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女王蜂
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【この小説が収録されている参考書籍】
女王蜂の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.04pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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相変わらず安定して楽しめた。 | ||||
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まず石坂浩二版の映画を観ていて、最近になって原作を購入した。 なので、細部はこうだったのかと納得。 金田一が知り得ない状況/場面の描写があったりして、金田一耕助の活躍やいかに! 的な要素はやや少ないように思える。 とは言え、さくさくと読めて楽しめた。 いやそれよりも、登場人物の一人(10代半ば)があまりに幼稚で、知的に問題があるのかとすら思った。 撲殺の凶器が月琴という弦楽器である事も加えて、もしや本作はエラリー・クイーンの「Yの悲劇」のオマージュかパロディなのかと思ったが、双方の発表年代を調べると、そうとも思えない。 そもそも横溝御大は若年キャラの物言いが不自然な傾向があるように思うのだが、発表当時はさほどおかしくはなかったのだろうか。 驚天動地のトリックはないが、小ネタ的なトリックがちりばめられていて楽しい。 あと、他の方も書かれているが、劇中半ばで智子が不自然なほどに妖艶になった描写がされていて、それがなぜなのか明確になっていなかったような? ああする必要はあったのだろうか。 | ||||
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智子という絶世の美女が登場して彼女の周りで、孤島、高級旅館、歌舞伎座で次々と殺人事件がぁ・・・・まあなんとも贅沢な設定。 こういってはなんだが、美女とショッキングな出来事って今の深夜アニメの定番ネタ。 日本人の好みって70年前とあんまり変わらないのかもね。 特に冒頭の警告文とも殺人予告ともとれる怪文書・・・・ 「「月琴島からあの女を呼び寄せてはならぬ。 あの女の前には多くの男の血が流されるであろう。彼女は女王蜂である。」 それだけで読者を興奮させてこれから何が起きるのかと思わせる。 こうした怪文書を描ける文章力に横溝正史の小説家の腕を感じてしまう。 事件の真相も一見解決したようでその裏には・・・という展開でなかなか巧み。 第一の事件の被害者が事件直前にいったセリフが何を意味するのか?これが耕助を悩ますが最期にすっきりと解決される。 これがこの小説で犯人が仕掛けた隠蔽工作に結び付いていてパズラーファンとしては膝と叩いてしまう。 ・・・・こんな感じでかなりレベルの高いお話なのだが、この小説を横溝正史の傑作として持ち上げる人はあまりいないようだ。 ある意味では、他の金田一物で読み手のレベルをあげ過ぎた為に易々とは読者は絶賛してくれないのだろう。 ある意味では横溝正史の罪ともいえるかもしれない。 作品自他は、傑作といっても問題ないレベルである。 ただ、評価が定まらない理由も分からないでもない。 この作品のヒロインであるはずの「大道寺智子」のキャラクターに全編通して統一感がない点。 月琴島にいた時は、世間知らずのお嬢様に見えた「智子」だが東京にやってくるとなんか妖艶な雰囲気すらただよわせる小悪魔的に振る舞っているシーンすらある。 読み終えてみると健気な女性なのかな・・・と思うがどうも「智子」像がわたしには伝わってこなかった。 横溝正史自身、「智子」のキャラクター性をしっかり思い浮かべるができずに小説を書き上げた感がある。 横溝正史といえば「犬神家の一族」の珠世、「車井戸はなぜ斬る」の鶴子といった忘れ難い女性像を創作する名手である。 それだけに惜しい。 もし、「智子」にきっちりした肉付けがあって描かれていたらその作品の評価も一段も二段も違った事になった事だろう。 | ||||
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演劇、離れ小島、貴族的な立場。 超美人の智子の背景は、昭和の魅力がつまっていて、シーンを想像するのが楽しい。 最後は隠してた智子の悩みに涙した。 | ||||
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はじめの方はなんだかグダグダしているな、という感じだが、後半になるにつれて物語が締まってくる印象だ。タイトルの『女王蜂』からは妖艶な雰囲気を感じるが、実際の物語に出てくるヒロインは、そんな感じではなく、むしろサバサバしている。『獄門島』や『犬神家』のようなおどろおどろしさはない。ストーリー展開は面白い。まあ、相変わらず人はたくさん死に、そして金田一は結局最後まで殺人を止められない。 | ||||
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映画との対比で、映画との違いなど楽しめました。 | ||||
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「犬神家の一族」の野々宮珠代、「三つ首塔」の宮本音禰がと並んで、結ばれると莫大な財産を手にできる三大美女の一人、大道寺智子が堂々のヒロインを務めます。しかも三大美女中、一番の若い。世間知らずの箱入り娘です。アニメにするには一番似合うヒロインでしょう。実の父母に恵まれていないという悲劇性はあるのですが、他の二人の美女たちに比べると、割合、幸せな方なのではありますまいか。是非、読み比べてみてください。 金田一の長編の中では孤島物、東京物のハイブリッドな作品です。密室殺人がいくつか出てきます。中にはあっけない密室もあるのですが、月琴島の開かずの間における密室殺人事件は私の好きなトリックです。密室トリックではありませんが、金田一の有名な島物を彷彿させるトリックが使われていて、興味深いです。 本格推理小説ではありますが、ヒロインを中心にして考えるとエロに走らなかった「三つ首塔」といった趣です。ちなみに三大美女は皆同じような危機に遭遇しますが、その結末も読み比べてると面白いでしょう。 | ||||
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誰もが羨む美しさを持つと、周りを惑わしてゆく。後半には犯行の動機が見えてくるが、なんとも辛い結末です。 | ||||
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フーダニット(犯人当て)とホワイダニット(動機当て)がメインです。 ホワイダニット(犯行方法当て)として密室もありますがオマケ程度です。 女王蜂と言うふさわしい登場人物など、世界観は横溝ワールド全開です。 | ||||
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金田一耕助シリーズは今回で7作目となります。本書もその知名度から横溝作品の中では名作のうちに入ると思われますがこれまでと違ってかなりシンプルなストーリー展開で物足りなさが最後まで付きまといました。ところが終盤の金田一耕助による種明かし(事件の真相)に至ってさすが横溝先生の面目躍如。意外などんでん返しで真犯人が判明した瞬間に今回もやられたなとまたしても脱帽でした。横溝先生はおそらく読者の推理が及ばないところに巧妙な仕掛けを計算駆使していていてさすが大御所の貫禄抜群といったところでしょう。つまり本書は傑作とはいえないまでも数度の再読に耐えられる秀作の範囲に優に入るでしょう。というより再読によって作者の仕掛けた布石をイチイチ確認できるはずなのでそれはそれで新たな楽しみに出会えるといえるかもしれません。ともかく横溝作品のすごいところはなんといっても事件の真相にかなり強い説得力があるところです。今回の真犯人の愛情にまつわる動機にしてもすんなり納得できましたね。 | ||||
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名探偵金田一耕助が登場する横溝正史らしい作品なのだが、比較的薄味な感じがした。連続殺人のそれぞれにトリックは使われているものの、さほど特筆すべきものはなく、むしろ陳腐なものもある。複雑に絡み合った登場人物達が過去とのしがらみもある中、次々に命を落とす「らしい」展開だったが、いつものおどろおどろしさはそれほど感じられなかった。1つにはヒロインの智子が、気の強いやや無鉄砲なだけの女性として描かれており、求愛する男が次々に命を落とす「危険な絶世の美女」としては、あまり影が感じられず魅力が今一つなためかも知れない。又、金田一もいつになく後手後手に回って名推理は見られなかったのは残念。 薄味と書いたが駄作なわけではなく、大作なわりにはスラスラと読み易い。マニアには物足りないかも知れないが、横溝正史初心者には良いのではなかろうか。 | ||||
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絶海の孤島、絶世の美女、謎の脅迫状、過去の未解決事件、と揃えば、傑作である条件は揃っているはずなのに、中途半端に終わっている残念な作品。事件は主人公達が月琴島から東京へ行く道中で起こるのだが、東京へは行かず途中で島に帰って事件は結末。島の中だけで物語が進行すれば獄門島になるし、未解決事件をもっと絡ませれば悪魔の手毬唄にもなりえた。マンネリズムを解消するために、小手先を変えたのかもしれないが、それならそれで、もっと徹底的にやった方が良かった。私的には、過去の名作のフォーマットに従って書いた方が良かったと思う。マンネリズムとアナクロニズムが横溝正史の魅力なのだから。 かといってこの作品、つまらないという訳ではない。伏線の張り方も巧妙だし、二重の密室というアイディアもお見事。それだけに、中途半端な作風が尚更残念に思えて仕方がない。 | ||||
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女王蜂は文庫版なりで多くのレビューがありますが、自分としてはこの全集の解説にあるとおり、最後の最後の真相での意外性に感銘を受けました。これは「悪魔の手鞠唄」の里子と同じく、自分の所為でと感じて愛しい人への自己犠牲の気高さに通ずるものと考えます。 収録の短編の一つ「蜃気楼の情熱」は、女王蜂と同じく小島を舞台とした殺人事件で、米国で大成した富豪が故郷の小島に奇抜な豪邸を作っての事件です。トリックや人物描写は単純に感じましたが、「悪霊島」の前編といいましょうか原案といいましょうか、悪霊島を読まれた方は気になる一書です。 いま一つの短編は「首」。 山里の温泉宿を巡る殺人で、これも「悪魔の手鞠唄」の立地背景をすぐにイメージでき、しかも首と胴が別々で見つかると言う連続事件で、まさに「鬼頭」です(笑)。 殺人のトリックは最後までヒントが無く、謎解きで「なんだぁ」になりますが、第三者の証言が騙しに使われ、それを鵜呑みにしてしまう危険性を示唆してくれてます。 動機の推理の方は、事件とあまり関係ない遺書の片切れがヒントまたは気になるようにしてあり、最後は短編そのもののテーマになるんですが、この謎がなかなか解けませんでした(笑) 死体の残酷さを表しつつ、最後は優しさで包んでいる点は3つの作品に流れているもので、他の作品と同じく著者の持ち味だと思います。 | ||||
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昭和26年から翌年にかけて『キング』誌に連載された作品。横溝風味が満載でかなり 面白かった。過去に旧家で起きた悲劇的殺人と、ある少女をめぐって進行する連続 殺人が複雑にからみ合って謎を形成している。一癖も二癖もある登場人物が各々の 事件に意外なかたちで関係してくる。最後まで読むと犯行の動機は弱い気がするし、 トリックもあっと驚くようなものではない。しかし歪んだ愛執を描いた人間ドラマとして 読めば、ふかまる謎とともに妖しげな作品世界に引きずり込まれることになるだろう。 横溝は謎の散りばめかたが実にうまい。おかげで夜更かしをさせられるはめになった。 本作は謎解き作品というより、犯人ら登場人物の動機を探りあてないと絵図が見えて こないものだ。たしかに密室が構成されており、またアリバイ崩しの要素もある。だが それらがこの作品の核心ではないだろう。もっとドロドロとした人間の愛執による悲劇 を描く怪奇ロマンに近い。多聞連太郎のような一見するとワルだが実は・・・といった謎 めいた男性が登場したり、主人公の女性が良家の美貌の女性で、悪意に囲まれてし まい、事件に巻きこまれるといったような展開は怪奇ロマンの『三つ首塔』に似ている。 | ||||
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まず、最初に言っておきたいことがあります。 もしあなたが金田一耕助のさえわたる推理を期待するのなら、 この作品には決して用はないはずです。 別の作品を読んだほうが賢明です。 なぜ、このような前置きをするかと言いますと 完全に金田一は後手に回ってしまい、 結末も読者が望むものにはなっていません。 実質上の「敗北」を喫しているからです。 だけれども、この作品を 人間を主体においた作品、として位置づけるのならば これ以上の秀作はないでしょう。 人間のすれ違い、運命のいたずらが 皮肉にもまがまがしい殺人事件、 過去の一事件を起こしてしまったのですから。 ただし、そんな金田一も その犯行に関わったものも救いなのは 結末の現場の様子でしょう。 確かに望まない結末でしたが 関わったものにとっては 最後にかなった幸せだったことでしょう。 運命のいたずらがにくくなる作品、 ミステリー度数はさほどではないので、 あまりミステリーと言う範疇で見ないほうがベターです。 | ||||
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作品の内容については既に他の方々が詳しくわかりやすいレビューを書かれていらっしゃいますのでそちらをごらんになってください。 私はキャラクターという一面に的を絞って感想を述べさせていただきます。 金田一耕介探偵の魅力はもう語るまでもないのかなと思います。非常にイメージしやすいです。 ということで、今回のその他のメインキャラクターについて書きたいと思います。 まず、ヒロインですが、可憐でいながら妖しい魅力を持った絶世の美女です。この人が18歳になったのを機にそれまで 住んでいた島を離れ、3人の求婚者と会うことから物語りは始まるのですが、気丈な性格のお嬢さんでなかなか好感が持てます。 対して3人の求婚者の方はどこか頼りなく魅力も足りないように思えるのですが、そこに第4のミステリアスな求婚者、連太郎さん、が 加わって話がぐっと面白くなります。 私はトリックやミステリー部分よりもヒロインの恋の行方が気になって急かされるように先を読んでしまいました。 連太郎さんというのも影があって読者にもどういった人なのか最初はわかりません。ただ、ギリシア彫刻のように 端整な顔立ちと均衡の取れた体を持った美丈夫だということが金田一探偵の目を通して語られるにとどまります。 ヒロインの危機にさっと現れては謎を残して立ち去っていくその姿は、そのまま少女向けの本のヒーローのようです。 本の性質上、詳しい感想は書けませんが、私はラストが気に入りました、とだけ述べておきます。 哀しい部分もあるけれど、とてもロマンティックな本でした。 | ||||
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資産家の養女で月琴島に住む美女、大道寺智子が島を出て東京に来るのを阻止せんと舞い込む脅迫状、果たしてそれに呼応するかのように起こる連続殺人、そしてその背景には、19年前に島で起きた密室殺人があったという本書、横溝(金田一もの)の初読者にお勧めである。 横溝独特のおどろおどろしさ(例えば『犬神家の一族』や『悪魔の手毬唄』のような)は控えめで、また『獄門島』や『本陣殺人事件』のようなガチガチの本格ものでもないので読みやすく、ヒロイン・智子を中心に謎とサスペンスに富んで面白い。 逆に言うと横溝らしさが薄いので、先に挙げた『犬神家〜』や『獄門島』などのファンは、ちょっと物足りなく感じるかも知れない。 金田一ものベスト5(先に挙げた4作+『八つ墓村』)の次ぐらいに位置する作品である。 | ||||
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横溝正史の代表作のひとつ。 登場人物も派手だし、ヒロインへの求婚者が次々と殺されていくという展開にも花がある。いくつもの謎が絡み合ったプロットも良く出来ており、優れた作品であることは間違いない。 ただ、トリックはいまいち。いくか使われているのだが、どれもパッとしない。がっくりと脱力してしまうようなものも。 瀬戸内海ではないが、島が主要な舞台となっており、恐ろしさが良く出ている。 横溝の生涯のテーマであった「歪んだ性」の問題も。 | ||||
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