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スプートニクの恋人
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スプートニクの恋人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全188件 161~180 9/10ページ
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青春時代の作品から段々と作風が変わっていき、作品の中に心に響くものが減ってきたと感じるようになっていた。それは作風の変化か、それとも私が歳を重ねたからか理由は判らなかった。しかしこの作品はそういう事とは全く異なり、ただ単純に「心を動かさない」、何も伝わってこなかった唯一の作品です。この作品は(少なくても私の)心を震わせることは全く無かった。非常に残念。私は村上春樹が大好きなので、初めて村上春樹を読む人がこの作品を選ばないことを切に願う。 | ||||
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すみれやミュウや僕の話なのですが、描かれ方が素直ではないので、それがこの作品の評価を分けているのかもしれません。レズビアンにもまつわるためか、まわりくどい描き方ですが、そんなに重要なメッセージやテーマがあるようにも思えないんですよね。恋愛小説ってそんなものかもしれないけど。口当たりはよく、「不思議でいい話」としてまとまっています。ラストは、「ノルウェイの森」を乗り越えた感じがします。 | ||||
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村上春樹はやっぱり恋愛物がいい!!出てくる女性が皆魅力的だ。村上春樹みたいな男の人と結婚したい。この本を今まででもう何度も読み返している。 | ||||
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あんまり評価は高くないけど、とは言ってもやっぱり村上春樹。読ませる力は十分にあったと思います。 | ||||
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最初に読んだときには「う~ん、いまいちかな…」と思ったのですが、最近、春樹さんの「スメルジャコフ対織田信長家臣団」をよみ、彼がその当時、全力をかけてこのスプートニクを書いていた姿を垣間見、また読んでみたのです。するとなかなかどうして、結構深いです。私的には、主人公すみれよりも、ミュウの存在が非常に魅力的に映ります。一晩の、観覧車の中での体験を経て、髪が真っ白になってしまったミュウ。そういうことって、本当に現実の中に、非常に危うく身近に存在しているような気がします。ひとつ壁やカーテンをくぐり抜けてしまったら、もうそれまでとは違う世界に存在するしかなくなってしまう。これって、春樹さんの書く多くの作品に共通するひとつのテーマであると私は思います!。春樹ファンとして、何度も読み返したい一冊のリストに加えなおしたところです。 | ||||
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この「スプートニク」、古くからの読者には評判良くないそうですね。ひとつの例外を除いて、あのお馴染みのムラカミ的要素がこれでもかっ!というくらいてんこもりで、ある意味では安心して楽しめる作品だと思いましたが。別に否定的な意味ではなく、彼ほど固定ファンがついている作家であれば、その望まれている世界・ストーリーを維持していくのが自然であると思います。彼は読み手、というかファンのスノビズムを刺激することにきわめて長けた書き手であるといえます。それは作品を特徴付ける趣味のよさ、軽妙さという点で一貫しています。具体的にいえば、食事・洋服・音楽などのディテイルです。超現実的であるが故に心地よい世界。生身の痛みは遠く霞んでいます。衒学趣味的な面!にも惹かれる人も多いのでしょう(含む私)。その「例外」について。これももう散々語られていることではありますが、「にんじん」と警備員のくだりが、この作品を自作の劣化コピーに陥ることから辛うじて救っています。警備員が「ぼく」に向かって最後に言うセリフが、この作品のいわば裏ベストシーンではないでしょうか。作者がそのような視点を敢えて採り入れたことは意外でした。 | ||||
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「恋人」と題名にある割には、甘い話ではないのです。それぞれが、それぞれの思いをかかえつつかかわっていくのですが、私がいままで読んだ村上さんのお話は,圧倒的に「よかった」って思えたのですが、これはそれほどでもなかったな。「すみれ」という女の子の性質が、はじめの頃と最後ではちょっと違う風になっちゃっていて、それが成長もしくは、変わったことなのかもしれないけれどうまくなじめなかったのかも。読むのに、面白くなかったとは思わないけれど。 | ||||
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という感想を持ちました。村上春樹の本でも他の本で気に入った本はたくさんあるのですが、こればっかりは理解できませんでした。何が理解できないって内容自体が読み込めなかったのもありますが、それより何より村上春樹が読者を意識する余裕をあまり持っていない感じにまごつきました。もしもこれがデビュー作というなら納得ですが、この本を書いた時点で村上春樹は「羊をめぐる冒険」とか「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」とか他にも、確立した感のある、しかも小さくまとまっていないすごい本をいくつも書いているので、この必死に模索している感じが、とても意外だったのです。ですからこの本を読んで感じたのは、内容に関してどうこうというよりも、まだ先にいけるのか村上春樹!という嬉しいような驚きでした。村上春樹、只者じゃないな認識を新たにしました。期待と戸惑いの星三つ。 | ||||
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人間は大宇宙に浮かぶ小さな人工衛星に閉じ込められた、絶対的孤独をさまよいつづける哀しい存在だ。本書の世界観だ。 私見では、小説はテーマに共感を覚えると、そのプロットはどうでもいいという感がある。「よい」小説は人間の心を描くからだ。仮に風景が描かれていようともそれが描き出そうとしているのは心だ。風景描写が心理描写であることはよくある。 『スプートニクの恋人』に共感できる人間、それはこの世界を人間として生きる孤独を知ってしまった哀しい存在なのだろう。 | ||||
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この小説を表現する言葉の一つ一つにしっとりとした雨にぬれるような語感があります。ある種のやさしさといってもいいかもしれません。それが心地よくもあり、難解でもある小説でした。村上の小説は全般的にそうなんでしょうが理解するというよりは感じるべきだと思いますね。 | ||||
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実は、私にとって、はじめての村上春樹作品だったりします。短期間のフランス留学時に読んでいたのですが、はっきりいって、お洒落なタイトルとは程遠い、マニアックな小説のように思えました。ここにでてくる女性は、「恋人のいない男性にとっての女性像」のように思えたし、すみれがミュウの会社に入って始めた仕事も、「日本の会社に飽き飽きしている若者の、理想の仕事(すなわち、楽で、お洒落で、欧米の国と関係し、語学の勉強をしながら自分らしく働ける)」を映し出しているようでした。でも、「人は、出会って仲良くなっても、結局は分かり合えずに別れていく。」という絶望的なテーマを、宇宙を漂う衛星に例えた題名は、カッコイイと思います。名前で惹かれて、思わず手に取った方も多いのでは? | ||||
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作品自体の感想として、時間が経ってしまっている、という感がまっ先に浮かんでしまう。鮮烈な痛み、とか、刺すような感覚、とか、村上作品のかつてあったものが厚みのある何かに包まれているような気がするのだ。過ぎ去った時をワインを飲みながら懐かしく見送る感じ。ここからどこへいくのだろうか、村上作品はという気持ちで。 | ||||
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村上春樹はこれまで、「求めるもの」が最後には指の間からこぼれ落ちていくような、喪失感とか虚無感とかいった感覚を巧みに「物語化」してきた作家だと思うけれど、今作ではこれまでとは違ったラストが待っている。「ねじ巻き鳥クロニクル」のあたりから感じられる作風の変化が、本作でも一つの形となって現れているようだ。確かに作中の「分裂するミュウ」というメタファーなどは、これまでの「(「ノルウェイの森」における)僕と直子」「(「羊をめぐる冒険」における)僕と鼠」といった「光と陰(あるいは日常と非日常)」の対比という手法そのままなのだが、「作家・村上春樹クロニクル」としては、新たな局面を向かえつつあることがはっきりと感じられる作品になっていると思う。 | ||||
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人と人とは、互いにこの地球をまわるさびしい鉄の塊(人工衛星)のようなもの・・・この小説の中に流れる一貫として流れる寂寥感。愛している人でもたがいに完全に理解することの難しさ。それでも少しでも分かり合えたときの喜び。人はみなさびしい生き物だけど、さびしいからこそお互いを理解しようと努力する。この作品でそのことを教えられた気がします。 | ||||
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村上春樹作品を読み続けてきた人にとっては、少しもどかしく感じる部分が多いかもしれない。 しかし、根底に流れているものは、ひどく似通っている。 人が絶対的に孤独であること。それゆえに、人との「関係」を渇望すること。そして、関係に永遠はないこと。 文中にも出てくるように、人と人の交わりは、流れ星が一瞬すれ違うかのようなものかもしれない。 私の読後感は「ノルウェイの森」ほどの哀しみは残らなかったものの、すとんと腑に落ちたということでもなく、何かしら、そう何かしら残り、毎日それが少し顔を出す、といったものです。 ごめんなさい。わけわからなくて。 | ||||
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『スプートニクの恋人』は春樹さんの作品の中で私が一番好きな小説です。「ぼく」は「すみれ」の不在によって深く深い寂寥に包まれます。誰かの存在の大切さ…。春樹さんの小説はいつもそれを訴えているような気がしてなりません。終盤に「ぼく」の受け持つクラスの生徒「にんじん」が登場します。「にんじん」が出てくるか出てこないかでこの話は随分と違っていたと思います。「ぼく」と「にんじん」の何気ないやりとりが妙に印象的です。 | ||||
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語り手の「僕」が言った「そういうのはおそらく、選びようのないことなんです」という言葉が胸に突き刺さった。村上春樹さんの長編はこれが初めてだけど、フィクションなのに本当の話だと思えてしまう、私にとっては逸品の小説。きっと人々が日常のどこかで感じ取っている真実を見事に表現した作品だと思う。 | ||||
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一連の村上春樹の小説とエッセイ以外の仕事(訳書『心臓を撃ち抜かれて』、ノンフィクション『アンダーグラウンド』『約束された場所で』、対談『村上春樹 河合隼雄に会いに行く』)で、彼の関心が赴いている「こちらの世界とあちらの世界」に、小説という形でひとつの解答を出したのが、この作品かな、という気がする。解答といっても、結末は宙ぶらりんなのだが。 実は今回の作品は、わたしにとって特別な意味があった。すでに読んだ人から「今回は主要な登場人物が在日だ」ということをきいていたからだ。といっても、期待半分怖さ半分というところだった。怖さ、というのは、在日韓国人3世である私にとって、日本人が小説の中でとりあげたステロタイプな在日像、というのには、うんざりすることもわかったからだ。 結果だけ言うと、「なんで在日なの?」という感じだった。内容自体は、相変わらずのメタファーに満ちた村上春樹ワールドで、以前からおっかけているわたしには、そういう意味では堪能できた。 | ||||
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この小説はかなり評判が悪い。だが作品としては、ある観点から眺めれば、成功しているといえる。これはもともと全集に収められた「猫」を主軸としてかかれたもの。そういった意味では、「蛍」「「ねじまき鳥と火曜日の女たち」のそれぞれを軸にした小説へ発展した『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』と同系列である。それは村上の言葉を借りれば、「書かれたがっている」小説であり、なぜこれらがそのようになるかをじっくりと考えなければ、真の作品の意味が問われることはない。商業的に失敗かもしれないが、作品の上では如実に村上の深まりを見せている。さらに最近では明らかに商業と作品とを区別しているように感じる。世界広しといえども、「売れる文学」を書ける数少ない小説家だ。マラソン選手が常に全力で走らないように、この作品は次へのステップへと続く重要な中継地点である。後半で舞台となるギリシャの小島は、レスボス島をモチーフとしているだろう。女性の同性愛を意味するレズビアンの原義である「レスボス」(レズビアン=レスボス島の住民)である。夜の島で音楽が聞こえ始める。おそらくこのシーンが作品のクライマックスである。主人公とその不安を同調できれば、狂気にも似た神秘が体験できるだろう。大事なのはもはやストーリーそのものではなく、また、構成でもなく、この作品自体に負荷された「重み」もしくは暗闇に引き込む「引力」であるように思う。 | ||||
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発売と同時に買って読んで、その時は「なんてつまらないんだろう」、と思いました。久々に読み返してみて驚いたのは、その構成の精緻さです。これは単純に、すごいと思いました。さらっと読むと分からないのですが(そしてさらっと読めてしまう!)、タイトルから、「記号」と「象徴」の議論、猫の話まで、とにかく挿入されている小話全てが本筋と複雑に絡まりあっていて、とてもクレバーに書かれている小説です。問題は、村上春樹氏の得意とする分かったような、分からないような比喩がこの本に限って言うとかなりくどいこと(そのせいで事態の深刻さが伝わらない)、キャラクターたちがワンパターンなこと(またかよ、と思います)、話の展開がスローなこと(これは意識的にテンポを変えているのでしょ | ||||
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