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猫は知っていた 仁木兄妹の事件簿
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【この小説が収録されている参考書籍】
猫は知っていた 仁木兄妹の事件簿の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
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事件が起きてからの足の速さと展開は、さすが受賞作。ただ、当初の乱歩賞は未だ今日ほど賞自体の評価が固まっておらず、乱歩の道楽としての意味合いが強い。したがって今日の受賞作をイメージして読むと騙された気分にしかならない。 女流作家を増やしたい時勢と、著者の特殊な経歴がプラスに働いているのは残念ながら見逃しようがないので今日の読者は諦めて割り引くべし。そこは出版元も心得て価格で割り引いているので痛み分けだ。本編の不合理は映像化すれば脚色で変更されそうなところばかりなので、ある意味無害だ。しかし、脚色で消去できそうな不具合を放置するのが本当に適切なのかどうかを悩むのは、古い作品の限界だ。 病室に下宿人や猫を入れるな。医者が住居兼病院を経営するなら、離れは病室の方だろう。シキミを判別できる毒草マニアがトリカブトを知らないと思えない。そもそも地の文が長すぎる。でも、乱歩師匠が賞を出したのだから一介の読者ふぜいがケチ付けたら罰が当たるよね。 この辺を割り切って読み始めれば、多分ご満足戴けます。 | ||||
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現代の推理小説の先駆的作品でしょう。松本清張の『点と線』から、清張以前清張以後という区分が言われますが、猫は知っていたは点と線の1年前に上梓されています。時代の雰囲気が出ていて、ユーモアがあり読みやすく、今でもこれだけのものはなさそうです。 が、不満はあって、被害者だとかその身内のことをもっと掘り下げて欲しかったですし、犯行動機が弱く感じられます。ただし、寝たきりで学校教育を全く受けずにいた方と踏まえれば仰天するようなできばえですし、著者の願望だったり夢を描いたある種ファンタジーと読めもして。あくまでも娯楽としての推理読み物という位置づけなのだろうと推察されます。脊椎カリエスで寝たきりで兄から学ぶもその兄は出征して戦死。著者は空想上ではすこし小肥りの壮健な肉体をもった女の子で、理屈っぽいが優しい兄とともに推理ものを楽しまれたのでしょう。読みやすく、おもしろい娯楽作品です。 | ||||
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戦後間もない当時の生活や当時の人の感覚などが伺い知れ、そういったところも含めて楽しめました。とても良かったです。 | ||||
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恥ずかしながら仁木悦子の作品は、初めて読みました。 この作品後に作成された、素人探偵とワトソン役の女性とのコンビによる小説、テレビドラマの膨大な数に思い至ると、その影響力の大きさを感じました。その意味で先駆的な作品であり、名作であるのだと思います。 推理小説としてのプロットやトリックは、擦れた読者の目から見ると物足りないのかもしれませんし、犯人の意外性も薄く、登場上人物や出来事も積み込み過ぎ・消化不足の感があるのですが、当時の「新時代の推理小説」としての魅力を今なお感じることのできる記念碑的な作品だと思います。 | ||||
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『猫は知っていた(昭和32年)』は、童話作家だった大井三重子さんが初めて手掛けた推理小説です。この作品以後、ペンネームを小説の主人公(仁木悦子)と同名にしています。 この当時、推理小説は一部の愛好家だけが読むもの(世間から推理小説は不健全な読み物と思われていた)という風潮でしたが、仁木悦子さんと松本清張氏の作品のおかげで推理小説が一般の人に受け入れられた、と言われています。 第3回江戸川乱歩賞の選考時、委員の一人から、作者は、変名を使った男性か、病院の描写から女医さんか看護婦さんだろうと思われていました。しかし、選考後に分かった作者のプロフィールは4歳からずっと寝たきりの20代の女性だったのです(後に手術を受け、車イスでの生活ができるようになりました)。 作品はシリーズ化され、仁木兄妹シリーズとして十数編が作られます。『猫は知っていた』は20代で執筆した第1作ですから古めかしくて少しやぼったい感じがしますが、回を追うたびに洗練された読み物になっていきます。シリーズを通して読むと、(殺される登場人物には申し訳ありませんが)昭和の日常や人物が生き生きと感じられて、昭和世代の人にはたまらないノスタルジックな魅力があるはずです。怪奇や猟奇とはかけ離れた作風は読みやすく、推理小説ファンでなくても取っつきやすいのが魅力です。 なお、『猫は知っていた』は国産ミステリとしては初めてのベストセラー作品でした。松本清張氏の『点と線』よりも先んじての出来事です。 また、1958年に映画化されています。叶うならぜひ見てみたいものです。 最後に、童話『水曜日のクルト(大井三重子)』は大人が読んでも心に染み入る作品6編が収録されています。お手にすることがあれば、ぜひご一読ください。 | ||||
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江戸川乱歩賞は、第1回と第2回が推理小説界の顕彰的なものだったので、公募となってからは第3回が初めてです。 その実質上「第1回・江戸川乱歩賞受賞作品」が、仁木悦子氏の「猫は知っていた」 ……作者と同姓同名のヒロイン・悦子が、兄の雄太郎と共に、下宿先の病院で発生する奇怪な連続殺人事件に挑むライト・ミステリー。 後の赤川次郎作品にも通じるテイストの物語ですが、あえて「秘密の抜け穴」を舞台にするというミステリー・タブーを打ち破ったニヤリとさせられるストーリー展開や、あっと驚く機械トリック(ちょっと可能性に頼り過ぎかな?)も楽しめます。 余談ながら、作者の仁木悦子さんは身体が不自由だった為、ご自分の人生では決して実現出来なかった「飛び跳ねて・走り回る」という健常者からすれば「当たり前の幸せ」を、作中のヒロイン・悦子に投影していたのかな……と考えながら読むと、奥深いものがあります。 「濡れた心」は、同年に引きこもり男性の鬱状態の心理を描いた「落ちる」で直木賞も受賞した(Wの快挙!)多岐川恭氏による青春ミステリー。 福岡県北九州市の女子高校を舞台に、美しくも儚い少女たちの愛と嫉妬が、悲しい殺人事件を生みます。登場人物全員が日記を書いている(そんな馬鹿な)という無理や、トリックがアンフェア過ぎるなどの問題点もありますが、いち文学作品としてはかなりの名作。 その為か、審査委員達が受賞作を出すことに難色を示したとか(苦笑) | ||||
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作者と同じ名前な上に、主人公の兄の名前が偶然にも息子の名前。 何だか、運命的な物を感じる作品です。「猫は知っていた」の方です。 | ||||
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兄妹で殺人事件の謎を推理していくお話。作者は自分の世界を弁えていて、背伸びしない見事な作風に仕上げていることに、私は惹かれました。また、暗くなりがちなことを、明るく描いて行ける才能も感じました。一人でも多くの人に読んで頂きたいです。先入観を持たないで読んでください、良い作品なのが解りますから。 | ||||
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■猫は知っていた 仁木雄太郎・悦子兄妹の下宿先 箱崎医院で、当主 兼彦の義母の扼殺死体が発見される。犯人と目された入院患者 平坂は、病人から忽然と行方くらましたまま。雄太郎と悦子は、持ち前の推理と行動力で、真相を究明しようとするが、第2の殺人事件が発生し ・・・ 個人的に好みの昭和の良き本格探偵小説。殺人事件を扱っているものの、悲惨さを感じさせないので、乱歩が、日本のクリスティと評したのも頷ける。トリックの道具立てはさすがに古いんだけれど、探偵(たち)が、思考錯誤しながら、論理的に犯人を追いつめていく様が面白い。伏線も気がきいていると思う。が、さすがにデビュー作だけあって、ミスリードの仕方がいまいち。登場人物とそのサイドストーリーが過剰にしか見えなかったりして。そのへんの粗さを含めて、十分に楽しめた。 ■濡れた心 女子高生 御厨典子に魅せられた、南方寿利は、愛を告白し相思相愛の仲となるのだが、典子は英語教師 野末兆介の執拗な誘惑に抗うことができない。 母賎子、寿利、典子に想いを寄せる盾陸一、典子の親友小村トシが、彼女を護ろうと奔走するなか、野末の射殺死体が発見される。 ・・・ 乱歩賞選者のコメントにあるように、推理小説としてはいまいち。が、典子を中心に、男女問わず愛の虜になっていく様が、日記という形態をとって、実に巧みに描かれている。当時としては、女性の同性愛を男性作家が題材として扱っている点が、画期的だったのだろうとは思う。純愛と情欲のはざまでゆれる典子の心情が印象的。結果、典子に想いをよせる男女が、破滅的な行動にでるようになるんだが、ドロドロした、嫌な感じはしない。 文学よりの作品としてみた方がよいだろうなぁ。 | ||||
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記念すべき、(小説の)乱歩賞受賞第一作。今や社会派が趨勢の同賞だが、まだ、「推理小説」が「探偵小説」と呼ばれていた時代においては、このような生粋の本格が推挽されたのは、自然な帰結といえる。 この手のミステリにありがちな、キャラの立った登場人物達が存在感を放つ。仁木兄妹や幸子、野田などのコミカルさが浮き立っているのはほほえましい限りだ。 方や、内容はどうかというと、遺憾だが、こちらは首肯できなかった。時代背景を考慮した上で読んだのは当たり前のことだが、それでも私には許容しかねた。舞台が箱崎医院内のみというスケールの問題で、エキサイトに欠けた点が一つ。これにはまだ目がつぶれる。が、どうしても納得いかない点がもう一つある。トリックである。 防空壕のトリックといい、平坂の死体のトリックといい、いくらこういうジャンルでも、ご都合主義の域を超えているとしか思えなかった。そこは大目にみるのがエチケットなのだろうけど、それにしても、フィクションといえども、物事には限界があるというものだ。 この小説のあるべき形は、短編だったのではないだろうか。悪い話ではないのだ。核心に、タイトルどおりに猫が関わっていたのには、ある意味感心もした。わざわざ長編にしなければ、なかなかの佳作になったと思えてならないのだが。 | ||||
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公募制になってからの初めての乱歩賞受賞作なのだが凡庸の一言に尽きる作品。恐らく作者の身の上を考慮しての選考なのだろうが、そうした同情で選考しては拙いだろう。 文章は稚拙、トリックと言える程のアイデアは無い。探偵役を務める兄妹がやたらに明るいだけの単なる青春家庭小説である。病身の作者がこうした明るい前向きな小説を書いた事が評価されたのだろうが、到底首骨できない。作者に恨みがある訳ではないが、ミステリを書くなら身上などに関係なく、読者を唸らせるアイデアの作品で勝負して欲しかった。 | ||||
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公募制になってからの初めての乱歩賞受賞作なのだが凡庸の一言に尽きる作品。恐らく作者の身の上を考慮しての選考なのだろうが、そうした同情で選考しては拙いだろう。 文章は稚拙、トリックと言える程のアイデアは無い。探偵役を務める兄妹がやたらに明るいだけの単なる青春家庭小説である。病身の作者がこうした明るい前向きな小説を書いた事が評価されたのだろうが、到底首骨できない。作者に恨みがある訳ではないが、ミステリを書くなら身上などに関係なく、読者を唸らせるアイデアの作品で勝負して欲しかった。 | ||||
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淡々としていて外国の洒落た探偵小説のよう。同じトリックと設定でもそれが「国内ミステリーの女王たち」だと色合いがかなりちがいます。寧ろ男性作家のほうがおもしろいことになりそうです。兄弟探偵ものとしてシリーズにもなりました。愛猫家としても有名な作家さんです。 | ||||
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淡々としていて外国の洒落た探偵小説のよう。同じトリックと設定でもそれが「国内ミステリーの女王たち」だと色合いがかなりちがいます。寧ろ男性作家のほうがおもしろいことになりそうです。兄弟探偵ものとしてシリーズにもなりました。愛猫家としても有名な作家さんです。 | ||||
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【猫は知っていた】 乱歩賞が長編推理小説の公募になってから最初の受賞作です。 作者の仁木悦子さんは幼時から病気のため学校に行かず、兄の 雄太郎氏による家庭教育を受けて育ちました。 この作品は、作者と同姓同名の、仁木雄太郎・悦子兄妹が探偵役 として登場します。病身の作者を全く感じさせず、物語の中で実に 生き生きとした活躍を見せます。 扱っているのは殺人事件ですが、戦前の、おどろおどろした探偵 小説とは一線を隔する、爽やかな作品です。 【濡れた心】 女子高生の同性愛をテーマとした異色作です。 異色なのはテーマだけにとどまらない。 全編を通して、登場人物たちの日記と、刑事の手記だけで物語を進める という構成。登場人物が全員日記を書いてるなんて、昔の人はそんなに 日記が好きだったのかと思ってしまった。 凝った構成だが、会話の羅列が続くなど、日記としてはいささか不自然。 銃の扱いにも疑問を感じた。 初めて銃を撃った人が、離れた場所から一発で被害者に命中させる なんて事は、まず不可能です。 刑事の銃や弾丸の管理も杜撰すぎます。 寄り添って立っている二人の人物に発砲し、片方を射殺するなんて 事もしません。普通は誤射を恐れて発砲をためらいます。 この作品は、あえて推理小説にする必要も無かったのではないかとも 思います。女子高生の同性愛というだけでも、それなりに読める物語に なったのではないでしょうか。 ただ、こんな話を、いい年したおっさんがどんな顔をして書いたのかと 想像してしまうと可笑しいですね。 | ||||
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乱歩賞が長編推理小説の公募になってから最初の受賞作です。 作者の仁木悦子さんは幼時から病気のため学校に行かず、兄の 雄太郎氏による家庭教育を受けて育ちました。 この作品は、作者と同姓同名の、仁木雄太郎・悦子兄妹が探偵役 として登場します。病身の作者を全く感じさせず、物語の中で実に 生き生きとした活躍を見せます。 扱っているのは殺人事件ですが、戦前の、おどろおどろした探偵 小説とは一線を隔する、爽やかな作品です。 | ||||
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乱歩賞が長編推理小説の公募になってから最初の受賞作です。 作者の仁木悦子さんは幼時から病気のため学校に行かず、兄の 雄太郎氏による家庭教育を受けて育ちました。 この作品は、作者と同姓同名の、仁木雄太郎・悦子兄妹が探偵役 として登場します。病身の作者を全く感じさせず、物語の中で実に 生き生きとした活躍を見せます。 扱っているのは殺人事件ですが、戦前の、おどろおどろした探偵 小説とは一線を隔する、爽やかな作品です。 | ||||
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