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(短編集)
猫の舌に釘をうて
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猫の舌に釘をうての評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.06pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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今の令和の時代たくさんの方に読んで欲しい、昭和の逸品。時代小説、推理小説、ジャンルにとらわれない作家の一人だと思います。 | ||||
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東都書房の新書判に始まり、講談社文庫や光文社文庫「都筑道夫コレクション<青春篇>」など、以前に繰り返し発売されてきたが、現在はいずれも絶版。 今回は徳間文庫からの、待望の復刊である。 用語自主規制がある光文社文庫版ではなく、講談社文庫版が底本。 先に復刊された『やぶにらみの時計』に続いて、未完の長篇『アダムと七人のイヴ』の連載第二回がボーナストラックとして収録されている。 この徳間文庫版は、法月綸太郎の解説が良い。 解説を読んでから、小説を読み直したほうが、作者の意図をより理解できるのでは?と思える。 | ||||
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著者の代表作であり、日本の推理小説史に名を遺した作品ということもあって、その表題作「ネコの舌に釘をうて」を読んでみた。さすがにトリックは斬新で今読んでもハッとさせられるが、当時流行った修飾語の多い文体が鼻について、読み進めるのは難儀だった。それより一緒に掲載されている「哀愁新宿円舞曲」(短篇集)の方が話としては断然面白く、著者の身上は短編にあるのでは?と思った。他のショート・ショート、エッセーも読み甲斐があって、この光文社の都筑道夫コレクションはお得と感じた。表紙カバーデザイン、イラストもいい。 | ||||
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やはりこの小説は、東都書房初版の造本がいい。束見本に書かれたというプロットが生きてます^^ | ||||
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冒頭、「私はこの事件の犯人であり、探偵であり、そしてどうやら、被害者にもなりそうだ。」の一文で、迷わず読み始めることにした。 が、数分後には斜め読みを。ミステリー小説の初心者としては、技巧・手法云々よりもストーリーに集中したくなる。 とは言え、読了に至ったときには不思議な満足感がそこにあった。 より多くの作品に触れ、数年後にもう一度読み直してみたい。 | ||||
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恋愛観があまりに変に感じます。現実性を欠いています。概念を破ろうとする姿勢わ買いますが、これは私にはついていけません。 | ||||
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ほかのレビューを読んで、講談社文庫版で読んだ。地名が細かに書き込まれたり、落語的教養とかも織り込まれていたり、当時の雰囲気が分かったりするところはいいが、肝心の推理ものとしてのトリックが全然面白くない。 | ||||
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こういう凝った設定の作品は、今でこそ珍しくはないが、本作刊行当時は珍しかった。 なにしろ、“探偵であり犯人であり被害者゛なんだからね。 しかも、製本された本事態に仕掛けがしてある。 本作刊行当時、昭和30から40年代は、実に単純というか当たり前なプロットとストーリーの社会派ミステリ全盛の時代だった。 それが松本清張の功罪であり、歴史的にはミステリがひとつステップアップしたことは確かだ。 しかしその代わり、ミステリに大事な遊び心、エンタテインメントが薄くなってしまった。 そこに著者は、「やぶにらみの時計」や本作で、ミステリ本来の凝った仕掛け満載の作品の面白さをたたきつけた。 そのチャレンジが無駄ではなかったことも、歴史的に確かだ。 だが、大きなムーブメントにならなにかったのは、その完成度が高くなかったことと、当時としてはあまりにも跳びすぎていたプロットのせいだろう。 そう、本作は実は完成度という点では、そう高くはない。 あまりにも観念的な表現が多く、しかも甘い青春小説風の味付け。 ミステリのマニアには理解されるものも、広く理解されるにはいたらなかったのだ。 しかし、本作の遊び心は秀逸であり、そのフレンチ・ミステリを思わせるプロットは、一読に値する。 著者が本作を執筆するにあたり、ジャプリゾ等のフレンチ・ミステリを意識しただろうことは間違いない。 その作風も、今なら理解されても、当時では難しかっただろう。 著者のチャレンジ精神を評価するとともに、その遊び心、本格魂を評価したい。 | ||||
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私が読んだのは、講談社文庫版。そちらには、「猫の舌に釘をうて」しか収められていない。光文社文庫版では、ほかの作品も掲載されているということだが、そちらは未読。 簡単に言えば、「猫の〜」は倒叙型・叙述型のミステリと考えてもらえばよい。ただし、ミステリに対して造詣の深い著者だけあって、色々な企みがほどこされている。謳い文句の“1人3役”だけが魅力なのではない。 ミステリにかかわること以外では、ワイルドやダウスンの詩、クラシック音楽、絵画、落語、東京の古い神社仏閣などに関する知識が次々に出てきて、当時の知的な流行を垣間見ることができる。また、現在では地名が変更されている可能性もあるが、“坂”のつく地名がかなり出てきて、東京が“坂”の街と言われていたことがよく分かる。警部補が『滝の白糸』について詳しく知っているのには、「あり得ないだろう」と突っ込みを入れたくなるが、それ自体も仕掛けなのかもしれない。ヒロイン有紀子の捉えどころの無さも魅力的だ。 匠の“技”がなせる一作。 | ||||
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私が読んだのは、講談社文庫版。そちらには、「猫の舌に釘をうて」しか収められていない。光文社文庫版では、ほかの作品も掲載されているということだが、そちらは未読。 簡単に言えば、「猫の〜」は倒叙型・叙述型のミステリと考えてもらえばよい。ただし、ミステリに対して造詣の深い著者だけあって、色々な企みがほどこされている。謳い文句の“1人3役”だけが魅力なのではない。 ミステリにかかわること以外では、ワイルドやダウスンの詩、クラシック音楽、絵画、落語、東京の古い神社仏閣などに関する知識が次々に出てきて、当時の知的な流行を垣間見ることができる。また、現在では地名が変更されている可能性もあるが、“坂”のつく地名がかなり出てきて、東京が“坂”の街と言われていたことがよく分かる。警部補が『滝の白糸』について詳しく知っているのには、「あり得ないだろう」と突っ込みを入れたくなるが、それ自体も仕掛けなのかもしれない。ヒロイン有紀子の捉えどころの無さも魅力的だ。 匠の“技”がなせる一作。 | ||||
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併録された作品に文句がある訳ではないが、この作品は絶対に一冊本で刊行されなければならない。 詳しくは言えないが、著者の仕掛けた罠と企みを純粋に味わいたければ初刊本、ないしは講談社文庫版を探して読まれることを薦める。 著者もエッセイなどで引き合いに出している通り『シンデレラの罠』を思わせる設定だが、冗談じゃない、ミステリ作家としての腕がフランス人とは段違いである。(余談だがジャプリゾも『新車の中の女』は傑作) 著者には珍しくロマンティックで悲痛な自伝的青春小説としての内容と、とびきりトリッキーな趣向が両立した奇跡的傑作。 | ||||
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併録された作品に文句がある訳ではないが、この作品は絶対に一冊本で刊行されなければならない。 詳しくは言えないが、著者の仕掛けた罠と企みを純粋に味わいたければ初刊本、ないしは講談社文庫版を探して読まれることを薦める。 著者もエッセイなどで引き合いに出している通り『シンデレラの罠』を思わせる設定だが、冗談じゃない、ミステリ作家としての腕がフランス人とは段違いである。(余談だがジャプリゾも『新車の中の女』は傑作) 著者には珍しくロマンティックで悲痛な自伝的青春小説としての内容と、とびきりトリッキーな趣向が両立した奇跡的傑作。 | ||||
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「私はこの事件の加害者であり、被害者であり、探偵でもある」 こう書くとフランスの有名なミステリー「シンデレラの罠」をイメージされる方が多いかもしれない。 実は「シンデレラの罠」が発表されたのは1962年、 「猫の舌に釘を打て」はその1年前の1961年の作品。 この作品の方が先行しているのだ。 「ミステリー作家は都筑道夫氏が好きな人が多い」との話を聞いたことがあるが、納得。 この作品のトリックのアレンジが後年たくさん登場している。 1961年当時が舞台のため、貨幣価値や法律が現在と異なるようで、 想像でカバーしなければいけない箇所も出てくるが。。。 とても50年前の作品とは思えない。 名作は色褪せないものです。 | ||||
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「私はこの事件の加害者であり、被害者であり、探偵でもある」こう書くとフランスの有名なミステリー「シンデレラの罠」をイメージされる方が多いかもしれない。実は「シンデレラの罠」が発表されたのは1962年、「猫の舌に釘を打て」はその1年前の1961年の作品。この作品の方が先行しているのだ。「ミステリー作家は都筑道夫氏が好きな人が多い」との話を聞いたことがあるが、納得。この作品のトリックのアレンジが後年たくさん登場している。1961年当時が舞台のため、貨幣価値や法律が現在と異なるようで、想像でカバーしなければいけない箇所も出てくるが。。。とても50年前の作品とは思えない。名作は色褪せないものです。 | ||||
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本作のキャッチ・コピーは「私はこの事件の犯人であり、探偵であり、そしてどうやら、被害者にもなりそうだ」。S.ジャプリゾ「シンデレラの罠」に対抗するかのような意匠。語り手の主人公はミステリ作家で、有紀子と言う人妻を愛している。このため、その夫の塚本を憎んでいるが、何も出来ず、代わりに喫茶店で後藤と言う男を有紀子の風邪薬を使って毒殺ゴッコする事でウサを晴らそうとする。ところが、その風邪薬を入れたコーヒーを飲んだ後藤が毒死してしまうと言う発端。これが犯人役。風邪薬は元々有紀子用だから、有紀子の命が狙われていた可能性もある。その捜査が探偵役。捜査の結果、真犯人に殺されるかもしれないので、これが被害者役。三役バラバラで、「シンデレラの罠」に比べてトリッキー度はだいぶ落ちるが、代りに作者の博識ぶりとミステリ談義が楽しめる。 記述の大半を主人公の手記が占めるので、ここに仕掛けがあるとも考えられるが、一応素直に読む。主人公の頭は有紀子onlyだが、冷静に考えれば最初から後藤を狙った犯行に見える。物理的にそれが可能なのは、後藤の両隣にいた主人公と大野木、そして喫茶店のマスター。しかし、作者は主人公の行動を追いながら、悠揚迫らぬ態度で昭和中期の東京の風景・世相を描き出す。作品が恋愛絡みと言う事もあり、「墨東綺譚」を思わせる趣き。 そして、有紀子が殺される。今度は犯人足り得る人物は一人だけ。これでは冒頭のキャッチ・コピーは牽強付会の感が強いが、昭和36年にこのアイデアに挑戦した作者は評価されてしかるべきだろう。適度な薀蓄や時代の雰囲気も楽しめ、ミステリ・ファンにはお勧めの一作。 | ||||
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本作のキャッチ・コピーは「私はこの事件の犯人であり、探偵であり、そしてどうやら、被害者にもなりそうだ」。S.ジャプリゾ「シンデレラの罠」に対抗するかのような意匠。語り手の主人公はミステリ作家で、有紀子と言う人妻を愛している。このため、その夫の塚本を憎んでいるが、何も出来ず、代わりに喫茶店で後藤と言う男を有紀子の風邪薬を使って毒殺ゴッコする事でウサを晴らそうとする。ところが、その風邪薬を入れたコーヒーを飲んだ後藤が毒死してしまうと言う発端。これが犯人役。風邪薬は元々有紀子用だから、有紀子の命が狙われていた可能性もある。その捜査が探偵役。捜査の結果、真犯人に殺されるかもしれないので、これが被害者役。三役バラバラで、「シンデレラの罠」に比べてトリッキー度はだいぶ落ちるが、代りに作者の博識ぶりとミステリ談義が楽しめる。 記述の大半を主人公の手記が占めるので、ここに仕掛けがあるとも考えられるが、一応素直に読む。主人公の頭は有紀子onlyだが、冷静に考えれば最初から後藤を狙った犯行に見える。物理的にそれが可能なのは、後藤の両隣にいた主人公と大野木、そして喫茶店のマスター。しかし、作者は主人公の行動を追いながら、悠揚迫らぬ態度で昭和中期の東京の風景・世相を描き出す。作品が恋愛絡みと言う事もあり、「墨東綺譚」を思わせる趣き。 そして、有紀子が殺される。今度は犯人足り得る人物は一人だけ。これでは冒頭のキャッチ・コピーは牽強付会の感が強いが、昭和36年にこのアイデアに挑戦した作者は評価されてしかるべきだろう。適度な薀蓄や時代の雰囲気も楽しめ、ミステリ・ファンにはお勧めの一作。 | ||||
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表題作は宣伝文句にあるとおり傑作推理小説だと思います。 ただ、他の作品はミステリーというよりは昭和30年代の東京の風俗を描いたものが多く、ミステリーを求めている人には期待はずれでしょう。 文庫本の編集方法としては表題作ときちんとミステリーになっているものを選んで収録すべきだと思います。 | ||||
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表題作は宣伝文句にあるとおり傑作推理小説だと思います。 ただ、他の作品はミステリーというよりは昭和30年代の東京の風俗を描いたものが多く、ミステリーを求めている人には期待はずれでしょう。 文庫本の編集方法としては表題作ときちんとミステリーになっているものを選んで収録すべきだと思います。 | ||||
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