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天使に見捨てられた夜



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天使に見捨てられた夜の評価: 3.94/5点 レビュー 34件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.94pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全34件 21~34 2/2ページ
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No.14:
(3pt)

再読して思ったこと

探偵村野ミロシリーズの第二弾。第一弾よりおもしろく読んだ。ミロが事件の核心に近づくにつれてひたひたと押し寄せる恐怖、何ともいえない不気味さ、謎に迫る過程に前作よりひきつけられた。
しかし、ミロの行動やストーリーに時折不自然さを感じるのは前作どおり。でも考えてみるに、女流ハードボイルドを確立し、ミロを女探偵として一本立ちさせるために敢えて無理をした(ハードボイルド的振る舞いをさせたり、状況設定を行ったり)ということもあったのかもしれない。事実、「Wikipedia」のハードボイルドの項目に本シリーズが挙がっており、その試みは成功したと言えるのだろうから、あまりケチをつけてもいられないのかも。
とは言え、ミロが仕事で手痛い失敗を犯し無様をさらしながらも逃げずに闘う、という過程を描くのに、その「失敗」=敵の男の甘言を真に受けあっさり寝てしまう・・・という設定はいかにも短絡的な印象。確かに女にとって最大の屈辱のひとつは、寝るべきでない男と寝ることと言えようが、前作同様、「なんでこの男と寝るの?」とその時点で興ざめしてしまうのだ。こういう部分こそが桐野氏的なところなのかもしれないし、解説の松浦理英子氏も評価しているが・・・
ところで、本書ではある謎の化石がキーになっており、それが何たるかを追う過程に少なくない時間が割かれ、読んでいて興味をそそられもしたが、今やその化石、ネットで検索すれば難なく出てくる。ある意味時代遅れが身上のハードボイルドも進化せざるをえない世の中になってきているのだなあ・・・本作の単行本は94年刊行。ふと翌年刊行の藤原伊織著『テロリストのパラソル』を見てみたら、もうネットで新聞記事検索を行っていた。ミロも翌年ならネットで探していたか?
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4062069520
No.13:
(3pt)

前作よりおもろい

「顔のない雨」よりも、話もミロのキャラも良くできてたのでおもろかったです。AV女優の失踪を、彼女がビデオ内で人権蹂躙されてるようなので訴えようととする人権を考える会のばあさんが、モロに相談を持ちかけて一緒に捜索する。そかし、真相にいろいろ合ったりするのでうまくいかん・・し、おまけに殺人まで絡んでるし、実際に殺されるでてんやわんや!ミロが前作に続いて男に引っかかってベッドをともにするが、なんか惹かれるタイプってのが固定化してますね。ここらは作者のばあさんの好みが反映されてるんでしょうか?みごとに探偵として失敗して土つぼにはまってる様に笑ったし、人間味があるな。こうクールでタフな私立探偵は、終始済ましててやたらかっこつけてばっかりいるので、こういうミロのキャラは良かったです。けど、やっぱおばさんっぽいから性的に魅力は感じませんえーー。扉の後ろ向いてEVに乗ってた人ってのは、僕も実際に見たことあるんでうsけど、あれ、マジで怖いです。なんかどっかの諜報員カと思いました
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No.12:
(4pt)

人間味のある推理小説

ミロシリーズは、初めて読んだのですけれど、ミロが情に流されてセックスしてしまう弱さなどもあり、普通の推理小説のよくできたクールな探偵とはまた違って、人間味が感じられ、新鮮で面白かった。
女性から見た「性」を書いているところが興味深く読めたし、物語自体も、まあまあだし、読書に熱中できた。
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No.11:
(5pt)

面白い!

ミロのダメさ加減が最高にいい味を出している。
次の展開が楽しみでスグ読んでしまった。
本当に面白いけど、小説(証明シリーズ)や事件(AVの)からのネタ元って読んでいる人はみんな知ってますよね? 別にモチーフとしているだけなんで全然いいし関係ないんですけど、AVの事件の方は、自分と解釈が違うから何か違和感が。。。
ミロの魅力はダメなところと再認識。
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No.10:
(4pt)

やっぱ過渡期か

僕自身としては、前作「顔に振るかかる雨」よりもこっちのほうが面白かったような気がする。確かに他のレビュアーの方も書かれているように、AV女優であることと物語の展開との関係性が、前半と後半ではかなり違ってしまっている。ちょっとちぐはぐな感じがする。
それでもAV女優である必要があったのは、「強制的な撮影」問題があるから。AVやフェミニズムに対する桐野氏のスタンスが、とても興味深い。これと八代との関係を含めて、文庫本あとがきで松浦英理子氏が論じているように、桐野氏が「オンナのどうしようもなさ」みたいなものに寄り添いつつも、それでも立ち上がろうとしているところが心から共感できる。なるほど、松浦氏の解説をよんで、後作「OUT」などで引っかかっていた描写の意味がよくわかったようにおもう。解説は必読。
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No.9:
(3pt)

村口ミロの成長は??

「顔に降りかかる雨」で桐野夏生の,いや女探偵「村口ミロ」のファンになってから,早く次回作が読みたい,村口ミロがどれだけ探偵として成長しているか,前回謎だった父善三の過去も明らかになるのかと期待していたけど,少し期待はずれだった。前作同様,社会の闇で生きる人間の欲望や暴力を描いており,やや目を背けたくなるような中で,隣人でありホモの「トモさん」との肉体のない心と心の交流だけが唯一心を癒してくれ,作品に色を付けている。ただ長すぎる前半部分に比べ,事件解決のラストはあまりにも急ぎすぎたという感じがする。前半部分で大きなポイントである八代との関係も後半では全く活かされていないし,八代との関係を知った父親としての善三の心理描写も全くない。AV女優の失踪という紹介だけど,ラストまで読むとあまりAVと騒ぐ必要もないのかとも思える。ただし,推理小説として一つの形を作っているし,読んでみて素直におもしろい作品であることは確かである。
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No.8:
(4pt)

桐野夏生の過渡期の作品

新宿に事務所を構える私立探偵『ミロ』の活躍を描いた2作目。文章は、すべて『私(ミロ)』としての一人称で描かれる。そのためか、ストーリーが淡白で、特に記憶に残るシーンもなく進んでいく。しかし、そうした客観的な文章が、ドライな新宿の街や人を象徴しており、ハードボイルドとして成り立っているとも言える。ストーリーは、先ほど述べたように地道な探偵作業が淡々とつづくのだが、矢継ぎ早に起こる疑問とその解決によって、読み手を飽きさせずに最後まで連れて行ってくれる。このストーリー展開の作為は、著者のこれ以降の作品にも見られる構成の巧みさを予感させるに十分だ。シリーズものなのに、わたしは間違えていきなり2作目を読んでしまった。少し後悔しているが、1作目の『顔に降りかかる雨』も是非読んでみたいと思った。
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No.7:
(4pt)

ジェットコースターのような衝撃とスリル

 これほど引き込まれた小説は久々でした。衝撃的な始まりとクライマックス。読めば読むほど引き込まれていきました。正に、ジェットコースターのよう。 私とほぼ同年代ともあり、主人公村野ミロと自分が重なる部分もあってか共感できたのもまた、引き込まれた理由の一つでしょう。能力はあるも仕事を決して愛しているわけではない、男達との間の感情に傷つきながらも安らぎを求める、そんな女性らしさ、人間味を漂わせつつも凄まじい展開で事件を一つ一つ解明していく姿に感動。 ある程度までくると、話の筋が読めてしまったのが「玉に傷」ですが、これほど心をわしづかみにされた本は本当に久しぶりです。
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No.6:
(4pt)

本当に天使に見捨てられたのは誰だったのか。

雨の化石の「雨」とは、全てのひとの涙だったのだろう。誰もが見捨てられて、誰もが涙を流している。歌舞伎町の雑多な風景、六本木のタワーの人工的な暖かさ。それらを覆うように雪が舞う。私は東京の雑草は抜く気がしない。健気過ぎて。東京で暮らし始めた頃、そう思ったことを思い出した。それでも天使は、実は、誰も見捨ててはいないと信じたい。
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No.5:
(5pt)

貝の中の砂

自分は今、ミロの女らしい雄雄しさの虜だ。ミロの持っている弱さ、脆さ、強さ、情熱。どれをとっても彼女は一級品だと思う。自分がもし男だったらこんな女と寝てみたい、そう思った。また、作者の人物表現がはっきりした所も好きである。例えば外見が綺麗か、醜いか賢いか、稚拙か裕福か、貧困かその位置づけが人物の幸福に比例していないのがいい。ストーリーは終盤の展開がやや強引気味だが、随所におかれた伏線であっという間に読めた。ただ読み終わったあとにやり切れない微妙な後味が残った。それを補うように他の作品を読んでしまうのだろうな。
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No.4:
(4pt)

佳作

女流ハードボイルド小説という印象。雨の化石、リナの過去にミステリー性をもたして、そこからおもしろく展開していくのでミステリ小説として読んでも遜色ありません。主人公をはじめ、いろいろな女性の心理描写がストーリーともよくかみあって、非常にうまく描けていると思います。
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No.3:
(4pt)

ミロシリーズ第2弾は・・・

私立探偵ミロは、今度は失踪したAV女優を追うこととなった。少し話の辻褄が合わない部分があり気になったりもしたが、全体的には面白い作品だと思った。ミロが探偵として、成長していく過程が伝わった。ぜひ第1弾の『顔に降りかかる雨』とセットで読んでほしい。
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No.2:
(3pt)

桐野夏生らしいね

失踪したAV女優の依頼、往年のアイドルの死、まったく関係なさそうにみえるものがリンクしていく。内容はそんな感じでしょうか。女流作家ありがちの、心理描写が詳しく書かれていて、女性から読めば、矢代と探偵ミロの関係などは好ましく受け止められるのでしょうね。ただ、テンポやリズム感がいまいちだと感じる。ミステリーに、爽快さや、どきどき感を求める人にはちょっとおすすめできないかも。でも、主人公の心理描写はよくかけてると思います。そっちを追っかけて読むのならありではないでしょうか。
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No.1:
(4pt)

最後まで息を詰めて

レイプビデオを撮影した後に失踪したAV女優を探す。ひとつの探偵物語。でもそれだけではない。依頼するのはフェミニスト系出版の女性経営者。依頼を受けるのは夫を亡くし、自立して仕事を始めた女性探偵。そしてもうひとり、料理研究家として華やかな活躍を続ける上流階級の女性が登場。ストーリーは探偵物語だが、その実、社会のいろいろな層、さまざまな背景を持つ女性の、それぞれの生き方が描かれている。始めは被害者であったはずの女性と、それを救おうとした側。追うものと追われるものが何時の間にか逆転し、誰が味方で誰が敵だかわからなくなり・・・。最後まで息を詰めて読み続けた。
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4062069520

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