悪魔が来りて笛を吹く

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評判

悪魔が来りて笛を吹くの評価:

4.38/5点 レビュー 80件。 B ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点4.38pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全184件 81〜100 5/10ページ
No.104
(5pt)

予断を許さない,もの凄い展開!

『八つ墓村』を読んでから,すっかり横溝正史さんに魅了されてしまい,金田一耕助シリーズを全巻読みたいと思い本作品を手にしました.期待は裏切られず,とても面白かったです.

没落貴族と言われる人たちが実在していた昭和20年代.その時代背景を存分に駆使してのストーリー展開.見事と言う他に言葉が見つからないです.どうしたらこんなストーリーを思いつくのか?個人的には本作品を読んだことで,横溝正史氏は世界のミステリー作家と呼ばれる方々の中でも,相当上位に位置する作家さんだと思いました.最後の最後まで思いっ切り楽しめました.

次の一冊を今から注文します.
新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年) Amazon書評・レビュー: 新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)より
B000J976J0
No.103
(5pt)

予断を許さない,もの凄い展開!

『八つ墓村』を読んでから,すっかり横溝正史さんに魅了されてしまい,金田一耕助シリーズを全巻読みたいと思い本作品を手にしました.期待は裏切られず,とても面白かったです.

没落貴族と言われる人たちが実在していた昭和20年代.その時代背景を存分に駆使してのストーリー展開.見事と言う他に言葉が見つからないです.どうしたらこんなストーリーを思いつくのか?個人的には本作品を読んだことで,横溝正史氏は世界のミステリー作家と呼ばれる方々の中でも,相当上位に位置する作家さんだと思いました.最後の最後まで思いっ切り楽しめました.

次の一冊を今から注文します.
横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年) Amazon書評・レビュー: 横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年)より
B000J984QO
No.102
(5pt)

予断を許さない,もの凄い展開!

『八つ墓村』を読んでから,すっかり横溝正史さんに魅了されてしまい,金田一耕助シリーズを全巻読みたいと思い本作品を手にしました.期待は裏切られず,とても面白かったです.

没落貴族と言われる人たちが実在していた昭和20年代.その時代背景を存分に駆使してのストーリー展開.見事と言う他に言葉が見つからないです.どうしたらこんなストーリーを思いつくのか?個人的には本作品を読んだことで,横溝正史氏は世界のミステリー作家と呼ばれる方々の中でも,相当上位に位置する作家さんだと思いました.最後の最後まで思いっ切り楽しめました.

次の一冊を今から注文します.
悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304040
No.101
(5pt)

このタイトル!

重みが違うこのタイトルのパンチ力。

そして中身はというと、楽園のカンヴァスを読んだ後に読了したせいか、もうギッタンギッタンにされました。
新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年) Amazon書評・レビュー: 新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)より
B000J976J0
No.100
(5pt)

このタイトル!

重みが違うこのタイトルのパンチ力。

そして中身はというと、楽園のカンヴァスを読んだ後に読了したせいか、もうギッタンギッタンにされました。
横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年) Amazon書評・レビュー: 横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年)より
B000J984QO
No.99
(5pt)

このタイトル!

重みが違うこのタイトルのパンチ力。

そして中身はというと、楽園のカンヴァスを読んだ後に読了したせいか、もうギッタンギッタンにされました。
悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304040
No.98
(5pt)

普通に面白い

横溝正史の作品はテレビのおどろおどろしいイメージが強く敬遠していたが、読んでみるとそんなオカルトチックなところは微塵もなく読み易い。もっと早く読んでおけば良かった。
新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年) Amazon書評・レビュー: 新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)より
B000J976J0
No.97
(5pt)

普通に面白い

横溝正史の作品はテレビのおどろおどろしいイメージが強く敬遠していたが、読んでみるとそんなオカルトチックなところは微塵もなく読み易い。もっと早く読んでおけば良かった。
横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年) Amazon書評・レビュー: 横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年)より
B000J984QO
No.96
(5pt)

普通に面白い

横溝正史の作品はテレビのおどろおどろしいイメージが強く敬遠していたが、読んでみるとそんなオカルトチックなところは微塵もなく読み易い。もっと早く読んでおけば良かった。
悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304040
No.95
(5pt)

時代の混沌をうつす傑作ミステリ

『獄門島』や『本陣殺人事件』などと比べると、オリジナリティの高いトリックや、見立て殺人などの派手派手しい趣向はないものの、やはり横溝正史の代表作の一つといっていい完成度を有している。退廃した血族の複雑な人間関係を軸とした堅牢なプロットに、怪しげな占術、徘徊する死者の影、嫋々たる黄金のフルートの音色に、ゲーテの著書や風神雷神像など、華麗で怪奇な装飾をちりばめ、それらが巧みな伏線やトリックとなって結末に収斂してゆく精緻な構築美は、まさに圧巻である。

また、没落してゆく貴族たちの驕慢にただれた欲望を母体とし、“悪魔”として生きることを運命づけられて生まれ落ちたかのような犯人像が、哀切きわまりなく胸に刺さる。滅びゆくものと到来してくるものが、混沌の波頭をうねらせる戦後の混乱期、時代の変動が、その紊乱の中からしたたらせた濁った血の一しずくのようなこの犯人像に、荒廃した時代の闇がうつし見られるようで、戦後文学の一つとしても鑑賞しうる作品になっていると思う。
新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年) Amazon書評・レビュー: 新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)より
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No.94
(5pt)

時代の混沌をうつす傑作ミステリ

『獄門島』や『本陣殺人事件』などと比べると、オリジナリティの高いトリックや、見立て殺人などの派手派手しい趣向はないものの、やはり横溝正史の代表作の一つといっていい完成度を有している。退廃した血族の複雑な人間関係を軸とした堅牢なプロットに、怪しげな占術、徘徊する死者の影、嫋々たる黄金のフルートの音色に、ゲーテの著書や風神雷神像など、華麗で怪奇な装飾をちりばめ、それらが巧みな伏線やトリックとなって結末に収斂してゆく精緻な構築美は、まさに圧巻である。

また、没落してゆく貴族たちの驕慢にただれた欲望を母体とし、“悪魔”として生きることを運命づけられて生まれ落ちたかのような犯人像が、哀切きわまりなく胸に刺さる。滅びゆくものと到来してくるものが、混沌の波頭をうねらせる戦後の混乱期、時代の変動が、その紊乱の中からしたたらせた濁った血の一しずくのようなこの犯人像に、荒廃した時代の闇がうつし見られるようで、戦後文学の一つとしても鑑賞しうる作品になっていると思う。
横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年) Amazon書評・レビュー: 横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年)より
B000J984QO
No.93
(5pt)

時代の混沌をうつす傑作ミステリ

『獄門島』や『本陣殺人事件』などと比べると、オリジナリティの高いトリックや、見立て殺人などの派手派手しい趣向はないものの、やはり横溝正史の代表作の一つといっていい完成度を有している。退廃した血族の複雑な人間関係を軸とした堅牢なプロットに、怪しげな占術、徘徊する死者の影、嫋々たる黄金のフルートの音色に、ゲーテの著書や風神雷神像など、華麗で怪奇な装飾をちりばめ、それらが巧みな伏線やトリックとなって結末に収斂してゆく精緻な構築美は、まさに圧巻である。

また、没落してゆく貴族たちの驕慢にただれた欲望を母体とし、“悪魔”として生きることを運命づけられて生まれ落ちたかのような犯人像が、哀切きわまりなく胸に刺さる。滅びゆくものと到来してくるものが、混沌の波頭をうねらせる戦後の混乱期、時代の変動が、その紊乱の中からしたたらせた濁った血の一しずくのようなこの犯人像に、荒廃した時代の闇がうつし見られるようで、戦後文学の一つとしても鑑賞しうる作品になっていると思う。
悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304040
No.92
(4pt)

見事なストーリーテラー

通常、本格推理小説はトリックを考えてからシュチュエーションを考えるが、本作は、逆であったという。そのせいか、金田一耕助の推理の冴えは感じないが、その分、作者の文章力による引き付けはすばらしい。特に、「金田一耕助西へ行く」から「淡路島山」の章は作者も自負している通り、慌てずじっくりと伏線を示し、情景や登場人物の心情まで書き表すのはさすが。今もなお、人気があるのはそれ所以だと感じる。
新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年) Amazon書評・レビュー: 新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)より
B000J976J0
No.91
(4pt)

見事なストーリーテラー

通常、本格推理小説はトリックを考えてからシュチュエーションを考えるが、本作は、逆であったという。そのせいか、金田一耕助の推理の冴えは感じないが、その分、作者の文章力による引き付けはすばらしい。特に、「金田一耕助西へ行く」から「淡路島山」の章は作者も自負している通り、慌てずじっくりと伏線を示し、情景や登場人物の心情まで書き表すのはさすが。今もなお、人気があるのはそれ所以だと感じる。
横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年) Amazon書評・レビュー: 横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年)より
B000J984QO
No.90
(4pt)

見事なストーリーテラー

通常、本格推理小説はトリックを考えてからシュチュエーションを考えるが、本作は、逆であったという。そのせいか、金田一耕助の推理の冴えは感じないが、その分、作者の文章力による引き付けはすばらしい。特に、「金田一耕助西へ行く」から「淡路島山」の章は作者も自負している通り、慌てずじっくりと伏線を示し、情景や登場人物の心情まで書き表すのはさすが。今もなお、人気があるのはそれ所以だと感じる。
悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304040
No.89
(3pt)

横溝作品の雰囲気は味わえる

原作通りのコミカライズでは無く、1979年の映画(西田敏行主演)が元になっているようです。
少しレトロ調な劇画絵もおどろおどろしい作品にあっていますね。
登場人物の相関図が劇中で2回掲載されており、ストーリー理解の助けになっているのは親切。
横溝正史は自身のエッセイで、原作を自分の作品中6位と評価しているようで、「獄門島」のような傑作というわけではないですが、フルートを吹く悪魔をにおわせる描写や呪われた血筋の存在など横溝作品らしい雰囲気は良く出ていると思います。
悪魔が来りて笛を吹く (1977年) Amazon書評・レビュー: 悪魔が来りて笛を吹く (1977年)より
B000J8UQ4I
No.88
(3pt)

横溝作品の雰囲気は味わえる

原作通りのコミカライズでは無く、1979年の映画(西田敏行主演)が元になっているようです。
少しレトロ調な劇画絵もおどろおどろしい作品にあっていますね。
登場人物の相関図が劇中で2回掲載されており、ストーリー理解の助けになっているのは親切。
横溝正史は自身のエッセイで、原作を自分の作品中6位と評価しているようで、「獄門島」のような傑作というわけではないですが、フルートを吹く悪魔をにおわせる描写や呪われた血筋の存在など横溝作品らしい雰囲気は良く出ていると思います。
悪魔が来りて笛を吹く (1954年) Amazon書評・レビュー: 悪魔が来りて笛を吹く (1954年)より
B000JB67FC
No.87
(4pt)

本格ミステリとしては?

さすがは大家横溝正史の代表作だけあて、読み応え十分の傑作。まずはいかにも陰惨な殺人事件が起こりそうな舞台設定。没落した華族の家に集まった、互いにいがみ合っている親族。気弱で軽んじられている一族の長が失踪して自殺した筈なのに、復活?して姿を現し、生前に作曲していたフルート曲「悪魔が来りて笛を吹く」が流れると共に殺人が行われ、復讐鬼として戻って来たのかと生存者を恐怖のどん底に突き落とす。その他、いかにもな横溝ワールドが隅々まで構築されていてその中に伏線も盛り沢山。おどろおどろしい独特の雰囲気に圧倒されながら、最後に伏線が回収されていくカタルシスは格別。 
 そしてクライマックスに向けて大きくストーリーが展開する部分の演出がいつになくダイナミックで凄かった。台風が直撃した日に未亡人のあき子が恐怖に耐えかねて屋敷を脱出し別荘に向かうとんでもない行動を起こし、関係者全員がタクシーでそちらへ向かう。ところがその別荘に「悪魔」が現れて笛を吹き、あき子が殺害される。金田一は関係者を集めていよいよ謎解きを披露する・・・ほとんど息もつかせぬスピーディーなたたみ込みには感服した。
 ネタバレになるが、忌まわしい近親相姦の重なりで生まれた「悪魔」が怨念で一族に復讐するストーリー。弊ブログの18禁観点からは、未亡人になって日が浅いのに、野獣のような男と再婚してしまうあき子夫人のエピソードが興味深い。やはり華族的な近親婚のせいでとんでもない娘が生まれた設定らしいが、淡泊な夫のセックスではとても満たされない獣欲の持ち主。夫が自殺する前から男と出来ていて肉体関係も持っていたビッチだが、彼女の本性を知っていた親族からは黙認されていたと言う・・・この人をヒロインにして人妻不倫ものの官能小説が出来そうだね。
 この作品、本格ミステリとしては金田一がほとんど推理していないと言う欠陥があり、必ずしもホメられた出来ではないと思う。が、単に小説としての面白さが一級品。私はそもそも面白ければ何でも良い、と言う立場なので本作を横溝正史の代表作とする考えに賛成である。死ぬまでにもう何回か読み直してみたい本に入るかな?
新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年) Amazon書評・レビュー: 新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)より
B000J976J0
No.86
(4pt)

本格ミステリとしては?

さすがは大家横溝正史の代表作だけあて、読み応え十分の傑作。まずはいかにも陰惨な殺人事件が起こりそうな舞台設定。没落した華族の家に集まった、互いにいがみ合っている親族。気弱で軽んじられている一族の長が失踪して自殺した筈なのに、復活?して姿を現し、生前に作曲していたフルート曲「悪魔が来りて笛を吹く」が流れると共に殺人が行われ、復讐鬼として戻って来たのかと生存者を恐怖のどん底に突き落とす。その他、いかにもな横溝ワールドが隅々まで構築されていてその中に伏線も盛り沢山。おどろおどろしい独特の雰囲気に圧倒されながら、最後に伏線が回収されていくカタルシスは格別。 
 そしてクライマックスに向けて大きくストーリーが展開する部分の演出がいつになくダイナミックで凄かった。台風が直撃した日に未亡人のあき子が恐怖に耐えかねて屋敷を脱出し別荘に向かうとんでもない行動を起こし、関係者全員がタクシーでそちらへ向かう。ところがその別荘に「悪魔」が現れて笛を吹き、あき子が殺害される。金田一は関係者を集めていよいよ謎解きを披露する・・・ほとんど息もつかせぬスピーディーなたたみ込みには感服した。
 ネタバレになるが、忌まわしい近親相姦の重なりで生まれた「悪魔」が怨念で一族に復讐するストーリー。弊ブログの18禁観点からは、未亡人になって日が浅いのに、野獣のような男と再婚してしまうあき子夫人のエピソードが興味深い。やはり華族的な近親婚のせいでとんでもない娘が生まれた設定らしいが、淡泊な夫のセックスではとても満たされない獣欲の持ち主。夫が自殺する前から男と出来ていて肉体関係も持っていたビッチだが、彼女の本性を知っていた親族からは黙認されていたと言う・・・この人をヒロインにして人妻不倫ものの官能小説が出来そうだね。
 この作品、本格ミステリとしては金田一がほとんど推理していないと言う欠陥があり、必ずしもホメられた出来ではないと思う。が、単に小説としての面白さが一級品。私はそもそも面白ければ何でも良い、と言う立場なので本作を横溝正史の代表作とする考えに賛成である。死ぬまでにもう何回か読み直してみたい本に入るかな?
横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年) Amazon書評・レビュー: 横溝正史全集〈第7〉悪魔が来りて笛を吹く (1970年)より
B000J984QO
No.85
(4pt)

本格ミステリとしては?

さすがは大家横溝正史の代表作だけあて、読み応え十分の傑作。まずはいかにも陰惨な殺人事件が起こりそうな舞台設定。没落した華族の家に集まった、互いにいがみ合っている親族。気弱で軽んじられている一族の長が失踪して自殺した筈なのに、復活?して姿を現し、生前に作曲していたフルート曲「悪魔が来りて笛を吹く」が流れると共に殺人が行われ、復讐鬼として戻って来たのかと生存者を恐怖のどん底に突き落とす。その他、いかにもな横溝ワールドが隅々まで構築されていてその中に伏線も盛り沢山。おどろおどろしい独特の雰囲気に圧倒されながら、最後に伏線が回収されていくカタルシスは格別。 
 そしてクライマックスに向けて大きくストーリーが展開する部分の演出がいつになくダイナミックで凄かった。台風が直撃した日に未亡人のあき子が恐怖に耐えかねて屋敷を脱出し別荘に向かうとんでもない行動を起こし、関係者全員がタクシーでそちらへ向かう。ところがその別荘に「悪魔」が現れて笛を吹き、あき子が殺害される。金田一は関係者を集めていよいよ謎解きを披露する・・・ほとんど息もつかせぬスピーディーなたたみ込みには感服した。
 ネタバレになるが、忌まわしい近親相姦の重なりで生まれた「悪魔」が怨念で一族に復讐するストーリー。弊ブログの18禁観点からは、未亡人になって日が浅いのに、野獣のような男と再婚してしまうあき子夫人のエピソードが興味深い。やはり華族的な近親婚のせいでとんでもない娘が生まれた設定らしいが、淡泊な夫のセックスではとても満たされない獣欲の持ち主。夫が自殺する前から男と出来ていて肉体関係も持っていたビッチだが、彼女の本性を知っていた親族からは黙認されていたと言う・・・この人をヒロインにして人妻不倫ものの官能小説が出来そうだね。
 この作品、本格ミステリとしては金田一がほとんど推理していないと言う欠陥があり、必ずしもホメられた出来ではないと思う。が、単に小説としての面白さが一級品。私はそもそも面白ければ何でも良い、と言う立場なので本作を横溝正史の代表作とする考えに賛成である。死ぬまでにもう何回か読み直してみたい本に入るかな?
悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル) Amazon書評・レビュー: 悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304040