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硝子のハンマー
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硝子のハンマーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全147件 81~100 5/8ページ
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初めて本格推理に挑戦した貴志祐介の『硝子のハンマー』。 介護会社の社長が密室の社長室で殺されるという、本格ミステリーの王道を行く作品なのだが、 [以下、ネタばれがあるので、注意してください) 開発途中の介護猿と介護ロボットが、犯行現場にあったことに意味がある。 これが実際に犯行に使われたのではないが、目くらましと同時に、貴志が本格推理に初挑戦するに際し、偉大な先達にささげたオマージュなのだろうと、ピンと来るのだ。 史上初の本格推理小説ともいわれるエドガー・アラン・ポーの古典中の古典『モルグ街の殺人』は、オランウータンが犯人だからだ。 また、介護ロボットの方は、最近映画化されたアシモフの『わたしはロボット』へのオマージュなのだろう。 | ||||
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貴志祐介は日本ホラー小説大賞でデビューした作家であるが、本書ではミステリー、しかも密室トリックに挑戦している。大賞を受賞した『黒い家』もミステリー仕立ての作品だったが、本作はそのような心理的演出抜きの本格ミステリーである。 大きく二部構成になっており、第一部では密室殺人事件発生の経緯とその捜査過程が描かれている。オフィスビル最上階の事実上密室状態だった社長室内で、白昼に社長が何者かによって殺害された。後頭部への打撃が致命傷と思われるが凶器が見当たらない。凶器は何なのか? どうやって殺したのか? 犯人はだれなのか? 動機は何なのか? それとも単なる事故なのか? 次から次へと別解が提示されては否定されていくという展開は読者をひきつけて離さない。 第二部では場面ががらりと変わり、いきなりそれまで登場してこなかった人物があらわれる。さては探偵役の榎本のフラッシュバックかと思いきや、やがてその人物の正体が明らかになってゆき、物語はクライマックスを迎える。 賛否両論あるだろう。犯人の意外性をミステリーに求める読者にとっては肩透かしかも知れない。動機もかなり説得力に欠けると思う。しかしビリヤードのデッド・コンボになぞらえたそのトリックはやはり秀逸である。ディテールも研究されているし、読んで損はない一冊だと思う。 | ||||
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安直なトリックもあれば、難解なトリックもあった。 だから面白いんだね。 | ||||
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これは本格ミステリーの傑作ですね。 完全に密室だった犯罪現場の謎をどう解き明かすか。 後半で開かされる犯人の動機と殺害方法にも納得です。 そして、これは人の暗い一面に光を当てる作品でも あると思います。 展開も早く、意外な様相を呈するストーリーに 夢中になって読みました。 本格物はこうでなくっちゃ、と思わせてくれる 作品ですね。 | ||||
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トリック解明への好奇心が読み進める上での牽引力となっており、その目論見は奏功していると思う。ただその反面、キャラクターの掘り下げが甘く、リアリティに欠ける。さらに、何も殺すことはなかったんじゃないか?という内的な疑問符があとからわきでてくる。この点についてはマイナス評価になる。 | ||||
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だがそれ以外がうまくまとまっていない印象も否めない。 | ||||
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入念なトリックを使う相手は全く恨みがない人だからな〜。 別に殺さなくても良かったような。 社長が横領したお金を貴金属でなくあれに変えてたのも??? 買うときは高価でも売るときは安くなってしまうから、いくらかさばらないからといっても財産としてはいまいちだし。 売れたらシリーズ化しようと考えてたようなキャラ設定だけど感情移入できなかったな。 殺人をテーマにしたのでは青の炎もあるけど、こっちの方がキャラを深く掘り下げているし、殺人の動機が納得できた。 貴志さんの作品は今まで何冊か読んだけど一番印象に残らない作品でした。 | ||||
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貴志祐介には珍しい本格的推理もの…なのかな??密室殺人を防犯コンサルタントがといてゆくというイレギュラーな設定はあるものの正統派。最初の事件の部分の文章と、最後の真相の部分の文章がリンクしていて、なるほど真相がわかるとまったく違った意味で読めるのはおもしろいけど、やっぱり貴志祐介を期待しただけに肩透かしかな(こういう固定観念が作者にとっては迷惑だろうけど;)。 | ||||
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セキュリティシステムで守られたオフィスビルでおきる密室殺人事件を描く。日本推理作家協会賞受賞作である。紀伊国屋でなぜか平積みされていたので購入。貴志作品は初読。 いわゆる本格推理かどうかは別にして、なかなか読みごたえがある。文庫で600ページほどあるが、宮部みゆき風の読みやすい文体もあって、一気に読めてしまえる感じ。 前半、伏線が多量にはられるのだが、実は殺人とは関係ない伏線がそれなりに混ざっていて、悩んだ読者は途中で溜息を何度もつかされるという凝った趣向である。技術的な説明部分が結構たくさんでてくることもあり、いわゆる理系ミステリの様相もある。メイントリックも、ちょっと某我孫子作品を彷彿とさせるところもあるようにも思うが、まあこれはOKでしょう。 ワトソン役の熱血女性弁護士と、正体不明のセキュリティコンサルタント(森博嗣の某シリーズ風)のコンビも楽しい。巻末対談で法月綸太郎も指摘しているが、シリーズものとして続けてほしいですね。 | ||||
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いわゆるミステリーですので、ネタバレしないようにレビューしたいと思います。密室殺人ものです。目次を見れば分かりますが、大きく二部構成になっており、前半と後半では異なった視点から事件を見ていくことになります。細かいディテールが効いていて、それが話に説得力を持たせています。よく推理小説の感想で『リアリティがない』などといったものを耳にしますが、実際の事件と推理小説を比べるのは間違っています。ナンセンスです。推理小説というのは、一つのパズルであるわけですから、ピースからどれだけ絵が浮かび上がるかといったことが重要なのです。その意味でいえば、この小説は充分絵を描けています。推理小説好きは読んで損なしだと思いますよ。 | ||||
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久しぶりに貴志祐介作品を読んだが、前に読んだのが『黒い家』『クリムゾンの迷宮』『天使の囀り』というホラーだったので、今回の本格ミステリーには驚いた。が、しかし上記の3作が一度読み始めたら止まらなかったように本作も見事にハマってしまった。とにかくディテールがすごい。よっぽど取材したんだう。特にセキュリティに関するくだりは読者の何人かは自宅のセキュリティの脆弱さに気づいて実際に鍵を取り替えたんじゃないかと思うぐらい詳しく書かれている。トリックが明らかになっていく過程も良かった。殺人という一大事を実行するにあたっての心理描写、トリックに必要な知識なども上手く表現するには今回のような構成はベストだと思う。600ページ近くと少し長いが読んで損は無い作品。 | ||||
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タイトルの意味が・・・ 『そういうことか』 と、最後に・・・ お話としては、あれこれ自分で考える余地がありますので、 そういう意味では楽しめます。 ちょっと長いですので、時間が必要ですが。 | ||||
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初めて読む貴志さんの推理小説でした。密室ミステリーということになるでしょうか。 ドイルの「緋色の研究」や「四つの署名」のような、後半に犯人主体の物語を持ってくる二部構成となっています。 どんなジャンルの創作もできそうな、貴志さんの器用さをアピールするような作品です。 事件解明する側のコンビですが、私なら径を初老くらいの年齢に設定して、純子とは親子のような関係に仕立てちゃいますね。 それと純子を、弁護士ではなく刑事に設定してほしかったです。こんな正義感のある弁護士は、実際にはいませんから。 | ||||
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密室殺人トリック(+アルセーヌ・ルパン風?探偵)小説。 監視カメラ等による密室形成と、検証・否定される奇抜なトリック(アイデア)の数々。 文章は読みやすく、探偵役もユニークな設定で面白いです。 最終、今までに見かけた事のないトリックではありますが、衝撃度としては?の印象でした。 日本推理作家協会賞受賞作、かつ「青い炎」の貴志祐介ですが、本格ミステリーとしては初作。今後に期待したいです。 | ||||
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面白くないわけではないが、好きではなかった。前半の推理しては失敗、推理しては失敗、というあたりは単純に楽しく読めたが、後半、犯人の目線になった途端、不完全燃焼感が募ってしんどかった。『青の炎』でも思ったが、この著者は倒叙形式があまり向いていないんじゃないかな… 犯人の行動原理が浅薄なのに対して、犯行の手順を執拗なほど細かく書き連ねるやり方には、どうしてもリアルを感じられない。特に恨みがあるわけでもない人間に対して、ここまで緻密なやり方での殺人をしかけるその過程が、克明な記述であればあるほど、犯人の人物造詣に違和感を感じ、作り事っぽい印象を受けてしまう。逆にそこをつきつめて、人間はそこまで利己的になりうる、という書き方であれば納得できたのだが、そういう風に読むにも中途半端だ。犯人視点でありながら、どんな意味でもまったく犯人の心に寄り添えないのでは、倒叙の意味がないような気がする。 読んでいる間はそれなりに楽しめるが、心には残らない。 | ||||
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密室殺人という極めて古典的な題材ながら、流石は「黒い家」の様なサイコホラーから「青の炎」の様な青春倒錯ミステリまで幅広く手掛ける貴志祐介、緻密に紡がれるロジカルなストーリーが一閃を放つ、見事な力作である。 この作品は、会社社長が密室になった社長室で殺害されてから弁護士と防犯コンサルタントのコンビが事件の真相を探るという前半と、意外な犯人の生い立ちから自白に至るまでの後半の二部構成となっている。あくまでハウダニットに主眼が置かれているので、犯人に関する全容は、既に中盤辺りで詳らかになる。 本格ミステリの前半に比べると、後半は犯人の悲惨な人生のドラマになっていて、本格ファンにとっては、やや迫力に欠けるかもしれない。未読の人は、そこを理解された上で読まれた方がいいだろう。 果たして、工学の基礎知識もない無学な犯人にあの様な高度なトリックが実行できるものなのか、また、動機が余りにも短絡的な上に、後半の展開がご都合主義に走り過ぎなのではないか、といった疑問も全くないわけではない。だが、やはり、エンターテイメントに枯渇した私は、そんな読者を捕らえて離さない貴志作品をジャンルを問わずに貪り読んでしまう。貴志祐介といえば寡作な事で知られるが、彼のどの作品を見ても、周到な専門知識の収集や精緻なプロットの構築など、その創作への情熱には感嘆させられる。ホラー、ミステリ、SFと貪欲に守備範囲を拡げる著者からも、そして何よりも、その驚倒すべき完成度を誇る作品からも、今暫くは目が離せそうにない。 | ||||
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物語は密室で起きた殺人事件から始まり、ヒロインである女弁護士と主人公の探偵(的なキャラクター) この二人が中心となって、様々なやり方で一つずつ事件の推理を行っていきます。 構成は前後半で問題編・解答編の2パートに分かれています。この作家さんには初となる推理小説。 以降は個人的な感想です。 トリックは作中で様々な方法を2人が模索し、つぶしていくにもかかわらず、 なるほど!と思えるものでしたし、やはり文章が読みやすく非常に引き込まれました。 この作家さんの作品に今までにいななかったタイプの主人公とヒロインで、 新しい世界観をみることができたのもよかったです。 他の作品に共通した魅力であるダークな感じがなくなっていましたが、 別に角川ホラーで出しているわけではないので問題ないと思います。 なによりこれはこれでおもしろかったので良し! あと、この本に関しては有用性に関わらず犯人を示唆するレビューがチラホラあるように感じたので 未読の方(特に初となる推理要素を楽しみにしている方)は回避を推奨です。 | ||||
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発売前の年末に出た「このミス」のコメントで 「犯人を変更したので発売が予定より遅れる」云々と あったので、推理小説で途中から犯人を変えること なんてできるのか?とびっくりしたのを覚えています。 で、読んでみると、ナルホドそういうことかという感じです。 こういうやり方もできるし、それとは別にこういうやり方もできるけど、 今回は、コイツを犯人ということにしよう、と。 要は、犯人(およびトリック)なんて、作者の匙加減しだいなのだなぁ と思いました。 謎を解くためのヒントが提示されているわけでもないので、 「フーン、だから何?」という印象。 推理小説の舞台裏なんてこの程度なのか、と思ってしまいました。 大好きなRPGが、単なる経験値稼ぎの単純作業だと気付いてしまった のに近い印象。 犯人のバックグランドを描いた後半部は、この作者らしいので 救われていますけどね。 | ||||
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いやぁ〜、おっかなびっくりなトリックですよね。密室の殺人の謎を解く為、仮説を立てては 検証するの連続で、ハラハラドキドキ感たっぷりで楽しめます。ディテールもしっかりしてい て、有り余る専門知識は知的好奇心を満たす上でも最高ですね。お腹いっぱいですよ。 撲殺した凶器は一体何なのか?だから硝子(透明)のハンマーかと思ってたら、あれ・・・? そうやっちゃったか!?おいおいって感じで驚きました。 ただ残念なのが後半だよなぁ〜。最後ちょっと薄っぺらいんじゃないかと・・・。 いちよ内容の半分を犯人主体の描写で進めてるので、あれでいいのかと訊ねたくなるよね。 と、いうよりラスト2頁は鼻つまみものだろ。あれはユーモアのつもりかも知れんがギャグに しかみえないです。うん。悦に浸ってるのは貴志さんだけで、大部分の読者はおいてかれたん じゃないかと・・・・・・。 でもまぁ、なかなか満足感ありますよ! | ||||
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いわゆる密室殺人物のミステリ小説。この後、探偵(泥棒)役の何でも屋と女刑事が、謎解きをする作品がシリーズ化されている.このシチュエーションは、森博嗣のVシリーズとよく似ている.貴志作品は本格ミステリ狙いだが、所詮、密室殺人など作り物でしかおこりえない物語りだし、殺人の動機を示すため、あとから犯人のバックグラウンドを説明する下りも、今ひとつぱっとしない.特に、この殺人のトリックだが、アリバイを作るためとはいえターゲットを確実に殺すことができるかもわからない、硝子に証拠が残るかもしれない方法で、わざわざこんな面倒なことをするだろうか?あくまでトリックありきのこの作品は、貴志祐介もネタ切れかとがっかりさせられたものだ。この作品が推理小説の賞をもらう時点で、ミステリ小説という分野のレベル低さがわかるというものだろう.残念ながら、わざわざ購入してまで読む価値はない作品。 | ||||
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