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夜歩く
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夜歩くの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全43件 1~20 1/3ページ
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前半はダラダラと世間話が続き、飽きてしまう。後半に入り、次々と事件が起こり、クライマックスに向かい状況が二転三転し、ラスト近くになっての大どんでん返し。したがって、つまらない前半に比べ後半は面白く読めた。 | ||||
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<少しだけネタバレあり> 『本陣殺人事件』を中篇カウントすれば、『獄門島』に続く金田一耕助シリーズ第二長篇。本作の連載が始まった時点では、『獄門島』はまだ連載中であった。 事件の前半は東京、後半は岡山の山村ということで、演出次第では早くも等々力警部と磯川警部の共演が実現できた構成である。 しかし磯川警部は登場するもののほとんど台詞らしい台詞もなく、等々力警部は登場しない。 等々力警部は戦中の作品から三津木俊助らと共演していたのだが、金田一耕助と初めて交わるのは、(執筆のうえでは)ちょうどこれまた他誌で連載中の「黒蘭姫」であり、本作の東京パートで事件を担当するのは、等々力警部ではなく沢田警視である。あれっ警視か。登場しないだけで、彼の下に等々力警部はいたのかなw ちなみに、東京パートに金田一耕助は登場しない。 岡山で思い出したが、古神の屋敷があるのは鬼首村という。 んっ、『悪魔の手毬唄』の舞台では? と思ったそこのあなたw あちらはおにこべ村で、本作はおにこうべ村という話もあるが、まぁどちらも訛っておにこべ村だろうw ただし、『悪魔の手毬唄』の鬼首村は岡山と兵庫の県境、本作の村は岡山と鳥取の県境だというから、別の村としておくのがよいだろう。 岡山には古代史の四道将軍関連で桃太郎の鬼退治とも関連付けられるように、古来「鬼」の名を持つ地名が多かったとも記されていることだし、鬼首村が複数あっても、それほどおかしくない。本当にあの界隈に鬼の名を持つ土地が多いのかは知らんがw いずれにせよ、先に挙げた先行の二作品や本作に続く第三長篇の『八つ墓村』に較べて人気や知名度は劣るが、戦後すぐに「探偵小説の鬼」になった著者が、同じく顔のない死体を扱って十分傑作だった『黒猫亭事件』でも物足りなく思って、次に臨んだという作品である。後年通俗側に舵を切った諸作品よりも、著者が謎やトリックに真っ向から取り組んだ「鬼」の作品として、もっと評価が高くてもよい。 謎やトリックの点では『八つ墓村』より上、物語としての豊かさでは「本陣殺人事件」よりも上だと思う。 このタイミングで本書を再読したのは、著者が本書のトリックを執筆の数年前から持っていたところが、新人の高木彬光のデビュー作『刺青殺人事件』で先に使われてしまい、プロットを修正せざるをえなくなり、その結果デッサンが少し狂ってしまい云々という意の文章を読んだからである。 で、『刺青殺人事件』と続けて再読したわけだが、首のない死体テーマにおける被害者と加害者の入れ代わりのパターンに挑戦したのは共通でも、類似感は特に感じなかった。代わりに顕著に感じたのは、坂口安吾の『不連続殺人事件』の影響だ。 登場人物の誰もかれも道徳意識がズレているというのは、明らかに同書を意識していた筈。 それらに加えて、ひとつ屋敷の下に複数の佝僂、複数の夢遊病者というてんこ盛り演出は、他の横溝作品の傑作と並べても遜色ないのではあるまいか。 むしろ探偵小説を読みなれた読者には、おまえが犯人やろとツッコまれやすい構成が別にあるほうが問題かもww しかも他誌ながら、本作にバトンタッチするように連載されていた「殺人鬼」にも同じ趣向があったし……。 わたしが鈍いのか、デッサンの狂いは感じることができなかったが、最終章は蛇足だったかもしれない。 彼らの悪縁を際立たせるのは悪くないだが、たとえ幼少期から植え付けられた毒々しい恨みは大学生活までに薄まっていたとしても、「愛する女の面倒をそっち方面で問題の多い男に託すか問題」がより大きくなるのではないか。 うーん、東京で首を発見した場面の解説あたりが、デッサンの狂いなのかな……? 関係ないが、章の題に「古神家の一族」があって笑った。 『犬神家の一族』より二年前の作品であるw 【注1】探偵小説のトリックの案出に憑りつかれていたこの時期、著者は探偵小説の鬼だったとしばしば自称しているが、これは江戸川乱歩の戦中の評論・感想集『鬼の言葉』の影響かもしれない。 | ||||
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背むしと夢遊病の家系、首無し死体、異母兄弟相姦の欲情、名刀正村、如何にも 横溝正史のワールドである。犯人も意外な人物で、入れ替わりの面白さを楽しめた が、この物語の時代に、指紋捜査はあったはずなのに、、、、と思ってしまう。 今年のすすきの首なし事件とイメージが重なってしまった。 話題になる作品ではないが、十分楽しめた。 | ||||
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「夜歩く」は横溝正史の長編推理小説。昭和23年2月から11月まで雑誌「男女」に連載され、諸事情による5ヶ月の中断を経て、昭和24年12月まで「大衆小説界」誌に掲載された作品。「本陣殺人事件」「獄門島」に続く名探偵・金田一耕助シリーズ第3作にあたり、これらの作品は「八つ墓村」や「悪魔の手毬唄」などと合わせて岡山編と呼ばれる。 三流探偵小説家である屋代寅太は、大学で知り合った仙石直記から相談を持ちかけられた。キャバレーで画家・蜂屋小市を撃ったのは、腹違いの妹である古神八千代だと言うのである。狙撃の理由は八千代に届いた奇妙な手紙と佝僂の写真にあった。そこには「汝夜歩くなかれ」と、八千代の秘密である夢遊病のことが書かれていたのだ。 東京・小金井の屋敷で同居している古神家と仙石家のツールは岡山県鬼首村にあった。古神家は仙石家にとって主君にあたる関係だったが、当主だった古神織部が亡くなった今では、未亡人のお柳さまと直記の父である仙石鉄之進が両家の主導権を握っている。また、お柳さまと鉄之進は主従を越えた関係にあり、八千代は鉄之進のタネだと疑われていた。 発砲事件が縁で蜂屋と特別な関係になった八千代は、彼を古神家の屋敷に住まわせる。これに苛立っていたのが八千代の異母兄にあたる古神守衛。二人とも佝僂であり、体型が良く似ていた。不穏な空気に包まれた屋敷で、ある夜誰とも知れぬ佝僂の首なし死体が発見される。その血まみれの現場には、夢遊病で歩き回った八千代の痕跡が残されていた。 警察では守衛を犯人と見て行方を追っていたが、しばらくして守衛の首が見つかる。蜂屋の方も行方不明で事件が膠着したまま、古神家の関係者は避暑のため岡山の鬼首村へ移動した。直記に頼まれ寅太も鬼首村に出向くが、その車中で金田一耕助という風采の上がらぬ男と出会う。こうして役者が揃ったところで、再び惨劇の幕が開くのだった……。 結末の意外性に秀でた作品であり、横溝正史の最高傑作と評価する向きもある。私もこの犯人は最後まで想定できなかった。金田一の登場場面が少なく、他の代表長編に比べると派手さに欠けるからか映像化もあまりされていないが、伏線の張り方が非常に巧妙で、叙述トリックが好きな人にはたまらない一冊だと思う。 <登場人物> 屋代寅太 … 売れない哀れな三流探偵小説家。本作の語り部。 古神織部 … 古神家の先代。典型的な生活無能力者。故人。 古神お柳 … 織部の後妻。現在古神家を統率している。 古神守衛 … 織部の先妻の息子。佝僂。八千代に好意を寄せる。 古神八千代 … お柳の娘。夜歩く夢遊病をもつ破天荒な美女。 古神四方太 … 織部の異母弟。守衛の叔父。 仙石鉄之進 … 古神家の家老筋。お柳とは主従を越えた関係。 仙石直記 … 鉄之進の息子。寅太の大学時代の友人でパトロン。 蜂屋小市 … 美男子だが佝僂の新進画家。八千代と婚約した。 源造 … 古神家の使用人。 お藤 … 古神家の女中。 お喜多 … 作州の奥に住んでいる守衛の乳母。 妙照 … 足長村海勝院の尼。ときどき直記を訪ねてくる。 沢田警視 … 警視庁の担当警視。おだやかな人物。 磯川警部 … 岡山県警の警部。金田一耕助の相棒。 金田一耕助 … 雀の巣の頭にくたびれた着物袴。ご存知名探偵。 | ||||
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「犬神家の一族」「獄門島」「 悪魔の手毬唄」「 本陣殺人事件」「 悪魔が来りて笛を吹く」など横溝作品は有名なのがたくさんあるが、なぜか本作品はあまり目立たない。 しかし、私の中ではこの「夜歩く」が一番面白かった。中盤からのめり込むことを保証します。 カーも同じ題名の作品がありますのでamazonで買うときは間違わないでね。 それと、最近の有名な推理作家の初期の作品によく似たトリックを使ったものがあるけど影響を受けたのかな。 | ||||
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一人称であることから、叙述トリックを疑うもだんだん雲行きがおかしくなり、最後のどんでん返し 息をのみました 古い作品なので、障害者や女性に対する扱いに現在の価値観では有り得ない部分が有ります。そこを流せない人は読まない方が良いかもしれません | ||||
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題名は聞いたことはあるけど、未だ読んだことがなく、割引になっていたので読みました。よく出来た構造で、最後まで真相は分かりませんでした。推理ものの7割は詳細は別として、犯人の目星はつくのですが、最後まで分かりませんでした。 金田一シリーズも惨劇が終わって、名推理が始まるのだけど、この作品はそういう視点でよく出来ていると思いました。 | ||||
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横溝の作品には、あの当時の独特の雰囲気があり、やっぱり良いですね。殺人の背景になった事情とかも、今なら時代遅れなんでしょうけど。 | ||||
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発表当時はこれでもよかったのかもしれないけど、今読んでみると、これはだめだよね。『蝶々殺人事件』に通じるものがあるけど、途中までの面白さが、最後はもったいない感じだ。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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獄門島や八つ墓村などに比べて知名度は低いようですが、なんのそれにも負けないほど面白かったです。 僕は最後まで犯人が分かりませんでした。まんまと著者の罠にはまりました…。 ただ、もっと先の方に完全にネタバレをしている心無いレビューがあります。幸い私はレビューを全く見ることなく本書を読んだので良かったですが、これからの方は注意してください。 | ||||
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角川文庫版の金田一耕助シリーズ第7弾.『八つ墓村』の面白さに取り憑かれてからシリーズ完読を目指して手にした. 本作品の犯人は半分も読まないうちに目星がつく.が,その巧妙に仕組まれた殺人のための準備には舌を巻く.もはや舞台演劇のような用意周到さである.殺人手段の不気味さも劇場的な効果に一役買っている. 楽しめる一冊だった. | ||||
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有名な作品に隠れる形で相対的には目立たない本作品ですが、ミステリー小説としても金田一ものとしても醍醐味を十分に味わえる名作だと思います。探偵の出番は後半だけですが、彼が出てくると本当にホッとします。本作を読みながらの私のビジュアルイメージは古谷一行さんで決まり。 なお、私はKindle版で読んだのですが、Kindleで読む場合はポピュラーハイライトを消しておかれることを強くおすすめします。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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八ツ墓村や犬神家などの名作に比べると、文章そのもののクオリティが一段落ちる印象です。おそらく、『ヘボ作家の書いた物語』ということで意図的なものだとは思いますが。…これが私にはダメでした。 どうにも没入できず、冷めたまま読むので半分くらいで犯人が分かってしまい、あとは動機が語られるところまで消化試合。再読はないなぁ。 | ||||
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高校生の頃ひと通り読んだ横溝正史、あれ、これ読んでないな。と思って図書館で検索しても出てこない。アマゾンで買って読んで納得。流石に今はこれ貸出し出来ないかも。 高校生の頃味わった懐かしい昭和のドロドロ感と、時代の暗部みたいなものが、文体のせいか他の作品に比べてサラリと書かれています。トリックは破綻なく、動機は後出しだけど納得出来るし、設定変えずに映像化はもう無理だろうけど、ドラマで観てみたいと思わせる作品。 私みたいに横溝作品を図書館で借りて済ませた人たちは読み逸れている人も多いと思うので、ぜひ買って下さい。 | ||||
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金田一耕助不在の前半が長く少しダレ気味。やはり金田一の魅力が横溝作品を支えている事を痛感した。が、金田一が登場するといつになく快刀乱麻の名推理を発揮して、あっと言う間に難事件を解決してしまう。何と真犯人がハッキリと彼に敗北宣言をした上に、金田一の好人物ぶりを評価して自分の大切な人を彼に託すのは驚きの展開。 読み終わると金田一不在の前半が叙述トリックを仕組むための巧妙な構成であった事がわかるのだが、本格推理としてはアンフェアとも思える情報の伝え方。が、この時代にこんな大技を日本のミステリに取り入れた手腕は評価したい。読者を欺こうとしている手口に気付いても腹は立たず、むしろ爽やかな読後感する感じさせるのは金田一の人柄故か。 いがみ合う旧家同士の複雑な人間関係、夜行症、身体障害、精神障害、男性不能、媚薬、そして首なし連続殺人と横溝作品らしい要素が詰まっているが不思議とスラスラ読めて、逆に肩透かしの印象も受けた。叙述トリックに欺される後半の怒濤の展開に比べて、やはり前半の弱さが残念。金田一は偉大だ。 | ||||
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この本は当時夜読み始め、終わるまでやめられなかった記憶があります。トリックミステリーとホラーの融合。今、読むということは昭和の世界を味わうことです。スマホ、ネットがはびこる今の時代では絶対この話が謎になることはありませんが、昭和の味を楽しめるかが金田一を好きになれるかのポイントといっても いいのでは。回顧主義をいうつもりはありませんが、これはこれでいいのです。 | ||||
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最高に面白い‼︎金田一がカッコイイ‼︎また物語の中に探偵小説家が出てくるがそれもいい‼︎ | ||||
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もともと、横溝正史の本は好きなのですが、多くは「先に映画を観て」 しまったものが多く、その意味では致命的に「存分に楽しめず」に読み 終えてしまった作品が数多くあります。 しかし、この本は映画もドラマも観たことがなく、最後まで「犯人は誰 か?」という推理小説の醍醐味を味わうことができました。 時代を感じさせる「言葉」や「表現」も書かれた時代を考えれば、かえ って味わい深く読み終えることができました。 猟奇的で、因縁めいて、横溝正史らしい見事な小説です。 | ||||
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