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六番目の小夜子
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六番目の小夜子の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全161件 61~80 4/9ページ
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他の方もおっしゃっている通り、謎が謎のまま終わる作品です。結局、「サヨコ」とはなんなのか、疑問に残りました。作者さんは、「サヨコ」の無限のループを繰り返すために謎をそのままに終わらせたのかもしれませんが、最後まで読むと肩透かしの気分です。最後の唐突な締めにも違和感を感じました。そのためか、自分には「サヨコ」の魅力が掴めなかったです。また文体が読みにくいと思いました。ころころと視点が代わり、誰が主役なのかも分からないです。情景の描写からいきなり登場人物の心理描写に入ると、おもわず(?)になります。そこはカッコなり、改行するなりが欲しかったです。 | ||||
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この作品は、最後がいまいちはっきりとしないような感じがあるため、結局何が言いたい訳?というような人には少し不満があるのかもしれない。しかし私は、あやふやな感じで終わっていると自分で色々と想像ができて楽しい。この作品で最も印象強かったのが、学園祭の内容。全校生徒が暗闇の中に集まって皆で学校のひそかに伝わってきた歴代サヨコの再現。学校というものは、皆同じ話を教室で聞いてでも、考えてる事はばらばらで…同じ歳の子が一カ所にいるのにみんなてんでバラバラの事を考えている当たり前の事だけど、そう書かれちゃうと何だか面白いよね。昔の自分もそうだったかも、と懐かしく思ったりね。他にも嘘でしょ…と衝撃が走る場面も沢山。普通の高校生では有り得ない事ばかりで読んでて楽しかったかな。 | ||||
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これだけ伏線を丹念に張りながら、なんか途中で飽きちゃったのか?と思うようなラスト。もったいないと思いました。どの伏線も魅力的だったが故、なんかもう「えええええええええ」と言いたくなる残念さ。欲張りすぎて綺麗におさめれなくなって放棄したような印象さえ受けた。一つ一つを輝かせたのに放置・・みたいな・・。使いきれない部分を削って、もっと深く書いてみて欲しかった。すっごい残念でした。 | ||||
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良い評価も、悪い評価も、どちらの意見も納得できる作品です。要は、自分が小説に何を求めるか、の違いだと思います。私は、目から鱗が落ちるような「オチ」、全てが無駄なくつながっている「必然性」を求める欲張り派なので、どうしても評価が低くなってしまいます。私は、緊迫した場面でも「え〜?!これ、ナニ、最後はどうなっちゃうの?」と、最後に事態がどのように収束するかが気になりますし、結末のストンと見事に落とされる感じ、「ぐ〜、その手があったか。作者あったまいい〜」を味わいたくて小説を読んでいます。一方、先が気になってしょうがないという「リーダビリティ」や、心臓がバクバクする「高揚感(盛り上がり)」を主として小説に求める派は、十二分に楽しめるでしょう。「大風呂敷を、広げられるだけ広げて、結果、収拾がつかなくてなっても、まあいいや」という方なら、俄然、評価が高くなると思います。(あと、学園青春モノが好きな方も?)ところで、これまた他の方も書いているとおり、この作品で才能が見いだされたことによって、恩田陸さんは、作家となり、さらに一流の作家として磨かれていくことになったわけで……。『ドミノ』のファンとしては、この作品が果たした役割は感慨ひとしおであり、この作品に対する感謝の気持ちから、★を1つオマケしました。(今にして思うと『ドミノ』は、この作品の弱点と評される部分が、全て、真逆に優れて突出した傑作だと思います。) | ||||
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読み始めてから中盤まで、物語に結構引き込まれた。まず印象的だったのが、登場人物たちの描写がとてもユニークで、高校生「らしさ」がたっぷりと出ていたことだ。登場人物一人ひとりに個性があり、ああやっぱり等身大の高校生だ、と思った。それに登場人物たちのちょっとした冗談やおっちょこちょいな行為は、少し笑える。明るさがある物語だな、と思った。 また「サヨコ」の行事に対する謎がとてつもなく深く、だから恐怖をじわりじわりと感じられる。学校の七不思議を聞いているときの、ぞくぞくとした感じだ。特に「六番目のサヨコ」が始まったときには恐怖はピークに達し、ページをめくる手が止められなくなった。 ただの明るい話ではなく、暗い話でもある。「明」の内に「暗」が潜む矛盾や対称にはらはらさせられる、斬新な物語だった。 だが、満点までは付けられないと思った。というのは、物語が不完全燃焼であったような気がしたからだ。 まず「六番目のサヨコ」の後からは、物語があまり引き立っていなかったように思う。確かにラストにさしかかると、それなりに引き立つような場面はある。だが「六番目のサヨコ」の恐怖があまりにも強すぎたためだろう。読んでもあまりはらはらすることができなかった。 またラストで明かされる沙世子の謎も、あっさりとしすぎており、今までのオカルトチックな彼女の描写は何だったのか首をかしげてしまった。 結論として、物語はストーリー性よりもキャラクター性を重点的に読む方であれば、楽しく読めると思う。 | ||||
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青春物語のなかにどこか不気味さが漂う作品 不安定でどこか不器用な少年少女の描き方がとてもうまいと思った 加藤くんはちょっとかわいそうでしたが、もっと出番がほしかったところ 思春期のちょっと不気味な、わくわくする物語をぜひお試しあれ | ||||
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本当に勿体ないと思う。 これだけの要素を詰め込み、読者をワクワクさせておきながら、 どうにも納得のいかない結末を迎えるのは、非情に惜しく感じてしまう。 学園ホラーとするなら徹底的にその方向に持っていけばよかったのに、 無理に辻褄を合わせるように話を展開させるせいか、 何とも中途半端な出来になっている。 ただ、体育館で全員で演じるシーンは素晴らしい。 見てもいないのに、その場面が目の前に現れるような、 ゾクゾク来るような話のもっていき方を味わう為だけでも、 読む価値があると言える。 改めてそれを考えると、勿体ないなと思う作品だった。 出来ればリメイクでもして書き直して欲しい…… | ||||
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新聞を読むと、これはどこまで広告上なのだ、と時々思う。この本もしかり。おそらく学生を監視する学生の制度のことだと、思った。戸惑い。裏切り。切なさ。悲しさ。真摯さ。そして、胸落ち。 彼らは、あるドラマのモデルとなったり、現実に事件を起こしたりとする。是非この本を読み、さまざまな事件がどこまでそのとおりなのか、桁間を読んでみてください。きっと、相当なオカルトです。 仮に、監視の学生が事件を起こした場合。どうするのか、と、言うと。やはり、突っぱねるしかないのでしょう。大学としては、使用者責任を問われかねませんから。そのためには、学生証を発行しておいた方がいい。その意味するところは、即ち学生でないものが、学生証を持ち、学生として生活をするのです。つまり、報道されれば、学生として。また、学生として収監。などなど。と、言ったように。 しかし。でも、考えすぎると、現実と夢の接点を、見失いかけるのでは? | ||||
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幾つか疑問の残った箇所もあるが、やはりとても面白い。沙世子は沙世子か、しかし謎は解き明かされない方が効果的であるという良い見本だと思う。一つ一つのエピソードが凝っていて、飽きさせないし、人物や、事象を描写する筆致はデビュー作とはいえ流石。近代日本文学を読んでいるときの様な、美しい表現に出会うと、嬉しくなる。 | ||||
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私的には、なかなかの作品だったと思う。作品内の臨場感がひしひしと伝わって来て、特に学園祭のシーンでは、私もおのずとページをめくるのが早くなり、授業中にも関わらず手を止められなくなった。しかし、せっかくの臨場感のある舞台を用意しているのに、人物の行動や言動がスッキリしない所が多々あった。ただ、作品を読み終わった後で、自ら回想して推理してみるのも悪くないかも知れない。少なくとも、一度は読んで見る価値はあると思う。 | ||||
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この辺りが批判の強いところでしょうか? しかし、真っ暗な講堂の中で、ひとりひとりが一行づつ読んでいくところなんて、 ホラー小説のような怖さ、面白さでした。 構成としては夜のピクニックを思いだした。 もちろん、こっちの方が先、作者のデビュー作品です。 実に味わいのある作品に仕上がっていたと思います。 ただ、大学進学をやけに肯定的に受け入れているのが自分にはちょっとでした。 | ||||
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ノスタルジアの魔術師・恩田陸の衝撃のデビュー作。連綿と伝わる謎の因習を持つ名門高校に転校してきた、謎の美少女・沙世子。偶然にもその因習に巻き込まれてしまった男子生徒は、真相に迫るうちに様々な不可解な現象を目の当たりにし、沙世子に対して疑念の目を向けてゆく…。 ミステリアス、ファンシー、純情と、多彩なキャラクター達。繊細でユーモラスな学園生活と、身近に揺曳する異界との奇妙な調和。そして、猛犬の襲撃や学園祭のイベントといった、息を吐く余裕すら与えないスリリングなエピソード。ページを繰る度に、自らの学生生活を鮮やかに甦らせる舞台装置が満載で、気がつけば、小夜子ワールドにどっぷりと浸かってしまっていた。 桜の木の下に佇みたい、喫茶店「ビアンカ」でティータイムを寛ぎたい、凪いだ海を満喫したい…などと、小説と現実の境界を見失いそうになる程、この作品は読み手をその情景の中へと誘惑してくれる。学園ドラマ、ファンタジー、ホラーと、これだけの様々な要素をナチュラルに融合することに成功した恩田陸のイマジネーションの豊潤さは、全く以て並々ならぬものだ。 だが、それだけに、小説にとっては命である文体が、まるで脚本のような趣なのは、何とも残念な限り。また、期待させた割には沙世子の正体が常識的過ぎて、ファンタジーとしてはやや物足りなさが残るのも失点だ。 とはいえ、このめくるめく冒険にはやはり、弾む疾走感を隠しきれない。小夜子にしても著者にしても、このノスタルジーに満ちた世界で読者を魅了しようとする意気込みには、尋常ならざるものがあるのだ。 | ||||
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あいかわらず、10代の特に高校生の心の揺れをうまく表現していて ついつい自分の中学、高校時代を思い出し当時感じていた学校のもつ矛盾等を 新鮮に思い出させてくれる作品。 学園祭の箇所など、懐かしく感じた。 なにげない景色の描写等がまた、10代の心のひだも映し出して迫ってくる。 が、 舞台設定と、話の持って行きかたがなんとも消化不良。 読み終わったあと、数々残る疑問点。 まあこんなものかな。といういつもの読後感だった。 | ||||
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確かに拭いきれない謎があってやきもきする所もあります。 そこは多くの方がレビューしてくださっているので、割愛します。 「なぜ小夜子というゲームが受け継がれ続けるのか」 本書は、この学校という奇妙な一体感、集団心理にスポットを当てているように感じました。 (その表現が端的に出ているのがあの文化祭だと思います) 私はこの本を、登場人物と同じ年代のときに読みました。 自分は周りとは違う、個別に生きてる。と思っていても学校に呑まれながら生きている、そんな学生としての不安定さ、学校という共同体が生み出す奇妙さ、不気味さ。そういったものが非常によく表されてあって、ドキドキさせられたのをよく覚えています。もしかしたら畏怖に近い思いを抱いていたかもしれません。 今読み返すともう少し落ち着いて読めるのかもしれませんが、やはり人を惹きつける魔力のある本だと思います。印象に残る言葉も多いですし、オススメです。 | ||||
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ネタバレあるので、イヤな方は読まないで下さい。初期の作品ということもあって、所々に表現が怪しいところが見受けられますが面白いと思います。 ラストのすっきりしないなぜ? という終わり方は好みが分かれると思います。それも作中で語られていた「答えが用意されている問題ばかり考えてきた」弊害なのかもしれません。 黒川先生の行動の意味は、やはり学校をコマに例えて話すシーンに集約されていたのでしょうか? 何にせよ、力技感のある終わり方には違いありませんでした。 厳しい意見も多いですが、売れた瞬間注目されて批判が増えるのはお約束です。 作品を楽しむという意味では楽しめます。批判精神むき出しで読んだら楽しめません。これはそういう作品。黒川先生、幽霊と幽霊に操られた(?)野犬、小夜子の三人の意志が複雑にからまっているのがポイントなんでしょうね。 | ||||
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中盤、生徒全員での芝居の空気感は実によく出来てると思う。 しかし作品全体としてはひどく幼い。この作者の特徴なのかキャラクター設定はまるで子供むけ小説なのに、それを純文学ぶっている。 文学としては☆ 内容としては☆☆☆程度。 | ||||
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六番目の「サヨコ」の正体が明かされた後は、津村沙世子は何者なのかが謎の中心となる のだが、結末に至っても、すっきりしない点がいくつか残ってしまった。 そこがファンタジーらしいと言えばそうなのだが…。 ただし「夜のピクニック」と同様、高校生(達)を主人公とする青春群像劇は、 現在も作者の得意とするところであり、そういった点は十分楽しめると思う。 | ||||
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深夜のドラマをたまたま見る機会があって、気になっていた作品でした。 ドラマは最初の回しか見ていません。 ですが、学校伝説と謎の転校生というスリリングな設定に、すぐに引き込まれたことはいうまでもありません。小説も「サヨコ伝説」にぐいぐい引き込まれます。 ところが、多くの方がご指摘の通り、オチがありません。フランス映画を観たあとと同じ気持ちになります(「海辺のポーリーヌ」とか)。フランス映画はそのあと観客同士の話題提供のため、あえてオチがないそうですが、作者もそれを狙ってのことでしょうか。 どっちにしても読んだあと、あれこれ考えたいという人にはオススメ。しっかりとしたオチがないとイヤだという人はツラい作品かもしれませんね。 | ||||
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ミステリーとか、ファンタジーとか、青春小説とか そういうくくりのなかで読むと、物足りないのかもしれないな、と思います。 それよりも、学生生活についての捉えかたや表現の仕方・・・そういった物語の根本にある部分について、私はとても興味深く読みました。 デビュー作だけあって、全体的なまとまりはないけれども、読んだ後になんとなく心に残る作品です。 | ||||
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犬の出現、沙世子にハーメルンの笛吹き男のように犬を呼ぶ力があるんだと思っていたが、あとになってそんな能力はないことが分かる、とすると、沙世子が少年たちを河原に連れて行くのは不自然、部室の火事に多くの野犬が出てくるのも理解困難。「彼女」である加藤を、自室に居ながら心臓発作を起こさせるほど恐ろしい目に合わせたのは、誰なのか。二番目の小夜子の霊だというのか。読者を怖わがらすことには成功しているが、その恐怖を裏で操作している存在が何なのかがわからない。黒川だけでは説明がつかない。 ホラーを横に置いて、この小説を青春小説として読めば、有名進学高校の最終学年生たちの友情のぶつけあい、恋愛、受験勉強や学園祭での高揚感と喧騒、卒業時の愛惜感など、大人になるための通過儀礼ともいうべき学園生活の最後の一年間が、季節や情景の移り変わりとともに、後の「ネバーランド」や「夜のピクニック」に劣らないぐらい見事に描出されている。 思うことや言うことや行動は大人と似ていても、純粋で、まだ大人の世界の悪に染まっていないところがさわやかで、好感がもてる、その時期が懐かしい。 物語はハッピーエンドで終わったが、何故かマニアルは再製され、鍵も次年度の生徒に渡された。主人公の秋が終わらせたいと思った「小夜子」が、まだ続くことになるだろう。この力は何だろう、黒川の意思だけとは思われない、黒川や沙世子の後ろに何かがいる。それは、謎のまま残った。 | ||||
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