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QED ~ventus~ 鎌倉の闇
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QED ~ventus~ 鎌倉の闇 の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全20件 1~20 1/1ページ
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あいかわらず「目からウロコ」が落ちた方が多いことに驚く。こういった方はSF小説を読んだらタイムトラベルやワープ航法が実在すると信じてしまうのだろうか。 QEDシリーズはあくまでエンターテインメントであって、歴史の真実を書いている訳では無い。嘘っぱちは言いすぎだが、面白くするために書いてないことや誤魔化していることがいくらでもある。 今回の話で言えば頼朝の墓について、それが1779年までなかったと書いてあり、頼朝が傀儡であった証拠だと言っている。これ自体は事実かもしれないが、さてでは「目からウロコ」が落ちた人は、同時代の北条義時や泰時の墓はどうだったのか気にならないのだろうか。さぞ立派な墓が建っているだろうと思わないのだろうか。 実は大河ドラマの主人公となった北条義時の墓も2005年になるまで見つかっていなかった。吾妻鏡に「頼朝の墓の近く」に埋葬されたとあるが、その遺構が発見(と言うか推定)されたのが2005年。それまで墓らしい墓はなかったのである。現在は頼朝の墓と併せて国指定史跡になっている。 1779年に島津に再建された頼朝より酷い扱いである。 つぎに義時の息子、泰時はどうだったかと言うと、こちらは情勢が落ち着いたのか墓は確認されている。だが調べて見ればわかるが、ただの古い墓石で近頃の霊園のお墓の方がよっぽど大きい。 このことからどう言ったことが考えられるか。 泰時の墓の隣には臨済宗僧侶の墓がならんでおり、はっきりとはしないが臨済宗の影響はあったと思われる。浄土宗や浄土真宗では「死後は阿弥陀様のもとで極楽浄土にいる」と説くが、禅宗は基本的に「死後はどうなのか考えても仕方ないから、生きているうちに悟りに近づこう」と言うのが考えである。死は避けられないものであるのでもちろん墓はあるが、死後を大事に扱う浄土宗とは大きく違う。 源頼朝だけでなく、北条氏もそうだったとすれば、当時の鎌倉では墓というものに重きを置いてなかったと考える方が正しくはないだろうか。 作者が言うように頼朝の墓がなかったのが冷遇されたためであれば、北条氏の権力を確立させた義時・泰時の墓がこんな状態なのはなぜか。平等院鳳凰堂なみの寺でも立てていれば作者の説も成り立つが、頼朝と同じような扱いであれば全く説得力がない。 当然作者も北条義時の墓のことは知っていたはずである。頼朝の墓を知っていて義時の墓を知らないなどありえない。同じ場所にあるおなじ史跡なのだから。 しかしエンターテインメントであるのだから書く必要はない。歴史書ではないのでそれが正しいかどうかは問題じゃない。作者はそういうスタンスでQEDシリーズを書いていると思う。 QEDは好きなシリーズだが、読者に「これが真実」だと思わせるところは気になる。エンターテインメントであって真実では無いのだけど。 タタルが言うことを全て真実だと思って調べもしないし疑問にも思わないのであれば、歴史の真実は遠のくばかりだと思う。 | ||||
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この作品は、いつもの作品よりもライトなものとなっております。 それもそうでしょう。肝心のミステリー部分が 正直に言ってしまえばペラいのですから。 それよりも鎌倉に関しての歴史がメインとなります。 意外な事実が結構知ることができてためになることは間違いないです。 それと源氏の有名なあの方の思わぬ見え方も してきますからね。 一応最後の方に事件の真相は出てきます。 おそらくある人をかぶせている感じなのかな 恐ろしさすら覚えました。 通常のシリーズとは毛色が違うので、そこのところ注意。 | ||||
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推理とかミステリーとかで読むと本当につまらない。歴史は好きだが正直どうでもいい感じ話。作者うんんちく御披露目的な。思っていたのと違ったので評価は低いですが、細かい歴史が好きな人には面白いのかも。 | ||||
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QEDシリーズ、本作の舞台は鎌倉です。 鎌倉には土地勘があるのでいろいろ楽しめました。 一方で知らない話も多く、勉強になりました。 鎌倉の名水は鎌倉の水がまずかったから評価された、というのは 目から鱗が落ちた気がしましたね。 砂金はあまりなさそうですが (だからこそ、奥州の金に目をつけたのでしょうし)、 稲村ヶ崎の砂鉄は有名ですね。 洗って金は得られなくても、 少なくとも鉄(くろがね)得られそうです。 それが”かね”沢だったり”かね”川だったりしたのかもしれません。 頼朝が立場が弱かったのは分かっていたつもりですが、 そこまでいくと哀れを催してきました。 自分勝手な弟を粛正したのは身を守るためだったのですね。 その歴史の新解釈は非常に興味深く楽しめましたが、 事件の謎解きの方は…、 狂気の人が病的な思考で無茶な事件を起こすよりは ずっとマシな展開ではありましたが、 背景を頼朝と北條一族になぞらえたといわれても あまり歴史解説との結びつきにピンと来るものがなく、 その点は残念でした。 ただ、鎌倉の歴史に新たな視点が得られることだけは受け合いです。 | ||||
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QED御一行の鎌倉案内であります。鎌倉観光の予習に再読。 逆転の視点と語呂合わせから読み解く鎌倉史の裏側は、胡散臭くもあり、もっともらしくもあり、よく調べたものだと感心はするんですが、結局、何でもかんでも北条家のせいだったというようなありがちな陰謀史観に収めてしまったのが安直で残念。 今回、事件はほんのおまけあつかいで、物語はあってなきがごとし。タタルと沙織による歴史解説がほぼ全編にわたって続きます。歴史の解説を読んで勉強した気分になれたら満足、という方でもないならお勧めしかねる内容。 | ||||
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個人的には沙織さんのファンなんですが、 キャラ的には主人公ほどはキレモノではないとしてもそれなりに思慮深く、頭脳明晰な奈々さんが・・・ なんていうか本作では凡庸に見えてしまいます。 いくらなんでも歴史を知らなすぎじゃないの?ってのと、 直感力においては沙織の足元にも及ばない感じで、回数を重ねるたびにいまいち好感度ダウン。。。 芯があるのは彼女らしくていいとしても、 その価値観に合わない他者を比較的に適当に断罪するかのような言動は、 ある意味で朝廷的ですらあって、清濁併せのむ度量がちょっと無いように最近思い始めてます。 いつまで続くのかわからないですけども、 成長の伸びしろは、沙織さんのほうがありそうな気がします。 | ||||
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前の巻から登場した歴史好きで雑誌編集者の妹沙織とともに、鎌倉探訪に出かける奈々。鎌倉のガイド記事を書くためという名目で、博覧強記のタタルがかり出されて案内役になります。鎌倉のすみずみまで歴史と民俗学の地層を掘り下げきる、「アースダイバー」的なタタルの解説があいかわらず読者を震撼させます。 一方で稲村モールドという会社の中での殺人、社長の失踪事件が起き、いつものようにジャーナリストの小松崎がこれを追ってゆきます。 QEDシリーズの定番である、現代の事件と歴史の暗部の壮大なパノラマの絡ませ方が、直前の二作「竹取伝説」「龍馬暗殺」ではいまひとつでしたが、今作では新たなスタンスが見いだされたと思います。 鎌倉という地の歴史、砂鉄のとれる稲村ヶ崎、たたらの一族、弁財天伝説の真実など、この地の支配攻防の末に、幕府を開いた流人頼朝。しかし北条氏一族の傀儡でもあった危うさと悲劇性が三代目の公曉にいたるまで、タタルの説によって明らかにされます。 その頼朝像と、現代の社長、竜願寺の像がはからずもメタフォアのように重なるのです。直接には関わりはないものの、こういう「事件の置き方」を作者は今回、見いだしたのだなと思いました。そして頼朝像のほうもそれによって、単なる歴史知識ではない、深い陰翳を与えられた気がします。 表面の現代の事件の謎解きよりも、むしろそれに照らし返されることで、相乗的に鎌倉という土地の存在感自体が大きく立ち上がった、そんな思いがあります。もちろんその逆も同時に存在し、いつの世も変わらぬ支配者の宿命のようなものを、現代の小さな事件もになわされます。 この一冊を持って、一日、ぜひ「鎌倉」をめぐってみたいと思います。 | ||||
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そこまで長々と薀蓄を語り(これはいつもの事だけど)、事件に興味が無いのなら、殺人事件を盛り込む必要も無いのでは? と正直思ってしまった。 薀蓄部分は面白いのだけど、妹の沙織がうるさい。騒がしい。恥ずかしがる奈々の気持ちがわかる。笑 新作が出たら結局読むと思いますけど、沙織がレギュラー化するのならちょっと考えるかも。彼女、歴史は詳しそうなので便利キャラとして出てくるんだろうなあ… 次も出てくるみたいだし。 まあ、奈々とタタル、小松崎だけでは話が進まなくなってきたんでしょうかね…。 | ||||
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今では著名文化人がこよなく愛する鎌倉の地。「稲村モールド」ビル4階社長室のある閉鎖空間フロアーで殺人・社長失踪事件が発生した。この事件解明に並行して、鎌倉観光スポット廻りでの表の歴史に対し、裏に潜む敗者の歴史が明らかになる。鎌倉の闇がタタルによって照らし出される。鎌倉の地が鉄と鎌倉党にまつわる葬り去られた人々に関わる探訪紀行になっていく。市販観光ガイドブック代わりにこの書を携えて、同じルートを訪れてみれば、鱗のはがれた目で、闇までが見えて観光が楽しめそう。歴史QEDは興味津々だが、殺人事件の解決・QEDの方は、これまでのタタルたちの事件解明への関わりや展開から比べるとストーリーの物足りなさを感じた。 | ||||
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ホームズや龍馬をテーマにしていた頃はまだミステリ小説と言ってよかったのですが、今や歴史読み物になってしまいました。 読み物としては面白いのですが、もういっそのこと殺人事件を入れたり、沙織や奈々のちゃちゃ入れをやめてしまったらどうでしょう? ミステリ小説を読みたくて手にとってしまった方ががっかりしてしまうのが目に浮かんでしまいます。 | ||||
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前作の「龍馬暗殺」は、惨劇の真っ只中、徹夜で龍馬について語るという、あんまりな設定で唖然としたのですが、さすがに作者も反省したのか、本作では、現代の事件は小松崎、「鎌倉の闇」を暴くのはタタルと完全分業制になっています。で、現代の事件の真相が、タタルが語る「鎌倉の闇」の相似形となっているという構成。 「鎌倉の闇」ですが、源頼朝以下3代の鎌倉幕府の源氏将軍についてのお話。頼朝というのは、実に評価の一定しない人物。一方では、武士政権を樹立した革命的天才と評され、他方では、北条氏に操られた木偶に過ぎない、と切り捨てられる。タタルが語る頼朝像はいかに?そして「鎌倉の闇」とは何か?それがどう現在の社長失踪事件と結びつくのか?乞うご期待。 なお、前作で狂歌と川柳を取り違えるなど、細かいミスが指摘されていますが、本作でも「享年」の使い方など、歴史に詳しい方とは思えないミスがやや見受けられます・・・残念。 | ||||
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●この作者にかかればどんな英傑も身ぐるみ剥がされてしまいますね。最後はどことなく哀れ、自分の願いや展望はどれくらいあの一族に汲んで貰えたのでしょうか。頼朝さん・・・・。●頼朝っぽい存在の人って世の中に満ち満ちていますね。遠い歴史の彼方の人物とは思えませんでした。私には生々しかった。爪を研いで臥薪嘗胆は早々に諦めあっちの方へ走ってしまったと思うと余計になんというか。●これを読むとなぜ兄弟にあれだけ冷たかったのか、果たして頼朝が原理原則に忠実で冷徹なことだけが理由だったのかそういう常識が揺らぎます。●曽我兄弟が富士山麓で及んだ凶行はもうちょっと詳しく教えて欲しかった。どっちが真意なのか、歌舞伎のような仇討ちが主眼で高貴な方のほうは用事のついでだったのか。また高貴な方を手にかけるという条件付で仇敵を始末できる約束が取り付けられたのか。そのあと高貴な方の係累が亡くなっているがこれも首謀者の計画のうちだったのか、あるいは突発事態を臨機応変に巧みに利用した結果なのか。●鎌倉を根拠地にするある生業の人々、これは今までのシリーズで得た知識だと朝敵となってあえない最期を遂げているはずです。なぜこの地の人々だけ鎌倉時代まで権益を主張し続けられたのでしょうか。それも答えは出ませんでした。いくら要害だからって飢餓戦術を採られたらひとたまりもないでしょう。●最後の証明に関連したことだけを追うとすればこの本の大部分の神社仏閣の知識は要らないと思います。建長寺に塔中がいくつあったとか大仏の作者は不詳とか。●北条氏と頼朝の関係は分かりましたがなぜ北条家だけが他の功臣より抜きん出ることが可能だったのか、ただ政略に長けていたからではQEDらしくないです。続編で彼らの政争に更なる精緻な調査考察を期待します。 | ||||
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薀蓄は面白いのですが、登場人物の沙織になじめなくて、星が2つです。 読んでいて、『たのむから静かにしてて…』と言いたくなります。 人によっては天真爛漫と感じるかもしれませんが、私には大げさなお馬鹿さんとしか感じませんでした。 後は主人公の祟が、何度も『奈々君には話したことがあるけど…』と『話が長くなる』と言うので、ちょっとうんざりしました。 小説と言うよりは、生徒が歴史博士に問いかける歴史マンガを文章にした感じがしました。 | ||||
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これはちょっとミステリアスな、鎌倉の観光案内所でしかない。 | ||||
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著者の人気シリーズの第8弾。「QED(quod erat demonstrandum)」=「証明終わり」という意味が指すように、主人公・桑原崇が歴史の闇や謎を解き考証していく。今回はタイトルのように鎌倉、そして源氏3代に潜む暗闇を紐解く。昔、教科書で読んだ源頼朝は「1192(イイクニ)つくろう鎌倉幕府」と勢力争いなどしか記憶には残っていなかった。――鎌倉という地名の由来、なぜ頼朝が鎌倉を拠点としたか――謎の入口に魅入られたが最後、源氏3代の悲しい運命を見届けずにはいられませんでした。実際に何度も鎌倉に行き、頼朝のお墓を見に行ったり、銭洗弁天でお金を洗ったりもしていたので風景を思い浮かべながら読みました。そして棚旗姉妹のように今さら鎌倉にあんな伝説や秘密があるなんて…と驚き、改めてタタルの考察に従って鎌倉を辿ってみたいと思いました。しかし“歴史の謎”と“事件の謎解き”のバランスが偏ってしまったことが残念(個人的には「式の密室」「六歌仙の暗号」くらいのバランスを期待していたので)。現代ミステリーが好きな方よりも歴史ミステリーが好きな方にオススメです。 | ||||
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著者の人気シリーズの第8弾。「QED(quod erat demonstrandum)」=「証明終わり」という意味が指すように、主人公・桑原崇が歴史の闇や謎を解き考証していく。今回はタイトルのように鎌倉、そして源氏3代に潜む暗闇を紐解く。 昔、教科書で読んだ源頼朝は「1192(イイクニ)つくろう鎌倉幕府」と勢力争いなどしか記憶には残っていなかった。――鎌倉という地名の由来、なぜ頼朝が鎌倉を拠点としたか――謎の入口に魅入られたが最後、源氏3代の悲しい運命を見届けずにはいられませんでした。 実際に何度も鎌倉に行き、頼朝のお墓を見に行ったり、銭洗弁天でお金を洗ったりもしていたので風景を思い浮かべながら読みました。そして棚旗姉妹のように今さら鎌倉にあんな伝説や秘密があるなんて…と驚き、改めてタタルの考察に従って鎌倉を辿ってみたいと思いました。 しかし“歴史の謎”と“事件の謎解き”のバランスが偏ってしまったことが残念(個人的には「式の密室」「六歌仙の暗号」くらいのバランスを期待していたので)。 現代ミステリーが好きな方よりも歴史ミステリーが好きな方にオススメです。 | ||||
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薬剤師の桑原崇ことタタルが歴史の講釈をしながら、同時に事件の謎も解決する「QED」シリーズ。今回は鎌倉を舞台に、タタルと棚旗奈々、沙織の姉妹、それに小松崎の四人が、鎌倉時代の歴史の闇に踏み込んでいきます。鎌倉時代の謎と、現実の失踪事件の謎を割合で換算すれば、8対2ぐらいかなあ。メイン・ディッシュはタタルが展開する鎌倉時代の蘊蓄で、デザートに失踪事件が差し出されるといった感じ。鎌倉のカラー地図も織り込まれていて、これはもう、歴史紀行ミステリーと言っていいんじゃないかと、そんな印象を持ちました。鎌倉という場所に興味がある人は、「へえっ。そこにはそんな由来があったんだ」とか「ふーん。源頼朝って……そうだったんだあ」と、その地を、そして鎌倉時代を散策するように楽しむことができるのではないでしょうか。タタルが開陳する鎌倉時代の蘊蓄はかなりマニアックで、正直、うざったく感じた部分もありました。そのマニアックな毒を薄めていたのが、沙織のキャラでした。彼女のあっけらかんとした言動は、なかなか愉快で楽しませてもらいました。タイトルの中の「ventus」というのは、ラテン語で「風」を意味する言葉なんだそうです。歴史の持つイメージとメッセージとを掛けて、この言葉を持ってきたみたい。「QED.」(以上、証明終わり)とラテン語で繋がっているっていうのもあったかも。 | ||||
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相変わらず事件自体のウェイトは低く、主人公もますます事件に興味を持っていません。事件と歴史考証の関係もますます取ってつけたようなものになっています。今やこの「無関係さ」こそが読者の期待でしょうか。私は鎌倉時代に特に興味を持っているわけではありませんが、時代考証自体は大変面白いです。今回は鎌倉の地図もついていて、これから鎌倉へ行こうという方は、この本を持っていけば観光がさらに楽しめるのではないか、といった感じです。 | ||||
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出版関係の会社に勤める棚旗奈々の妹、沙織は取材で鎌倉へ行くという。奈々は、それに桑原崇と共に同行することになった。自分の地元だけに、「鎌倉」には自信を持っていた奈々だが、桑原が解き明かす「鎌倉時代」を知り、その本当の姿を知る。鎌倉や源氏に関する謎解きは、まさに圧巻!!相変わらず、学校では学ばないようなことが、渦を巻いている感じです。正直、ここまで、とんでもない時代だとは思っても見なかった私には、今回も「目からウロコ」の状態でした。鎌倉時代には、興味のない方でも十分に楽しめる内容になっていると思います。事実、私はそうでした。これを読むまで「鎌倉時代」といえば、精々、「いざ鎌倉」や「北条氏」くらいしか、知りませんでしたから。謎解きに関しては、ちょっとあっさりしていたかな、という感じも受けました。しかし、このシリーズの成り立ち上、今回は仕方がなかったかなという感じも受けました。個人的には、謎解きのほうにページを割いてほしかった気もしますが。それにしても、今回は、棚旗奈々の妹・沙織がとても伸び伸びとしていて、ヒロインであるはずの奈々をちょっと食っているように感じました。「奈々ちゃん大人しいからなぁ。負けちゃだめだぞ!」などと、心の中で勝手にエールを送りながら、彼女の桑原に対するちょっとした動作にうきうきしておりました。 | ||||
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鎌倉及び源氏についての考察は面白く読めましたが肝心の推理部分はあっさりしすぎなくらいあっさり描かれています。平家物語ファンにはお勧めしませんがシリーズ通してのファンの方なら充分楽しめると思います。 | ||||
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