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QED ~ventus~ 鎌倉の闇 



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QED ~ventus~ 鎌倉の闇 の評価: 2.80/5点 レビュー 20件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.80pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(3pt)

頼朝像が変わる徹底した鎌倉紀行・社長失踪事件の「喩」としても

前の巻から登場した歴史好きで雑誌編集者の妹沙織とともに、鎌倉探訪に出かける奈々。鎌倉のガイド記事を書くためという名目で、博覧強記のタタルがかり出されて案内役になります。鎌倉のすみずみまで歴史と民俗学の地層を掘り下げきる、「アースダイバー」的なタタルの解説があいかわらず読者を震撼させます。

一方で稲村モールドという会社の中での殺人、社長の失踪事件が起き、いつものようにジャーナリストの小松崎がこれを追ってゆきます。

QEDシリーズの定番である、現代の事件と歴史の暗部の壮大なパノラマの絡ませ方が、直前の二作「竹取伝説」「龍馬暗殺」ではいまひとつでしたが、今作では新たなスタンスが見いだされたと思います。

 鎌倉という地の歴史、砂鉄のとれる稲村ヶ崎、たたらの一族、弁財天伝説の真実など、この地の支配攻防の末に、幕府を開いた流人頼朝。しかし北条氏一族の傀儡でもあった危うさと悲劇性が三代目の公曉にいたるまで、タタルの説によって明らかにされます。

 その頼朝像と、現代の社長、竜願寺の像がはからずもメタフォアのように重なるのです。直接には関わりはないものの、こういう「事件の置き方」を作者は今回、見いだしたのだなと思いました。そして頼朝像のほうもそれによって、単なる歴史知識ではない、深い陰翳を与えられた気がします。

 表面の現代の事件の謎解きよりも、むしろそれに照らし返されることで、相乗的に鎌倉という土地の存在感自体が大きく立ち上がった、そんな思いがあります。もちろんその逆も同時に存在し、いつの世も変わらぬ支配者の宿命のようなものを、現代の小さな事件もになわされます。
 この一冊を持って、一日、ぜひ「鎌倉」をめぐってみたいと思います。
QED~ventus~〈鎌倉の闇〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:QED~ventus~〈鎌倉の闇〉 (講談社文庫)より
4062758210
No.8:
(3pt)

ほぼ薀蓄で終了。

そこまで長々と薀蓄を語り(これはいつもの事だけど)、事件に興味が無いのなら、殺人事件を盛り込む必要も無いのでは? と正直思ってしまった。
薀蓄部分は面白いのだけど、妹の沙織がうるさい。騒がしい。恥ずかしがる奈々の気持ちがわかる。笑 
新作が出たら結局読むと思いますけど、沙織がレギュラー化するのならちょっと考えるかも。彼女、歴史は詳しそうなので便利キャラとして出てくるんだろうなあ… 次も出てくるみたいだし。
まあ、奈々とタタル、小松崎だけでは話が進まなくなってきたんでしょうかね…。
QED  ~ventus~  鎌倉の闇 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:QED ~ventus~ 鎌倉の闇 (講談社ノベルス)より
4061823841
No.7:
(3pt)

鎌倉の闇の歴史探訪に誘う書

今では著名文化人がこよなく愛する鎌倉の地。「稲村モールド」ビル4階社長室のある閉鎖空間フロアーで殺人・社長失踪事件が発生した。この事件解明に並行して、鎌倉観光スポット廻りでの表の歴史に対し、裏に潜む敗者の歴史が明らかになる。鎌倉の闇がタタルによって照らし出される。鎌倉の地が鉄と鎌倉党にまつわる葬り去られた人々に関わる探訪紀行になっていく。市販観光ガイドブック代わりにこの書を携えて、同じルートを訪れてみれば、鱗のはがれた目で、闇までが見えて観光が楽しめそう。歴史QEDは興味津々だが、殺人事件の解決・QEDの方は、これまでのタタルたちの事件解明への関わりや展開から比べるとストーリーの物足りなさを感じた。
QED~ventus~〈鎌倉の闇〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:QED~ventus~〈鎌倉の闇〉 (講談社文庫)より
4062758210
No.6:
(3pt)

鎌倉の見方が変わるかも知れない

前作の「龍馬暗殺」は、惨劇の真っ只中、徹夜で龍馬について語るという、あんまりな設定で唖然としたのですが、さすがに作者も反省したのか、本作では、現代の事件は小松崎、「鎌倉の闇」を暴くのはタタルと完全分業制になっています。で、現代の事件の真相が、タタルが語る「鎌倉の闇」の相似形となっているという構成。
「鎌倉の闇」ですが、源頼朝以下3代の鎌倉幕府の源氏将軍についてのお話。頼朝というのは、実に評価の一定しない人物。一方では、武士政権を樹立した革命的天才と評され、他方では、北条氏に操られた木偶に過ぎない、と切り捨てられる。タタルが語る頼朝像はいかに?そして「鎌倉の闇」とは何か?それがどう現在の社長失踪事件と結びつくのか?乞うご期待。
なお、前作で狂歌と川柳を取り違えるなど、細かいミスが指摘されていますが、本作でも「享年」の使い方など、歴史に詳しい方とは思えないミスがやや見受けられます・・・残念。
QED~ventus~〈鎌倉の闇〉 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:QED~ventus~〈鎌倉の闇〉 (講談社文庫)より
4062758210
No.5:
(3pt)

闇というより哀愁だった

●この作者にかかればどんな英傑も身ぐるみ剥がされてしまいますね。最後はどことなく哀れ、自分の願いや展望はどれくらいあの一族に汲んで貰えたのでしょうか。頼朝さん・・・・。●頼朝っぽい存在の人って世の中に満ち満ちていますね。遠い歴史の彼方の人物とは思えませんでした。私には生々しかった。爪を研いで臥薪嘗胆は早々に諦めあっちの方へ走ってしまったと思うと余計になんというか。●これを読むとなぜ兄弟にあれだけ冷たかったのか、果たして頼朝が原理原則に忠実で冷徹なことだけが理由だったのかそういう常識が揺らぎます。●曽我兄弟が富士山麓で及んだ凶行はもうちょっと詳しく教えて欲しかった。どっちが真意なのか、歌舞伎のような仇討ちが主眼で高貴な方のほうは用事のついでだったのか。また高貴な方を手にかけるという条件付で仇敵を始末できる約束が取り付けられたのか。そのあと高貴な方の係累が亡くなっているがこれも首謀者の計画のうちだったのか、あるいは突発事態を臨機応変に巧みに利用した結果なのか。●鎌倉を根拠地にするある生業の人々、これは今までのシリーズで得た知識だと朝敵となってあえない最期を遂げているはずです。なぜこの地の人々だけ鎌倉時代まで権益を主張し続けられたのでしょうか。それも答えは出ませんでした。いくら要害だからって飢餓戦術を採られたらひとたまりもないでしょう。●最後の証明に関連したことだけを追うとすればこの本の大部分の神社仏閣の知識は要らないと思います。建長寺に塔中がいくつあったとか大仏の作者は不詳とか。●北条氏と頼朝の関係は分かりましたがなぜ北条家だけが他の功臣より抜きん出ることが可能だったのか、ただ政略に長けていたからではQEDらしくないです。続編で彼らの政争に更なる精緻な調査考察を期待します。
QED  ~ventus~  鎌倉の闇 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:QED ~ventus~ 鎌倉の闇 (講談社ノベルス)より
4061823841
No.4:
(3pt)

'05大河ドラマの前に

著者の人気シリーズの第8弾。「QED(quod erat demonstrandum)」=「証明終わり」という意味が指すように、主人公・桑原崇が歴史の闇や謎を解き考証していく。今回はタイトルのように鎌倉、そして源氏3代に潜む暗闇を紐解く。昔、教科書で読んだ源頼朝は「1192(イイクニ)つくろう鎌倉幕府」と勢力争いなどしか記憶には残っていなかった。――鎌倉という地名の由来、なぜ頼朝が鎌倉を拠点としたか――謎の入口に魅入られたが最後、源氏3代の悲しい運命を見届けずにはいられませんでした。実際に何度も鎌倉に行き、頼朝のお墓を見に行ったり、銭洗弁天でお金を洗ったりもしていたので風景を思い浮かべながら読みました。そして棚旗姉妹のように今さら鎌倉にあんな伝説や秘密があるなんて…と驚き、改めてタタルの考察に従って鎌倉を辿ってみたいと思いました。しかし“歴史の謎”と“事件の謎解き”のバランスが偏ってしまったことが残念(個人的には「式の密室」「六歌仙の暗号」くらいのバランスを期待していたので)。現代ミステリーが好きな方よりも歴史ミステリーが好きな方にオススメです。
QED  ~ventus~  鎌倉の闇 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:QED ~ventus~ 鎌倉の闇 (講談社ノベルス)より
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No.3:
(3pt)

'05大河ドラマの前に

著者の人気シリーズの第8弾。「QED(quod erat demonstrandum)」=「証明終わり」という意味が指すように、主人公・桑原崇が歴史の闇や謎を解き考証していく。今回はタイトルのように鎌倉、そして源氏3代に潜む暗闇を紐解く。
昔、教科書で読んだ源頼朝は「1192(イイクニ)つくろう鎌倉幕府」と勢力争いなどしか記憶には残っていなかった。――鎌倉という地名の由来、なぜ頼朝が鎌倉を拠点としたか――謎の入口に魅入られたが最後、源氏3代の悲しい運命を見届けずにはいられませんでした。
実際に何度も鎌倉に行き、頼朝のお墓を見に行ったり、銭洗弁天でお金を洗ったりもしていたので風景を思い浮かべながら読みました。そして棚旗姉妹のように今さら鎌倉にあんな伝説や秘密があるなんて…と驚き、改めてタタルの考察に従って鎌倉を辿ってみたいと思いました。
しかし“歴史の謎”と“事件の謎解き”のバランスが偏ってしまったことが残念(個人的には「式の密室」「六歌仙の暗号」くらいのバランスを期待していたので)。
現代ミステリーが好きな方よりも歴史ミステリーが好きな方にオススメです。
QED  ~ventus~  鎌倉の闇 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:QED ~ventus~ 鎌倉の闇 (講談社ノベルス)より
4061823841
No.2:
(3pt)

あっさりめ。

出版関係の会社に勤める棚旗奈々の妹、沙織は取材で鎌倉へ行くという。奈々は、それに桑原崇と共に同行することになった。自分の地元だけに、「鎌倉」には自信を持っていた奈々だが、桑原が解き明かす「鎌倉時代」を知り、その本当の姿を知る。鎌倉や源氏に関する謎解きは、まさに圧巻!!相変わらず、学校では学ばないようなことが、渦を巻いている感じです。正直、ここまで、とんでもない時代だとは思っても見なかった私には、今回も「目からウロコ」の状態でした。鎌倉時代には、興味のない方でも十分に楽しめる内容になっていると思います。事実、私はそうでした。これを読むまで「鎌倉時代」といえば、精々、「いざ鎌倉」や「北条氏」くらいしか、知りませんでしたから。謎解きに関しては、ちょっとあっさりしていたかな、という感じも受けました。しかし、このシリーズの成り立ち上、今回は仕方がなかったかなという感じも受けました。個人的には、謎解きのほうにページを割いてほしかった気もしますが。それにしても、今回は、棚旗奈々の妹・沙織がとても伸び伸びとしていて、ヒロインであるはずの奈々をちょっと食っているように感じました。「奈々ちゃん大人しいからなぁ。負けちゃだめだぞ!」などと、心の中で勝手にエールを送りながら、彼女の桑原に対するちょっとした動作にうきうきしておりました。
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4061823841
No.1:
(3pt)

推理小説ではないかも

鎌倉及び源氏についての考察は面白く読めましたが肝心の推理部分はあっさりしすぎなくらいあっさり描かれています。平家物語ファンにはお勧めしませんがシリーズ通してのファンの方なら充分楽しめると思います。
QED  ~ventus~  鎌倉の闇 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:QED ~ventus~ 鎌倉の闇 (講談社ノベルス)より
4061823841

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