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スプートニクの恋人



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【この小説が収録されている参考書籍】
スプ-トニクの恋人
スプートニクの恋人 (講談社文庫)

スプートニクの恋人の評価: 3.94/5点 レビュー 188件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.94pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全36件 1~20 1/2ページ
12>>
No.36:
(3pt)

単純明快じゃない物語だった

一度では理解しきれない部分が多くあると思う、もう一度時間をおいて読みたい
スプ-トニクの恋人Amazon書評・レビュー:スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.35:
(3pt)

最後の最後は、予定調和にも程がある。

村上春樹さんの長編小説は殆ど読んでいます。短編小説も結構読んでいます。どちらも大好きです。

でも、この作品は、すみれの失踪以降、特に主人公が日本に戻ってからは自分はついていけなかった。以下、ネタバレあり、注意。

主人公が、失踪したすみれを探しにギリシャに行ったところから、10~20ページぐらいかもしれませんが、描写がおかしくなり、表現が急に安っぽくなり、エセ文学的になりました。でも、すぐに、いつものハルキに戻りました。その時に、この作品はもしかしたら・・・と思ったのですが。

最後まで読んで、すみれの失踪で筆を止めておいた方がよかったのではないかと思う。
その後に書かれる、不倫相手との関係やその息子の万引き事件は、ただの(村上春樹にたまにある)無駄な引き伸ばしにしか感じられない。

そして、最後の最後の流れは、こういうのって、説明も無しに理解しろって言う方に無理がある。予定調和にも程がある。こういう結末にするならするで、きちんとした説明が必要だと思います。
スプ-トニクの恋人Amazon書評・レビュー:スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.34:
(3pt)

ソ連

ソ連が舞台のSF恋愛小説を期待してこれを買った中学時代の思い出
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4062096579
No.33:
(3pt)

不思議ワールド好きには。

自分は、羊をめぐる冒険、ダンスダンスダンス、ねじまき鳥クロニクル、1Q84が大好きで。村上春樹の不思議ワールド全開ながらも、超現実的で、残虐で、人間の弱さ等が描かれている作品が好きなので…。
これは、不思議ワールドが無い作品だから、
好みによると思うけど、なんだか物足りないなあ、と思ってしまいました。
ノルウェイの森系が好きな人なら、おもしろく読めると思います。好みの問題ですね。
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4062096579
No.32:
(3pt)

すれ違う想いと

主な登場人物3人がすれ違う。
さらに3人は単一ではなくふたりに分裂する。
それぞれが想うひとは目の前にいるのだろうか。
そして物語を彩る音楽と食事と風景。
すっきりはしないが、心のひだが重なりあって豊かに温かくなるような不思議な気持ちに。
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4062096579
No.31:
(3pt)

まあ、こんなものか、と。

個人的には、カフカと並び有ってもなくても良い作品。
すみれの失踪?と、再び現れるくだりが、納得が行かなかったのですが、全体的な雰囲気、読了感は良かったので、星三つ。
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4062096579
No.30:
(3pt)

私がハルキストになれない理由

主人公の「僕」は小学校教師で「すみれ」という女友達がいる。主人公はすみれに恋愛感情を持っているがすみれにそんな気は全くなく、主人公は仕方なく他の女と付き合っていて、現在の彼女は担任のクラスの生徒の母親、当然、不倫である。主人公はある日すみれから恋をしていると相談されるが、その相手「ミュウ」はすみれと同じ女性だった。
ザ・村上春樹とでもいうようなとても春樹らしい作品だと思う。よく言われる文章比喩の洒落た感じとか、年上の美しい女性との恋とか、いつの間にかファンタジーになってしまう展開とか。それに面白いし文章のリズムが良くて、グイグイ引っ張られるのではなくさりげなくエスコートされて物語に引き込まれる感じも悪くない。でも個人的に私がハルキストになれない理由も歴然としている。

以下ネタバレです。

すみれは結局ミュウに振られて行方不明になる。ミュウはすみれが自殺したのではないかと心配して主人公に相談するが、主人公はすみれは別の世界に行ったのだろうと考える。
そうなると、いやいや無理でしょう、と現実的な私は考えてしまうのだ。多分すみれは自殺したのであって死体が見つかっていないだけだろうと普通は考えるでしょ?他の世界に行ったんでしょう、なんてそんな馬鹿な。
後半には主人公と不倫の関係にあった女性との問題も出てくるのだが、かなり危険な関係であると理解しているにも関わらず、主人公のノンシャランぶりにはもうあきれるしかない。
要するに主人公は不幸な事実を否認して、結局は自分だけのファンタジー世界に閉じこもってしまうのだ。それもこっちが戸惑うほどの自然さで。
まあ誰が困るわけでもなければ、どのように現実に向かおうとそれは彼の自由なんです。だけど現実に不倫相手の子供である彼の生徒は変になってしまうわけだし。私にはちょっと…いやいやそれは無理があるでしょう、とどうしても思ってしまうのだ。
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No.29:
(3pt)

筋の展開

筋の展開に少し違和感を覚える。 すみれの行方不明の原因やその後の様子が分からない。
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No.28:
(3pt)

世にでない事=死と同じ ?

スプートニックのライカ犬が宇宙を廻り続けている光景は、世に出ないのに夢を追い続けることを、ドンキホーテ的な空回りなむなしさととらえる目線からだと感じる。

世の経済システムに乗り、プロとして夢を生業にしている者は、他人とのコミュニケーションの中に生き、地上に生きていると表現され、
生産性もないのにまだ諦めず夢を追い続けている者は、たった一人で夢想の世界で遊ぶ、足のないものの世界に行くようなものだと。

それは、小説家というある種の夢をこの世に実現し生業としている作者からすれば、それくらい厳しい仕事なのだと言っているように感じる。
作者自身もまた、スプートニックのライカ犬に自分がいつなるやもしれないという「恐れ」と「孤独」の中にいるということだろう。
まだ世に出ない文章をいくつも夢想の中に持っているはずだ。

世にでない事、世に評価されないこと、売れないことを、死の世界と同等に扱うほどの「恐れ」として抱いている。

しかし、本来、したいことをするのに世に出ないことなどどうでもいいのだ。
身体がうごくなら、世に出ないからやめる事などない。
夢にみていたものと違うものを生業にしたところで、
どうしてそこで夢を全く諦める必要があるのか。
いくらだって続ける方法はあるはずだ。
しかも、それで続けている人がそんなに悲壮感があるのか?
それでも続けているような人は、それでヨーロッパを豪遊できなくても、誰よりも生き生きしているように見える。
世に出なくても好きな事を目一杯して生きている人は、この小説の中では地球上にいない扱いになる。

だから私はミューが嫌いだし、世に出ている村上春樹がミューのような主人公を書くこともいけすかないし、プロとして生活している人がこの本が好きだと言うのもいけすかない。
ミューのようになりたくないわけだ。

ミューは音楽では世に出ないから音楽をやめた。
ミューにとって世に出る音楽しか音楽じゃないからだ。
そして同時に村上春樹自身にとっても世に出る小説しか小説じゃない。
村上春樹自身も、世に出なかったら小説を辞めていたのか…という疑問を持たせる小説。

自身の半身をミューと重ねて描いている。
そして、そこに熱烈なすみれの愛。
それは救いというか、もはや強烈な自己愛だろう。
作家はそれくらいの自己愛と自己批判が同居できるような器がないと勤まらない。
だからこそ陥ってしまう裏の世界、死の世界をすぐ近くに感じ続けている。
夢の実現は、決して安心のない孤独の世界と表裏一体なのだ。

しかしまだ世に出ない者へはあわれみにしかならない。情けは無用と言いたくなる。

と、私は読みました。
いろんな読み方がありますね。
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No.27:
(3pt)

久しぶりに読んだ

発売当初に読んで捨ててしまって、また読みたくなって再購入。
あまり好きではない部分はそのままなのですが、全体の印象は少し変わりました。
こういうのもいいのではないか、と。
あまり村上春樹が好きではなかったけど、ほかの作品も読み返してみようと思います。
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No.26:
(3pt)

交わりそうで交わらず・・・

人は孤独として生きるしかない。得たと思ったものも、いつのまにか失われ静かにいなくなったことを告げてくるだけ、という非実在論的主張。孤独であるが故に、自身の問題と向き合い、「己の真の、隠されたる力を知ることとなる。」これは孤独に対する諦観か。「ぼく」と「すみれ」と「ミュウ」の3人の、交わったと思うと離れる、孤独がテーマの物語。題名は「スプートニク」の方が合う気がしてならないが、わからない。「理解とは、誤解の総体にすぎない」のだから。
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No.25:
(3pt)

幻想的な物語

この物語のタイトルである「スプートニクの恋人」。
スプートニクは、永遠に交わることの無いぼく・すみれ・ミュウの存在を示唆しており、
なんとも切ない気持ちにさせられる。
すみれという人物の描写から幕をあけるこの物語は、とても幻想的で不思議な話しだった。
現実と幻想が交差し、村上作品に慣れていないという点では多少理解しづらい部分もあったが、
読了後には何とも言えない喪失感を感じ、夢を見ていたような気分にさせられた。

「ぼくはもう二度と、これまでの自分には戻れないだろう(中略)
夜が明けたら、今のぼくはもうここにはいない。この身体にはべつの人間が入っている。」

島を後にした主人公の言葉だが、この部分は非常に私にとって孤独を感じる部分であり共感できた。
何かを失った時、過去の自分が現在とは全く別の人間であるように感じ苦しくなる。
周りから見ればいつもとなんら変化が無く見えても、実際は抜け殻なのだ。

読了後もずっと気になっていることは、あちら側の世界は一体どこにあるのか、
すみれとぼくは本当に再会することが出来たのか?ということ。

とにかく幻想的な物語だった。

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No.24:
(3pt)

ただ繰り返される喪失の物語

まず、最初に言えば、これは恋愛小説ではない。
恋愛を通じて、途方もない喪失を描いていく小説であって、主題は喪失のほうにある。
内容を読めばわかる事だが、主題からして、ぴったり寄り添うことができないということを物語っている

物語の構造は「向こう側」と「こちら側」の二重構造で描かれ、その分離に巻き込まれるという複雑かつ不気味な物語だ。
これは村上氏が一巻して扱ってきたテーマであって例えば1Q84は月が二つある世界が向こう側で、世界の終わりとハードボイルドワンダーランドは、やみくろの住む世界(もしくは脳内の一角獣の住む世界)が向こう側、ねじまき鳥でも、ダンス・ダンス・ダンスでも、海辺のカフカでもそういう「向こう側」にいったりきたりする。
そのこと自体を良い悪いと言っても仕方ないし、その構造解説は「村上春樹を読みつくす」に詳しいのでそちらを参考してほしい。
主人公はその二つの世界の狭間で好意をよせた女性すべてをただなすすべもなく失っていく。
このなすすべもなく、というのが本作が不人気な理由なのではないかと思うのだが、本当に主人公は何もしない。
ただその場に出向いていって、泣いている人、苦しんでいる人を慰めるだけだ。
だから喪失の物語であって、恋愛にもなっていない。
その喪失は、独特の比喩と独特の文体で、上手に描かれてはいるけれど、ここまで放棄してしまってはたして文学としてどうなんだろう?とさえ思う。
すみれも、ミュウも、ガールフレンドもその後、会おうとも、探してもいない。ぴったり寄り添わない物語だから、と言うにはあまりに無責任ではないだろうか。
登場人物としても、物語としても。
ということで★3つです。
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No.23:
(3pt)

寂寥感に包まれて

この小説の根底に流れているテーマ、それはやはり“孤独”だろう。

このテーマは、「軌道をひとりきりで周回し、近くに仲間がいても決してお互いに触れ合うことは無い人工衛星」に投影されていると感じられる。
「人はひとりで生まれ、そしてひとりで死んでゆくもの」と言われることがある。
これは“人は本質的に孤独な生き物である”ことを意味している。
賑やかな街に生き、多くの人と関わりあいを持ち、幸せに生きていくことに慣れすぎると人は、人が孤独な生き物であることなど信じられず、又、
例えそれに薄く気付いていたとしても、人は皆、それを忘れてしまう。

本作は、主として僕とすみれ、そしてミュウの3人の関わり合いの中で生まれるドラマが話のスジになっている。
彼らはそれぞれお互いが、密接に関わりあっているようでいて実はその繋がりは頼りないほどに細く、薄く、そして切ない。
この作家独特の文体及び表現が、後を引く読了感に繋がっています。

万人向けの作品とは思えませんが、典型的な独特の比喩や人物描写や表現などがこの作品にも随所に散りばめられており、村上春樹を知る
上では非常に良い作品だと思います。なぜなら、この作品は(特に、初期の)作者の完成形のひとつともいうべき作品であるからです。

(補足)
この作品もそうですが、多くの村上作品の場合(違うものもある)、作品の中でおこる事件や事象、そしてそれらの繋がり自体のリアリティーは
さして重要ではなく、むしろそれらの物理的な矛盾に捕らわれたり、突飛さに疑問を抱いてしまったりすると恐らく、一番の主題・本題を見失う
結果となります。(従って、リアリティー重視で物語を楽しむ読み方をされる方には、多くの場合、不向きな作家だと言えるでしょう。)
それらの事件や事象に対して人物がそれらをどう考え、精神的に理解し受け入れようとするのか、そして人物同士がその事件・事象を通して
“精神的な意味で”どう繋がっている/繋がっていくのかこそが、作品にとって最も重要な生命線なのです。

事件や事象などリアリティー部分だけに注目して物語として読んでも“なんか変な物語だよね?”程度の疑問はありながらも一応の読了はできますが、
描かれている人物同士の精神的な結び付きや心の奥底の動きまで理解して読めるようになると(村上作品が“難解”と言われているとすれば、まさに
この部分のことでしょう。合わない方には全く理解できないはずです。)作品の根底に流れる孤独や陰鬱さを一層、強くそして深く感じるようになります。
非常な寂寥感や空虚感、そして切なさを伴うことの多い村上作品(特に初期の作品)は、私は実はかなり苦手であまり好きではありません。少なくとも
何作も続けて読むことは耐え難く憚られるのですが、各作品が訴えかけてくるものは非常に強く、それは決して心地良い物では無い乍らも何故か確かに
魅力的で、結果としてこれまで数多くの村上作品に触れてきています。  (個人的には、“どう考えても好きではないのに何故か強く魅かれる・・・”
といった矛盾を抱える唯一の作家が村上春樹なのです。)

村上春樹の作風は、どちらかといえばあまり一般に広く受け入れられるはずのものでは無く、現在のバカ売れの状況は“本来、それを受け入れられる
素地のある人達”以外の非常に多くの人達に支えられてのものであると思います。
多くは宣伝戦略の大勝利とも言えますが、やがて、本来の形に落ち着くだろうと思っています。もちろん、“受け入れられる素地”があるかどうかは、
読み手が優れているかどうかの問題では無く、単に“合うか、合わないか”の問題です。
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4062096579
No.22:
(3pt)

まあまあ。

こういうストーリーはアリだと思うが、物語序盤の指針と、実際の結末と、文庫版裏表紙煽り文句の齟齬が少々気になった。「これはすみれの物語であり、僕の物語ではない」と五章冒頭で断っておきながら、結局中盤から終りにかけてほぼ"僕"の物語になってしまった気がする。"すみれ"が"スプートニクの恋人"に対して抱いたという強い恋心も、中盤以降はこの作家の好む「お決まりのストーリー展開」および「存在の虚実・正閏に関する小理屈」に紛れ、用を為さなくなってしまったように見える。少なくとも「ラブ・ストーリー」ではない。むしろ「恋愛を道具のひとつとした存在論ストーリー」でありましょう。「ラブ・ストーリー」なら、最後まで主に恋愛という要素を通して人間を描くように思われるから。
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4062096579
No.21:
(3pt)

読み口

全編声を出して読みました。口に絡まるような会話が印象に残りました。不思議な女性ですが、現実でしたらイライラしそうですが、主人公は大きな心で受け止めているようです。海や島の描写はなんとなくイメージができたのでいい表現であると思います。雑誌に村上春樹氏の言葉が脳の裏側をくすぐるような感じがするという表現があり、久しぶりに読んだのでしたが、昔は勢い込んで読んだのですが、この頃になると少し斜め目線で読んだものの若い頃には感じなかった文章力(表現がやはりうまいのでしょう)がすごいと感じました。国語の教科書ではぜったいに×のような感じです。 海辺のカフカは読んでいないため、あまり偉そうなことは言えませんが、文章力は本当にすごいのだと思います。
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4062096579
No.20:
(3pt)

あちら側とこちら側

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。“こちら側”と“あちら側”という抽象的な世界を描いています。あらゆるものを失った先には孤独が待ち受けており、更に孤絶した世界が広がっているのでしょう…。「人はその人生のうちで一度は荒野の中に入り、健康的で、幾分は退屈でさえある孤絶を経験するべきだ。自分がまったくの己れ一人の身に依存していることを発見し、しかるのちに自らの真実の、隠されていた力を知るのだ」
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4062096579
No.19:
(3pt)

作品自体が難しい訳ではないが、トータルでは難解だ。

村上春樹にとっては少し変わった(他の作品も変わっているが)恋愛小説。
主要登場人物は3人。
村上作品は主要登場人物が3人のことが多い。
ただし、今回は多少人物の関係性が他の小説とは異なる。
そして、ストーリーの展開も他の作品とは異なっている。
人物の関係性については読んでいただくとして、ストーリーの主題がこれまでと違うことが面白い。
他の小説であれば「生と死」が大きなテーマとなっている。
この小説は「生」に重きを置かれて書かれているような気がする。
確かに途中「すみれ」に絡んで死が意識されないわけではない。
しかし、それは飽くまで仮定としての死であって、存在の消滅にはつながらない。
そして、結末に向けての展開がやや唐突な感がある。
他の作品も確かな解が示されているわけではないが、この作品についてはとにかく解も何もあったものではない。
最後の最後の展開は非常に驚く。
そこまで投げ出して私たちはあなたの何を理解すればよいのだろう。
作品自体が難しい訳ではないのに、トータルではやはり難解だ。
スプ-トニクの恋人Amazon書評・レビュー:スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.18:
(3pt)

慣れが必要か

初めて触れた村上作品。
もちろん好き嫌いはあるだろうが、独特な言い回しや展開に慣れが必要だなと感じた。
ノンフィクション作品に親しみがある身には現実離れ感が先に来てしまう。
他の作品も読んでみる必要がありそうだ。
スプ-トニクの恋人Amazon書評・レビュー:スプ-トニクの恋人より
4062096579
No.17:
(3pt)

実はシンプルに、孤独な愛の物語?

結局、焦点は「僕」と「すみれ」の関係だったと思う。
この2人は、夜中に突然電話をしあえるぐらいの仲であり、
ある意味、恋人同士のような関係と言ってもいいぐらいだった
しかしながら、そこに性的な関係はない。(「僕」の片想いだった。)
でも、「僕」は、その「すみれ」を
地球の周りを交わることなく飛ぶ人工衛星(スプートニク)のように見守る・・
そして、まるで保護者のような愛を注ぐ。
(他にガールフレンドを作りながらも。)
そして、「すみれ」が行方不明になった時、
その思いは、より自覚的になる。
その後の出来事の描写(「にんじん」への告白など)が、
「僕」の中で、「すみれ」が不在になった時の虚無感を鮮明にしている。
『すみれは彼女にしかできないやり方で、ぼくをこの世界につなぎとめていた』
最後「すみれ」から電話がかかってくる、という結末はHappy Endだったけど、
その後、2人が交わるかどうかは、また別の話だ。
また、「すみれ」が消えた理由については、最後までわからないけど、
それも、ある意味、どうでもいい。
不在だったものが、存在になった。
『血のあとはもうない』
『僕らは同じ世界の同じ月を見ている』
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4062096579

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