウッド映画なんて目じゃない!読みなさい。 | ||||
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二人の日本人(ハジ)を中心に、クルド人の独立戦争を描く本書は、大変ドラマティックであり、一気に読了してしまうだけのダイナミズムを 有している。一度物語を読み出すと、止まらなくなってしまうのだ。場面展開は早く、ドラマはリアリティを持って読者の視線の先を駆け抜け ていく。 しかし、残念ながら、先が読みやすい展開だった。ストーリーとして、おもしろい内容ではあったが、結末を十分予想できる展開であるため、 読み深めるおもしろみは欠けていたと思う。 | ||||
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二人の日本人(ハジ)を中心に、クルド人の独立戦争を描く本書は、大変ドラマティックであり、一気に読了してしまうだけのダイナミズムを有している。一度物語を読み出すと、止まらなくなってしまうのだ。場面展開は早く、ドラマはリアリティを持って読者の視線の先を駆け抜けていく。しかし、残念ながら、先が読みやすい展開だった。ストーリーとして、おもしろい内容ではあったが、結末を十分予想できる展開であるため、読み深めるおもしろみは欠けていたと思う。 | ||||
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自分で言うのも恥ずかしいが、僕は国際社会に広く関心を持っている。そんな僕にとって、船戸与一氏は先生か、或はそれ以上の存在である。つまり、僕は氏のことをとても尊敬しているのだ。今から三年ほど前、僕が中学三年の時に始めて船戸与一氏の作品「血と夢」に出会って以来、今までに全作品とは言わないまでも、多くの作品を読んできた。 その中で、僕が最も衝撃を受けた作品が、「砂のクロニクル」である。この作品は、パーレヴィ政権が崩壊した後のイランを舞台に暗躍する二人の日本人を主人公に添え、イラン秘密警察内部の抗争やクルド人による独立運動などが躍動感溢れる筆致で描かれている。船戸氏の作品に共通して存在する、綿密な取材に裏打ちされたリアリティーは、遠い僻地で行われている紛争を現実的かつ衝撃的に僕の目の前に突きつけてくる。その衝撃が、特にこの「砂のクロニクル」においては強烈だった。丁寧な人物・情景描写によって、作品に臨場感が生み出され、僕は読み進めて行く内にまるで自分がイランという行ったこともない国に立っているような錯覚を覚えた。魅力的な登場人物達のキャラクターによって、自ずと感情移入させられてしまう。引き付けられていると言うより、気付いたら感情が高ぶっている感覚だ。しかし、登場人物それぞれが胸に秘めた強い思いを最後に爆発させ、激しい戦闘の後、静かで儚い結末が訪れた時、僕は独りだけ取り残されてしまったような空虚感、そしてそれに相反する満足感が胸に押し寄せるのを感じた。フィクションとは解っていながら、過酷な状況の中で力強く存在する登場人物達の精神的な強靭さに、僕は脱帽せざるを得なかった。僕とは次元の違う世界で生きている人間達がいる。一人の人間として、彼らがどれだけ僕より強いか、親父に強く頭を殴られて思い知らされた気分だ。 現在、中東は世界中の関心を集めている。しかし、僕達は、テレビを始めとするメディアの映像によって、その問題を表面的に理解しているに過ぎない。勿論、テレビで放送される映像は殆どの場合事実であり、小説というフィクションとは違う次元に存在する。しかし僕は、あえて主張したい。「砂のクロニクル」は一読に値する。この作品から得るものは非常に大きいはずだ。独り善がりかもしれないが、作品の登場人物達に感情移入し、内部から中東という地域を眺めた時、映像から得る以上の衝撃が心を打つはずである。 | ||||
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自分で言うのも恥ずかしいが、僕は国際社会に広く関心を持っている。そんな僕にとって、船戸与一氏は先生か、或はそれ以上の存在である。つまり、僕は氏のことをとても尊敬しているのだ。今から三年ほど前、僕が中学三年の時に始めて船戸与一氏の作品「血と夢」に出会って以来、今までに全作品とは言わないまでも、多くの作品を読んできた。 その中で、僕が最も衝撃を受けた作品が、「砂のクロニクル」である。この作品は、パーレヴィ政権が崩壊した後のイランを舞台に暗躍する二人の日本人を主人公に添え、イラン秘密警察内部の抗争やクルド人による独立運動などが躍動感溢れる筆致で描かれている。船戸氏の作品に共通して存在する、綿密な取材に裏打ちされたリアリティーは、遠い僻地で行われている紛争を現実的かつ衝撃的に僕の目の前に突きつけてくる。その衝撃が、特にこの「砂のクロニクル」においては強烈だった。丁寧な人物・情景描写によって、作品に臨場感が生み出され、僕は読み進めて行く内にまるで自分がイランという行ったこともない国に立っているような錯覚を覚えた。魅力的な登場人物達のキャラクターによって、自ずと感情移入させられてしまう。引き付けられていると言うより、気付いたら感情が高ぶっている感覚だ。しかし、登場人物それぞれが胸に秘めた強い思いを最後に爆発させ、激しい戦闘の後、静かで儚い結末が訪れた時、僕は独りだけ取り残されてしまったような空虚感、そしてそれに相反する満足感が胸に押し寄せるのを感じた。フィクションとは解っていながら、過酷な状況の中で力強く存在する登場人物達の精神的な強靭さに、僕は脱帽せざるを得なかった。僕とは次元の違う世界で生きている人間達がいる。一人の人間として、彼らがどれだけ僕より強いか、親父に強く頭を殴られて思い知らされた気分だ。 現在、中東は世界中の関心を集めている。しかし、僕達は、テレビを始めとするメディアの映像によって、その問題を表面的に理解しているに過ぎない。勿論、テレビで放送される映像は殆どの場合事実であり、小説というフィクションとは違う次元に存在する。しかし僕は、あえて主張したい。「砂のクロニクル」は一読に値する。この作品から得るものは非常に大きいはずだ。独り善がりかもしれないが、作品の登場人物達に感情移入し、内部から中東という地域を眺めた時、映像から得る以上の衝撃が心を打つはずである。 | ||||
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船戸作品を初めて読んだが、描写がすごい。まるで太いノミでくっきりとえぐったようなビジュアルな描写である。クルドの街の描写などもノンフィクションに照らし合わせると正確なのがわかる。はらはらどきどきのサスペンスもあり。クルド民族に小説の形で正確な光を当てたことも高く評価していいのではないだろうか。主人公のような日本人がいるとは、あまり思えないが。 | ||||
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船戸作品を初めて読んだが、描写がすごい。まるで太いノミでくっきりとえぐったようなビジュアルな描写である。クルドの街の描写などもノンフィクションに照らし合わせると正確なのがわかる。はらはらどきどきのサスペンスもあり。クルド民族に小説の形で正確な光を当てたことも高く評価していいのではないだろうか。主人公のような日本人がいるとは、あまり思えないが。 | ||||
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