■スポンサードリンク
六番目の小夜子
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
六番目の小夜子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.72pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全161件 81~100 5/9ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
学校に伝わる奇妙な伝説を題材にしたホラー、美しい謎の転校生、探偵めいた男子との攻防、彼女に憧れるイノセントな女友達・・・と素材は古典的。あとがきに「NHKの少年ドラマシリーズへのオマージュとして書いたつもり」とありますが、あえて古典的な枠組みを踏襲し、その中で新しいものを生み出そうとした著者のパワーが感じられる作品だと思います。つっこみどころや首をかしげる点も少なくないのだけれど、読み始めると止まらなかったし、怖かった! 学校という場、高校生という対象だから成立しうる物語で、説明口調が気になる箇所もあるものの(そのくせつじつまは合わないんだなあ・・・)、臨場感たっぷりで、実にゾクゾクと恐ろしい。ちょっと古風な高校生活が丹念に書かれているのが好ましく、その時代をなつかしむ人にとっては甘美な怖さかもしれません。 著者の『三月は深き紅の淵を』という作品に次のような文章が出てきます。ある女性編集者が言う言葉。 「名作や傑作って、インパクトはあるし感激するけど、意外にすこんと抜ける。うまく出来てる小説ってそうです。長く心のどこかにひっかかってる小説って、そういう小説じゃない。印象に残る作品っていうのは、アクの強いオリジナリティのあるものの方でしょう」 あれー、これってまさに『六番目の小夜子』じゃないの??と思いました。まったく、妙なアクがあって後を引く作品なのです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
当初「彼女」という登場人物が誰なのか、1人なのか複数の人間を指しているのか錯綜しました。 この「彼女」問題は、途中で解決します。 転校生というと、出来上がっている輪に入りきれないという体験があるせいか、 津村沙世子の溶けこみには違和感を持ちました。 話の盛り上がりは「秋の章」 面白みが出てきて読むのが楽しくなってきます。 そして、曖昧な部分が明確になってくるんだろうと期待を持ってきます。 しかし… 読み終わったいま、黒川の存在や動機は何だったんだろうという謎が心に残っています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
人間のいろいろな面が丸出しになる時代は,多分高校で終わるのではないでしょうか。 そんな最後の濃い全体性を持つ時期に,人は強い郷愁を感じます。 本書はとある地方進学校で行われる奇妙な伝統「小夜子」をめぐる1年間の物語です。 なぞめいた雰囲気たっぷりに進む物語は,春が来て終わりになりました。 腑に落ちることに対して,分からないこと,ひっぱったけど続かなかったことが多くて,小説としては読後のすっきりに欠けるかもしれませんが,いいでないですか。 1年間の高校生活を楽しめるのですから。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
登場人物が魅力的です。細かな心理描写も面白いし、ストーリーにぐいぐい引き込む パワーがあります。特に文化祭のくだりはすごい迫力です。ただね・・・ う〜ん、釈然としない部分が多いんだと思うんです。 誰かの手によって操作されたものなのか、それとも霊のようなものなのか、 それすらもよくわかりませんでした。あの犬は何なのか?すごく気になります。 多少謎を残しておくのはいいと思うんですが、 もう少し何とかしてほしいと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
津村小夜子の碑は、黒川が勝手に作ったものなのか? ことしの転校生がたまたまサヨコだったので、同姓同名の碑を作って、そしてアルバムなどは 全部消去して。さもそんな生徒がいたかのようなトリックをしかけたのか・・・・。 そして秋がそれをかぎつけようとすることまで見越して。 そして加藤もそれに乗ってヒヲミテなどと演技したのかな? そう考えるとつじつまは合ってくるが、もう少しは小説の中で消化してほしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作品の雰囲気は好き。 自分には無いはずの思い出を懐かしく思い出させてくれるような。 が、話としては色々と破綻しているし、結局思わせぶりだけで終わってしまったりと、 読後に納得出来ない点が多過ぎる。 ちょっとミステリアスな青春小説という感じで深く考えずに読めばいいのだろうが、 サスペンスとかホラーとか系を期待して読むと「なんだそりゃ?」という感じ。 高校生活の描写は、優等生の文学少女の空想という感じでちょっと微笑ましくもある。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ラストの批判が多い作品だ。(本作に限らず、恩田氏の作品は総じてそうだが…)しかし、私は十分素晴らしい、何度も繰り返し読むのに値する作品だと思う。どこにでもある進学校で、優秀な生徒たちの手によって、サヨコゲームが脈々と続いていく。プロローグ、エピローグで顕れる、「川」ということば。ささやかで、キラキラと輝いて、そして澱みなく永遠に流れ続ける。まさしく、恩田陸が書こうとする「青春」そのものだ。彼女はいつも、永遠に続く流れを書こうとしたのだと、私は思っている。だから終りがない。綺麗に終わらせてはいけないのだ。ページが終わっても、登場する人物たちの人生は終わっていない。だから恩田陸は謎を謎のままにする。ラストをラストにしない。そうすることによって、読者はいつまでも登場人物を追い続けることが出来るのだ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉田秋生の『吉祥天女』・・・・としか言いようがない。 『吉祥天女』よりNHK少年ドラマシリーズで、青春臭さが漂う。それくらいしか違いが分からない。 『吉祥天女』を知らなければ、別の感想もあったかもしれないけど、もうその酷似ぶりから眼をそらすことができないもんな。 ただ、偏差値高そうな高校生の学校生活は、すごく親近感が持てた。自分の思い出と照らし合わせて、高校時代をなつかしく思い出させる小説に、はじめて会った。 自分は当然「なにものか」になって「なにごとか」を為す。 そんなこと日常的に考えてる高校生はそんなにいないってこと、高校卒業するまで知らなかった。 理解力・集中力に裏づけされた共通認識。その世界が描かれたのを見たのは初めてだ。 国家予算の半分は東大と京大が使ってるから、そのどちらかに行かなくちゃ損だ。とかね。本気で言ってるわけでね。 主人公の津村沙世子がどうも腹黒い匂いのするところが難点なんだけど、他人より美しく知能高く生まれついた少女の残酷さと思えば、アリかな。 他人をマインドコントロールして、自分の意思通りに動かそうとしたり。 どんな女子高校生像よりリアル。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
これは、学園ものなのかと思えばホラーっぽい要素があったり、恋愛があったり、学校はこういう風にできているというような、不思議な作品でした。 私は、謎ときの要素が一番魅力的で、「サヨコ」らしい人物がたくさん、たくさんでてきて、読んでいて一緒に悩まされたし、学園祭のシーンの緊張も一緒に味わいました。 なんだか、自分もこの作品の登場人物の一人になった気分です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
なかなかおもしろかった。 実はこの、装丁がちょっと苦手で、買ってなかった。 古本屋で見つけて購入。 デビュー作を大幅に加筆したとのこと。 デビュー作にはあたりが多いと思うが、やはりこの本も例にもれず、どんどん、引き込んでいくエネルギーを感じました。 シュチュエーションを作り出すのに、かなり無理があるなぁ、とか、 アクシデントもちょっとなぁ、などと、思うところもありますが、 それを補うほどの、主人公4人のキャラが強い。 高校という、まさに得意な社会の中でしか起こりえない、奇異なイベント(?)だが、高校ならばありうる、と、誰もが思ってしまうところに、この小説のうまさがあると思う。 謎が解決されないまま、というのも、何気に好みな終わり方でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
内容も設定もすごく面白いです。 特に学園祭のシーンはものすごい迫力です。 ただ、ラストが・・・・ちょっと中途半端な感じ。 「結局、沙世子は何がしたっかったの?」って思いました。 設定とかキャラクターは魅力的で面白いのに、 もったいない感じです。 でも、やっぱり面白い作品だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この本は、ひとつの学校論である。 学校の内部にいる人は、学校のパワーで無意識に動かされ、生徒役や教師役を演じている。塾講師のバイトをやっていたとき「先生は演じるものだ」というアドバイスをもらったことがある。生徒の前に立って演説をする。恥ずかしいし、教室の外から見ると自分の姿はかなり滑稽だと思う。そういった意識を除去するため、あえて演じるのだ。先生の前に座っている大勢の人間も、ほとんどの場合無意識に生徒役を演じている。あの不気味な箱の中で呼吸するには、そういった方法をとるのが最適なのだろう。 学校の不気味さ。学校にいるあいだも学校を出てからもそれほど意識はしない。恩田陸は、そこをうまく取り出している。単なるホラーだとか、サスペンスだとかで終わらせてはもったいないや。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んだのがずっと昔なので、細かいことは覚えていないのですが、えらく 肩透かしを食ったことだけが、えらくハッキリと印象に残っています。 途中まで思わせぶりな感じで話が進むのですが、 後半憑き物が落ちたように平々凡々なつまらない話になります。 この作家が有名になったので復刊したか、お蔵入りしていたのが 出たかしたらしいですが、長らく出版されなかったのもむべなるかなと いった感じです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どんな学校にも多かれ少なかれ存在するであろう「怪談」。 大勢の若いエネルギーの吹き溜まるところなんだから、年月を経れば得体の知れない何かが生まれ、育ったとしても不思議ではない。そんな「学校」の持つ不気味さを、うまく設定に活かしてあると思う。 でもおもしろいのは設定だけ、かも。 小夜子の存在はいわくありげなようでいて中途半端だし、雰囲気だけ盛り上げておいて、ものすごく消化不良。「怪談」の「雰囲気」だけで引っぱってる。引っぱられるだけの「雰囲気」ではあるんだけど。そしてその「学校の持つ、なんだか得体の知れない不気味な雰囲気」こそ、作者が描きたかった「もの」なんだろうけど。 文化祭のシーンの臨場感は、とてもうまい。この雰囲気を味わうだけでも、読む価値はあるかな、と思う。 ちょっとホラー風味の青春小説であると思って読めば、すでに大人の方々には懐かしくせつない時代を思い出させてもらえるでしょう。現役学生の方には「つくりもの」すぎると思われるでしょうが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1つは14年前に出版された初版本の小夜子 NHKのドラマを先に見ていた私にとって、 違和感としかいえないほど、物足りなく感じたました 登場人物もドラマに比べて重厚性がなく、人物配置も浅い。 初版本と、改版され重版されたこの小夜子。 今は文庫の主流がこちらのようです。 初版本の表紙はかなり怖く、こちらを睨んでいる女性です。初版本と重版との決定的な違いは最後にまあと由紀夫が、秋と沙世子が将来何になるか(職業)を予想しあっているところ。 明らかにまあの意見に対し由紀夫の答えは、変です 。重版ではそれが改善されていました。 別に初版に書かれていた、職業を侮蔑しているわけではありません。まあの意見は、沙世子に当てはまるように思えますが、由紀夫の解答は「?」と、首を傾げてしまいました。読み比べの出来る方、是非。 内容は14年前に書かれた割に、古ぼけた感じがなく(携帯電話のない時代の小説ですが) ミステリだとは言い切れませんが、かなり良く書けた作品だと思いました。 恩田陸の作品は「六番目の〜」以後、有名になっていきます。小夜子がつまらない、退屈だと思う方でも是非、「麦の海〜」は必読といえます。 恩田陸の最高傑作は「麦の海にあり」です。 麦の海を気に入ったら「水晶の夜〜」「百合の骨」も続けて読むと、本当に楽しいです。 小夜子を気に入られた方「象と耳鳴り」または「Puzzle」オススメです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
受け継がれる謎のゲーム「小夜子」。 今年は六番目の年。 そのゲームが行われるところまでは素晴らしく面白かった。 ところがその後、積み木が崩れる様を思い浮かべてしまうような「散らかし」っぷり。 せっかく張った伏線、せっかく積み上げてきた魅力ある「小夜子」像が台無しです。 「あれは結局なんだったんだろう・・・」と読後に唖然としてしまう点が少なくない。 細かいことは気にせず、作品の「雰囲気」だけを楽しんでください。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品は、ミステリー文学の面と青春文学の面があると思う。 ミステリーの方は、あまり評価できない。あれだけ「小夜子」のゲームと「津村沙世子」の存在を謎めかせて読者を引き込んでおきながら、結局、真相はどちらもたいしたものではなく、「驚愕の真実」を期待していた者としては、正直興ざめだった。 それに引きかえ、青春の方は、高校生の他愛ない心理が描写されていてなかなか良いと思ったし、どうやらテーマはこちらの方に重点をおいているようなので、青春文学としての評価で星3つ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
恩田陸をこれから読もうという人は絶対にコレから!作者の特徴とも言うべき「懐かしきあの頃」を回想させ、更にノスタルジーな気分に浸らせてくれること請け合い。四季の変化と共に、サヨコと彼女を取り巻く人物達も変化を見せてくれる。ゆったりと、そして心地よいペースで読み込むことができると思う。謎めく要素も魅力的かつ神秘的な描かれ方がされており、青春時代の多様な体験と重なってくる、、 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
NHKのドラマを見て(文化祭からですが…)おもしろそうだと思い読みましたが。。。文化祭のところや、緊迫感のあるシーンでの描写の仕方は作者の持ち味がでていてよかったと思います。 ただ、どうにも納得できないところが多すぎます、伏線を引くなら少しは消化してほしいです。なんとなく消化不良な感じ… この本の評価は☆1つですが、今後の期待ということで。。☆2つ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
地方の県立進学校を舞台に繰り広げる,サスペンスタッチの学園群像劇。期待通りの読後感。今後も折にふれて手に取りましょう。 秋のキャラ設定が絶妙にいい。名家の末っ子で成績優秀。女の子にモテるんだけど,部室長屋で煙草をふかし,与太話に花を咲かす。自分が気になった事柄となれば,友情・恋愛そっちのけで議論に没頭。そんな彼の行動が,特に中盤以降でカギになります。 学校は長い年月を経てそこに在っても,そこに通う生徒は,ねじ巻きのように3回ループを回ったら,そこでオシマイ。大学や会社では見かけない“伝説”は,短い間に濃密な時間を過ごすからこそ,作り出されるのか。そして,その正しさや合理性を吟味する間もなく,その場から追い出されてしまう。 まさに不条理の巣窟。でも,その不条理こそが,ノスタルジー。 p.s.過去にドラマ化されたようですが,この作品は高校でこそ“伝説”の意味が生きると思います。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!