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暴雪圏
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暴雪圏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.68pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 21~38 2/2ページ
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制服捜査に続く川久保巡査シリーズの第二弾ということで 期待大で読みました。 レビュー上では賛否両論のようですが、私は面白いと思いました。 とにかく自然は怖い、ということを思い知らされた一冊でした。 | ||||
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北海道帯広近郊にある架空の町・志茂別を彼岸荒れと呼ばれる暴風雪が襲う中での犯罪群像劇。 犯罪者以外の多くの登場人物にもスポットライトを当て、暴風雪の中、思い通りにいかない様々 な人間模様を描いている。「制服警官」に続く川久保巡査部長シリーズではあるが、彼も登場 人物の一人に過ぎない。 閉じられた空間の中という展開は過去に多くの謎解きミステリーを生んできたが、この作品は 謎解きには重点を置いていない。暴風雪に閉じ込められたことにより、それぞれの登場人物たち にもたらされる思わぬ展開に力点が置かれている。ある者は秘密を暴風雪と共に過去に追いやり、 ある者は犯罪を無きものにし、ある者は新しい出会いを手に入れる。 面白い作品とは思うが苦言を一つ。今まで色々な群像劇を読んできたが、これほど登場人物の 名前を覚えづらかった小説は珍しい。場面転換のたびに○○って誰だったか?と考えてしまった。 もう少しその辺の工夫が欲しかった。 | ||||
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佐々木譲さんの作品は初めてでしたが、読みやすく、終わりまで流れるように読んでしまいました。 登場人物の一人ひとりの設定が緻密に作られ、こまかく描写され、容易に感情移入しながら読むことが出来ました。 また、雪山の描写も、 真保裕一「ホワイトアウト」に引けをとらない現実味がありました。 後半から解決に向かっていく展開に疑問が残りましたが、 前記の2つをふまえて自信を持って人に勧めることができる一冊です。 余談ですが… 友人に聞くと佐々木譲「制服警官」と比べると…と言っていました。 時間を見つけてぜひ読んでみたいです。 | ||||
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北海道の片田舎で地嵐の日に起きるいくつかの事件が 相互に絡まっていく物語。 これは結構考えさせられました。 一番緊迫感があるのは、暴力団組長宅を襲った 強盗殺人とその逃走犯の話。 不倫関係を清算したい人妻。 川岸で発見された女性の遺棄死体など、 事件は多彩です。 読み応えのある小説だと思います。 | ||||
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北海道の片田舎で地嵐の日に起きるいくつかの事件が 相互に絡まっていく物語。 これは結構考えさせられました。 一番緊迫感があるのは、暴力団組長宅を襲った 強盗殺人とその逃走犯の話。 不倫関係を清算したい人妻。 川岸で発見された女性の遺棄死体など、 事件は多彩です。 読み応えのある小説だと思います。 | ||||
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『制服捜査』と舞台が同じで、川久保篤巡査部長が登場するのですが、『制服捜査』とは全く違った傾向の作品だと思います。『制服捜査』では、閉鎖社会のなかで見え隠れする犯罪、その根元にある腐敗、それを外部からやってきてその社会の住人となった主人公が暴いていくことに面白さがあります。しかし、本書では、強烈な自然の猛威の前では、人間の計画や意思が打ち砕かれて、人間が無力であることを実感させられることの方が主となっているように思います。描かれた犯罪・腐敗に関しても、閉鎖社会に関わるものばかりではありません。また、いくつかの犯罪については、まったくその結果どころか、方向性さえも不明なままです。それでも、舞台となったペンション、グリーンルーフのオーナー夫妻が抱える問題解決が示唆されることや、家出をしようとしていた美幸が、いい出会いをしたことが感じ取れることに救われます。解決されない犯罪や問題が残るという意味において、『制服捜査』とは違った形で現実のやりきれなさを見据えた作品だと思います。 | ||||
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期待して読みましたが、期待が大きすぎたのかなあ・・・。 自然の猛威の春の嵐の描写は、地元でご自身も体験 したのでしょうか、非常に的確でリアルですが、 その描写がリアルな分、物語の状況設定が陳腐で しょうがなかった。 いろいろ詰め込みすぎ、もっと設定を軽くしても よかったんじゃないかなあ。 なにか安っぽいTVのミステリー物のようで途中で白けてしまった。 終り方ももうひとつ収拾がついていない。 主人公の日常の生活や、人柄をもっと前面に出してほしかった。 | ||||
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期待して読みましたが、期待が大きすぎたのかなあ・・・。 自然の猛威の春の嵐の描写は、地元でご自身も体験 したのでしょうか、非常に的確でリアルですが、 その描写がリアルな分、物語の状況設定が陳腐で しょうがなかった。 いろいろ詰め込みすぎ、もっと設定を軽くしても よかったんじゃないかなあ。 なにか安っぽいTVのミステリー物のようで途中で白けてしまった。 終り方ももうひとつ収拾がついていない。 主人公の日常の生活や、人柄をもっと前面に出してほしかった。 | ||||
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北海道の吹雪はどんなものかは知らない。でも、岩手の県庁所在地盛岡市の片はずれでも「昔は雪が吹雪くと人が死んだもんだ」と死んだばぁちゃんが教えてくれた。昭和一桁の時代でもだ。そういう意味では、雪に閉じ込められる恐さが身にしみてよくわかる。冒頭の雪で遭難した小学生のくだりが胸を揺さぶった。この小説は、強盗殺人犯と元刑事の巡査部長の対決のお話ではない。爆弾低気圧が引き起こす猛吹雪に人々が翻弄され、ある人は命を落としまたある人は希望を見つけたりするそんなお話だ。風速30mを超す冬の嵐の前では人はあまりにも無力だ。ひどい嵐の中の積雪50cmにどれだけ人が絶望してきたかを、この作品を読むだけで垣間見ることができる。暴雪圏とそこに生きる人々の営みや思いを、強盗殺人・不倫・多重債務者などの仕立てで、見事に一つの小説にした筆者に賞賛の拍手を送りたい。猛吹雪の中、自分の運転する車が路肩に転落して、携帯で119番や110番に電話がつながって、助けを呼んでも誰も助けに来てくれない恐怖。じわじわと交通網が遮断されていく閉塞感。ほんとに雪国って怖いんですから! | ||||
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北海道の吹雪はどんなものかは知らない。でも、岩手の県庁所在地盛岡市の片はずれでも「昔は雪が吹雪くと人が死んだもんだ」と死んだばぁちゃんが教えてくれた。昭和一桁の時代でもだ。そういう意味では、雪に閉じ込められる恐さが身にしみてよくわかる。冒頭の雪で遭難した小学生のくだりが胸を揺さぶった。この小説は、強盗殺人犯と元刑事の巡査部長の対決のお話ではない。爆弾低気圧が引き起こす猛吹雪に人々が翻弄され、ある人は命を落としまたある人は希望を見つけたりするそんなお話だ。風速30mを超す冬の嵐の前では人はあまりにも無力だ。ひどい嵐の中の積雪50cmにどれだけ人が絶望してきたかを、この作品を読むだけで垣間見ることができる。暴雪圏とそこに生きる人々の営みや思いを、強盗殺人・不倫・多重債務者などの仕立てで、見事に一つの小説にした筆者に賞賛の拍手を送りたい。猛吹雪の中、自分の運転する車が路肩に転落して、携帯で119番や110番に電話がつながって、助けを呼んでも誰も助けに来てくれない恐怖。じわじわと交通網が遮断されていく閉塞感。ほんとに雪国って怖いんですから! | ||||
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暴力団宅への強盗殺人 出会い系サイトでの不倫 振込み詐欺 冴えない会社員の冒険 義父に犯される娘 ペンション経営 突然の暴雪に振り回されながら、それぞれの人物を丁寧に 描きつつ交差させて行く。 ペンションが出て来た段階で予想も出来たが、大自然の猛威の 前になすすべがない登場人物たち。 隣近所でもおきていそうな人間の機微をテンポよく描き、 それで居て、シリーズでは実直で勤勉な主人公の活躍シーンも 登場してうまく収まった感じが印象的だった。 ちょっと出来すぎ感はありましたが。 | ||||
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暴力団宅への強盗殺人 出会い系サイトでの不倫 振込み詐欺 冴えない会社員の冒険 義父に犯される娘 ペンション経営 突然の暴雪に振り回されながら、それぞれの人物を丁寧に 描きつつ交差させて行く。 ペンションが出て来た段階で予想も出来たが、大自然の猛威の 前になすすべがない登場人物たち。 隣近所でもおきていそうな人間の機微をテンポよく描き、 それで居て、シリーズでは実直で勤勉な主人公の活躍シーンも 登場してうまく収まった感じが印象的だった。 ちょっと出来すぎ感はありましたが。 | ||||
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駐在所の川久保巡査部長を主人公に据えた『制服捜 査』の続編にあたります。ただし、前作が突然、駐在所勤 務になった主人公の戸惑い(『警察の紋章』での言葉を借 りれば、道警本部が「あつものに懲りて膾を吹いた」結果 です。)と周囲での事件で終わっていたのに、今度は主人 公を含む群像劇で、犯罪の仕掛けもずっと大がかりになっ ていて、作者の作家としての成熟を感じさせます。 お話しは、3月末に北海道志茂別町を爆弾低気圧が襲 った一昼夜の出来事です。最初に情報通の片桐老人が 語る、昭和32年の彼岸荒れによる小学生遭難事件が本 作の陰影に満ちたトーンを決定します。雪の下から発見 された死体に残った名刺と暴力団組長宅での強盗殺人 事件がクロスし、他方で不倫や義父の不義に苦しむ女達 の重く辛い人生が綴られます。この重層的な構成とその 間のバランスが絶妙で、読み応えがあります。そして、強 盗殺人の犯人と彼女らが豪雪と吹雪とで共に閉じ込めら れ、クライマックスを迎えます。やがて、それぞれの人々の 絶望と希望が交錯するなかで、主人公と犯人との決死の 銃撃戦が展開されます。 「『川久保巡査部長、そばにいたら応答してください。い ますか。どうなっていますか。』川久保はドアを開けて、マ イクに手を伸ばした。自分はここにいる。」 まるで、映画のストップモーションのような唐突の幕切れ も前作と同様です。一気読みしてしまいました。 | ||||
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駐在所の川久保巡査部長を主人公に据えた『制服捜 査』の続編にあたります。ただし、前作が突然、駐在所勤 務になった主人公の戸惑い(『警察の紋章』での言葉を借 りれば、道警本部が「あつものに懲りて膾を吹いた」結果 です。)と周囲での事件で終わっていたのに、今度は主人 公を含む群像劇で、犯罪の仕掛けもずっと大がかりになっ ていて、作者の作家としての成熟を感じさせます。 お話しは、3月末に北海道志茂別町を爆弾低気圧が襲 った一昼夜の出来事です。最初に情報通の片桐老人が 語る、昭和32年の彼岸荒れによる小学生遭難事件が本 作の陰影に満ちたトーンを決定します。雪の下から発見 された死体に残った名刺と暴力団組長宅での強盗殺人 事件がクロスし、他方で不倫や義父の不義に苦しむ女達 の重く辛い人生が綴られます。この重層的な構成とその 間のバランスが絶妙で、読み応えがあります。そして、強 盗殺人の犯人と彼女らが豪雪と吹雪とで共に閉じ込めら れ、クライマックスを迎えます。やがて、それぞれの人々の 絶望と希望が交錯するなかで、主人公と犯人との決死の 銃撃戦が展開されます。 「『川久保巡査部長、そばにいたら応答してください。い ますか。どうなっていますか。』川久保はドアを開けて、マ イクに手を伸ばした。自分はここにいる。」 まるで、映画のストップモーションのような唐突の幕切れ も前作と同様です。一気読みしてしまいました。 | ||||
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北日本では毎年春のお彼岸の頃、冬の終わりを告げる嵐が襲う。今年、志茂別を襲った彼岸荒れは十年に一度と言われる程の大暴風雪になった。午後から荒れだし「今年は例年になく荒れるぞ」と予感していた駐在所の川久保巡査の所に1本の電話が。「溶け始めた雪の下から人らしきものが見える」との通報だった。吹雪の中確認に向かうと・・・。発見された遺体に繋がる暴力団組長宅現金強奪殺人事件の犯人、胃がんの疑いを持った定年間近の男が先が短いのなら太く短く生きようと事務所にある二千万を持ち逃げし、夫に隠して不倫の清算をしようとする主婦、母の入院中に義父と居られず家を出た少女と雪の中トラックに乗せた青年、旅行中の老夫婦等が猛吹雪の中ペンショングリーンルーフに避難して来る。と、テレビのニュースに客の一人の顔が映し出され愕然する。暖房機の壊れたレストランは寒さとそれにまさる恐怖で充たされた。一夜が明けた時、嵐と共に恐怖も去る・・・? | ||||
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北日本では毎年春のお彼岸の頃、冬の終わりを告げる嵐が襲う。今年、志茂別を襲った彼岸荒れは十年に一度と言われる程の大暴風雪になった。午後から荒れだし「今年は例年になく荒れるぞ」と予感していた駐在所の川久保巡査の所に1本の電話が。「溶け始めた雪の下から人らしきものが見える」との通報だった。吹雪の中確認に向かうと・・・。発見された遺体に繋がる暴力団組長宅現金強奪殺人事件の犯人、胃がんの疑いを持った定年間近の男が先が短いのなら太く短く生きようと事務所にある二千万を持ち逃げし、夫に隠して不倫の清算をしようとする主婦、母の入院中に義父と居られず家を出た少女と雪の中トラックに乗せた青年、旅行中の老夫婦等が猛吹雪の中ペンショングリーンルーフに避難して来る。と、テレビのニュースに客の一人の顔が映し出され愕然する。暖房機の壊れたレストランは寒さとそれにまさる恐怖で充たされた。一夜が明けた時、嵐と共に恐怖も去る・・・? | ||||
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各誌、書評家等より大絶賛を浴びた「制服捜査」の続編。主人公である川久保篤巡査部長の弧奮奮闘を描いた連作小説の前作、今回は本格長編である。北海道最大瞬間風速32メートル、十勝平野の超大型爆弾低気圧に覆われたとあるペンションを舞台に、暴力団組長宅襲撃犯、不倫の清算を決意した人妻、冴えない人生の終着点で職場の金を持ち出すサラリーマンら登場人物各々の心理的背景、あまりの悪条件の中で事件解決に挑む川久保篤等、従来の警察小説の枠を超えた作品である。作者、佐々木譲のこれ以上ないであろう巧みなプロットと文書構成、まさに油が乗り切っている、旬な作家が描いた極上の一冊であろう。 | ||||
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各誌、書評家等より大絶賛を浴びた「制服捜査」の続編。主人公である川久保篤巡査部長の弧奮奮闘を描いた連作小説の前作、今回は本格長編である。北海道最大瞬間風速32メートル、十勝平野の超大型爆弾低気圧に覆われたとあるペンションを舞台に、暴力団組長宅襲撃犯、不倫の清算を決意した人妻、冴えない人生の終着点で職場の金を持ち出すサラリーマンら登場人物各々の心理的背景、あまりの悪条件の中で事件解決に挑む川久保篤等、従来の警察小説の枠を超えた作品である。作者、佐々木譲のこれ以上ないであろう巧みなプロットと文書構成、まさに油が乗り切っている、旬な作家が描いた極上の一冊であろう。 | ||||
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