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御手洗潔対シャーロック・ホームズ
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御手洗潔対シャーロック・ホームズの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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島田荘司さんが生み出した名探偵・御手洗潔と誰もが知るシャーロック・ホームズを題材にしたパスティーシュ小説。 書籍のタイトルどおりの対決は書き下ろしの中編「巨人幻想」で、ホームズ、御手洗ともに2編ずつの短編を収録。 ホームズの作品は小学生の頃から読んでいますが、独特の文体というか翻訳時のクセがあるんですよね。あれがちょっと苦手なんですが、慣れ親しんだホームズとワトスンなので、物語への没入はしやすいですね。 個人的には短編は御手洗潔の2編の方がお気に入り。「シリウスの雫」は「御手洗潔パロディ・サイト事件」に収録されていた作品なので既読なんですが、提示される巨石建造物の謎を鮮やかに解き、現れる景色が印象的です。 御手洗潔とシャーロック・ホームズの時空を超えた対決は古典作品っぽい巨人の怪奇現象とトリックで楽しく読むことができますが、それよりも読み終えた後に収録されている御手洗潔生みの親の島田荘司さんの解説「石岡和己対ジョン・H・ワトスン」に爆笑。 なかなか楽しい作品でした。 | ||||
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御手洗ものパスティーシュ2作+ホームズものパスティーシュ2作に、双方の共演作1作の計5中短編集である。 御手洗ものは、文体もストーリーも登場する脳科学の蘊蓄までも、実によくオリジナルを踏襲している。 島田作品と言われてもおかしくないほどの完成度だ。 さて、一方のホームズものは、ファルスの度合いがかなりきつすぎる。 オリジナルとは似ても似つかないという感じだ。 このギャップの大きさに、まずはびっくりした。 そしてラストの中編では、両者が時空を超えて共演するわけだが、この雰囲気はどちらかといえば島田作品の雰囲気。 かの「魔神の遊戯」を連想させるような作品となっている。 なにより圧巻なのは巻末の島田御大による石岡ーワトソンの書簡によるやりとりだ。 御大のセンスを感じるとともに、本作品を締めるという、大きな意味がある。 パスティーシュは、どうがんばっても批判されることが必然だという、まさに難問にまっこうから立ち向かったのが本作品集である。 完成度という点ではいまひとつだが、その意気や良し、というところだろう。 | ||||
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御手洗潔といえば、日本の名探偵を挙げよといわれれば新本格ミステリの世界では絶対に五本の指に入る探偵です。島田荘司さんが彼を主人公にして書いた諸作品(個人的には「異邦の騎士」や「クリスマスのディナー」などが名作だと思います)は、読まれた方も多いと思います。その御手洗潔とワトスン的役割の石岡和己を主人公にした話を、著者の島田荘司以外の人物が書いているということに興味を覚え入手してみました。 あとがきによれば、島田荘司さんからの提案でもあったようで納得いたしましたし、そのパスティーシュのレベルはかなり高く、御手洗潔ものとして著者名を伏せて出されれば、たぶん島田荘司作品だと思って読んでしまうと思います。それくらいパスティーシュとしてよく出来ています。そして、ただそれだけであればあくまでパスティーシュというだけであまり面白みがないのですが、本書にはそのパスティーシュ以外にも、シャーロック・ホームズのパロディ、ならびにシャーロック・ホームズと御手洗潔がイギリスの片田舎で巨人伝説にまつわる謎と誘拐事件の解決に協力するというなかなか楽しい趣向があって、一冊として楽しめる内容になっていました。特に、真面目なパスティーシュからは想像もつかないくらいの、ホームズパロディでは文体を崩しまくっており内容もシャレでつっぱしっていて(愛鈴・アドラーだとか、鳩村夫人とかいう適当な日本名化なども含めて)その落差も笑わせていただきました。 シャーロック・ホームズの笑わせてくれるパロディといえば黒崎緑が有名ですので、さすがにあのレベルを期待されると困りますが、真面目なパスティーシュとかけあわせる素材としては十分なレベルかと思われます。まぁ、単体で出されたら、と考えれば本編より身も、巻末付録のワトスン対石岡の文通での戦いが一番面白いのが困りものではあるんですけれどね。 | ||||
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柄刀一が描く「御手洗譚」「ホームズ譚」。御手洗ものの短編2編、『ホームズ』ものの短編2編、そして御手洗と『ホームズ』がまみえる中編1編からなる中短編集。事実上の表題作「巨人幻想」は、イギリスの片田舎で起こった、少年誘拐事件、屋根の上の身元不明屍体、“巨人の出現”による家屋破壊――といった事象が、「巨人」のイメージに彩られつつ、御手洗と『ホームズ』の推理によってひとつの結末へ収束してゆきます。島田荘司が描くところの御手洗ものの雰囲気やトリックのクセをうまく再現していて楽しくなります。特に若い頃のふたりの冒険譚が好きだった読者は郷愁をおぼえることができるかも。全編通じて、御手洗が石岡にやさしいのが嬉しいような面喰らうような(笑)。作者のすぐれた贋作家っぷりを味わう本。巻末の、島田荘司による寄稿も“傑作”です。 | ||||
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