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日曜日には鼠を殺せ



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【この小説が収録されている参考書籍】
日曜日には鼠(ラット)を殺せ (祥伝社文庫)

日曜日には鼠を殺せの評価: 3.88/5点 レビュー 8件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.88pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全8件 1~8 1/1ページ
No.8:
(4pt)

主観的には星5だが、客観的にはまあ星4つ

中篇作品だが、作品世界に引き込まれて速攻読了。矢作と関口の期せずしての連係、佐島の『塩狩峠』的憤死、純がレフトとライトを始末するシーンなど、荒削りだが印象的な読みどころの多いカルト的色彩の好篇でした。

「男は女を利用する … 女は女の足を引っ張る」(19頁)
「死ぬまぎわに、自分でもそうと気づかずに、自分の知っているすべてのことを交感(テレパス)してくれた関口さん……そのほかのラットたち」(157頁)

なお、66頁の「内政」は、正しくは「内省」ですね。
日曜日には鼠(ラット)を殺せ (祥伝社文庫)Amazon書評・レビュー:日曜日には鼠(ラット)を殺せ (祥伝社文庫)より
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No.7:
(3pt)

可もなく不可もなく

囚人8人が生き残りをかけて、監獄から脱出するシンプルなストーリー。
ページ数が少ないので、登場人物に感情移入する前に次々と死んでしまい、物語が終わります。
ただでさえ短いのに、この世界の専門用語的な横文字が多く読みづらかった。

特に面白いとは思わなかったが、つまらないわけでもなかったので星3つ。
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No.6:
(4pt)

詳細な背景の説明などはばっさり排除、何でもありの超B級路線

近未来における独裁国家が舞台の、昭和の昔からB級アクション映画やマンガでよく見かけたような設定の中編小説。囚人たちを戦わせるのではなく、監獄から逃亡させる『バトルランナー』タイプであります。
詳細な背景の説明などはばっさり排除、シンプルなプロットのデスゲーム物ですが、超能力者は出てくるわ、ロボットは出てくるわで何でもありの超B級路線。
短いボリュームの中、8人の囚人それぞれにきっちり役割を与え、描き分けしてみせた手腕はお見事。その一方で「恐怖城」の障害自体は面白味を欠き、単調で薄味な展開には拍子抜け。
登場人物中、囚人6人は終盤の60ページ程度でばたばたと退場。全体に大長編小説の導入部といった印象は否めませんが、最後に生き残ったヒロインが旅立つ結末の爽快感がとても素晴らしいので星はややおまけ。
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No.5:
(5pt)

駆け抜ける壮絶な【ハッピーエンド】。

実力派SF作家として知られる【山田正紀】氏の知られざる傑作が本書です。
ページ数はたったの160ページ。
すぐ読めてしまう作品で、短めの長編というよりは長めの中編と言った感じの作品です。
でもこれが完成度の方は半端じゃなく高いです。
狂気の独裁者が支配する国家と、その人物が作り出した脱出不可能な迷路。
それは独裁者の悪趣味な娯楽であるだけではなく、独裁国家を維持するための壮大な心理実験の現場でもあった。
という設定で8人の男女の脱出劇が演じられるのですが、このラストは凄いです。
全てのエピソードが伏線となって、脱出不可能の迷路から遂に史上初の脱出者が現われるラストはかなり感動的です。
一種ホラー的な暗い作品の最後に訪れる壮絶なハッピーエンドは、最高に爽快な読後感をもたらしてくれます。
現実の厳しさを思い知らされるような暗い結末が多い著者の作品の中では、ある意味例外的な爽快さを持った作品です。
これは本当に知られざる傑作。
面白いですよ(笑)。
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No.4:
(4pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

認知科学のネタをもっと書き込んで欲しかった

無駄な描写で水増ししないのが山田正紀 の長所だが、
本作のたった160Pは短かすぎるよなw
山田正紀版「標的ナンバー10」というか「バトルランナー」というか
「死のロングウォーク」というか「スティール・ポール・ラン」?
逃げるのは政治犯、追うのはロボット。
ロボットの知覚装置を如何に騙して逃げるかが争点になる
認知科学SF。
認識や心の問題を哲学的にもっと書いた方が更に傑作になったよな。
アクション中心のあっと言う間に読める作品である。
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No.3:
(3pt)

物足りない

統首による恐怖政治に支配された国、逆らう者は容赦なく、生きて帰った者のいない監獄へと送られる。唯一、統首の誕生日に八人の囚人に脱出の機会が与えられる。いろいろな仕掛けが施された通称「恐怖城」から抜け出せたら特赦が下りる。が、今まで生き延びた者はいない。今年の。テロリスト、元刑事、ニュースキャスターら八人は、無事生きて恐怖城から出てこれるだろうか・・・。
おもしろい。おもしろいんですが、物足りない。枚数に制限があったのでしょうが、書き急いでいるように感じられ、恐怖城に立ち向かう八人の囚人にもそれぞれに隠された過去をもたせ個性を出そうとしてはいるのですが、それが十分に効果を現さないうちにスイスイと話が進んでいって、気がつけばおしまい。いまひとつ物語の世界に浸りきれないままだったのが残念でした。
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No.2:
(4pt)

自由か死か

特に理由もなく、独裁者の気まぐれで投獄された8人が、実験用データをとるためだけの施設で逃げまどう(施設から脱出しようとする)、という話。170ページほどの中編にしては、7人の登場人物の個性もしっかり描き分けられているし、ラストのリドルストーリー的なまとめ方も小説として味になっています。その設定だけでも充分SFチックですが、“レディ”と“フッカー”の設定や、この作品独自のテレパシーの解釈など数々のガジェットが盛り込まれ、中編なのにワン・アイデアものに終わっていません。読んでいる途中は、「これでちゃんと終わるのか?」と心配でしたが、しっかり終わっているのはさすがです。(もうちょっとじっくり読みたい気がするのはもちろんですが…)
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No.1:
(4pt)

値段の割にはよくできた作品

話の筋は古典的な「生き残りゲーム」である。それにどれだけ「人間的な」肉付けが出来るかは、作家の力量にかかっているだろう。しかも原稿用紙150枚という枠もある。結果はどうだったか。前半に死んで行った人間は上手く肉付けが出来ていた。しかし後半は出来なかった、といわざるをえない。後50枚枠が広がれば、山田正紀久しぶりのゲーム小説として佳作として残ったかもしれない。
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